編集部ブログ―池田真也

遊びを通じて広く多くの人に学んでもらうコンテンツ企画&ライティング(B2C)部門グランプリ「THE PLANET ZERO」(日産自動車株式会社)

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遊びを通じて広く多くの人に学んでもらう
コンテンツ企画&ライティング(B2C)部門グランプリ
THE PLANET ZERO」(日産自動車株式会社)

澤田 理代氏
日産自動車株式会社
澤田 理代氏

日産自動車からも、2つの部門グランプリサイトが紹介された。コンテンツ企画&ライティング(B2C)部門グランプリの「THE PLANET ZERO」は、遊びを通じてエネルギーや環境問題について学んでもらう、「Learning can be fun」をコンセプトとした子供向けのサイトだ。近年はエコカーの人気が高まっているが、「電気自動車を売る前に、ゼロエミッション(CO2排出量ゼロ)はどういう意味なのか、電気自動車の良いところはどこなのか、広く多くの方に理解してもらう活動が重要」だと、日産自動車 ゼロエミッション事業本部の澤田理代氏はサイトの目的を話す。

ターゲットを小学生から中学生の子供向けとした理由については、将来の顧客であるのと同時に、環境意識が高く、充電に抵抗がないことから、電気自動車の価値観を受け入れてもらいやすいことが挙げられた。こうした知識を子供から親へと伝えてもらいたい、そうした思いもあるという。

コンセプトに「遊びながら学ぶ」とあるように、「THE PLANET ZERO」ではFlash上でキャラクタを動かしながら、様々なコンテンツを体験していく。ムービーシアターでは、電気自動車などに関係した10種類ほどのアニメを見ることが可能で、さらに詳しい情報を学ぶこともできる。「電気自動車や太陽光発電をキャラクタ化して、より親しみをもってもらう。日産では珍しい活動として海外メディアでも紹介され、車以外の分野でこうしたサイトや現象をつくれたのは珍しいと思う」(澤田氏)

最後に澤田氏は、さらにいろいろな言語で見られるように活動を広げて行きたいと、今後の展開を話し講演を終えた。

講演者インタビュー動画(動画、動画制作/配信技術協力:株式会社Jストリーム

社内スタッフによる取材陣が情報を発信
コンセプト&アーキテクト部門グランプリ
日産自動車グローバルサイト」(日産自動車株式会社)

藤田 憲治氏
日産自動車株式会社
藤田 憲治氏

コンセプト&アーキテクト部門を受賞した「日産自動車グローバルサイト」については、2011年9月に新設された組織4月から組織された「グローバルメディアセンター」の活動とともに、日産自動車 グローバルメディアセンター ウェブマスターの藤田憲治氏から説明された。設立経緯については、日産のブログに詳細動画があるのでそちらも参照してもらいたい。

グローバルメディアセンターには、ライター、ビデオグラファー、フォトグラファー、ウェブ担当、ソーシャルメディア担当など、10名ほどのスタッフが在籍している。スタッフは、組織ができるまでは一般のジャーナリストとして活躍しており、社外に情報発信する役割を担うという。

藤田氏は、グローバルサイトに求められる機能として、グローバルサイトに来た人を導く「ハブ機能」、製品・企業・車についてのコンテンツ「DB機能」、そして「最新ニュース」を挙げた。2012年3月、5月、8月とリニューアルしてきたが、今まで以上にニュースに力を入れていると藤田氏が説明するように、トップページのデザインは、一般的なコーポレートサイトよりも、メディアサイトに近いのが特徴だ。

今まではニュースリリースだけだったものを、社内スタッフの取材レポートやブログによって伝えている。これまで、動画ニュースを外注して作るというのは結構大変だったが、ライターとカメラマンを連れて取材し、自社で動画を作れるようになったことは大きい。メディアセンターを立ち上げたことで、年間100本とか作れるようになった」(藤田氏)

最後に、今後の取り組みとして藤田氏は、日本のチームだけですべての情報をカバーすることは難しいため、日米欧州の3拠点でニュースを共有し、さらに情報量やエリアを拡大していくことを話した。また、今期はニュースにより過ぎていたため、情報を知りたいといった人にも満足してもらえるように改善したいとした。

講演者インタビュー動画(動画、動画制作/配信技術協力:株式会社Jストリーム

社員が実名で情報発信することで生まれる共感
ソーシャルネットワーク部門グランプリ
JAL公式Facebookページ」(日本航空株式会社)

秋山 奈央氏
日本航空株式会社
秋山 奈央氏

ソーシャルネットワーク部門を受賞した日本航空(JAL)からは、Facebookの「JAL公式Facebookページ」をどのように運用し、顧客にどのような情報を伝えようとしているのか、日本航空 マーケティング本部企画推進部 兼 Facebookチームの秋山奈央氏から説明された。旅だけでなく毎日ホームページに来てもらえる「旅と暮らしのバリューWeb」がJALのウェブサイトのコンセプトだ。

JALがFacebookを始めた経緯は、同社の取り組みと大きく関係している。2010年1月に経営破綻を経験したJALだが、当時聞こえてきたのが、顔が見えない、官僚的、もうJALには乗らないといった声だったと、秋山氏は振り返る。毀損したブランドイメージを社員が感じており、ブランドの再構築が課題だった。ブランドイメージ回復のためには、顧客へと歩み寄った双方向コミュニケーションが必要だと、様々なツールの中から選択されたのがFacebookだ。

Facebookの導入プロジェクトチームが立ち上げられたのは2011年1月のこと。JALとして初のソーシャルメディア活用ということもあり、炎上リスクなど、社内からはネガティブな反応もあったが、ガイドラインや緊急連絡網などの整備を行いながら、同年11月に「JAL公式Facebookページ」はオープンした。

運用するうえで心がけたのは、普段利用する人に共感してもらうために「社員が自ら仕事をする姿を発信すること」だと秋山氏は話す。Facebookのコミュニケーションを通じて新生ブランドの浸透を図り、ファンから友人へと共感の連鎖を生み、新しい顧客との関係づくりに取り組みたいと考えた。「JALに遠い方にアテンションするよりも、まずJALに近い方に共感を得ていただき、そこから、JALを選んでいただくことにつながればよいと思います」(秋山氏)

現在の運営は6部署が共同で行っており、毎週の会議で決めたものをチームでまとめ、1日に1~2回投稿するという体制だ。コメントには投稿担当部署で対応する。社員が実名で自身の言葉で伝えるというのも、新生JALとしての顔を見せるために、運営ルールとして決められている。

具体的な運営ノウハウとして、秋山氏は共感を得るための3つの工夫を紹介した。1つは前述のとおり「顔が見える」こと、残り2つは「リアルタイム性」と「オリジナルコンテンツ」だ。たとえば、機内食のエア吉野家を客室乗務員が制服を着て紹介した記事は、5000いいね!が付いて好評だ。他にも、JALホノルルマラソン2011の参加直前の意気込みを発信したところ、深夜ながら多くの人が閲覧した。オリジナルコンテンツという点では、「普段お客様と接しているコミュニケーションをやってください」という方針でスタッフに投稿してもらっていると話した。

運営開始から1年が過ぎ、「JAL公式Facebookページ」のファンは4月時点で50万人を超え、1000以上のいいね!が付く投稿も珍しくない。「お客様のコメントを得たことによって、JALが多くのファンに支えられていることを知った。その期待に応えなければならないと改めて実感した」(秋山氏)。ファンとの交流だけでなく、社内広報的に社員と新生JALの意思共有ができているのではないかと秋山氏は話す。

最後に秋山氏は、今度の課題として、新生JALの姿を引き続き発信して、浸透・深化を進めながらファンと会話すること、ファン同士の交流やアプリ・キャンペーンなどによるファン活性化、意見を改善へと反映させるためのビジネスプロセスなどを挙げた。

講演者インタビュー動画(動画、動画制作/配信技術協力:株式会社Jストリーム

ユーザーが体験をシェアし、共感できる場をつくる
お客様サービス、カスタマーリレーション部門グランプリ
ブラパン(みんなの下着白書)」(株式会社ワコール)

川勝 和美氏
株式会社ワコール
川勝 和美氏

お客様サービス、カスタマーリレーション部門グランプリを受賞したのは、ワコールが運営する下着のユーザーアンケートサイト「ブラパン(みんなの下着白書)」だ。共感を生み出す場を作るためにサイトを始めたと、ワコール 総合企画室広報・宣伝部 WEB・CRM企画課の川勝和美氏が概要を説明した。

現代の購買行動において、友人との共有情報が大きく影響するということ、いわゆるAISASモデルについては、多くのマーケッターが知るところだろう。しかし、下着の話題は友人同士でも話されず、アットコスメや価格ドットコムのような共有サイトもないため、クチコミが発生しづらく、AISASモデル通りにはいかないと川勝氏は話す。それならば、自社で場を提供しようと考えられた企画が「ブラパン」だ。「体験を提供し、共感を生み出す場を作りたい。下着の脳内シェアを高めることで、遠いかもしれないが、ワコールの下着を買っていただけるかもしれない」(川勝氏)

普段話さないことだからこそ、きっと強みになると企画された「ブラパン」では、フリーアンサー形式で様々な質問が掲載されている。たとえば、「着替えの時、他人の下着を見ますか?」といった質問では、75%の人が見ると答えている。「言いかえると、ほとんどの人に下着を見られている。こうした、他愛のないアンケートでも、普段聞けないことが聞けて面白いといった声があります。面白いことに参加してもらいながらエンゲージメントを高めてもらい、最終的にワコールの支援者になってもらいたい」(川勝氏)

アンケート企画のポイントは、「あくまでもユーザーが知りたいことを中心に企画する」ことだ。「どんな色の下着がほしいですか?」といった、メーカーとして聞きたい気持ちがあったとしても、それは本当にユーザーが知りたいことなのか、楽しいことなのかフィルタをかける。サイト運営は、企画、アンケート集計、CMSへの投入まで川勝氏が1人で担当しているため、コストはさほどかかっていないという。参加者の意識調査も行っており、アンケートのネタが切れたときにはヒントになるという。

サイトの改善点としては、フリーアンサーが長すぎて読みづらいという点が指摘された。ただし、アンケートは結果ではなく、フリーアンサーだからこそ面白いため、迷っているという。

当初は、2年ほどでネタがなくなり限界になると考えていたという川勝氏。現在は社内評価も高まり、リリースとして使いたいといった声もあることから、今後は活用の幅を広げていきたいと最後に話した。

講演者インタビュー動画(動画、動画制作/配信技術協力:株式会社Jストリーム

宇宙・天文コンテンツを通じてイメージアップを図る
スチューデント部門グランプリ
三菱電機サイエンスサイト DSPACE」(三菱電機株式会社)

粕谷 俊彦氏
三菱電機株式会社
粕谷 俊彦氏

学生・子供をターゲットにしたサイトを、実際に子供たちが評価するスチューデント部門を受賞したのは、三菱電機の「三菱電機サイエンスサイト DSPACE」だ。2001年12月31日までの1年間、政府主導で開催されたインターネット博覧会、通称「インパク」で公開された「すばる望遠鏡」のサイトが起源で、インパク終了後も宇宙や天文に関心のある人に向け、様々なコンテンツを提供している。

三菱電機と聞くと、多くの人は家電を思い浮かべるだろうが、人工衛星、電波望遠鏡など、日本宇宙産業のトップメーカーでもある。とはいえ、ウェブサイトを通じて何億円もする衛星を買おうという人はいないため、「宇宙・天文ファンの要望に応えながら、宇宙事業に携わる三菱電機のイメージアップを図ることが目的」だと、三菱電機 宣伝部 ウェブサイト統括センター 専任の粕谷俊彦氏は話す。販売目的ではないため、文化や教育のためのサイトになるという。

2001年から続く「DSPACE」では、宇宙開発や天文に関するコラム、公募エッセイ、衛星打ち上げの取材レポートなどの特集コンテンツを提供している。新しいメディアも取り入れており、2009年8月にはTwitterアカウント(@twitDSPACE)を、2011年には三菱電機のエッセンスを伝える「from ME」のFacebookページを開設し、そちらでも情報を発信している。2011年1月の種子島でのロケット打ち上げ取材では、通常は記事だけで終わるところ、5日間の取材をツイートすることで何万というアクセスがあり、リアルタイムで盛り上がったという。「リツイートや返信もあり、つながりができた気がします」(粕谷氏)

サイトのターゲットである中学生と高校生は、「DSPACE」どのように評価をしたのだろうか。粕谷氏は、慶応義塾湘南藤沢中等部と高等部の生徒114名による評価内容を「コメント欄は、どれもびっしりと書かれていて大変ありがたい」と、いくつか紹介した。

良い点としては、写真が美しい、情報が豊富で勉強になるといったコンテンツに関するものから、文字の大小が変えられて良いという、専門的なコメントもあった。改善点としては、文字の量が多い、ごちゃごちゃとしてわかりづらい、小学生には難しいなどだ。また、「DSPACE」でやりたいことを聞くと、日食や星を見るツアーを企画したい、宇宙を題材に4コマ漫画を載せてみたい、という声があった。

全体的に中学生のほうが辛口だった話す粕谷氏は、最後に印象に残ったコメントとして、

ページもよくまとまっていますし、良いサイトだと思う。だから、もっと宣伝してみてはどうだろうか
僕としては、このサイトは僕の望んでいるものなので、今のままだろう

という中学2年生の評価を紹介し、ぜひ三菱電機に入って「DSPACE」をやってもらいたいと話し、フォーラム最後の講演を締めくくった。

講演者インタビュー動画(動画、動画制作/配信技術協力:株式会社Jストリーム

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