チェックインの認知率は11%、Twitterユーザーの約3割はテレビ視聴中にハッシュタグを利用 | ソーシャルメディア白書2012 ハイライト #3
この記事では、一般消費者1万人と企業400社への調査データから、日本のソーシャルメディアの利用実態を明らかにした、書籍『ソーシャルメディア白書2012』のなかから、Web担の読者向けに注目データをピックアップし、全9回にわたってお届けします。
※4/3 17:00訂正。図4グラフの項目がすべて男性となっていたのを修正しました。
- 位置情報チェックインの認知率はわずか11%
- 認知者においてもチェックイン利用は限定的
- スマートフォンだけでなく、フィーチャーフォンからのチェックインも活発
- Twitterユーザーの約3割はハッシュタグを使いテレビの同時視聴を楽しむ
位置情報チェックインの認知率はわずか11%
小売業や外食産業において、昨今注目が集まる位置情報チェックインや同機能を活用したチェックインクーポン。今回の調査から、代表的な位置情報チェックインサービスとして挙げた「facebook places」「mixiチェックイン」「コロプラ」「foursquare」「ロケタッチ」のインターネットユーザーの認知率は、高いものでもわずか11%と現状は低くとどまっていることがわかりました。
サービス別の認知率を見ると、mixiチェックインとコロプラがそれぞれ10%程度で、Facebook Placesは5.4%でした。一部のソーシャルメディアユーザーに人気のfoursquareやロケタッチは、1%未満の認知率にとどまっています(図1:位置情報チェックインサービスの認知率)。
認知者においてもチェックイン利用は限定的
位置情報チェックインサービスの認知層における利用率もまだまだ限定的です。「あなたは、以下の『位置チェックイン』を利用したことがありますか。」という質問に対して、「日常的に利用している」「たまに利用している」と回答したアクティブユーザーは、Facebook Places、mixiチェックイン、コロプラでそれぞれ20~30%程度でした。ただし、foursquareとロケタッチは60%を超えており、ユーザー数は限定的なものの、アクティブユーザー率が高いことがわかります。
比較的認知者数が多いのはFacebook Places、mixiチェックイン、コロプラの3サービスですが、それぞれ約半数が「知っているが利用したことがない」と回答しており、今後のユーザー数拡大には「利用の楽しさ」や「利用メリット」の訴求が必要であることがうかがえます(図2:認知層における位置情報チェックインサービスの利用率)。
スマートフォンだけでなく、フィーチャーフォンからのチェックインも活発
一般的に、位置情報チェックイン機能は、スマートフォン端末からの利用者が多いイメージがあります。しかし、本調査から携帯電話・PHSのからの利用者もほぼ同数であり、いわゆるフィーチャーフォンユーザーもスマートフォンユーザーと同等に位置チェックインサービスを利用していることがわかります。
一方で、位置チェックインに利用するデバイスはサービスによって大きく異なるようです。Facebook Placesとmixiチェックインの利用デバイスを比較すると、Facebook Placesユーザーは2/3がスマートフォンを利用しているのに対し、mixiチェックインユーザーは2/3が携帯電話・PHSを利用していることがわかります(図3:利用デバイスごとの位置情報チェックインサービスの利用率)。
Twitterユーザーの約3割はハッシュタグを使いテレビの同時視聴を楽しむ
一般的に「テレビとTwitterは相性が良い」と言われていますが、その関係を調査するために行った、「あなたは、テレビを見ながらTwitterでハッシュタグを用いてツイートすることがありますか」という質問に対して、「したことがない」と回答したユーザーが71.8%、つまり28.2%が経験したことがあると回答しています(「あまりしない」を含む)。
両メディアのリアルタイム性から、相性が良いとされるテレビとTwitterですが、本調査パネルにおいても、約3割のTwitterユーザーがハッシュタグを利用してタイムラインを見たり、ツイートしたりしながらテレビ番組を視聴していることがわかります(図4:テレビ視聴中のハッシュタグ利用率)。
第3回ハイライトは、チェックインやハッシュタグのような先進的なソーシャルメディア利用について紹介しました。
位置情報サービスの活用やTVなどマスメディアとの連動は昨今、企業からも大きな注目を集めている分野ですが、まだまだ発展途上ということができそうです。
ただし、チェックインについては、データが蓄積される中で利用メリットが明確に提示されれば大きく飛躍を遂げる可能性がありますし、ハッシュタグについても米国のようにテレビ番組やCMが固有のハッシュタグを紹介する、といったことが増えていけば大きく増加するのではないでしょうか。
次回は「ソーシャルメディアにおけるコミュニケーション実態」についてご紹介していきます。
- 調査目的:一般消費者のSNS利用状況の把握
- 調査期間:2011年10月3日(月)~2011年10月10日(月)
- 調査手法:インターネット調査(クロス・マーケティング アンケートモニター)
- 調査対象:全国15~69歳までの男女
- サンプル数:10,715サンプル
10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | |
---|---|---|---|---|---|---|
男性 | 387 | 924 | 1089 | 938 | 1105 | 905 |
女性 | 370 | 886 | 1053 | 928 | 1141 | 989 |
日本では本格的なソーシャルメディアに関連したデータ集が圧倒的に不足しており、提案の現場では海外調査データや簡易的なウェブ調査などが多数引用されている状況である。そこで本書は、消費者や企業のソーシャルメディアの日本での利用実態を多様なデータとともに明らかにする。今後、ソーシャルコマース、ソーシャルCRM、ソーシャルゲームなど、さらにソーシャルメディアは存在感を増していくなか、本当に使えるデータを網羅する!
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コメント
twitterのテレビとハッ
twitterのテレビとハッシュタグの部分の図が両方男性になってますよ。
ありがとうございます
編集部の池田です。
ご指摘ありがとうございます。チェック漏れにて失礼いたしました。
確認したところ、下半分が女性のデータになるそうです。数値には間違いはありません。
記事の図もこれから修正させていただきますね。