ソーシャルメディア白書2012 ハイライト

TwitterとFacebook利用のきっかけ、若年層は友人、年代が高くなるほどメディアが影響 | ソーシャルメディア白書2012 ハイライト #7

一般消費者のTwitterとFacebookの利用状況について紹介
ソーシャルメディア白書2012 ハイライト

この記事では、一般消費者1万人と企業400社への調査データから、日本のソーシャルメディアの利用実態を明らかにした、書籍『ソーシャルメディア白書2012』のなかから、Web担の読者向けに注目データをピックアップし、全9回にわたってお届けします。

この記事で紹介しているデータのハイライト
  • 若い女性の利用も進むTwitterとFacebook
  • 性・年代間で大きく異なる利用のきっかけ
  • ユーザーと企業とのコミュニケーションは発展途上

若い女性の利用も進むTwitterとFacebook

インターネットユーザーのTwitter利用率を性・年代別で比較すると、男女ともに若い年代ほど利用率が高いことがわかります。また、若年層では女性の利用率が男性を上回っており、10代女性では60%弱がTwitterを利用しています(図1)。

図1 インターネットユーザーにおける性・年代別Twitter利用率
図1 インターネットユーザーにおける性・年代別Twitter利用率
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

Facebookの利用率を性・年代別で比較すると、10代では女性の利用率が男性を上回っていることがわかります。しかしながら、Facebookの利用率はTwitterと比べ全体的にまだ低く、最も利用率の高い20代男性でも25.5%にとどまりました(図2)。

図2 インターネットユーザーにおける性・年代別Facebook利用率
図2 インターネットユーザーにおける性・年代別Facebook利用率
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

Twitterユーザーのうち、他のソーシャルメディアを重複利用しているユーザーの割合を見ると、Twitterユーザーの60%以上がBlogも利用しており、両サービスの親和性の高さがうかがえました。また、Twitterと同様に女性若年層の利用率が高いmixiについてもTwitterユーザーの50%以上が利用しています(図3)。

図3 他のソーシャルメディアとの重複利用率(Twitter)
図3 他のソーシャルメディアとの重複利用率(Twitter)
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

一方で、Facebookユーザーについて他のソーシャルメディアとの重複利用状況を見ると、Facebookユーザーの半数以上がBlog、Twitter、mixiのいずれか(あるいは複数)を利用していることがわかります。中でもTwitterはFacebookユーザーの68.6%が利用しており、非常に高い割合となっています(図4)。

図4 他のソーシャルメディアとの重複利用率(Facebook)
図4 他のソーシャルメディアとの重複利用率(Facebook)
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

Twitterユーザーの利用デバイスを見ると、80%のユーザーが自宅のパソコンを使ってTwitterを利用していることがわかります(ただし、この調査はインターネット調査であり、自宅のパソコンで利用しているユーザーの割合が高くなりがちであることには注意が必要です)。それに対してフィーチャーフォンやスマートフォンなどのモバイルデバイスを利用しているユーザーは25%にも達しませんでした(図5)。

図5 利用デバイス(Twitter)
図5 利用デバイス(Twitter)
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

Facebookユーザーの利用デバイスについても、Twitterと同様に80%以上のユーザーが自宅のパソコンを使っていることがわかります(図6、Twitterと同じくインターネット調査であることに注意が必要です)。

また、モバイルデバイスを利用しているユーザーが25%にも満たないこともTwitterと同傾向にあります。ただし、スマートフォンでの利用がフィーチャーフォンでの利用を上回っている点は1つの特徴だといえます(Twitterでは両デバイスの利用率に差はなく、白書内で紹介しているmixiはFacebookとは逆にフィーチャーフォンでの利用がスマートフォンでの利用を上回りました)。

図6 利用デバイス(Facebook)
図6 利用デバイス(Facebook)

性・年代間で大きく異なる利用のきっかけ

Twitterユーザーに利用のきっかけを調査したところ、性・年代で大きく異なることがわかります(図7、図8)。若年層ほど友人経由での利用開始が多く、年代が高くなるほどテレビや雑誌、Webニュースなどメディアの影響を受けて利用を開始したユーザーの割合が高くなっています。男女間でも異なる傾向が見られ、男性はWebニュースの影響が大きく、女性は友人および芸能人や著名人の影響でTwitterの利用を開始したユーザーが多いことがわかります。

図7 Twitter利用のきっかけ(男性)
図7 Twitter利用のきっかけ(男性) ※グラフは原著まま
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.
図8 Twitter利用のきっかけ(女性)
図8 Twitter利用のきっかけ(女性) ※グラフは原著まま
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

Facebookユーザーが利用を開始したきっかけも同じく男女で大きく異なっています(図9、図10)。男性は年代によっても傾向が異なっており、若年層では友人経由で利用を開始したユーザーの割合が高く、年代が高くなるほどメディアの影響を受けて利用を開始したユーザーの割合が高くなっています。一方で、女性は年代を問わず「友人がやっていて興味を持ったから」「友人に薦められたから」という友人経由のきっかけでFacebookの利用を開始したユーザーが多いことがわかります。

図9 Facebook利用のきっかけ(男性)
図9 Facebook利用のきっかけ(男性) ※グラフは原著まま
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.
図10 Facebook利用のきっかけ(女性)
図10 Facebook利用のきっかけ(女性) ※グラフは原著まま
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

ユーザーと企業とのコミュニケーションは発展途上

Twitterユーザーの企業公式アカウントフォロー状況を見ると、66.2%のユーザーが企業公式アカウントをまったくフォローしていないことがわかります(図11)。

図11 Twitter公式アカウントフォロー数(利用頻度別)
図11 Twitter公式アカウントフォロー数(利用頻度別)
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

第6回でも紹介したように、フォローしている企業アカウント数は、Twitterの利用頻度が高いユーザーほど多くなり、1日に5回以上Twitterを利用している超アクティブユーザーでは約20%が4個以上のアカウントをフォローしています。

一方、4個以上の企業アカウントをフォローするユーザーは、週に1回以上Twitterを利用しているアクティブユーザーでは約10%に、週に1回以下の一般ユーザーにいたっては5%未満にまで下がることから、利用頻度の高いユーザーほど企業やブランドとのコミュニケーションに積極的であることがうかがえます。

それに対してFacebookユーザーの企業ページフォロー状況を見ると、企業ページをまったくフォローしていないユーザーはTwitterよりも約10ポイント高く75.9%に達することがわかります(図12)。

図12 Facebookページフォロー数(利用頻度別)
図12 Facebookページフォロー数(利用頻度別)
『ソーシャルメディア白書2012』(翔泳社)(c)2012 Tribal Media House, Inc. & Cross Marketing Inc.

また、Twitterと同様、企業ページのフォロー数はFacebookの利用頻度が高いユーザーほど多くなり、1日に5回以上Facebookを利用している超アクティブユーザーのうち、4個以上のアカウントをフォローしているユーザーは12.3%となっています。

一方、4個以上の企業アカウントをフォローするユーザーは、週に1回以上Facebookを利用しているアクティブユーザーで5.5%に、週に1回以下の一般ユーザーにいたっては2.6%にまで下がります。

◇◇◇

ソーシャルメディア白書2012からのデータ紹介、第7回は「Twitter、Facebookそれぞれのユーザーの利用実態」を比較しました。

TwitterとFacebookを利用するユーザーのサービス浸透度や企業とのコミュニケーション状況をみると、Facebookよりも早く注目を浴びたTwitterに一日の長があるようです。このようなTwitterがFacebookを先行するという現象は、世界的にも稀なケースですが、それだけTwitterが日本では受け入れられているといえるのではないでしょうか。

ただ現状では似たような形で利用されていることが多いTwitterとFacebookですが、利用のきっかけに「芸能人や著名人」の影響が挙がったTwitterと、友人が大きな影響力を発揮しているFacebookは利用方法が本質的には異なるサービスであり(Twitterは情報ネットワーク、Facebookはソーシャルネットワークを自称している)、今後はすみ分けが進んでいくものと思われます。

次回は「企業におけるソーシャルメディア活用の現状」についてご紹介していきます。

調査概要:一般消費者編
  • 調査目的:一般消費者のSNS利用状況の把握
  • 調査期間:2011年10月3日(月)~2011年10月10日(月)
  • 調査手法:インターネット調査(クロス・マーケティング アンケートモニター)
  • 調査対象:全国15~69歳までの男女
  • サンプル数:10,715サンプル
回収サンプル数
10代20代30代40代50代60代
男性38792410899381105905
女性37088610539281141989
『ソーシャルメディア白書2012』
ソーシャルメディア白書2012 ハイライト
著:株式会社トライバルメディアハウス、株式会社クロス・マーケティング
出版社:翔泳社
定価:9,800円+税

日本では本格的なソーシャルメディアに関連したデータ集が圧倒的に不足しており、提案の現場では海外調査データや簡易的なウェブ調査などが多数引用されている状況である。そこで本書は、消費者や企業のソーシャルメディアの日本での利用実態を多様なデータとともに明らかにする。今後、ソーシャルコマース、ソーシャルCRM、ソーシャルゲームなど、さらにソーシャルメディアは存在感を増していくなか、本当に使えるデータを網羅する!

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