「としまえん」をエキスパートチェック
「としまえん」をエキスパートチェック
続いて「としまえん」で「プール」のページに行ってみよう(下の図6)。
調べたいのは営業日時や料金なので、左上の「入場料・営業案内」(赤枠で囲んだ部分)をクリックしてのページへ移動する(下の図7)。
特に迷うこともない。あと調べるものとしては、同時期に行っているイベントがないかという点なので、グローバルナビゲーションから「イベント」(図7の赤枠で囲んだ部分)をクリックしてみる。
4つの項目がある。それぞれが1つのイベントで、全体でも多くのイベントが開催されているわけではなさそうなので、ここはシンプルに1ページにまとめてしまってもよいと感じたが、他の第2階層のページの作りから考えると、ナビゲーションの仕方はこのままで統一しておいた方がよいだろう。ただ、「よみうりランド」のトップページのように、現在開催しているイベントや、あるいはプールに行く日に開催するイベントが一覧でわかるようになっている方が調べる人の立場に立っていると言えよう。
今回のまとめ&アクセス解析でどこに着目するか?
今回は、どちらのサイトもシンプルで、シナリオもやさしいので、特に問題もなく課題をこなすことができた。最後に、アクセス解析的にはどういうところに着目して数字を見たらよいかについて述べる。
- トップページの目線
ヒートマップやクリックマップを提供するツールを利用し、トップページでどこにユーザーの目が行っているのかというのと同時に、どこがクリックされているのかを知りたい。「としまえん」の方は、けっこう目線がゆれて定まらないのではないだろうか。
- Flashコンテンツのスキップ率
「よみうりランド」の「プール」のページでは、最初にFlash動画で水着のお姉さんが表示されるのだが、[戻る]ボタンでこのページに戻ったときも、最初から繰り返して表示される。ユーザーにとってはこの動画は必要ないと思うので、このFlashのスキップボタンがどれだけ押されているのかを計測できるようにしておきたい。そもそもこのスキップボタンがあること自体、ユーザーが嫌がることをわかっている上での言い訳みたいなものだ。不必要なFlash動画は少なくなっていくとは思う。
- 人気コンテンツへのリンク
よく見られている人気コンテンツを調べて、トップページから人気ページへのリンクや配置を考えたい。たとえば園内のガイドや地図は、人気コンテンツではないかと予想されるが、この園内ガイドや地図へのリンクは、「よみうりランド」であればグローバルナビゲーションの「ガイドマップ」、「としまえん」であれば、右上の「園内MAP」というリンクしかない。しかし、ユーザーのニーズを考えたとき、園内ガイドや地図へのリンクは、これだけで本当に十分なのだろうか?グローバルナビゲーションや検索窓やサイトマップがよく配置されているページ右上のエリアは、意外と盲点だったりするので、別の場所にも配置するといった工夫が必要なのではないだろうか。
◇◇◇
今回は、ユーザーに小学校6年生を想定して遊園地のサイトを見てきた。自分が小学6年生になりきって閲覧してみるのもいいが、もしお子さんをお持ちの方であれば、実際にお子さんがどのようにWebサイトを閲覧しているかを、後ろから眺めてみてはどうだろうか? 「遊園地のプールはいつだったら空いてるの?」「何時からやってるの?」とか話しかけてタスクを与えて、後ろから観察すれば、これは1つの立派なユーザビリティテストになる。さらにその様子をこっそり動画撮影しておけば、職場で共有することもできる。そこまでやるようになれば、あなたも立派なアクセス解析オタクだ(笑)。
さて、この連載では、
- Webサイトのオーナーか管理者の方からの「かってに解析」してほしいリクエスト
- 「かってに解析」されたサイト運営者・管理者の方からの異論や反論
などを随時募集している。希望者は、(web-tan@impressrd.jp)までお寄せいただきたい。
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