Web標準ブラウザの登場にともなうSVGのススメ
Web標準ブラウザの登場にともなうSVGのススメ
W3CでSVGの研究を行うDoug Schepers(ダグ・シェパーズ)氏は、Web標準が叫ばれる今日のグラフィック形式としてSVGを紹介した。
SVGはGoogleマップなどにも利用されているベクターグラフィックの画像フォーマットの1つで、XML形式で記述されるテキストデータのため、HTMLとの相性も良く汎用性が高い。現在Wikipediaでは、写真やアニメーション意外は原則としてSVG形式でのアップロードを推奨している。
一方、ベクターグラフィックと対比されるものがラスターグラフィックである。ドットの集まりからなる画像で、コンテンツの再利用には適しているものの拡大するとどうしてもドットの荒さが目立ってしまう。JPEG、GIF、PNGといった現在使用されている画像フォーマットの多くはラスターグラフィックである。
SVGは以前から存在した技術であるが、当時ブラウザシェアの大部分を占めていたIEでサポートされていなかったこともあり、まだまだ普及には至っていない。また、ラスターグラフィックのような一枚絵とは異なるため、レンダリングに際してブラウザに不可がかかるのも確かである。ただし、ブラウザの処理能力が向上したいま、これからの普及に期待したいとして講演を終えた。
Webサイト上での情報データの可視化
Mike Migurski(マイク・ミジャースキー)氏による、Web上の情報データの可視化に関するセッションで初日のカンファレンスは最後となる。
マイク氏は過去自身が手掛けたサイトを例に挙げ、Web上での情報データを扱う際は、Live(情報の新しさ)、Vast(情報の範囲の広さ)、そしてDeep(情報の深さ)の3つが重要な要素だとのべた。特に、データをライブでビジュアル化する取り組みには多くのユーザーが興味を抱いていたと語る。
また、情報の範囲については不動産業界を例に挙げた説明を行った。物件情報に建設時期や価格という情報を付加することにより、月日の経過と共にその街のどの部分が発展してきたか(家が建てられてきたか)が一目でわかるようになる。また、家を購入しようとしたときにも、希望の価格帯に該当する物件が地図上に表示されるといった仕組みだ。これらはすでに一般的な機能になりつつあるが、いかにして膨大なデータをわかりやすく可視化し、提供するかが重要であるとした。
一覧性をもたせつつも、そこからシームレスにある特定の情報を搾り出すというのはなかなか難しい。今後も様々な機能を充実させ、試行錯誤を行っていくことが課題となるだろう。
- Web Directions East
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