「アポロニウスの問題」を解くのに反転幾何を利用する | Insight for WebAnalytics

Insight for WebAnalytics - 2025年8月24日(日) 09:56
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本ページ群は、「「アポロニウスの問題」をコンパスと定規だけで作図する方法を、10種類の全て丁寧に解説するの続編だ。いきなりこのページに訪れた方は、まず先にそちらを読破し、「アポロニウスの問題」についてしっかり理解をして頂いた上で、読み進めて頂きたい。

・何故反転幾何なのか
様々な幾何の問題を解くときに、「反転幾何」の仕組を知っていると、別の簡易な問題に変換させてそれを証明すればよい、といった利用方法で活躍することがある。「アポロニウスの問題」を解くのにも反転幾何を使えるという話を聞いたので、まずは「反転幾何」とは何かを調べ、その次に実際に「アポロニウスの問題」を解くのに、その反転幾何をどう使いこなすのかを探ってみた。なお使う「反転幾何」については、中学幾何の知識の延長線上で理解できる範囲(数式も一切出てこないのでご安心あれ)しか扱わない。また厳密な証明のような議論は省くので、細かい部分では不正確な記述があることはご容赦願いたい。

実際筆者が「アポロニウスの問題」の10種類の問題で、反転幾何によって解けたと言えたのは、筆者の能力不足か「CPP」「CLP」「CCP」の3つだけだった(反転幾何を利用することで解く方法は別のページでそれぞれ示す)。しかも手順数は反転幾何を利用しない場合よりも多かった。なるほどそう解くのか感心に思う反面で、ちょっと捻り過ぎ(凝り過ぎ)じゃないかとも思った次第だ。だが、それも「アポロニウスの問題」に限って言えば、ということになるだろう。

・反転変換について
「反転」とは、平面上の点を別の点に移す変換のこと。そのために使う円のことを「反転円」あるいは「基準円」などと呼ぶ。その円Oの中心を点O、半径は r としておこう。この円Oによる「反転」を以下のように定義する。

『反転により点Pは、半直線OP上の点で、OP×OP′=r^2 (rの2乗)を満たす点P′に移る』

定義から分かると思うが、反転円上の点Qは反転変換しても動かないのはわかるだろう。OP×OP′=r^2=r ×r =OQ×OQ' なら、半直線OQ上の点で r =OQ'なのでQ=Q’でしかないからだ。

幾つか言葉の定義を加えておく。点Oを反転の中心、r を反転半径、P'のことを反転円Oによる点Pの逆点という。またある点の反転を2度繰り返せば、P→P'→Pとなることから元に戻ることも分かるだろう。

そして、「直線」は点の集合体なので、ある直線を「反転」することもできるし、「円」などの図形も丸ごと「反転」することができる。反転で図形Aが図形A'に移るとき、図形A'を反転による図形Aの反形という。

なお、点O自身の反転変換先はP=Oになるので「OP×OP′=r^2」の定義では決められないことが分かるだろう。Pを反転の中心Oに無限に近づけていくと、P' は無限に遠い点に移ることになるので、特別な場合として「無限遠点」にうつされる「アポロニウスの問題」を解く場合に、これを利用することになる。

・図形はどのように反転されるか
別のページで作図方法と共に詳しく解説するが、反転によって直線や円はどのように反転変換されるかと言うと、

  1. 原点を通る直線は原点を通る直線にうつる
  2. 原点を通らない直線は原点を通る円にうつる
  3. 原点を通る円は原点を通らない直線にうつる
  4. 原点を通らない円は原点を通らない円にうつる
どうしてこのようになるのか、代数学的に理解したい(証明して欲しい)方は、外部のページ「反転にまつわる軌跡の有名問題」を参照して頂ければ、納得できるだろう。

・反転の性質①反転によって接する、接しないという状況は変わらない

円と円または円と直線が接するというのは共有点が1つということ。反転は一対一対応なので2つの図形の共有点の数は反転後も変わらない。つまり「円と円が接している」といった状態の時に、その「反形」同士も接しているという状態を維持するのだ。反転後の図形の作図法は別途紹介するが、下図の通り「反形」同士も接しているだ。

そして「円と円が接している」状態よりも「円と直線が接している」方が、幾何学では扱いやすいことが多い。つまり、2円がある場合、反転によって一方の円を直線に移し,反転後の世界で取り扱いやすい「円と直線」の接している状態で問題を解くと楽になるのだ。アポロニウスの問題を解く上でメリットになりそうなことが分かるだろう。

反転の性質②反転円と直交する円は反転によって変わらない
アポロニウスの問題を解く上で、何かの操作を行っても変わらない点や変わらない図形はメリットになる。つまり不動点や不動円などがあると便利だ。すでに不動点については、上の「反転変換について」の節で、反転円上の点Qは不動点であるという話をしてある。

そして反転円に直交する円の反形は、その円自身であるので、反転しても動かない不動図形になる。証明は一部だが、以下の図で納得して頂きたい。

反転の性質③直線や円が交わる角度は反転変換で変わらない
また反転変換では角度を保つ性質もあるので、例えば直交する線を反転すれば、下図の通り直交する円となる。

アポロニウスの問題では相似形を扱うことも多く、具体例は思いつかなかったが、角度が変わらなければ、相似関係が不変であることも重要そうだ。また上の二つ(直交する図形同士/接する図形同士を反転しても、その関係は同じである)は、その一例とも言える。

・参考文献

・関連ページの読み進め方
下記リンクを上から順番に読んでいって欲しい。

・「アポロニウスの問題」を解くのに反転幾何を利用する(このページ自身)
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