アスクルは2021年10月から、カスケード型発注への切り替えをめざした実証実験を実施している。
カスケード型発注は、消費者からの注文予測量をベースとしたアスクルからの商品発注量、納品希望日にサプライヤーの納品が困難な場合、当該商品を別のサプライヤーへ自動的に発注(カスケード発注)するプロセスのこと。
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カスケード型発注について
出荷頻度が低い商品への注文が在庫数量以上だった場合、品切れによる販売機会のロスが発生する。販売機会ロス低減のため、順次対象商品や対象センターを拡大、カスケード型発注の本格運用に向け商品発注プロセスの高度化に取り組む。
Amazonも複数のサプライヤーへ見積もりを行い、最も安い価格を提示した業者から仕入れ行い、そのサプライヤーの在庫がなくなった場合は、次に安く提示したサプライヤーから商品を買い取る、カスケード型発注を行っているとされる。
まず2021年10月、OAPC用品の一部から「ASKUL Logi PARK 横浜」での実証実験を開始。翌11月には子会社のアスクルロジストが運営する物流センター「DCM センター」(東京都江東区青海)へと検証範囲を拡大した。
2022年の本格運用に向けて、課題要件の洗い出しやシステム対応の検討を進めている。対象商品は約500アイテム。
アスクルは2025年5月期までの中期経営計画で、ロングテール品の在庫化を進めて売上高を拡大することを成長戦略の1つとして位置付ける。
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アスクルのハイブリッド商品戦略(アスクルの中期経営計画からキャプチャ)
専門商材の占める割合が多く販売数量が多くないロングテール品は、ヘッド商品と比較すると需要変動を起因とした品切れによる販売機会ロスがあり、品切れ解消に向けてさまざまな施策を重ねてきたが十分な改善には至っていなかった。
カスケード型発注の導入は、販売機会ロスに関する課題を根本的に解決するのが目的。すべく実証実験を開始し、順次検証を進めていく。
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アスクルが取り組むプラットフォーム改革の全体像(アスクルの中期経営計画からキャプチャ)
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オリジナル記事:ロングテール品の在庫化で販売機会ロス低減をめざすアスクルのカスケード型発注。Amazonも採用する仕入れの仕組みとは?
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