Google(グーグル)は公式ブログ「Think with Google」で、2020年のEC市場について分析した結果を発表した。
2020年2月以前と以降を比較したところ、2020年2月以降のEC利用率は3ポイント増にとどまっており、市場規模拡大の要因は新規利用者数の増加ではなく、既存利用者の購買行動が活性化したためとしている。
EC利用率について
ECの利用率は2020年3~5月に10ポイント以上上昇したが、10~12月にかけて横ばいで高止まり。一方、「購入者あたりの利用金額」は2020年10~12月に大きく上昇。同様に、平均利用回数と1回あたりの購入金額も2020年10~12月に最も高くなっている。
実店舗での購買が減少したことで、まずはECの間口が広がり全体の利用率が増加した。ただ、感染が比較的落ち着いた2020年10~12月の市場の伸長を支えたのは、1人あたりの購入頻度や金額の増加によるところが大きいと考えられる。
利用率や平均利用回数などの推移
既存のEC利用者を1か月のEC平均利用金額に応じて3つに分類。2万円を超える人を「ヘビー層」、6000円以上~2万円以内を「ミドル層」、6000円未満を「ライト層」と定義した。
2020年前半の3~5月には、ライト層の消費が活発化。外出と営業の自粛要請により実店舗での購買が減少したことが、全体のEC利用率の上昇につながったと考えられる。
一方、比較的状況が落ち着いた2020年10~12月には、ヘビー層を中心として購入頻度と1回あたりの単価が伸長。既存利用者の消費行動はECに偏重したと見られる。
3分類ごとのEC利用と購入金額
既存利用者の約8割がECに対してよりポジティブな意識を持つようになった。また全体の6割以上が「感染拡大が収まっても、なるべくオンラインショッピングで済ませたい」と回答しており、ライト層に限っても59.3%が同様の回答をしている。
既存利用者はECの利便性として、「店舗に出向く必要がない」「自宅まで運んでくれる」「店員と対面しなくてもよい」「24時間購入できる」を高く評価。このうち「店舗に出向く必要がない」「店員と対面しなくてもよい」の2つは、外出自粛や感染予防のためのソーシャルディスタンスなど、社会情勢を受けて重要視されるようになった項目だ。
対して、「自宅まで運んでくれる」「24時間購入できる」の2つは、オンラインショッピングが持つ本来的な価値であり、直接的に感染拡大に起因するものではない。この本来的な価値を認識した人は、感染拡大が収まった後も、後戻りすることなくECの活用を続けると考えられる。
ECの利便性について
一方、オンラインでの買い物で不満を感じるポイントも明らかとなった。「実際に商品を確認できない」という根本的な問題もあるが、「商品代金とは別に送料がかかってしまう」「返品や交換などトラブルへの対応が面倒」「偽物/フェイク品の不安」「個人情報流出の懸念」など、事業者側の対応によって解消できるものも多くあがっている。
ECに関する不満
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:コロナ禍のEC拡大は既存ユーザーの購買回数&単価の増加が要因。ECへの不満は「代金とは別に送料がかかる」【Google調査】
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