「サードウェーブ(第3の波)」と言えばコーヒーを思い浮かべる方も多いと思います。コーヒーにおける「ファーストウェーブ」は、それまで日本になじみのなかったコーヒーが、流通網の発達やインスタントコーヒーの登場で身近になったこと。「セカンドウェーブ」は、スターバックスがなどシアトル系コーヒーショップの登場。「サードウェーブ」は2年前に日本に上陸したブルーボトルコーヒーをはじめとする、生産地や流通過程にもこだわったコーヒーを指します。
今回はコーヒーの話……ではなく、BtoB ECの変遷やサードウェーブによる商機などについてお話したいと思います。
BtoB ECのファーストウェーブとは?
BtoB ECにおけるファーストウェーブの代表格としては、オフィス用品の通販「アスクル」や、工具通販のネットストア「モノタロウ」があげられます。インターネット上で法人や事業者を対象とした通信販売で、BtoBでありながら、商品の価格や納期をネット上でオープンにして通販するビジネスモデルです。
BtoC ECとの区別がわかりにくいかもしれませんが、請求書での支払いに対応していることや、商品を受け取った後は職場で使用する消耗品が商材の中心であることが特徴です。
アスクルは1997年に、モノタロウは2000年から事業を続けています。サービス開始年から見ても、この領域を切り拓いてきたイノベーターだと言えるでしょう。
BtoB ECのセカンドウェーブとは?
BtoB ECにおけるセカンドウェーブは、ラクーンが運営する「スーパーデリバリー」や、オークファンの子会社SynaBizが運営する「NETSEA」をはじめとした、マーケットプレイス(モール)型の卸売りのビジネスモデルです。取引先によって販売価格が異なるという、卸売り特有の商習慣をシステムに落とし込んでいます。
BtoBにおいてはネット販売そのものが軽視されていたことがあり、通常業務と兼務で運営されることがよくあります。しかし、インターネットを通して新しい販路が広がり、売上が徐々に上がると、本格的に人員を増やす企業が増えていきました。
BtoB ECのサードウェーブとは?
そして、BtoB ECにおけるサードウェーブ。これまでと異なる部分は、「BカートASP」のように、ECサイトを自社の業務フローの中に組み込んで運営することです。
電話やFAXで行っていた受注をECに変更したり、ルートセールスなど対面営業しか手段を持たなかった企業がECからも注文を受けたりすることで、業務効率が格段に上がり、1人あたりの労働生産性がアップします。
また、インターネットを通して新規クライアントの獲得チャンスが増えるので、販売チャネルが拡大することなどがメリットとしてあげられます。
その他には、これだけECが普通になってきているので「御社もネットで注文できるようにならないの?」と取引先から依頼を受けたり、「競合他社がBtoB ECを始めたから弊社もやらなければ……」といった導入理由もあります。またBtoC EC企業が、次の一手としてBtoB ECを始めるケースもあります。
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十年ひと昔と言いますが、IT技術の進化で世の中のスピードは格段に速くなっています。BtoB ECに関する「当たり前」も、目まぐるしく変化していると感じます。気が付けば「BtoB ECは取り組んでいて当然」という世の中になっているかもしれません。
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オリジナル記事:BtoB ECの「サードウェーブ(第3の波)」は新たな商機になる? | 鵜飼智史のBtoB-EC早わかり講座
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