アフィリエイターへのアピールや情報提供のコツをお伝えしてきましたが、新たなアフィリエイターとの関係性は、展示会や体験会といったリアルの場でなくても作れます。今回は「個別リクルーティング」についてご紹介します。
リクルーティングが効果的なケースとは?
アフィリエイター向けキャンペーンは、自社のプログラムがアフィリエイト広告を運用していることに気付いてもらい、紹介を促すために行います。
ただ、こちらは「成果の上げやすいキャンペーンを実施しているので、よかったら弊社と提携してください!」と呼びかけ、手をあげてくれるアフィリエイターを待つ方法です。また、アフィリエイトサイトに訪れるユーザー層と自社商品がマッチしていなければ、バナーやテキスト広告を掲載してもらっても、すぐに販売に結びつ付くわけではありません。
できることなら自社製品と相性が良さそうな、親和性の高いサイトを運営しているアフィリエイターに掲載してもらいたいものです。そのためにはリクルーティングが効果的です。
アフィリエイターのリクルーティングとは?
リクルーティングとは、掲載見込みが高く自社製品と親和性の高いアフィリエイトサイトを運営しているアフィリエイターに、「弊社の商品をご紹介していただけませんか?」と依頼することです。
ASPにより運用ルールが異なりますが、リクルーティングの方法は主に3つあります。
- ASPの管理画面内の機能を使ってリクルーティングする
- ASP担当者から掲載依頼をしてもらう
- 広告主が直接、個別にアフィリエイターにリクルーティングをする
今回は、1.と2.についてお伝えします。
1.ASP管理画面内の機能を使ってリクルーティングする
広告主管理画面から未提携のアフィリエイターにメールで自社のプログラムを紹介し、「よろしければ弊社の商品をぜひご紹介ください」とご案内する方法です。
一部のASPでは広告主側からの直接連絡を制限していますが、リンクシェア・ジャパンやA8.netなどでは、未提携のアフィリエイターに対してメールを送る機能が実装されています。
無料での利用、有料での対応など、ASPによりさまざまなルールがあるので、これから新規でASPと契約する場合は、できる限り自由度が高いリクルーティング機能を持ったASPを選択することをお勧めします。
「リクルーティング機能が充実しているか」「無料でどこまで対応してもらえるか」「自由度が高く、リクルーティングを行えるか」といったことも、アフィリエイト運用で重要な条件です。
2.ASP担当者から掲載依頼をしてもらう
大手法人アフィリエイトサイトや、自社と近しいカテゴリーを紹介している個人アフィリエイターに対し、「この広告主を紹介してください」とASP担当者に掲載依頼をしてもらう方法です。一部のASPで積極的に行っている施策です。
①法人サイトの場合
ポイントサイトを中心とした大手法人アフィリエイトサイトについては、基本的にASP担当者からの取り次ぎが中心となります。担当者に「弊社と近い商材の広告主を掲載している、大手法人アフィリエイトサイト(ポイントサイト)を紹介してほしい」と依頼をしてみましょう。
ただし以前もお伝えしましたが、大手法人アフィリエイトサイトは媒体ごとに掲載基準があり、商品の知名度やブランドなどで掲載を断られてしまう場合もあります。
また、成果報酬以外にも初期費用や月額固定費が発生したり、個別の報酬アップキャンペーンの実施などが掲載条件になったりする場合があります。
法人アフィリエイトサイトとの提携を積極的に行っていないASPもあるため、広告主側が掲載をしてみたいと思っても、ASPによっては掲載依頼そのものができない場合もあります。まずは利用しているASPが、大手法人アフィリエイトサイトへの掲載依頼が可能なのか確認をしてみましょう。
②個人サイトの場合
カテゴリーや得意分野が自社商品と合いそうな個人アフィリエイターへ、ASPから掲載依頼をしてもらう方法です。こちらも法人サイトと同様、個別の特別報酬や固定費の提供など「掲載することで得られるメリット」を、「特別感のある具体的な提案」とあわせて依頼することが多いようです。未提携の場合はまずは提携のお願い、提携済みの場合は掲載の依頼、すでに掲載済みの場合は露出を強化してもらえるよう、アフィリエイターに対して提案します。
もちろん、商品や知名度によっては特別な条件がなくても掲載を進めることは可能ですが、できればお土産として提案は用意したいものです。
また成果報酬以外にも、スキンケア商品やお取り寄せグルメなどでは、商品を提供して体験レビューを書いてもらうといった取り組みも可能です。実際にアフィリエイターに商品の使用感を体験してもらうことで、より詳細な商品紹介記事の掲載につなげます。
もちろんやり過ぎは禁物。アフィリエイターに対して同業他社より有利に掲載してもらいたいがために、不当に良く見せるように依頼することはできません。
ASP任せにせず、自分でもサイトを確認しよう
ASPにアフィリエイターとの取り次ぎを依頼する場合は、広告主から特に掲載をしてほしいサイト名やカテゴリーを具体的にあげて依頼する方法と、ASP担当者にリクルーティング用のリスト作成をしてもらって掲載依頼する方法があります。
後者の場合もすべてお任せにするのではなく、掲載依頼をするアフィリエイトサイトを確認し、どのような紹介をしているのか、実際に自分でサイトを見て確認することをお勧めします。
ASPのリストは大まかなカテゴリーや過去の実績、取扱商品……といった条件で大元のリストから抽出していることが多く、1つひとつ細かく確認して提案してくれるとは限りません。
おすすめと言われて提携したものの、フタを開けてみたら「まったく自社の商品とマッチしていなかった」「商標リスティングを禁止しているのに、リスティング経由の集客しかないサイトに特別報酬の提案をされていた」といったミスマッチが起こる可能性もゼロではありません。自分で確認することで、ミスマッチを防ぐことができます。
また、「掲載1件につき●●円」「今回のリクルーティング費として●●円」といった形で、アフィリエイターに支払う成果報酬や固定費以外に、ASPに対して別途費用が発生する場合があります。リクルーティングを依頼する前に、事前に確認をしておきましょう。
待っているだけでは進まない
ASPに掲載依頼をするリクルーティングは、一見とても効率が良いように見えますが、掲載依頼をしたアフィリエイターから「こんな商品は売れないよ」「ニーズがないよ」と率直な意見をもらうこともあります。その場合は、いくら広告主からコミュニケーションをとろうとしても掲載まで進むことはありません。
アフィリエイターは売れない商品を紹介するよりも、売れている、または売りやすい商品を紹介するのが得意です。
「テレビで紹介されて話題になった」「新聞や雑誌に掲載された」「アフィリエイト以外の広告も活用してキャンペーンをしている」「商品をリニューアルした」「セール、福袋の販売を開始した」といった、アフィリエイターにとって紹介しやすい状態で提案したり、売りやすい企画をしたりといったことが大切です。
そして何より、窓口となるASP担当者に対して、広告主側から働きかけをすることが重要です。
ASPの営業担当者は複数のクライアントを抱えていることが多いので、「問い合わせがあった場合にしか対応してもらえない」「積極的に動いてもらえない」「優先順位を上げてもらえない」といったこともあります。
積極的に紹介してもらうためには、ASPに対して待ちの姿勢ではなく、アフィリエイターにとって紹介しやすく売りやすい状態で、具体的なサイト名を出して交渉をしてみましょう。
◇◇◇
それでもなかなか掲載が進まないという場合は、3つ目の方法をとります。次回は、広告主側で行う個別リクルーティングの方法をお伝えします。
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オリジナル記事:アフィリエイターを増やして掲載の輪を広げる「リクルーティング」のポイント | アフィリエイトの効果が出ていないEC事業者のためのアフィリエイト再入門講座
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