不当表示による売り上げは没収! 知らないと痛い目にあう景品表示法の「課徴金制度」 | 健康・美容業界の今を知る! | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2016年4月20日(水) 08:00
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健康食品や化粧品にかかわる法律、規制などについてわかりやすく噛み砕いて紹介(連載第22回)

2016年4月1日から、景品表示法に課徴金制度が導入されました。制度は知っていても、課徴金って何? 課徴金の対象になってしまうとどうなるの? など、他の人には聞けない素朴な疑問をまとめてみました。

Q1 課徴金って何? 罰金と何が違うの?

A:景品表示法には刑事罰として罰金の概念があります。措置命令に従わない場合、2年以下の懲役又は300万円以下(法人は3億円以下の罰金が科せられる)とされています。

今回の課徴金は罰金とは異なり、行政庁が法律に違反することで不当に利益を得た法人・個人から、その利益を没収する(金銭的不利益を科す)処分のことです。ちなみに、課徴金の金額は、課徴金対象期間における対象商品・役務の売上額の3%とされています。

極端な言い方をすれば、措置命令に正しく従えば罰金を免れる事ができるのに対し、課徴金は「不当表示をした事実があれば支払わなければならない」性質を持つものです。

Q2 不当表示を含む広告がある場合、「2016年3月末日までに見直せば間に合う」と指摘されたけど……?

A:「2016年3月末日までに見直せば間に合う」という話の起因は、“課徴金が2016年4月1日から施行”だったことによるものと考えられます。なぜならば、2016年4月1日より前の不当表示(※1)に関しては、課徴金が科せられないためです。

ただし、措置命令は2016年4月1日より前から行われているものであり“除斥期間”(※2)という概念がありません。よって、2016年4月1日より前の広告において不当表示が確認された場合、課徴金対象外ではありますが、措置命令を受ける可能性は残っています。単に「間に合う」ではなく「課徴金については間に合う」が正しいものと言えるでしょう。

※1:不当表示……景品表示法でいう「不当表示」とは、優良誤認・有利誤認・内閣総理大臣が告示した不当表示(商品の原産国に関する不当な表示、無果汁の清涼飲料水等についての表示、消費者信用の融資費用に関する不当な表示、おとり広告に関する表示、不動産のおとり広告に関する表示、有料老人ホームに関する不当な表示)を指します。ただし、課徴金については優良誤認・有利誤認のみが対象行為となります。

※2:除斥期間……一定の時間の経過によって権利を消滅させる制度のことです。課徴金には5年という除斥期間が設けられていますが(課徴金対象行為をやめた日から5年が経過した場合、課徴金を課せられることは無くなります)、措置命令には設けられていません。ですので、理論上、過去の不当表示について遡ろうと思えばいつまでも遡ることができ、措置命令を受けてしまう可能性があります。

Q3 2016年4月1日をまたいで行われた不当表示に課徴金は科せられるの?

A:課徴金対象行為(不当表示の内、内閣総理大臣が告示した不当表示を除く)が法施行日である2016年4月1日をまたぐ場合には、施行日以降の期間が対象となります。2016年3月31日以前分の課徴金対象行為については課徴金が課せられることはありませんが、2016年4月1日以降分のについては課徴金対象になるということです。

Q4 課徴金を支払えば措置命令は免除される?

A:課徴金と措置命令は別物です。どちらかが科せられ、もう一方が免除される、という事はありません。2016年4月1日以降は、おおよそ措置命令と課徴金はセットで科せられるものとして把握しておいた方が良いでしょう。

ただし、条件によっては措置命令のみ、あるいは課徴金のみということもあり得ます。

Q5 「条件によっては措置命令のみ、あるいは課徴金のみ」とはどういう時なの?

A:措置命令のみ科せられる(課徴金が免除される)場合というのは、

  • 課徴金対象期間における、不当表示による売上げが5000万円未満の場合
  • 課徴金金額が150万円未満の場合
  • 「相当の注意を怠ったものではない」と認められた場合

いずれかを満たした場合です。

課徴金のみ科せられる(措置命令が行われない)場合というのは、「過去の表示が対象で、既に不当表示行為が解消されている場合」等、事案毎に検討されるとされています。ただし、この場合は“法律上ありうる”とされているに留まり、かなりなレアケースであると考えられます。

Q6 「課徴金対象期間」はいつからいつまでを指すの?

A:課徴金対象期間=(課徴金対象行為をした期間)+(最後に当該取引をした日までの期間)です。

課徴金対象期間は最長3年間とし、その対象商品または役務の売上額に3%を乗じた額が賦課金額となります。

「課徴金対象行為をした期間」とは、事業者が課徴金対象行為(優良誤認・有利誤認表示をする行為)を始めた日からやめた日までの期間を指します。「課徴金対象行為をやめた日」とは、課徴金対象行為そのものをやめた日、もしくは表示通りの内容に商品やサービスの内容を改めた日を指します。

「最後に当該取引をした日までの期間」とは、

  1. 課徴金対象行為をやめてから6ヶ月を経過する日
  2. 一般消費者の誤認の恐れの解消措置を取った日

の、1、2いずれか早い日までの間に、最後に課徴金対象行為に係る商品または役務の取引をした日までの期間を指します。

「課徴金対象期間」とは「課徴金対象行為をした期間」に「最後に当該取引をした日までの期間」を合算した期間を指し、「課徴金対象行為をした期間」のみを指すものではないことがポイントです。

なぜ最長で6か月の「最後に当該取引をした日までの期間」が合算されるかというと、優良誤認、有利誤認となる表示をやめた後に取引が継続している場合、消費者が過去の表示を基に“誤認したまま購入”している恐れがあります。ですので、その期間を合算するという訳なのです。

尚、課徴金における措置とは、基本的に措置命令において命じられる措置と同程度を想定しているとのことなので、「一般消費者の誤認の恐れの解消措置を取った日」の「解消措置」とは、措置命令でいうところの“日刊新聞紙に掲載する方法”等、誤認を解消する相当な方法を指すと考えるのが妥当でしょう。措置命令の場合には4大日刊紙の内、原則2紙以上、及び自社ホームページに謝罪文を掲載するとされています。

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稲留 万希子
薬事法広告研究所 副代表

東京理科大学卒業後、大手医薬品卸会社にて医療従事者向けポータルサイトの企画運営に従事。東洋医学に興味を抱いたことをきっかけに、中医学専門学校にて3年間薬膳料理や漢方について学ぶ。その間、ヘルスケア分野でのビジネス展開には薬事法を避けて通れない事から、薬事法と広告についても並行して学び、その後、国際中医専門員、漢方薬膳療術師、反射療法士、薬事法管理者、コスメ薬事法管理者の資格を取得し独立。2008年3月、薬事法広告研究所の設立に参画。

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