EC支援などを手がけるサイクルーズは5月、再開発が進んでいる上海国際旅客フェリーターミナルで、日本のEC企業が取り扱うサンプル商品などを展示し、その場でネット購入できる「越境EC専用ショッピングモール」を開設する。中国の関連会社が、上海市政府が主導となって進める個人輸入インターネット通販スキーム「跨境通」と連携。「上海初の公認クロスボーダーEC(越境EC)専用 リアル店舗モール」として、日本EC企業の中国向けECをサポートする。
サイクルーズの関連会社で、上海で高級輸入品スーパーマーケットチェーン「GL-Plaza」を展開する全洲超市(上海)有限公司(GL-Plaza)が事業を手がける。中国国有の世界最大の港湾企業、上海国際港務集団(SIPG社)と上海市政府のバックアップの下、上海国際旅客フェリーターミナルにおける新事業のパートナーとして、「GL-Plaza」が選定された。
上海国際旅客フェリーターミナル再開発のビジネススキーム
「GL-Plaza」が運営する日本の商品を中心とした輸入品専門スーパーの出店のほか、日本のEC商材などを販売するリアル店舗モール「跨境通体験区」を開設する。
「跨境通体験区」は、サンプル商品を陳列したリアル店舗で、中国人向け個人輸入スキーム「跨境通」と連携。中国の消費者は店舗で商品を見て、商品を掲載した「跨境通」からスマホやタッチパネルで注文する。
「GL-Plaza」は「跨境通」への商品出品申請から商品配送などの業務を手がける。物流はターミナル内の保税倉庫から配送するので、安価な送料での配送、リードタイムの短縮が実現できるという。
「跨境通」には以下のような特徴がある。
- 個人輸入関税の優遇(50元以下無料)
- 保税区域内在庫からの出荷が可能なため送料が安価
- 商品購入後のサポート
- 偽ブランドの排除が保証
「跨境通」は中国税関・上海政府が主導で進める越境ECスキーム
こうした「跨境通」の仕組みと、中国の消費力に注目したのが米アマゾンで、2015年内に同サイトへの参加を表明。日本でも伊藤忠商事がタイの華僑財閥チャロン・ポカパン(CP)グループと組み、参加するという。
EC事業者が「跨境通体験区」を利用して、中国ECを行うメリットは以下の通り。
- 日本と同じ商品構成での商品陳列・販売が可能
- 日本と上海の定期客船貨物を活用した物流コスト削減
- 保税区保管のため、在庫に関税が不要
- 「跨境通」との折衝・顧客対応をGL-Plazaが行う
- 本格的販売に向けた輸入手続きも可能
クロスボーダーECによるテストマーケティング販売で成果を得た企業に対し、中国での本格的な輸出販売もサポートする。輸出手続きや「GL-Plaza」各店舗での商品販売、「GL-Plaza」取引先への販路拡大を支援する。
越境EC専用ショッピングモール「跨境通体験区」によるビジネススキーム
「跨境通」を通じて顧客になった消費者に対して、日本へのインバウンド対策も可能。購入客データに対して、SMS・Eメールの配信、DMの送付などが行える。
費用に関しては、上海国際ターミナル内の出店家賃は1坪あたり1万円弱。販売委託手数料は10%代後半に設定している。中国語による商品説明文が必要で、翻訳は「GL-Plaza」が代行することも可能。
出店などに関しての問い合わせなどは、「GL-Plazaジャパン」の日本法人、「GL-Plazaジャパン」が対応する。
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オリジナル記事:上海フェリーターミナルでEC企業の中国展開を支援、サイクルーズがネット連携の実店舗を開設 | ニュース | ネットショップ担当者フォーラム
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