オンラインビデオ広告への期待 その1 『レリバンシーの醸成』 | 業界人間ベム

業界人間ベム - 2014年9月3日(水) 07:01
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 インプレスR&Dから『DSP/RTB オーディエンスターゲティング入門』、『DMP入門』に続いて『オンラインビデオ広告入門』が出版されることになった。
 そこで、オンラインビデオへの期待に関して書いてみたい。

 その1は、テレビを中心としたマス広告による認知獲得と、検索など興味関心が顕在化したユーザーへの刈取り施策の間を繋ぐ役割に関してである。

 Webマーケティングの浸透で、関心が顕在化したユーザーの取り込み施策は一通り行き渡った。従来のマス施策による認知獲得もまた、TVの力が突出しているので引き続き出稿意欲は旺盛である。しかしよく耳にするのは、認知は十分に獲れているが、購入意向に結びついていないという話だ。

 さんざんテレビでやっているから「知ってはいる」。しかし関心を持つに至らない。
関心をもってもらって何らかの行動を起こしてもらわないと、ネットでも捕まえようがないのでプルの取り込みも出来ない。またそのブランドへの新規関心層を醸成しないと、既存顕在化層だけの刈取りに専念しても、いずれ畑は枯れてしまう。

 こうした状況を懸念している企業マーケターは多いと思う。

 つまり、マスによる認知獲得、つまりプッシュ施策と、何らかの関心を示したユーザーのプルに応える施策との間がなかなか繋がらないということだ。そもそもマス施策とネット施策が全く別の部署でやっていて連動する気がない企業も多い。


 『認知』と『興味関心の顕在化』にあるものは何か。
よく云われるのが『レリバンシー』つまり、「この商品(サービス)は自分に関係があるな」と感じることだ。それには自分事化する文脈が必要だが、そうした文脈はそれぞれのユーザーにあって、誰しもが「コレだ」と呈示できるブランドはむしろ少ないかもしれない。つまりテレビCMでレリバンシーまで醸成できる商品/サービスはいいのだが、最大公約数のメッセージだけでは「自分事化」しづらいブランドはこの辺を考えなければならない。

 テレビCMへの投資は大きな額だ。ただテレビは基本15秒しかないので、そのたった15秒で刺さる表現を開発しなければならない。
 ベムみたいに80年代から広告マンやっている者は、よく教わったと思うが、コミュニケーション開発には、「プロダクトコーン」という円錐を概念図にした考え方がある。ベースに「その商品の規格、スペック」、その上に「それによって消費者が得られるベネフィット」、ただベネフィットをそのまま表現するのではなく、「エッセンス」に尖らせて表現し、「刺さるクリエイティブを」ということだ。

product cone.gif


 例えば、○○デシベルしか出ないとても静かな掃除機があるとする。(これはスペック)、それによって得られるベネフィットは、「集合住宅でも夜ガンガン掃除機を掛けられる」なんだが、ただそれだけではなくて、「夜掃除出来ちゃうから、幼い子供たちと関わる時間が増えるシーン」をエッセンスとして表現する・・・となる。このエッセンスは若い母親をターゲットにするなら比較的誰しもに刺さるかもしれないが、こうしたたったひとつの文脈しかないコミュニケーションでは「自分事化」しないユーザーもたくさんいると言える。
 
 「コミュニケーションを尖らせる」のはいいが、この発想はやはり「15秒しかないから・・・」ということと、従来の「経験と勘」で「この表現で刺さるはず」という「作り手の思い」だけでCMをつくると、多くの「刺さらない」(自分事化しない)人を量産している結果になっている場合も多いのではないかと思う。


 もしカスタマージャーニー分析をしてみて、複数の「自分事化の文脈」が発見できたとしたら、テレビCMの最大公約数的なコミュニケーションだけでなく、オンラインビデオ広告を活用することで「レリバンシーの醸成」に効果が出るかもしれない。
 そのあたりに期待が高まるのが、「オンラインビデオ広告」と言える。

今回の「オンラインビデオ広告入門」にも記述しているが、海外での調査データにも、単純な広告認知を上げるだけなら、オンラインビデオ広告もテレビCMと同じ素材を使えばいいが、ブランドの特定メッセージ理解や購入意向をリフトさせるには、TVとは違うクリエイティブ素材を組み合わせて使う方がはるかに効果的という結果が出ている。

 その意味でTVCMとはまた違うクリエイティブ開発の考え方がオンラインビデオには必要だろう。広告主企業の方々と一緒に考えて創っていく「開発プロセス」が大事かもしれない。

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