Facebook広告のターゲティングの種類と使い方
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[転載元]Facebook広告のターゲティングの種類と使い方|DML
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Facebook広告(フェイスブック広告)の特徴
Facebook広告は、Facebookのタイムラインや右側広告枠などに表示できるほか、Facebookが提携しているWebサイトやアプリなどにも広告配信できることが特徴です。静止画や動画など様々な広告フォーマットが利用可能です。
この記事では、Facebook広告で重要なターゲティング(オーディエンスの作成と広告セット)の方法や効率的に運用するためのコツや広告効果高めるためのテクニックを紹介します。選択肢が多い分、Facebook広告のターゲティングはやり込もうとするとそれなりに大変です。
Facebook広告のアカウント構造
Facebook広告は、下図のようなアカウント構造をしています。
アカウントの中にキャンペーンがあり、キャンペーンの中に広告セットがあり、広告セットの中にオーディエンスと広告があります。1つの広告セットに対して設定できるオーディエンスは1つというところがポイントです。
Facebook広告を始めるには、広告のターゲットとなるオーディエンスをまず作成し、その後にキャンペーンや広告セットを作成するのが効率的です。
では、Facebook広告で重要なオーディエンスの種類と作り方から解説していきます。
Facebook広告のターゲティングの種類 ~オーディエンスの種類と作成方法~
オーディエンスはFacebookビジネスマネージャの「アセットライブラリー」から作成できます。ただし、ビジネスマネージャのリンクは「オーディエンス」になっているので若干分かりづらいです。。。
画像を見る: Facebookビジネスマネージャ アセットライブラリー
オーディエンスの種類は3つ「コアオーディエンス」「カスタムオーディエンス」「類似オーディエンス」
- コアオーディエンス
- 地域や年齢、性別などの基本的な属性の他、学歴や職歴、興味・関心、デバイスやアプリ利用状況などの行動で設定するオーディエンス。
- カスタムオーディエンス
- Webサイトの訪問者や、自社の顧客データ(メールアドレス、電話番号、FacebookユーザーID、モバイル広告主ID)とFacebookのユーザーデータをマッチングさせたオーディエンス。
- 類似オーディエンス
- カスタムオーディエンスやFacebookページにいいね!しているユーザーなどに類似したオーディエンス。
オーディエンスは初めから多めに用意しておく方が良いです。効果が悪ければ、そのオーディエンスを使用している広告セットを止めれば良いだけなので、ターゲットになり得るオーディエンスを複数用意しましょう。
下記で著者が実際の広告運用案件で用意している、オーディエンスの作り方を説明します。細かくて面倒に感じるかもしれませんが、これだけ数を用意しておくと、あまり成果が出なかった時に、すぐ代わりのオーディエンスに切り替えることができるため安心です。
オーディエンスの作成方法
オーディエンスはアセットライブラリから作成します。カスタムオーディエンス、類似オーディエンスはそのまままですが、コアオーディエンスは「保存済みのオーディエンス」というメニューから作成します。
コアオーディエンスによるターゲティング
コアオーディエンスは最も選択肢が多いオーディエンスのタイプです。Facebookに登録しているユーザー情報やWebの行動履歴等からFacebookが独自に作成したセグメントを使用できます。実名登録のSNSゆえの、高いターゲティング精度が特長です。
コアオーディエンス > 詳細ターゲット
当然のごとく、地域や年齢、性別などの基本的な属性は設定しましょう。これはどのオーディエンスにも言えることです。これだけだとターゲットが広すぎるため、詳細ターゲットでオーディエンスを絞り込みます。ちなみに、オーディエンスのボリュームは画面の右上で確認できます。これを見ながらボリュームを調整すしていきます。
さて、詳細ターゲットですが、「利用者層」「趣味・関心」「行動」「その他のカテゴリ」から選択できます。全てOR条件です。オーディエンスのボリュームを見ながらターゲットを選択していきます。
この中で最も利用されるのは「趣味・関心」でしょう。例えばデジタルマーケティングラボの広告では、「Web広告」や「デジタルマーケティング」などの趣味・関心セグメントを選択しています。
詳細ターゲットは最も数が多いオーディエンスです。有効と思われるオーディエンスを探して選択しましょう。ただし、前述の通り、オーディエンスのボリュームには注意しましょう。例えば、下記のようなターゲティングをしてしまうとボリュームが少なすぎて使い物になりません。反対にボリュームが多すぎても効果が薄くなることが多いため、注意しましょう。
著者の場合は、下限を1,500程度、上限を40万程度にすることが多いです。上限はキャンペーン期間や予算で変えることが多いのですが、100万以上になるようなオーディエンスなら、性別や年齢などでオーディエンスを分割し、ボリュームを抑えます。
その方が、どのオーディエンスで効果が出ているかが分かりやすいので、チューニングが楽です。
詳細ターゲットの種類を全て記載することは難しいので、「利用者層」「趣味・関心」「行動」「その他のカテゴリ」ごとにその下の階層名を記載いたします。これでカテゴリごとにどんなオーディエンスが入っているか、イメージくらいは湧くと思います。
- 利用者層
- [説明] 学歴、雇用、家族、ライフスタイルなどの詳細に基づいて人にリーチします。一部のデータは米国でのみ利用可能です。
- [カテゴリ] 学歴、ファイナンス、住宅、ライフスタイル、ライフイベント、子供がいる人、政治(米国)、交際、仕事
- 趣味・関心
- [説明] 趣味・関心、アクティビティ、「いいね!」したページなどから、特定のターゲット層にリーチできます。
- [カテゴリ] スポーツ・アウトドア、テクノロジーー、ビジネス・業界、フィットネス・ウェルネス、レジャー施設、家族と交際関係、買い物・ファッション、趣味・アクティビティ
- 行動
- [説明] 購入行動や目的、電子機器の利用状況などを広告のターゲット設定に適用できます。一部の行動データは米国をターゲットとした場合にのみ使用可能です。
- [カテゴリ] その他のカテゴリ、アメリカンフットボール、デジタルアクティビティ、モバイル機器ユーザー、モバイル機器ユーザー/機器の使用期間、多文化、旅行、海外駐在者、消費者の分類、記念日、購入行動、購買行動
- その他のカテゴリ
- [説明] ここでリクエストしたFacebookカテゴリーまたはパートナーカテゴリーを確認できます。一部のデータは米国をターゲットとした場合にのみ利用可能です。
- [カテゴリ] Facebookカテゴリ
詳細ターゲットの最小単位のオーディエンスをExcelで一覧にまとめました。下記リンクからダウンロードできますので、興味があればご覧ください。
コアオーディエンス > つながり
「Facebookページ」「アプリ」「イベント」「その他のカテゴリ」から選択できます。よく使うのはFacebookページです。Facebookページにいいねしているユーザーはブランドを認知している可能性が高いため、広告効果が高く出る可能性があります。
また、その友達も効果が高く出ることがあったため、著者は「Facebookページにいいねした人」「Facebookページにいいねした人の友達」の2種類のオーディエンスを必ず用意するようにしています。
AND条件となるため、「Facebookページにいいねした人」「Facebookページにいいねした人の友達」は同時に選択しない方が良いです(ほとんどボリュームが出なくなる)。
「つながり」では、下記のオーディエンスが選択可能です。
- Facebookページ
- あなたのページに「いいね!」した人、あなたのページに「いいね!」した人の友達、あなたのページに「いいね!」した人を除外
- アプリ
- あなたのアプリを使用した人、あなたのアプリを使用した人の友達、あなたのアプリを使用した人を除外
- イベント
- イベントに回答した人、イベントに回答した人を除外
カスタムオーディエンスによるターゲティング
カスタムオーディエンスは広告主が所有しているユーザーデータやWebサイトのトラフィック、Facebookページのエンゲージメントからセグメントを作成するタイプのオーディエンスです。
カスタムオーディエンス > カスタマーファイル
メールアドレスや電話番号をアップロードし、Facebookの利用者情報と照合してオーディエンスを作成します。既存顧客にキャンペーンや新商品の案内をする時に便利ですが、これをもとに類似オーディエンスを作成できるので、新規顧客の獲得にも効果的です。ただし、拡張の精度はデータボリュームに寄るので、ある程度数がないとシードオーディエンス(拡張元のオーディエンス)としては使えません。
カスタムオーディエンス > ウェブサイトトラフィック
リターゲティングです。サイト全体、特定のWebページにアクセスした人を最長180日前までターゲティングできます。
その他、「ウェブサイトに滞在した時間別のビジター」というオーディエンスも作成できます。これはWebサイトの滞在時間が長い順に25%、10%、5%とターゲットとするユーザーを指定するオーディエンスです。ボリュームがあれば一括リターゲティングよりも効果が出やすく、著者は割と良く使うオーディエンスです。
また、コンバージョン獲得が目的なら、「コンバージョンした人」のオーディエンスは作成しておきましょう。これをシードにして類似オーディエンスを作成すると、高い効果が出ることが多々ありました。なるべく早めにオーディエンスを作成し、データを貯めておきましょう。
カスタムオーディエンス > アプリアクティビティ
アプリをインストールした人や開いた人、アクティブユーザー等をターゲティングするためのオーディエンスです。購入額で上位25%、10%、5%のようなオーディエンスも作成できます。
アプリをインストールさせることがキャンペーンの目的なら、まず最初に作成すべきオーディエンスです。なぜならこれも「カスタマーファイル」や「ウェブサイトトラフィック(コンバージョンした人)」と同じく、これをシードオーディエンスとして類似オーディエンスを作成することで、新規獲得に利用できるからです。そして、この類似オーディエンスは非常に強力です。
著者はアプリ案件の運用経験はそれほど多くありませんが、どのアカウントでもアプリアクティビティの類似ユーザーは獲得の中心となっています。
カスタムオーディエンス > オフラインアクティビティ
Facebookには実店舗への訪問や電話などのオフラインチャネルのコンバージョントラッキング機能があります。オフラインアクティビティはこれらのコンバージョンユーザーをリスト化するオーディエンスです。ただし、ボリュームが出づらいところが難点です。
カスタムオーディエンス > エンゲージメント
FacebookやInstagramのコンテンツにアクションした人のリストを作成するオーディエンスです。「動画を視聴した人」「リード獲得フォームでアクションした人」「コレクション広告やキャンバスを開いた人」「Facebookページでアクションした人」「Instagramビジネスプロフィールページで交流した人」「Facebookページのイベントでアクションした人」をリスト化できます。
オススメなのが「Facebookページでアクションした人」です。コアオーディエンスで「Facebookぺーじにいいね!した人」のオーディエンスが作れましたが、これはそれよりも確度が高いオーディエンスになりやすいです。
ファンが5,000を超えるあたりから使うと効果が出やすい気がします。著者が広告開始前に必ず用意するオーディエンスの1つです。
類似オーディエンスによるターゲティング
カスタムオーディエンスまたはFacebookページのファンをシードにして、オンライン上の行動が似ている人をリスト化するオーディエンスです。Facebookはこの拡張機能がとにかく強力です。
拡張のレベルは1~10%で指定します。母数は地域で選択した国の人口(Facebookユーザー)です。1%がシードに最も近い、「濃いオーディエンス」となります。あまり広くしすぎても薄くなるため、最大でも4%程度が良いでしょう。
類似オーディエンス作成のテクニックと注意点
1%が良いのか、4%が良いのか、実際に運用しないと分かりません。そこで1度に複数のオーディエンスを作成します。先ほどのキャプチャの「詳細オプションを表示」をクリックします。そうすると、オーディエンスの数を指定する画面が現れます。
ここで、作成するオーディエンスの数と範囲を選択します。この例では、「1%」「1-2%」「2-3%」の3つの類似オーディエンスが作成されます。
複数の濃さで類似オーディエンスを作成する場合は必ずこの方法で作成してください。個別に類似オーディエンスを作成すると重複が出るためです。例えば、1%と3%のオーディエンスを作成すると、3%には1%のオーディエンスが含まれてしまいます。これだと広告効果の検証がしづらいです。
カスタムオーディエンスと類似オーディエンスは「保存済みのオーディエンス」にしてから使うことで大きなメリットがある
この記事で1番大事なのはここかもしれません。カスタムオーディエンスと類似オーディエンスは「保存済みのオーディエンス」にしてから広告配信に使ってください。
保存済みのオーディエンスでは、地域、年齢、性別の属性情報を指定できます。カスタムオーディエンスや類似オーディエンスに属性条件を掛け合わせることで、さらにターティングの精度を上げていきます。
また、保存済みのオーディエンスには複数のカスタムオーディエンスや類似オーディエンスを設定できます。広告配信に利用するオーディエンスを全て保存済みのオーディエンスとすることで、広告のターゲットを変更する際に、広告セットを編集する必要がなくなります。広告セットに紐づいている保存済みのオーディエンスの中身を編集するのみで対応できます。
オーディエンスの名前を工夫して管理しやすくする
前述の通り、どのオーディエンスも最終的には「保存済みのオーディンエンス」にします。アセットライブラリーのオーディエンスの数が増えるので、「実際に広告配信に利用するオーディエンス」と「オーディエンスを作る素材となっているオーディエンス」で分かりやすい名前を付けるのが良いでしょう。
著者の場合は、実際に広告配信に使うオーディエンスの名前には頭に【Lst】の文字を入れるようにしています。そうすると広告セットの中でオーディエンスを選択する時にも迷いません。
Facebook広告のターゲティングまとめ
ターゲティングは初期設計が重要
実際に広告配信が始まると、効果検証やクリエイティブの差し替えでオーディエンスのチューニングにあまり時間がとれないことが多いです。だからこそターゲティングは初期設計が重要です。しっかり準備できていれば、新規作成を極力行わず、保存済みオーディエンスの編集のみで工数をかけずにチューニングできます。
また、Facebook広告はクリエイティブが重要と言われてますが(実際にそうです)、だからこそ、ターゲティングを事前に作り込んでおくことで、クリエイティブに集中することができます。
最初に用意しておきたいオーディエンス一覧
著者が実際の案件で最初に用意しているオーディエンスをまとめてみました。自社の広告アカウントと比べてみてください。結構マニアックなので、全て用意する必要はありません。フェイスブック広告のターゲティングの参考としていただければと思います。
- サイト訪問者(7日、30日、90日などリーセンシーで分ける) ※ウェブサイトトラフィック
- Facebookページにいいね!した人
- Facebookページにいいね!した人の友達
- 詳細ターゲット(趣味・関心、利用者層×趣味・関心などの組み合わせで複数作成)
- 既存顧客(メールアドレス OR 電話番号のリスト) ※カスタマーファイル
- コンバージョンユーザー ※ウェブサイトトラフィック
- ウェブサイトに滞在した時間別のビジター上位25%
- Facebookページでアクションした人
- サイト訪問者の類似(1%、1to2%、2to3%、3to4%)
- Facebookページにいいね!した人の類似(1%、1to2%、2to3%、3to4%)
- 既存顧客の類似(1%、1to2%、2to3%、3to4%)
- コンバージョンユーザーの類似(1%、1to2%、2to3%、3to4%)
- ウェブサイトに滞在した時間別のビジター上位25%の類似
- Facebookページでアクションした人の類似
- アプリインストール ※アプリ案件
- アプリを開いた人 ※アプリ案件
- アプリアクティブユーザー ※アプリ案件
- アプリインストールの類似(1%、1to2%、2to3%、3to4%) ※アプリ案件
- アプリを開いた人の類似(1%、1to2%、2to3%、3to4%) ※アプリ案件
- アプリアクティブユーザーの類似(1%、1to2%、2to3%、3to4%) ※アプリ案件
類似オーディエンスがとにかく強力
Facebook広告は類似オーディエンスが強力です。この精度はGoogleよりも高いと感じます。その中でもコンバージョンユーザーの拡張で成果が出ることが多々ありました。アプリならアプリのインストールやアクティブユーザーの拡張が使えます。
類似オーディエンスはシードとなるデータのボリュームが増えるほど拡張の精度が上がります。コンバージョンユーザーをシードにすることで、獲得コンバージョンが増え→シードが増え→拡張の精度が上がり→獲得コンバージョンがさらに増え・・・というサイクルが勝手に回るわけです。
使ったことが無い方はぜひお試しいただければと思います。ある程度データのボリュームが必要なので、データが少ない場合はまずデータを貯めましょう。
コアオーディエンスやカスタムオーディエンスは、類似オーディエンスを作るために作っているのかも。。。とすら思えてきます。例えるなら、類似オーディエンスはFINAL FANTASY TACTICS(FFT)の算術士みたいなものかもしれません。良い例えだと思うのですが、元ネタ分かる人どれくらいいるかな・・・・
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デジタルマーケティングラボの内容が本になりました。
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[運営者]広瀬信輔(ディーテラー株式会社/株式会社マクロミル/株式会社イノ・コード 所属)
[著 書]『アドテクノロジーの教科書』
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