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[転載元]GDNのターゲティングの種類と活用方法を解説|DML
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※本ページの記事は[転載元]からの抜粋です
GDNのターゲティング精度がすごい件(余談)
この記事では、GDN(Google ディスプレイ ネットワーク)の9つのターゲティング機能について、利用シーンや使い方(応用編あり)を解説します。
その前に、実際に著者がGDNから受けたターゲティング結果(広告表示内容)が、面白かったのでお見せします。
この広告を見た時は笑ってしまいました。著者のプライベートと仕事の内容を理解した、素晴らしいターゲティング技術だと思います。
まず、著者の職業はマーケターです。もちろん、リスティング広告(画像上の広告)は実施していますし、動画広告(画像左下 上段)も実施しています。また、兼務している部署でリードナーチャリングも担当しており、メルマガ(画像左下 下段)のシステム導入なども担当業務の1つです。
そして、プライベートでは二次元をこよなく愛するオタク(画像右下)でもあります。
ちなみに、右下のバナーは上記のようなサイトではコンテンツとの関連性が低いので、普通は表示されにくい広告です。GDNには「人を対象としたターゲティング」と「枠を対象としたターゲティング」の2つがあり、右下バナーは前者です。おそらく、この後に説明する「インタレストカテゴリマッチ」か「類似ユーザーターゲティング」による広告表示だと思います。
ターゲティング対象(人/枠)とリーチの広さでGDNの全体像を整理
GDNには精度が高く、多彩なターゲティング機能が複数あります。これをうまく組み合わせて使うことで、広告効果を大幅に高めることができます。まずは各ターゲティングの位置づけを図で説明します。
“人”をターゲティングするのが、「デモグラフィックターゲティング」「インタレストカテゴリマッチ」「類似ユーザーターゲティング」「リマーケティング」「カスタマーマッチ」です。
“枠”をターゲティングするのが、「トピックターゲット」「キーワードターゲット」「DSK(Display Select Keywords)」「プレースメントターゲット」です。
枠のターゲティング名称が分かりづらいので説明すると、「トピックターゲット」「キーワードターゲット」「DSK(Display Select Keywords)」は“コンテンツターゲット(別名:自動プレースメント)”と呼ばれます。コンテンツターゲットの具体的なターゲティング方法として、トピックターゲット(Webページのテーマを指定)/キーワードターゲット(Webページで使用されているワードを指定)/DSK(キーワードターゲットの強化版)が存在します。
DSKをコンテンツターゲットの中に含めるかは微妙なところです(一般公開されている機能ではないので、詳細な情報がない)。しかし、機能的にはこの括りで良いと思いますので、DMLでは上記のような図にしました。
プレースメントターゲットは“手動プレースメント”とも呼ばれます。配信するWebサイト(ページは指定できない)を個別に指定するターゲティング方法です。
以下で、各ターゲティングの内容と活用シーンを解説します。
GDNのターゲティングの種類と活用方法(1) ~人のターゲティング~
カスタマーマッチ(Customer Match)とは
カスタマーマッチとは、広告主が顧客のメーリングリストをAdWordsにアップロードし、このメールアドレスがGoogleアカウントのメールアドレスに紐づくことで、狙った特定のユーザーに広告を配信できるターゲティング機能です(検索結果画面・Gmail・Youtubeに配信可能、GDNには配信できない ※2015年11月現在)。つまり、メールアドレスが判明している“既存顧客向け”のターゲティング広告(配信先が限定的)です。メールリストの保存期間は180日間です。
リマーケティング(Remarketing)とは
リマーケティングとは、自社サイトへ訪問したユーザーに対して、条件指定して広告配信できるターゲティング機能です。最も費用対効果が高いと言われています。
特定のURLを指定してリターゲティングの精度を高める工夫も行えます。例えば、サイト全体ではなく特定のURLを指定すれば、そのページを閲覧したユーザーでリマーケティングリストが作成されるので、閲覧ページ別にバナーを出し分けることなどができます。
また、リマーケティングタグを利用して、配信除外リストを作成することもできます。例えば、会員制サイトにおいて新規会員を獲得するための広告出稿を行っている場合、ログイン後ページの訪問者でリストを作成します。
これを配信除外リストとして、他のターゲティングと組み合わせて広告配信を行うと、ログイン後ページに訪問したことがあるユーザー(既存会員)には広告配信されません。
このように“無駄クリック抑制手段”として、キャンペーン全体の費用対効果を改善する目的で使用することもできます。
類似ユーザーターゲティング(Similar User)とは
類似ユーザーターゲティングとは、自社サイトへ訪問したユーザー(リマーケティングで作成したCookieリスト)や、既存顧客(カスタマーマッチで作成したメールリスト)とWeb上の行動が類似するユーザーに広告配信できるターゲティング機能です。
ターゲットが限定的で配信ボリュームが少なくなりがちな、「リマーケティング」と「カスタマーマッチ」の配信対象を拡張するターゲティングです。類似ユーザーリストでは、元となるリマーケティングリストに載っているユーザーが自動的に除外されます。
“カスタマーマッチの類似ユーザー”について、前述の通り既存顧客向けのターゲティングです。類似ユーザーターゲティングでは、このリストを“Web上の行動が類似するユーザー”に拡張します。つまり、配信の対象が“既存顧客と似た特徴を持つ、新しいユーザー”になるので、カスタマーマッチとは用途が異なります。このターゲティング方法は、Googleより先にFacebookが導入しており、著者が聞いた限りでは広告主からの評価は高いようです。
インタレストカテゴリマッチ(Interest Category Match)とは
インタレストカテゴリマッチとは、Googleがカテゴライズした“ユーザーの興味”を指定して広告配信を行うターゲティング機能です。
後述のトピックターゲットは枠をターゲティングしますが、こちらは訪問履歴からユーザーをターゲティングします。よって、ユーザーがどのサイトに訪問しているかに関わらず、ターゲティングしているユーザーに広告を表示することが可能です。
参考用にインテレストカテゴリの一覧をExcelファイルにまとめました。ダウンロードしてご覧いただければと思います。2,000以上のカテゴリがあります。
インタレストカテゴリマッチにはいくつか種類があります。
- アフィニティカテゴリ
- ユーザーが訪問したページの種類やアクセス頻度、滞在時間などから、「旅行好き」「ペット愛好家」「高級ブランド愛好者」「ハイテク好き」などのアフィニティ(好み)カテゴリを関連付けたものです。
- カスタムアフィニティカテゴリ
- アフィニティカテゴリよりも具体的なターゲットが指定できます。「サイトや関心事」という欄に、ターゲットとするユーザーが興味・関心のありそうな「キーワード」「URL」を自由に入力することでターゲティングできます(10個以上推奨)。
- 購入意向の強いユーザー(ROI)
- ECサイト、購入レビューサイト、商品比較サイトなどの閲覧情報をもとに、商品の購入を検討しているようなユーザーをリスト化したものです。
デモグラフィックターゲティング(Demographic Targeting)とは
性別、年齢、地域を指定して配信します。全てのターゲティングとAND条件で組み合わせることができます。
GDNのターゲティングの種類と活用方法(2) ~枠のターゲティング~
プレースメントターゲット(Placement Target)とは
プレースメントターゲットとは、特定のWebサイトやWebサイト内の掲載位置を指定して広告配信するターゲティング機能です。
「トップページのみ」などのWebページの階層や、広告表示位置が選択できます。コンテンツターゲット(キーワードターゲット/トピックターゲット)の掲載結果をサイト別に確認し、成果の高いサイトにプレースメントターゲットで個別入稿していく、というのが多い使い方です。
入札単価は他のターゲティング広告よりも高めに設定することをオススメします(ピンポイントの競争入札となるので単価を上げないと広告が掲載されにくい)。応用編としてキーワードターゲットとの組み合わせがありますが、こちらは後述します。
DSK(Display Select Keywords)とは
DSKとは、AdWordsに登録したキーワードをもとにプレースメントを選定し、その中でもCV確度の高いユーザーが集まるプレースメントに対して広告配信を行うターゲティング機能です。キーワードターゲットの強化版という位置づけです。
そのため、キーワードターゲットよりも配信ボリュームが少なくなりがちです。ビッグワードを中心に、入札単価が高すぎてリスティング広告では入札に参加できないようなワードを登録し、リスティング広告のCVを補完するような使い方があります。
DSKは、キャンペーンを指定してGoogleに使用申請を行うことで、指定キャンペーンにDSK機能が付与されるという仕様になっています。2016年1月現在、β版機能となっており、一部のユーザーのみ利用できます。管理画面上の見た目はキーワードターゲットと同様です。
キーワードターゲット(Keyword Target)とは
キーワードターゲットとは、特定のキーワードが掲載されているWebページへ広告配信するターゲティング機能(キーワードを指定するコンテンツターゲット)です。
リスティング広告と違い、キーワードごとの入札単価はありません。このターゲティングを成功させるポイントは、Webページで使用されているビッグワードを中心に、自社商品との親和性が高いワードを多く抽出することです。リスティング広告のキーワードを利用しましょう。
トピックターゲット(Topic Target)とは
トピックターゲットとは、Googleがカテゴライズした“Webページのテーマ”を指定して広告配信を行うターゲティング機能です。
比較的ボリュームが出やすいターゲティングなので、あまり幅を広げず、自社商品と本当に親和性が高そうなトピックを選定します。
【応用編】GDNの効果をさらに高めるために ~ターゲティング、リーセンシー、クリエイティブの掛け合わせ~
複数のターゲティングを掛け合わせ
GDNでは、複数のターゲティングを掛け合わせることができます。リストサイズが小さくなり過ぎないように注意しながら、ターゲティングの精度をさらに高めていきましょう。△=組み合わせリストを作成することで掛け合わせ可能。
リストを見る: GDN 複数のターゲティングによる掛け合わせ(AND条件) ※元記事
デモグラフィックターゲティングの精度が高い(性別×年代)
GDNのデモグラと実際のコンバージョンの属性(性別×年代)の合致率をテストしたところ、「18~24歳」「25~34歳」「35~44歳」「45~54歳」×「性別」では属性合致率が70~74%と、高い一致率となりました。しかし、「55~64歳」「65歳以上」×「性別」では合致率が20%程度だったので、シニア層をターゲティングしたい場合は難しいかもしれません(そもそもインターネット人口が少ない)。
とはいえ、他の性年代では高い合致率だったので、基本的に利用すべきターゲティング機能です。この機能は他の全てのターゲティング機能と掛け合わせができるので、全てのターゲティングの掛け合わせとして使用するのがオススメです。
【応用テクニック1】リマーケティング×リーセンシーによる入札傾斜
リマーケティングは、費用対効果の高いターゲティングです。リマーケティングで獲得したコンバージョンの「サイト訪問日」を確認してみてください。著者が運用しているアカウントでもそうでしたが、サイト訪問後早めに広告に接触したユーザーのCVRが高めになっていると思います。
このような場合は、「当日~翌日 > 3日後 > 7日 > 14日」のように、入札額に傾斜をつけることで、よりコンバージョンが獲得できる場合があります。
【応用テクニック2】プレースメントターゲット×ネイティブデザイン
コンバージョンがある程度蓄積されてきたら、成果を出しているサイトに対してプレースメントターゲットで個別にターゲティングするやり方はよくありますが、この時にターゲットとするWebサイトのデザインに合わせてクリエイティブを作成します。
Webサイトのフォント・文字色・背景色・レイアウトを意識しながらクリエイティブをデザインします。
ネイティブアドの概念は「広告掲載面に広告を自然に溶け込ませることで、“ユーザーにコンテンツの一部として見てもらう”ことを目的とした広告」ですが、これと同じことです。
しかし、明らかにユーザーを騙そうとするデザインはNGです。広告審査で落とされます。度が過ぎるとステマになってしまいますので、気を付けましょう。
成果が発生するWebサイトが偏っている時ほど効果を発揮します。
【応用テクニック3】トピックターゲット×類似ユーザーターゲティング
「枠」×「人」の応用ターゲティングです。トピックターゲットで広告掲載サイトをある程度絞りつつ、類似ユーザーターゲティングで自社の顧客に近いユーザーにアプローチします。
広告枠をターゲティングするということは、言い換えると“今、そのWebページに興味を持っている人をターゲティングする”ということです。かつ、“自社の顧客と特徴が似ている類似ユーザー”との掛け合わせなので、非常に強力なターゲティングの組み合わせです。
トピックターゲットは、キーワードターゲットに置き換えても良いです(できれば両方テストしてみる)。類似ユーザーは「リマーケティングリスト」「CVユーザー(All Converters)」「顧客のメール(メールアドレスリスト)」をもとに作成できます。リストサイズと拡張精度(CVに近いユーザーが拡張元となっているか)のバランスが重要です。
【応用テクニック4】プレースメントターゲット×キーワードターゲット
「枠」×「枠」の応用ターゲティングです。プレースメントターゲットでは“Webサイト”を指定できますが、特定の“Webページ”は指定できません。つまり、様々な内容のコンテンツを題材としているWebサイトの中の特定のページをターゲティングするのには向きません。
そこでキーワードターゲットです。キーワードターゲットは“Webページの中に存在するキーワード”を軸としたターゲティングです。プレースメントターゲットとキーワードターゲットを組み合わせることで、ある程度広告が表示されるページを絞り込むことができます。
GDNの効果は“ターゲティングの組み合わせと工夫”で劇的に変わる
このように、GDNには多彩なターゲティング機能が用意されており、“組み合わせと工夫”で色々なことができます。もともと配信面の品質が高い上に、このターゲティング機能が加わることで、ディスプレイ広告の中でも非常に高い効果を発揮します。
GDNの運用は、複雑かつ自由です。運用者のスキルが結果にダイレクトに影響します。
インハウスで運用する場合は、それなりの時間をかける覚悟を持って臨みましょう。
代理店に任せる場合でも、広告主がターゲティングの種類を把握することで、運用担当者とターゲティングのアイディアが出し合えるような、質の高いミーティングが実施できるようになります。この機会にGDNについて理解を深めてもらえれば幸いです。
本記事の内容含む、デジタルマーケティングラボの内容をまとめた本を書きました。
『アドテクノロジーの教科書』 概要・目次はこちら
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[運営者]広瀬信輔(株式会社マクロミル/株式会社イノ・コード 所属)
[著 書]『アドテクノロジーの教科書』
[元記事]GDNのターゲティングの種類と活用方法を解説
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