BtoBサイトを効果的に改善するWEBマーケティング計画の立て方

WEBマーケティングのPDCAの回し方とは?
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目次

(1)WEBマーケティング計画とは何か?
(2)デザインが5番目に来ているワケ
(3)段階1「ニーズ調査」
(4)段階2「コンテンツ設計とWEB制作」
(5)段階3「SEO対策とリスティングで集客」
(6)段階4「効果分析で仮説を確信に」
(7)段階5「デザインの比較検証」
(8)まとめ「年間計画の立て方とPDCA」

なお、この記事は、2015年3月30日に弊社のブログで公開した記事をそのまま掲載しています。

WEBマーケティング計画とは何か?

そもそもWEBマーケティング計画とはどのようなものだろうか?それは、大きく分けると下記の5つの段階に分類できる。

(1)ニーズ調査(WEBの検索市場においてどのようなニーズがあるのかを確認する業務)
(2)コンテンツ設計とWEB制作(ニーズに基づいて見込み獲得のためのWEB設計を行う業務)
(3)集客(制作したサイトへの集客を行う業務)
(4)効果分析(集客結果から検証データを収集しニーズの有無の判断とコンテンツの改善を行う業務)
(5)デザインの比較検証(デザインを検証する業務)

この5つの業務を年間計画としてどう立てるか?がWEBマーケティング計画となる。さらにマーケティング活動としてみれば、ニーズ調査の結果は商品戦略、差別化戦略、価格戦略等にも連動する必要があるが、ここでは、そのあたりは排除し、あくまでWEBコンテンツを中心に説明を進める。

ちなみにWEBマーケティング計画がないと、概ね下記のような問題が発生する(ことが多い)。

(1)WEBを作ったあとはほったらかし状態。作った意味がほとんどない
(2)ニーズ確認から効果分析までの全体の流れが社内に蓄積せず、いきあたりばったりのWEB戦略になる。その結果、「WEBマーケティングでの成果の出し方」がわからない。

こういった問題を回避するためにも、この記事の内容を参考にして、御社でもWEBマーケティング計画をしっかり立案しよう。

デザインが5番目に来ているワケ

少し余談になるが、上述したWEBマーケティング計画では、デザインが5番目にきている。

(1)ニーズ調査
(2)コンテンツ設計とWEB制作
(3)集客
(4)効果分析
(5)デザインの比較検証

通常、デザインはWEB制作時に行うことが多いが、著者はあえて最後に行うようにしている。理由は2つある。

1つ目の理由は、コンバージョンを得るためには「デザインよりもコンテンツが重要である」と考えているからだ。

極端な話、デザインにいくら投資しても、コンテンツが悪い(ニーズのないコンテンツを提供する)場合は、費用対効果は向上しない。デザインだけで問い合わせが取れるほど、BtoBは甘くない。ニーズのあるコンテンツを提供し、その上で「そのコンテンツをどう見せるべきか?」を考え、クリエイティブを検討すべきではないか?と考えているのである。優先順位がデザインよりもコンテンツの方が上と考えている。

2つ目の理由は、改善する際に素材制作等、費用と時間がかかるからである。ニーズの有無などが確認できていない段階で、デザインに凝ると変更のしやすさ、分析のしやすさなどが犠牲になることがある。これでは、「ニーズの有無を確認する」という目的を達成しずらくなり、マーケティング活動として意味をなさない。

少なくとも、ニーズが確認できていないのであれば、後から低コストですぐに変更できるようなデザインにしておかなければ、PDCAの回転スピードも落ちるし、無駄な費用がかかりWEBマーケティングの費用対効果も悪くなる。

こういった理由から、デザインを最後の段階にしている。それでは、WEBマーケティングの第一段階「ニーズ調査」についてご説明しよう。

段階1「ニーズ調査」

WEBマーケティングに限らず、マーケティング活動で重要なのがこのニーズ調査である。WEBは言うまでもなく情報収集のメディアであるため、「何を知りたいのか?」の検索ニーズを調べることになる。

BtoBにおいての検索ニーズは、何かの課題を解決する方法を知りたいという「ノウハウ系ニーズ」や、何かの商品を購入するときの「比較検討ニーズ」が考えられる。このあたりは商材やターゲットによって異なるだろう。

そしてWEBマーケティングでは、この検索ニーズを調査し仮説を立て、その上で、このようなコンテンツを提供すべきとサイト設計を進めていくことになる。

ニーズ調査の方法としては、いくつかあるが、代表的な方法は「サジェスト分析」である。すぐにできるので、ニーズを調べるときは絶対にやるべき分析である。

段階2「コンテンツ設計とWEB制作」

ニーズの確認ができたら、それをベースにコンテンツ設計をする。BtoBにおけるコンテンツ設計は、主に3つに分類して設計を進めると良いだろう。

集客・見込み獲得用コンテンツ(ブログ、ホワイトペーパー)

1つ目は、集客・見込み獲得用コンテンツで、主にブログやホワイトペーパーなどを活用する。内容はノウハウ系の情報で、「***の課題を解決する**の手順」というような課題解決のノウハウをコンテンツ化して提供する。

ソリューション提案用コンテンツ

2つ目は、ソリューション提案のコンテンツ、つまり、「ソリューション提案するWEB」である。検索ニーズとしての「見込み客の課題」が明確になれば、ソリューションページを制作し、「こうやって解決できますよ」とソリューション提案するようなコンテンツを用意するのである。

当然、課題解決の手段としては、自社製品を使うということが前提となり、その結果、見込み度の高い見込み客を獲得できるようになる。

ソリューションページで重要なのは「どんな課題で悩んでいるのか?それをどう解決したいのか?」というニーズの確認である。「こういう課題で悩んでいる」というニーズの根拠がなければ、ソリューションページを作っても効果が低くなるだけだ。

製品紹介コンテンツ

3つ目は当然のことながら、製品紹介のコンテンツである。事例、料金、特徴、強み、魅力など、製品紹介として必要なコンテンツを用意しよう。

以上が、BtoBにおけるコンテンツ設計の基本である。

この3つのコンテンツを中心にサイトのコンテンツ設計を行い、サイト制作に入る。この段階ではライティングできるのか?という課題が多々発生する。ライティングできないからコンテンツを変えようというのはナンセンスであるので、ライティングするためにはどうすればいいか?を考え、できる方法を検討していく方が賢明である。

段階3「SEO対策とリスティング広告で集客」

コンテンツ設計とサイト制作ができたら、いよいよ公開して集客を行う。集客作戦はBtoBの場合、主に3つある。1つはSEO対策、2つ目は、リスティング広告、3つ目はその他メディアとの連動である。

SEOは長期戦になることが多いが、実現すれば安定したアクセスを低コストで獲得できる。リスティングはすぐに集客できるが、費用が高くなり費用対効果が悪化することもある。他メディア連動は、DMや電話営業などと連動させる方法で、検索市場が少なく、顧客リストが豊富にある場合は活用しやすいが、集客力が弱くなることが多い。

どれもメリット・デメリットあるが、ニーズ調査の段階でニーズに確証が得られていないのであれば、素早い検証を予算内で行う必要があるため、リスティングでの集客がよいだろう。逆にある程度ニーズが確認でき確証・根拠があるなら、SEO対策がよい。

集客は期間と目標集客人数を決めて計画立てるとよい。例えば、3ヶ月で1000人集客するといった具合だ。第4段階での効果分析ではある程度の定量的なデータが必要なので、予算の許す限り、それなりの人数を集客できるようにしておこう。

段階4「効果分析で仮説を確信に」

集客できたら、次は効果分析である。効果分析は何が効果なのか?を決めることが重要だ。効果の定義は御社の状況によって異なる。

例えば、ニーズ調査がほとんどできず、まずはWEB市場においてニーズがあるのかどうか?を確認したい場合であれば、WEBのアクセス解析は「ニーズがあるかどうか?」を目的とした効果分析が主体となる。

逆に、ニーズ調査がある程度完了し、WEB市場でもそれなりのニーズがあることが確認できているのであれば、費用対効果を高くすることが効果分析の主体となる。

前者であれば、ニーズ確認とコンテンツ設計のPDCAを、後者であれば、デザインのPDCAを回すことになる。

このように何をもって効果なのか?を明確にした上でアクセス解析を行い、効果分析しなければ、どの数値をどう見ればいいのか、そして、どう改善すべきか?の判断ができない。

御社でも「アクセス分析したけど、結局何をどうすればいいのかわからない」といったことはないだろうか?その要因は、アクセス解析に目的がないからである。

段階5「デザインの比較検証」

WEB検索のニーズ確認ができ、コンテンツも確定したらデザインの検証と効果分析を実施する。コンテンツにニーズがあることが確認できている段階(コンバージョンが獲得できることが確認済みの段階)なので、どうデザインすれば費用対効果が上がるのか?を検証するのである。

コンテンツの見せ方としては、動画を使う、漫画を使う、縦長のLPにする、紙芝居型のLPにするなどいろんな表現方法があるため、いろんな角度で検証する必要がある。コンテンツをよりよく「魅せる」ことが重要である。

こういったレベルの話では、好みや思い込みに走りがちであるが、見込み客へのインタビューからデザインの方向性を見つけていくなど、デザインに対するリサーチも行うと良い。誰が見るサイトなのか?といえば、社内の人間でも、デザイナーでもなく「見込み客」なので、実際に見込み客にデザインについて意見をもらえれば比較検証しやすくなる。

ただ、この段階でデザインの変更によるコンテンツ変更があってはならない。多少の変更等はデザインの関係上致し方ない部分はあるかもしれないが、デザインをカッコ良くすることが目的ではなく、「今のコンテンツをより伝わるように、より見やすくするために」デザインを変更するので、そのあたり、十分注意しよう。

まとめ「年間計画の立て方とPDCA」

ざっと全体の流れをご説明したが、この5つの段階を順次行う計画がWEBマーケティング計画となる。PDCAはニーズ調査ができていない場合と、ニーズ調査がある程度確証得られている場合とでわけて考えると良い。

ニーズ調査ができていない場合(確証が少ない場合)

この場合は、WEBで提案するソリューションに対してニーズがあるのか?がわからない状況なので、ニーズの有無を確認するためのPDCAを回す。概ね下記のようなイメージである。

(1)【PLAN】ニーズ調査:ニーズ調査を行い仮説でニーズを定義する
(2)【DO】コンテンツ設計とWEB制作:仮説ニーズからコンテンツ設計(デザインは後回し)
(3)【CHECK】集客:リスティング等で即効性のある集客を実行し検証する
(4)【ACT】効果分析:検証結果からニーズの有無の判断材料を揃え、コンテンツ改善を行う

ニーズがあるという判断が定量的なデータ(実際のアクセス解析によるデータ)で得られるまでPDCAを繰り返すことになる。そして、アクセス解析の目的は、ニーズがあるかどうかを確認することとなる。

ニーズ調査がある程度確証得られている場合

この場合は、ニーズがあると確証できている場合なので、デザインを中心としたPDCAを回す。概ね下記のようなイメージである。

(1)【PLAN】デザイン調査:デザイン的な見易さなどを見込み客から調査し数案デザインする
(2)【DO】WEB制作:デザイン案をベースにコンテンツを作り公開する
(3)【CHECK】集客:リスティング等で即効性のある集客を実行し検証する
(4)【ACT】効果分析:CVR、費用対効果などを確認しデザインを絞り込む

どう見せれば分かりやすく伝わるか?を検証することが目的になるため、ABテストなどで検証すると良いだろう。ニーズ・デザインともに確定すれば、集客方法をリスティングからSEO対策に切り替えるなどしてさらなる費用対効果の向上を実現していく。

そう考えると、全体的な手順としては、(1)コンテンツニーズの確認、(2)デザインの確認、(3)集客強化(SEO)ということになる。

これらの運用を進行管理するのがWEBマーケティング担当者の仕事であり、必要なスキルと言える。ご紹介した内容は、WEBマーケティング計画の1つの考え方であるが、御社のWEBマーケティング担当者にこの記事を共有し、一度挑戦してもらってはいかがだろうか?(平成27年3月30日 株式会社ALUHA WEBコンサルタント 荻野永策)

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