関係作りから始るマーケティング手法-コンテンツマーケティング
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ユーザーのニーズが多様になる中、いかにターゲットユーザーのニーズを読み取り、より多くの顧客に選んでもらえるよう効果的に自社の商品・サービスをアピールするのかという課題に、マーケターの方は悩まれていると思われます。企業が顧客にアプローチする手段といえば、従来のマスコミ4媒体(新聞・雑誌・テレビ・ラジオ)に加え、PCサイトにスマートフォンサイト、アプリ、ソーシャルメディア等といったWEB・モバイル媒体も盛んになり、更に近い将来普及するのではないかと言われているウェアラブルデバイスまで登場しようとしています。 このような状況の中、今マーケターたちから熱い目線を集めているマーケティング手法があります。それは、「コンテンツマーケティング」です。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、“顧客・見込み客が欲する情報”を自ら継続的に提供することで、顧客・見込み客とコミュニケーションを取りながら育成し、長期的な関係を築くことを図るマーケティング手法です。 その根本的な考え方としては、「顧客(潜在顧客)との長期的関係作り」にあります。企業はマーケティング施策を検討する際に、コンバージョン達成に直接関連するリスティング広告やSEO対策等の短期的な関係作りに偏りがちですが、直接的なニーズが生まれたり、商品を知る以前から長期的に関係を築いていくことも重要になります。 商品・サービスを直接アピールすることは一般的ですが、たとえ自社の商品・サービスと直接な関係がなくても、人々に役立つ情報やサービスを提供することで(一見遠回りに見えるかもしれませんが)関心を引き寄せ、話題を呼び露出が増えたり、評判が上がったり、認知度を高めたりすることが自然にでき、「読者」「利用者」から会社・ブランドの「ファン」になってもらい、顧客ロイヤリティを育成すること、結果的に安定した売上の向上に繋がります。
コンテンツマーケティングのメリット
1.効果測定ができる 広告などと比べ、コンテンツマーケティングの一つ大きな特徴といえば、アクセス解析ツールを利用することで、効果について正確に分析することが出来ることです。訪問者の性質、検索していたキーワード、どのページを閲覧し、どのくらい滞在し、更にリピート率はどのくらいあるのか等を知ることができます。これらのデータは、今までの軌道修正や今後の事業展開に活用できればより効果的な施策を打ち出すことができます。 2.拡散性に優れている コンテンツマーケティングは今大きな力を発揮しているソーシャルメディアとも好相性です。本当にユーザーにとって役に立つコンテンツは自然とソーシャルメディアで取り上げられ、勝手に世の中に広まっていきます。想定外の顧客層にもアプローチが出来、予測以上の効果を得ることも不可能ではありません。 3.「資産」として蓄積できる イベントや広告など一時的な施策と違い、優れたコンテンツはサイト上に存在する限り集客やブランディング効果を発揮し続けます。「使い捨てキャンペーン」のような短期的に注目を集めて終わるものより、コンテンツマーケティングは短期的にも長期的にも通用できる施策です。
「今」コンテンツマーケティングが注目される理由
コンテンツマーケティング手法は新しいマーケティング手法ではありません。今再び注目を浴びるようになった理由については、外部環境の変化が考えられます。 1.顧客との接点の変化 スマートフォン、タブレットの普及により、多くの消費者は場所と時間に縛られずいつでもどこでも情報にアクセス、または受信できるようになっています。そして、ソーシャルメディアの盛りにより、外部メディアに頼らない自社自らの情報発信も容易になっています。 2.顧客心理の変化 多様な商品と豊富な情報で満ち溢れている市場の中、消費者の目は日々肥えていき、ニーズも更に多様化、細分化しています。一つの訴求(例えば広告)で多数の人の購買意欲を喚起するのは難しく、ROI(費用対効果)の面においても従来型宣伝方法だけでは厳しくなっています。 3.SEO対策の変化 Googleなどの検索エンジンは質の高いコンテンツを好む傾向になってきています。Googleは9月に新しいアルゴリズムHummingbirdを公表し、更に「良質なコンテンツ」がSEO上重要な地位を占めてきているのを示唆しています。検索結果において高い順位を獲得するには、コンテンツの中身を重視し充実させる必要があります。
コンテンツマーケティングの事例
コンテンツマーケティングに取り組んでいる企業が増えています。いくつの事例をご紹介します。 <コカ・コーラ - 「Coca-Cola Journey」> コカ・コーラは5年ぶりにコーポレートサイトをリニューアルし、2013年6月25日に「Coca-Cola Journey」というタイトルで新しいスタートを切りました。 コカ・コーラ社は2011年10月にコンテンツマーケティングを戦略の中核に置いた「Content2020」を掲げ、今回のサイトリニューアルはその施策の要とも言われています。その内容はウェブマガジンを中心としたもので、コカ・コーラの製品に関連するものばかりを載せているわけではなく、世界的な環境・社会問題、注目トピックからライフスタイルに関する記事も掲載し、デジタルを通じて幅広い対象とのコミュニケーションを試みています。 歴史の長いコカ・コーラ社は、商品と共にそのブランドに付随する企業文化、イメージ、多様な体験も売りにしています。面白い、役に立つコンテンツを継続的に読んでもらうことにより、自社ブランドの存在を刷り込み、ブランドイメージの維持と向上を狙っているようです。 <三越伊勢丹 - 「FASHION HEADLING」> 三越伊勢丹が2012年12月5日にファッション情報サイト「FASHION HEADLING」をオープンしました。このサイトは株式会社三越伊勢丹ホールディングスが株式会社イードと新合併会社を作り運営される形です。「百貨店のWebメディアへの積極的な対応を目的とした総合サービス」という思いで、両社共同で展開していきます。 伊勢丹が掲げている「上質で新しいライフスタイルの提案」というコンセプトのもとで、伊勢丹に関する情報はもちろん、トレンドや売れ筋といった最先端のファッション情報から、美容やライフスタイル、アートや映画情報まで、幅広い情報を発信しています。 <P&G - 「Myレシピ.com」> Myレシピ.com(マイレピ)とは、「女性のためのライフスタイルWEBマガジン」というスローガンでP&Gが2011年11月にオープンしたサイトです。P&Gの新製品サンプリングやメンバー限定特典等の内容以外に、ビューティに関する情報やレシピ、更に日常生活に役立ち記事なども掲載されています。また、マイレピアンバサダーに登録すれば、発売前のP&G製品のモニターになれたり、各種のイベントにも招待されたりできます。 同サイトは今まで女性をターゲットにしてきましたが、2013年10月から男性のためのコンテンツも充実させ、幅広い消費者層にアプローチしようとしています。
まとめ
コンテンツマーケティングとは、ものを売ること以前に、人の役に立ち、有益・有意義なものを提供することによって顧客に信頼してもらうことが前提となります。コンテンツマーケティングによって実現しようとする顧客との関係作りは、ビジネスの原点に着目したマーケティング手法ともいえるかもしれません。 コンテンツマーケティングの時代の到来とともに、企業自身がメディアとなる、いわゆる「オウンドメディア」を通じ、顧客と信頼関係を構築しながら、見込み客を顧客に育成していくという戦略に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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