【WEB担当者向け】初めてのリスティング広告出稿を外注する時の注意点

リスティング広告運用の専門視点から、自社稿をアウトソースする時のポイントについてご紹介します。
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新しい製品、新しいサービスが出来た時やこれからWEBプロモーションで売上を作っていこうという時、WEBサイト制作に併せてリスティング広告を行うケースは多いですよね。

トントン拍子に伸びる会社、後にリスティング広告から撤退する会社、途中までは伸びたがすぐ頭打ちとなる会社と様々です。

その際に、前提として

・自社の商品力やサイト内容が競合他社と比較して平均程度の優位性
・優良なリスティング広告代理店を見つけて発注している

という場合、

リスティング広告から収益を出せるか出せないかギリギリのラインであれば
リスティング外注業者へのオーダー方法によって明暗が分かれてしまうケースがある

というお話です。

失敗ケース1:不適切で難易度が高すぎる目標値

リスティング広告の目標設定時に最も参考になる確実な指標はリスティング広告です。

自社運用からの切り替え、もしくは業者切り替え時には目標を誤るケースは少ないのですが、初めてリスティング広告行うを外注する場合には目標値の根拠となる過去データがありません。

そしてリスティング運用業者はデータ収集作業と同時進行で成果獲得作業を行わなくてはいけません。そこに対し、

「最低○件の成果が必須だ」

という情報ばかりを多分に与えても、運用業者にリスク回避だけを追求した広告設計・運用を行わせてしまうことになってしまいがちなのです。

それよりも、

「自社商品・ターゲット・競合などの3C情報」

や、業者側では測定できない

「電話問い合わせ件数情報や電話詳細」

を細かく伝えたり、打ち合わせた方が初期アカウント構築精度やPDCA精度も上がり、パフォーマンスが上がりやすいといえます。

新規商品・新規サイトの場合、具体的な数値目標はリスティング広告の初月レポートが出来てからでも遅くはないのです。

また、期待目標を策定した広告決裁者とリスティング業者とやり取りをするWEB担当者が別人である場合には要注意。しっかりと社内コンセンサスを得ましょう。

2か月目から成果が出せる根拠が揃ってきていても、業者に発注して2週間で上司が外注業者に解約依頼を出していた、などという大きな機会損失が起きないようにしましょう。

失敗ケース2:「とにもかくにも最短でCPA改善。急いで!」と急かす

これは結構多いケースです。

確かに出稿開始1カ月程度でその時点のデータで考えうる全ての策を駆使して絞り込みを行い、CPAの最小化施策を行う事は可能です。

しかし、こういった極端な絞り込みを行っているアカウントは全体的に、中長期的に見るとコンバージョン数が数カ月で頭打ちとなってその後、緩やかにCPA悪化が進んでいるケースが多いのです。

その原因はなぜか?

まずはよくあるCPA改善施策を記載してみます。

  • CPAの悪いキーワードの極端なキーワード停止(削除)
  • 充分な検索クエリ蓄積前にマッチタイプを完全一致&フレーズ一致へ移行
  • CPAの悪いデバイスの配信完全停止(タブレット、スマホ、モバイルなど)
  • 安易な配信停止スケジュール設定
  • コストの安い自社名キーワードの停止

などがあげられます。

上記2つはこちらの過去記事

リスティング広告でCPAが悪化した時、何をすればいいのか?
http://quartet-communications.com/info/listing/9762

に詳細が載っているのですが、データが不十分な早い時期に
行ってしまうとテストマーケもそこで一時中断して
PDCAも安易に回せなくなり、
「のびしろ」が無くなってしまうことがあるのです。

下記2つは具体例にて説明します。

CPAの悪いデバイスの配信停止

CPAの悪いスマホへの配信を停止したところ、PCから「自社名」
でのコンバージョン数が低下するケースがありました。

スマホへの配信を停止したことで、通勤途中や電車移動中に検索し、
帰宅してからPCで検索するユーザーからの流入経路を遮断してしまったと考えられる事例です。

そしてこれは、SEOで1位表示されている「自社名キーワード」をリスティングで停止していたら、運用者が気付かなかった可能性があるのです。

※自社名を出稿するメリットは他にもあります。

自社名、自社商品のキーワードは絶対入札しなければいけない理由
http://quartet-communications.com/info/listing/8749

安易な配信停止スケジュール設定

ある企業間取引の商品を扱う製造業にて、早急なCPA改善要望があり、ターゲットは企業のため土日は配信停止を行いました。

数ヵ月後、お客様から

「最近、月に1~2度来ていた面白い問い合わせが減った」

という声を貰いました。

どういった問い合わせなのか尋ねると、

「サイトには利用例としては載っていないが、工場経営の社長さんからこの製品でこんな事はできないか?という事業提携系のお話」

という事でした。

※普段のお問い合わせの大半は平日で、部・課長級の担当者からの製品見積もりです。

その時は原因が分からず、とにかくクリック数を増やそうと土日配信停止を解除したところ、

「最近また面白い話がたまに来るようになった」
との事でした。

業種にもよりますが、中小企業マーケットにおいては定休日となる土日祝日に経営者の方が検索をしている事もあるようです。

またこの事例の場合、出稿キーワードは企業の人しか検索しないキーワードが中心で、
停止をせずとも元来土日はほとんどコストが掛かっていなかったため、停止期間中はそれほどコスト削減にすらなっていませんでした。

まとめ

不適切な目標設定や、早急なCPA改善を業者に求めたくなるのは当然の事です。
しかし、毎日・毎週苦情を出して業者を焦らせると逆に機会損失を生んだり、
結果的に不利益となる判断をさせたり、
中長期的な「のびしろ」を失ってしまう事になり兼ねません。

リスティング広告を外注する際はその業者のノウハウを最大限引き出せるようなコミュニケーションを取りましょう。

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