MMD研究所インタビューコーナーを新設/ Vol.1 インターネット広告の健全化に少しでも役に立ちたい

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設立5周年を迎えたMMD研究所ではスマートフォン、ソーシャルメディアで
話題になっているサービスの背景に注目し、さまざまな企業のキーパーソンに
インタビュー取材を行い、情報を発信するコーナーを新設致しました。
当面は不定期更新となりますが、ご期待下さい。
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Vol.1 インターネット広告の健全化に少しでも役に立ちたい 株式会社シップ 林健吾

2011年10月28日に消費者庁がインターネット広告に対して景品表示法上の問題点を発表し、広告業界やインターネット業界で話題になっています。主な問題点は下記の4点である。

・フリーミアムモデルの無料表示(主な対象はソーシャルゲーム関連の広告)
・ステルスマーケティング(主な対象はブログ等でのサクラ記事)
・フラッシュマーケティングの二重価格表示(共同購入クーポンの価格設定)
・アフィリエイトのリンク元や第三者の不適切な広告表示

インターネット広告のテクノロジーが発展する中、広告による安全性やリスク対策面の広告検証システムで健全化の普及を目指す、株式会社シップの林健吾氏に話を聞いた。

----御社の事業について教えて下さい。

林氏:弊社の事業は大きく3つに分類しています。1つ目は若年層に特化したマーケティング事業。高校生からF1・M1層までのモニターネットワークを通じて、企業の商品開発、プロモーションを行っています。2つ目はJSBN(全国学校放送ネットワーク)事業。全国約1,500の高校の生徒会または放送部のネットワークし、JSBNに賛同頂いている高校へ「JSBN PRESS」というフリーペーパーを企画・制作・配布を行い、高校生をターゲットにした企業のマーケティング活動をしています。3つ目は、マーケティング事業で培ったノウハウを背景としたプロデュース事業を行い、イベントやコンテンツ企画、店舗や施設をトータルにプロデュースしています。

----主に若年層に向けたマーケティングを主体とされているのですね。

林氏:そうです。平成元年に会社を設立以来、高校生を中心に若年層へのマーケティングに強みを持っています。

----御社がインターネット広告の不適切サイトを検証するシステムを開発された経緯を教えて下さい。

林氏:弊社が抱える高校生を中心としたモニターの多くは主に携帯でインターネットを利用していますが、未成年にとって好ましくないサイトにアクセスし、何らかの被害をうけているというデータが増加してきました。通信キャリアが青少年のフィルタリング使用の原則化を実施した背景もあり、不適切サイトへアクセスする被害を防止する「Medist」の開発プロジェクトはスタートしました。

----不適切サイトとはどんなサイトなのでしょうか?

林氏:インターネットには無数のサイトが存在していますが、不適切サイトは主にアダルトサイトや詐欺サイト、出会い系サイトなどになります。なぜ、そのようなサイトが立ち上がるかというとアクセス数を集めてアフィリエイトプログラムを通じて広告収入を目的としているサイトが多いのです。そこで我々はまず未成年が良く利用するモバイルのアフィリエイト広告に注目しました。

----「Medist」の具体的な機能や仕組みを教えて下さい。

林氏:まず不適切サイトのリストですが、通信キャリアのフィルタリングを審査する第3者機関であるEMA(モバイルコンテンツ審査・運用監視機構)へフィルタリングリストを提供しているネットスター株式会社と業務提携しました。

次にアフィリエイト広告のプラットフォーム事業社と提携し、広告が掲載されているサイトのリファラーデータを「Medist」に送信してもらっています。そのリファラーデータとネットスターの3億あるURLリストと照合し、不適切サイトに広告が配信されていないかの検証ができるシステムです。

----主にどのような企業に「Medist」は利用されているのでしょうか。

林氏:アフィリエイトは主にネットワーク広告と呼ばれる無数のサイトに広告が掲載されるサービスです。広告主は自社の広告が健全なサイトに掲載されているのか不適切なサイトに掲載されているのは1つ1つチェックできません。そこで「Medist」をご利用頂くと、自動的に自社の広告が不適切サイトに掲載されることを知ることが可能です。提案先はアフィリエイトなどのネットワーク事業社と広告主(広告代理店)になります。「Medist」を使うことで広告主は広告コストの削減、ブランド価値の維持・向上のメリットがあり、ネットワーク事業社はサービス向上や差別化のメリットがあります。

----「Medist」の今後の展望をお聞かせ下さい。

林氏:はやりスマートフォンに向けた展開ですね。スマートフォンの広告はネットワークによる広告が主流になっています。インターネット広告はますます自動化・最適化されていますが、それに伴って広告の健全性も担保しなければ市場の成長は見込めません。アメリカでは第三者による広告検証が一般的になってきています。多くの方が安心してインターネットを楽しる様、「Medist」がインターネット広告の健全化に少しでも役立てればと思っています。その為にも広告主や広告会社、ネットワーク事業社とスクラムを組むことが一番大切だと考えています。

【会社】 株式会社シップ
http://ship.co.jp/

【サービス】 アフィリエイト広告検証サービス「Medist (メディスト)」
http://ship.co.jp/press_medist/medist0510.pdf

【関連調査】 ネットワーク広告に関する利用実態調査
http://mmd.up-date.ne.jp/news/detail.php?news_id=858

【配信元】 MMD研究所 http://mmd.up-date.ne.jp/

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