初代編集長ブログ―安田英久

ホームページ・ビルダー14はSEOやテンプレートで商用向けに舵取り

新バージョンでSEO設定機能の追加なども含めてビジネス向けに大きく舵取り
Web担のなかの人
ホームページ・ビルダー14パッケージ画像

Web担をご覧いただいている方は、ホームページ・ビルダーというと、個人が趣味のホームページを作るためのツールだと思う方が多いかと思いますが、なかなかどうして。新バージョンでSEO設定機能の追加なども含めてビジネス向けに大きく舵取りしたホームページ・ビルダー14を紹介します。

念のために説明しておくと、ホームページ・ビルダーとは、

  • ワープロソフトのような操作でWebページ(携帯向けページ)を作る
  • ページ用の画像や動画を編集する
  • 複数ページをサイト全体としてまとめて管理する
  • サイト全体をまとめて、またはページ単位で公開サーバーにアップロードする

といったことができるソフトで、日本IBMが日本独自に開発しているもの。1995年にAIX版が発売されて以来バージョンアップを重ね、長らくホームページ作成ソフトとして不動の地位を保っているホームページ・ビルダーですが、バージョン14が2009年12月4日にIBMとジャストシステムから発売されます。

今回のバージョンアップによって、ホームページ・ビルダーはこれまでとは少し方向が変わり、よりビジネス向け、商用サイト向けになっています。

今回のバージョンアップで新しく入った機能は、次のとおり。

  • SEO支援 ―― metaタグの入力やチェック、XMLサイトマップの自動作成と検索エンジンへの登録支援、検索エンジンへのURLの追加など、検索エンジンからの集客力を増す機能を追加。title要素など、既存のアクセシビリティチェック機能と併せて使うことで、SEOの基本中の基本を押さえやすくなります。

    SEO設定
    SEO設定のインターフェイス。meta descriptionだけでなく、meta keywordsの指定やmeta robotsでのクローラー制御も設定できる。
    SEOチェック
    title要素、meta description、alt属性など、SEO関連の指定状況をまとめてチェックし、そこから修正できる。
    XMLサイトマップ
    XMLサイトマップは、サイトから自動的に作成(または手動で指定)できる。検索エンジンへの送信は自分で行う(送信用のページは教えてくれる)。
  • 商用サイト向けデザインテンプレート ―― 「企業」「クリニック」「ryokan・民宿」「リサイクルショップ」「ネットショップ」「美容院」「飲食店」「NPO」「コミュニティ」の10カテゴリで、商用サイト向けテンプレートが標準で添付(PC向け+携帯向け)。もちろん中身もロゴ画像も自分で修正できるもので、単ページではなく「トップページ+ニュースページ+企業情報ページ+実績一覧+問い合わせフォーム」のように、サイト全体が作れるように用意されています。

    テンプレート
    カテゴリごとに、商用サイトとして使えるテンプレートが付属。携帯サイト向けも含まれているのがさすが。
  • CSS編集 ―― Webサイト制作会社に作ってもらったページをホームページ・ビルダーで変更する際に必要になるCSS修正の機能を追加。また、これまでのホームページ・ビルダーは編集画面でCSSを反映した表示が苦手だったが、この部分も大幅に改善とのこと。

    CSS編集
    Web開発者にはなじみやすいCSS編集画面。
  • ショッピングカート/ショッピングモール出店 ―― ECサイト構築に必須のショッピングカート機能をプラグインで簡単に追加可能、しかもPCと携帯のどちらにも対応(外部の有料サービスと連携しての実現)。さらに、ネットショップモール「e-shops」にも無料で出店可能。

  • IE 8対応 ―― IE 8の「Webスライス」を作成する機能を追加

さらに、

  • 全製品パッケージに、アドワーズ広告とスポンサードサーチの、広告費用1万円分のクーポンが初回利用者向けにバンドル

  • ビジネスバリューパックには、さらに商用向けの素材をバンドル

  • ビジネスバリューパックには、書籍『非常識なSEOの常識』をバンドル

といった部分も、商用利用向けに力が入っている点。

また、新機能ではありませんが、マルチキャリア対応の携帯サイト作成機能が新機能に対応してさらに使いやすくなっていたり、ソフトの起動時間が短縮されていたり、タイトルロゴの文字を自分で自由に変えてページに簡単に挿入したりといった機能強化がされています。

バージョン14では、ただサイトを作るだけでなく、SEO、リスティング広告、ショッピングモールなどで「集客」する部分もフォローし、かつ、サイトの「見栄え」をデザインの面でもサイト構成の面でも良いものにする仕組みが充実したといったところ。

価格は、

  • ダウンロード版:1万800円
  • 通常版パッケージ:1万3,143円
  • 通常版書籍セット:1万4,095円
    (通常版パッケージ+書籍『できる ホームページ・ビルダー14[特別版]』のセット)
  • バリューパック:1万7,905円
    (通常版パッケージ+書籍『できる ホームページ・ビルダー14[特別版]』+Flash作成ソフト「かんたんWebアニメーション2」+Webデザインテンプレート「@rt Web select pack for IBM ホームページ・ビルダー14」+Webデザイン素材集「DDN Web素材集」のセット)
  • ビジネスバリューパック:2万4,500円
    (バリューパック+会社・店舗編テンプレート+書籍『非常識なSEOの常識』のセット)

とのこと(すべて税別)。

◇◇◇

販売元のジャストシステムによると、2009年時点で、ホームページ・ビルダーの利用者の52%がビジネス利用とのこと。この比率は2004年には28%だったとのことで、この5年で大きくビジネス向け利用が進んでいることがわかります。

HPBのシェアグラフ:パーソナルユーザー48%、ビジネスユーザー52%

もちろん、ホームページ・ビルダーがビジネス向け/商用向けになったといっても、企業サイトで公開承認のワークフローをもたせたり、サーバー側のテンプレートで動的に生成したりといった高度なこと必要ならば、相応のCMSを使うべきでしょう。しかし、個人事業主や小規模な事務所(法律事務所や医師などの師士業)が、コストをかけずにWebサイトを作るといった場合に、ホームページ・ビルダーは良い選択肢となるでしょう。

個人的には、携帯向けの機能が進化していることに加えて、テンプレートを使って各種コンテンツを備えたサイトを作る際のウィザード類が充実している点が、さすが大和研究所でユーザーテストを繰り返しながら作ってきた製品だけのことはあると感心しました。

用語集
CSS / SEO / XMLサイトマップ / meta description / meta keywords / metaタグ / アクセシビリティ / アップロード / アドワーズ / キャリア / クローラー / スポンサードサーチ / ダウンロード / ユーザーテスト / リスティング広告 / 検索エンジン
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