LINEがZホールディングスとの連携を強化。2022年はYahoo!やPayPayとユーザー体験の統合を促進
LINEは、5月18日にイベント「LINE BIZ DAY」をリアルとオンラインで開催した。キーノートセッションにはまず、LINEの代表取締役社長CEO兼Zホールディングス代表取締役Co-CEOの出澤氏が登壇した。
Zホールディングスとの連携で「LINEギフト」の流通学は前年比330%に
出澤氏は2021年にZホールディングスとの経営統合後、以下のような成果や取り組みを行ったと語った。
- 「Yahoo!ショッピング」は取り扱い売り上げ総額がメールマガジンの場合と比べて、LINE公式アカウント経由では2.28倍に
- 「LINEギフト」の出店ショップ数が約1,000店舗、取り扱い商品数約10万点に拡大。2021年は流通額が前年比330%に
- 「Yahoo!マート」をローンチ
なお、「Yahoo!マート」は2021年に新たにローンチしたサービスで、アスクルが販売する食料品・日用品を中心に約1,500種類の商品を出前館アプリから注文・決済すると、最短15分程度で配達されるというものだ。「Yahoo!マート」もZホールディングスとの経営統合で実現したという。
また最新事例として、5/18にリリースした、LINE公式アカウントとふるさと納税サービス「さとふる」との連携も紹介。LINE上でログイン、寄付申し込み、控除手続き、LINEでの通知受け取りができるという。
出澤氏は、「LINEとZホールディングスは、日本中のユーザーにこれまでにない体験を提供し、マーケティングの支援も最大限していきたい」と語った。
LINEの2021年の取り組み Zホールディングスとの経営統合で広告による来店促進効果が測定可能に
続いて、LINE上級執行役員 マーケティングソリューションカンパニーCEOの池端氏が登壇。
まず、2021年の取り組みを以下の4つのテーマに分けて振り返った。
- Brand
- Data
- CX
- Synergy
それぞれのテーマでの取り組みについて紹介する。
まず「Brand」では、2021年にリリースしたユーザーのLINEトーク画面の上部に広告を掲載できるサービス「Talk Head View」について語られた。従来の「Talk Head View」の広告掲載は予約型だったが、2022年4月に正式オープンした「Talk Head View Custom」では運用型で出稿が可能になった。
ターゲットや単価を設定し運用できるようになり、オン・ジャパンの事例では広告非接触と広告接触では特徴認知が246%増、着用意向も112%増になったという。
また、昨年はLINE NEWSのトップに自動再生型の広告を掲載できる「LINE NEWS TOP AD」もリリースした。
次は「Data」の取り組みについてだ。まず、LINE公式アカウントやLINE広告、LINEで応募などの施策を横断してデータ分析、活用できるプラットフォーム「ビジネスマネージャー」では、すでに900を超えるアカウントが開設されたという。
また、「CX」の取り組みでは、「LINEミニアプリ」が紹介された。
2020年12月のリリースから、2022年3月時点で4,019のサービスが「LINEミニアプリ」を導入したという。
最後は「Synergy」だ。Zホールディングスとの経営統合により実現したソフトバンクとの取り組みが紹介された。これは、LINEの広告による来店促進効果をソフトバンクのWi-Fiスポット活用により可視化する取り組みだ。事例として紹介されたのは家電量販店で、「Talk Head View Custom」によってターゲットユーザーに広告を配信し、その広告がどの程度来店に寄与したかを49店舗の商圏内で検証したという。
その結果、広告接触者は非接触者に比べて、76%来店率が向上。また、チラシではリーチできなかった10代~30代の来店にもつながったそうだ。
2022年はYahoo!やPayPayとユーザー体験を統合するためにデータ連携を促進
次に、池端氏は2022年に目指す取り組みについて「Zホールディングスグループ各社との連携を加速する1年にしたい。特に、マーケティング領域ではYahoo!やPayPayとの連携を強化し、サービスの統合ではなくユーザー体験を統合したい」と語った。
そのためには、「ビジネスマネージャー」を活用したデータ連携の促進を図り、基盤を構築していきたいという。そして将来的にはYahoo!のデータを活用した配信や、プラットフォームを横断した分析やサービスの提供を目指すそうだ。
さらに、トレジャーデータとの包括的な連携も強化するという。たとえば、API連携によってトレジャーデータの持つ顧客データとLINEのデータをシームレスにつなぎ、データクリーンルームなどセキュアな環境でデータを利活用できるプラットフォームの開発を進めていくという。
また、PayPayとも連携を強め、購買データを活用したキャンペーンや購買後のコミュニケーションの仕組みを作っているという。
池端氏は「Yahoo! JapanやLINEで商品を認知し、店舗近くでLINEにてキャンペーンを認知。そしてPayPayで商品を購入してキャンペーン応募、LINEで店舗公式アカウントを友だち追加し、購入した商品の情報をLINEで受け取るというように、様々なサービスをつなぎ、ユーザーに合わせた最適な体験を提供したい。2022年は、様々なものと人をつないでいく世界を実現するための基盤を作る1年にしたい」と締めくくった。
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