LINE広告が進化! Yahoo!広告との相互配信を含めた2022年までの主なアップデートを公開

LINEは、8月24日にイベント「LINE BIZ DAY BREAKOUT BRAND&DIRECT」をバーチャル会場で開催。2022年までの広告分野のアップデートについて発表した。

LINEは、8月24日にイベントLINE BIZ DAY BREAKOUT BRAND&DIRECT」をバーチャル会場で開催した。

キーノートセッションに、マーケティングソリューションカンパニー カンパニーエグゼクティブの宮本裕樹氏が登壇。「LINEが考えるブランディングの未来」について、「Branding ADs」「CX」「DATA」の3つのテーマで語った。

LINE株式会社 マーケティングソリューションカンパニー カンパニーエグゼクティブ
宮本裕樹氏

LINEのディスプレイ広告に新プロダクト追加

まず、ディスプレイプロダクトを中心とした「Branding ADs」のアップデートについてだ。2021年上期のディスプレイ広告(LINEのBranding ADs)への出稿金額は、2020年上期までに204%増加。また、LINEのトーク一覧上部に静止画か動画で表示される広告「Talk Head View」の出稿目的の80%が「企業・ブランドの認知」であるとわかった。

ディスプレイ広告(LINEのBranding ADs)への出稿金額

LINEは国内MAUが8,900万人を超えており、「Talk Head View」は1日で5,500万UUを超えるという。従来の「Talk Head View」は1日掲載のリーチボリューム重視の予約型だったが、掲載条件に柔軟性を持たせた運用型広告の「Talk Head View Custom」を今年9月に提供予定。掲載フォーマットは従来の「Talk Head View」と同じだが、配信期間やターゲティング、最低出稿予算など設定可能だ。

「Talk Head View」は1日で5,500万UU

また、今年10月からトライアル提供予定の「LINE NEWS TOP AD」についても説明があった。LINEニュースのトップに表示される自動再生の動画広告で、想定インプレッション数は2,700万だという。

2021年10月からトライアル提供予定の「LINE NEWS TOP AD」

さらに、Display ADsにターゲットセグメントを追加。対象は「LINE広告」と「Talk Head View Custom」のみだが、趣味・関心、行動、属性などについて93のセグメントを年内に追加する予定だという。

CX体験向上のため、来年には「LINE POP Media」をリリース

次に宮本氏は、「CX」領域のアップデートについて語った。LINEでは、上質なブランド体験をユーザーに届けるためには、CXの進化が重要だと考えている。たとえば、会員証をすぐにスマホで提示できる、その場でお得な情報を受け取るなど、ユーザーにとって滑らかなブランド体験が必要だ。

具体的にCXを向上させるソリューションとして、「LINEミニアプリ」が紹介された。「LINEミニアプリ」は、各企業がLINEを通してさまざまなサービスを提供できるプラットフォームだ。

たとえばKANEBO化粧品のLINEミニアプリでは店頭のPOPから簡単に会員登録ができて、LINEで会員証を提示できる。KANEBOではもともとネイティブアプリで同様のサービスを提供しており、会員化率は30%だったが、「LINEミニアプリ」導入によって50%以上に増加した。

また、2022年1月リリース予定の「LINE POP Media」についても紹介があった。これは「LINE Beacon」を活用して、店頭で設置するアナログPOPや店頭配布のチラシをLINEのトーク画面が代替するデジタルPOPソリューションだ。来店ユーザーへリアルタイムに新商品やキャンペーン情報を伝えることができる。トライアルリリースでのユーザーの反応は、「LINE POP Media」を利用すると購買リフト率は140%、「LINE POP Media」とアナログPOPを使うと155%の結果が出た。

2022年1月リリース予定の「LINE POP Media」

また、宮本氏は「LINE Blockchain」を利用し、NFTの分野でもチャレンジしていきたいと語った。これまでデジタル領域ではユーザーへのインセンティブ付与の手段が限定的だった。この課題を受けて、「LINE Blockchain」を活用したデジタルインセンティブの新たな取り組みを始めていくという。

よりシームレスなデータ活用を目指すアップデート

最後は、「DATA」についてのアップデートだ。LINEでは「Any1」というコンセプトを掲げている。これは、マーケティング活用に必要なデータを1つのIDに統合し、人・場所・瞬間に合わせたコミュニケーションを実現するという考えだ。

LINEはデータ活用のブランドとして、「LINE DATA SOLUTION」を今年1月に立ち上げ、データを以下の4つの流れにわけて考えている。

  • データ収集
  • データ統合・連携
  • 分析・レポート
  • オーディエンス活用

この4つの流れの中のうち以下3つでのアップデートを紹介した。

データ収集

「データ収集」の分野では、「LINE Data」「Client Data」「Z Holdings Group Service Data」と大きく3種類のデータにわけ、アップデートをしていくという。今回は「Client Data」領域で、トレジャーデータが参入。まずはLINE広告とAPI連携を行い、CDPのデータ活用をよりシームレスにしていくことを目指すという。

Treasure Dataとの取り組み

次に、「Z Holdings Group Service Data」では今後Yahoo!JAPANのデータと連携していく予定だ。これは今後実装予定のID連携を許可したユーザーのみが対象だという。

データ統合・連携

「データ統合・連携」の分野では、「Business Manager」を今年10月に正式リリース予定。3種類のデータを統合し、管理する。「Business Manager」を展開することで、将来的にプロダクトを横断した分析を目指すという。

10月のリリース段階ではオーディエンス/LINE Tagの共通利用を開始。2022年前半にはYahoo!JAPANサービスとの接続とグローバルリリースを行い、2022年後半以降には各プロダクトを横断するような統合レポート、スマートキャンペーンなどを実装していく予定だ。

オーディエンス活用

最後は「オーディエンス活用」だ。宮本氏は「Business Manager」を活用したメッセージや、広告を配信する手法の広がりについて紹介した。10月の「Business Manager」リリース段階では、「LINE公式アカウント」と「LINE広告」を使ってメッセージや広告配信ができるようになるという。またオーディエンス活用とは異なるアップデートになるが、今年の9月以降には「LINE広告」と「Yahoo!広告」のディスプレイ広告間で相互配信も可能になる予定だ。

「LINE広告」と「Yahoo!広告」の相互配信トライアルの取り組み

LINEは今後、さまざまなデータをOne IDで管理し、有益なインサイトや効果的なコミュニケーションが取れるソリューションを作っていく予定だという。

※2021年8月27日追記:記事の初出時において、一部に誤字があったため、訂正させていただきました。
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