“日本人とIT”の距離感が分かる! グーグルが導き出した“7つのクラスタ”とは?【グーグル調べ】
グーグル(Google)は、「生活者とITの向き合い方」について分析した結果を発表した。2021年6月から8月まで隔週で、9月以降は月次で、日本の生活者2,000人に対しWebアンケート調査を実施している。
その結果、従来の「ITリテラシーの高低」「新技術やサービスの受容度」「世代」といった切り方ではなく、6つの因子から、「ITとの向き合い方」で生活者を7つのクラスタに分類したという。
- 因子1:ITに自信がある。
- 因子2:匿名でいたい。
- 因子3:ITによって生活が便利になっている。
- 因子4:ITによって社会が発展している。
- 因子5:便利と引き換えに個人情報を提供してもいい。
- 因子6:情報をコントロールできないと不安。
- ウェルネス型:ITは「生活が豊かになるもの」
- トレンドフォロー型:ITは「常に動向を追いかけるべきもの」
- トライ型:ITは「得意ではないが、頑張って使うもの」
- ディスタンス型:ITは「心理的な距離があるもの」
- アクセプト型:ITは「面倒だが、周りに合わせて使うもの」
- ミニマル型:ITは「必要最低限だけ使うもの」
- クリティック型:ITは「自分向けではないと感じるもの」
① ウェルネス型:ITは「生活が豊かになるもの」
このクラスタでは、因子4(ITによって社会が発展している)や因子5(便利と引き換えに個人情報を提供してもいい)がもっとも強い。特に「SNSは、人々のつながりを強めて結びつけている」「デジタル機器を活用することで、人々の心身は健康になっている」と考える人たちだ。
ただしオンラインかオフラインかを選択する上では、必ずしもオンラインが優位にあるわけではなく、フラットに見て便利なほう、自分に合うほうを選ぶ傾向が見られた。
② トレンドフォロー型:ITは「常に動向を追いかけるべきもの」
因子1(ITに自信がある)と因子3(ITによって生活が便利になっている)がもっとも強い。変化のスピードに追いついている自信がうかがえ、IT以外でも先端の流行に触れることに楽しみを見出している。一方で、因子4(ITによって社会が発展している)や因子5(便利と引き換えに個人情報を提供してもいい)は緩い。
③ トライ型:ITは「得意ではないが、頑張って使うもの」
因子1(ITに自信がある)は弱いが、因子3(ITによって生活が便利になっている)が強く、“便利だったら使う”という姿勢でITを取り入れているクラスタ。因子5(便利と引き換えに個人情報を提供してもいい)も比較的強く、企業や外部の判断に任せている雰囲気がある。
④ ディスタンス型:ITは「心理的な距離があるもの」
ITを使うが、具体的に便利さを感じておらず関心も低いクラスタ。そのため因子2(匿名でいたい)も弱く、プライバシーについてもあまり強行には考えていないと思われる。いわゆる“無関心な人たち”だ。
⑤ アクセプト型:ITは「面倒だが、周りに合わせて使うもの」
自身のITスキル・リテラシーは平均と思っているが、ITそのものの価値については否定的で、「不要な情報が増えた」「人々の心身は不健康になっている」といった回答が比較的強い。無関心と言うより“できれば関わりたくない”が“周囲やTPOに合わせて使う”と割り切っている人たちだ。
⑥ ミニマル型:ITは「必要最低限だけ使うもの」
家族・友人との連絡などで、メッセンジャーアプリやメールは平均して使っている。しかしSNS・電子決済・テクノロジーデバイスの利用率は平均より低く、必要最低限だけITを利用しているクラスタだ。因子2(匿名でいたい)は他クラスタよりも強く、因子6(情報をコントロールできないと不安)も強い。個人情報に最も気を配っている層となっている。
⑦ クリティック型:ITは「自分向けではないと感じるもの」
因子1(ITに自信がある)や因子5(便利と引き換えに個人情報を提供してもいい)が高いにもかかわらず、因子3(ITによって生活が便利になっている)は最も低いクラスタ。いわば“ITに懐疑的な層”だ。マスメディアに対する信頼も最も低く、SNSも使用していない。
グーグルでは、今後も定点調査を基に各クラスタの動向を分析する方針だ。
調査概要
- 【調査対象】全国の18~69歳男女
- 【調査方法】日常生活のデジタル化における生活者意識行動調査(調査会社:インテージ)
- 【調査時期】2021年6月:初週の週末から隔週で実施。2021年9月以降:月次で実施。
- 【有効回答数】各回n=2,000
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