オンラインでの本人確認「eKYC」、利用経験者はまだ12.0%だが使ってみたい人は4割超【MMD研調べ】

本人確認の手続き中、郵送や窓口訪問が面倒になり中断したことがある人が41.6%。

MMD研究所は、「オンラインでの本人確認(eKYC)に関する調査」の結果を発表した。20歳~69歳のスマートフォンを所有する男女659人から回答を得ている。

「eKYC」(electronic Know Your Customer)とは、銀行口座開設やクレジットカード発行、スマホ回線の契約などの際に、本人確認書類の郵送などを省き、本人確認をインターネット経由で行う仕組みだ。一般的には、免許証やマイナンバーカードの写真データを送信することで、本人確認とするサービスが多い。特定のサービスを指すのではなく、“オンラインで本人確認する仕組み”全般を指し、2020年4月の関連法改正以降、導入する企業が増加している。

オンラインの本人確認(eKYC)の認知は28.6%、利用経験者は12.0%

まず「eKYCを知っているか」を聞くと、全体では「まったく知らない」71.5%が最多で、「利用したことがある」12.0%、「名称は知っているが、どんな内容なのか知らない」5.9%がそれに続く。年代別では若い世代ほど認知・利用が多く、年齢が上がるほど下がる傾向が見られた。

一方「本人確認手続き中に、アプリインストール・書類郵送・窓口に向かうのが面倒になり、手続きを中断したことはあるか」を聞くと、「手続きを中断したことがある」41.6%となり、「手続きを中断したことがない」41.9%とほぼ並んだ。

こうした“面倒くささ”を解消するのにeKYCが期待されており、実際eKYCの経験者(79人)は「eKYCが今後さらに普及してほしいか」という質問に「とてもそう思う」58.2%、「ややそう思う」36.7%と回答している。具体的なメリットでは、「郵送や書類コピーなどの手間が減った」67.1%、「スピーディーに手続きできる」63.3%、「外出しなくて済む」59.5%が上位だった。

一方でeKYC利用者にデメリットを聞くと、「個人情報の漏洩の可能性」41.8%、「何回試しても認証されない」31.6%、「本人確認書類の画像や動画などの読み込みができない」29.1%が上位だった。過渡期ゆえの不安定さや不備がまだまだ解消されていないのが現状のようだ。

未経験者の利用意向、40.5%が「利用したいと思う」と回答

「利用したことのあるシーン」では、「銀行・証券口座開設時」59.0%、「キャッシュレス決済サービス利用時」43.6%、「クレジットカード発行時」35.9%が上位だった。

eKYC未経験者580人に「eKYCを今後利用したいと思うか」を聞くと、「利用したいと思う」13.6%、「やや利用したいと思う」26.9%で計40.5%が肯定的、「利用したいと思わない」16.6%、「あまり利用したいと思わない」20.0%で計36.6%が否定的だった。

「eKYCを今後利用したいと思う」と回答した235人に「希望する利用シーン」を聞くと、「クレジットカード発行時」57.0%、「銀行・証券口座開設時」49.8%、「キャッシュレス決済サービス利用時」49.4%が上位で、実際の利用シーンとほぼ同じ順となった。

調査概要

  • 【調査対象】スマートフォンを所有する20歳~69歳の男女
  • 【調査方法】インターネット調査
  • 【調査期間】2021年3月23日~30日
  • 【有効回答数】659人
     
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