位置情報分析で3月三連休の感染拡大要因を追う。六本木、千鳥ヶ淵への外出が増加【クロスロケーションズ調べ】

新型コロナウイルス感染症に関する人流変化を、位置情報ビッグデータからAIで解析。

クロスロケーションズは、新型コロナウイルス感染症に関連して、3月下旬の人流の変化を分析した調査報告を発表した。

3月20日の春分の日、3月第3週末(3月21日~22日)を中心に、東京都心の繁華街、お花見スポットなどの人流変化を調査した。同社の位置情報データ活用プラットフォーム「 Location AI Platform」を使用し、匿名位置情報ビッグデータからAIで解析を行っている。

3月三連休に六本木・銀座への外出が増加、“夜遊びでの感染拡大”を裏付け

3月第3週末は、春分の日と土日を合わせた三連休。政府による自粛要請からも20日ほど経過しており、気の緩みから外出が増えることが懸念されていた。

「都心繁華街6エリア」(渋谷、上野、池袋、銀座、六本木、新宿)の来訪者数を見ると、すべてのエリアで前年に比べて2割上の減少が見られた。とくに新宿エリア・池袋エリアは、35%程度と大きく減少している。

 

一方、前週との比較・年代別の比較では、原宿竹下通りエリアで20~34歳の来訪が、25.0%上昇。六本木エリアでは20~34歳が20.4%、55歳以上が27.8%上昇。さらに銀座エリアでは55歳以上が30.0%上昇と、いずれも急激に来訪者が増加している。六本木は全世代で見ても5.8%の増加だ。4月に入り東京で感染者が急増しているが、その原因として“夜の遊び”により拡大したと政府や都が指摘している。これらエリアへの外出増は、それを裏付けた形だ。

 

お花見スポットでは、井の頭公園・千鳥ヶ淵の来訪者が前年より増加

3月三連休における「都内のお花見スポット」の来訪者数を見ると、これは開花にともない3月第2週末より、すべてのエリアで大幅に増加した。新宿御苑や千鳥ヶ淵の来訪者は2倍以上となった。

しかし前年同時期と比較すると、多くのエリアは前年より減少。ただし、井の頭公園と千鳥ヶ淵の2スポットは、30%を超える上昇を見せた。この2エリアに集中した理由はさだかではないが、開花の状態、施設の自粛状況、テレビでの紹介、エリアのサイズといった要因が考えられるだろう。

 

なお代々木公園・井の頭公園について、来訪の時間帯を前年と比較すると、今年は午後に来訪者が集まる傾向が見られたという。

 

調査概要

  • 【調査対象】新型コロナウイルス感染症に対する政府基本方針の、発表前とその後の日程で、人の流れを比較。
  • 【調査方法】自社開発の位置情報データ活用プラットフォーム「Location AI Platform」の特徴エリア別定点観測機能を使用。
  • 【調査期間】2019年3月1日~7日、2020年2月16日~22日、2020年3月1日~7日など。
  • 【調査エリア】繁華街・観光地となっている都心市街地、および全国市街地など複数個所。その他、都内公園約10か所、都内駅前スーパー複数店舗。
  • 【該当期間の主な出来事】
    ・2/25 政府が対策基本方針を発表
    ・2/26 政府によるイベント自粛要請
    ・2/27 政府が全国の小中高等学校に一斉休校を要請
    ・3/2 小中高等学校の一斉休校が開始
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