ブランド価値による日本ブランドのランキング「Best Japan Brands 2019」を発表【インターブランド調べ】
日本最大のブランディング会社であるインターブランドジャパンは、ブランドの持つ価値を金額換算する独自のブランド価値評価(Brand Valuation)手法を用い、日本発のブランドを対象としたブランド価値ランキング「Best Japan Brands 2019」を発表した。
2009年より発表し、今年で11回目となるBest Japan Brands 2019は、日本のグローバルブランド(海外売上高比率30%以上)を対象とした「Japan's Best Global Brands(JBGB)」と国内ブランド(海外売上高比率30%未満)を対象とした「Japan's Best Domestic Brands(JBDB)」の2部門の各Top40ブランドの発表となる。
Japan's Best Global Brands 2019
JBGB2019では、Toyotaが11年連続の第1位(前年比+6%)となり、Honda(2位、前年比+4%)、Nissan(3位、前年比+6%)、Subaru(10位、前年比+5%)とTop10のうち4つが自動車ブランドとなった。また、Bridgestone(12位、前年比+10%)、Suzuki(16位、前年比+23%)など、ランキング全体では、Top40のうち9ブランドと、数多くの自動車関連ブランドがランクインしているのが近年の傾向である。
また、海外売上高比率30%以上の「グローバル基準」を満たしたことで、Kao(14位、前年比+11%)がJBDBから移動しランクイン、日本ブランドのグローバル化が着実に進んでいる。(※これまで、2015年にUNIQLOとYakult、 2016年にMUFG、2017年にTokio MarineとMUJI、2018年にMizuhoとSMBCがJBDBよりランクインしており、Kaoは8例目となる。)
また、Terumo(39位)が初めてランクインし、Makita(40位)が2016年以来3年ぶりにランキングにカムバックした。
全体的な傾向としては、顧客の本質的なニーズに対して新しい価値を生み出し続けているブランドが成長している。
Japan's Best Domestic Brands 2019
JBDB2019では、NTT DOCOMOが9年連続の1位(前年比-1%)となり、以下SoftBank(2位、前年比6%)、au(3位、前年比+2%)と4年連続で大手通信3社が上位3位に名を連ねた。また、Sagawa(30位)、Lion(37位)、POLA(39位)、Mercari(40位)の4つのブランドが初のランクインを果たしている。
成長率でみると、ZOZOTOWNが38%増でランキング最高の成長率となっている。
ランキングでは、ブランド価値成長率Top5のブランドに見られるように、ECを積極的に推進することで接点を広げるとともに、ブランドの「らしさ」を創り上げる活動を推し進めている傾向が見える。また、国内ブランドとはいえグローバル展開を加速しているブランドも多く見られている。
調査概要
- 【調査対象】日本のグローバルブランド(海外売上高比率30%以上)、国内ブランド(海外売上高比率30%未満)
- 【評価対象基準】グローバルに展開される日本発のブランドについて,そのブランド価値を明らかにし、「世界共通の尺度」で、そのポジションを相対比較することを目的に、以下の基準を満たすブランドを抽出し評価する。
- 日本発のブランドであること:日本の企業によって生み出されたコーポレートおよび事業ブランドであること
- 各種財務情報が公表されていること:2018年10月31日時点で上場しており、アナリストによる業績予測が入手可能な企業であること
- 「Japan's Best Global Brands」では、2017年度実績で、ブランドを冠する事業の海外売上高比率が30%以上であること(「Japan's Best Domestic Brands」では30%未満、「Best Global Brands 2018」ランクインブランドは 2018 年度のブランド価値を適用)
- グローバルで一般に認知されていること
- 【ブランド価値評価手法】財務力、ブランドが購買意思決定に与える影響力、そしてブランドによる将来収益の確かさ、という観点からみたブランド価値の評価。証券アナリストが事業の価値を分析・評価するのと同じように、「将来どれくらい収益を上げると予想されるか」という視点に基づいて、ブランドの価値を分析・評価する。
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