ネットショッピング利用率は58%に。20代・30代では8割が利用【NRI「生活者1万人アンケート調査」】
野村総合研究所(以下「NRI」)は、全国15歳~79歳の男女計1万人を対象に、訪問留置法で生活像や生活価値観、消費実態を尋ねる「生活者1万人アンケート調査」を実施した。このアンケートは1997年以降、3年に1回のペースで実施されており、今回が8回目。
情報端末利用の個人化が進み、家族が一緒に過ごす「お茶の間」が消失
情報端末の利用状況を見ると、スマートフォンの個人保有率が71%に増加した(前回2015年比19ポイント増、前々回2012年比48ポイント増)。ノート型PCは45%で横ばい。タブレット端末は前回比6ポイント増の24%となり、デスクトップ型PC(20%)を上回った。
平日のインターネット利用時間(仕事での利用を除く)は、この3年間で103分から119分へと増加する一方、テレビの視聴時間は若年層を中心に減少しており、全体では151分から145分へ減少したとのこと。
2015年から2018年にかけての生活価値観の変化(下図)をもとに、NRIは、夫婦や家族の間でも互いに干渉しない個人志向が強まっていると指摘。家族が時間・空間を共有する「お茶の間」が消失し、それぞれが自分の情報端末に向かって時間を過ごす「背中合わせの家族」が増加する傾向がうかがえるとした。
ネットショッピング利用は、若年層を中心に全年代で拡大。20代・30代は8割が利用
インターネットショッピングの利用率や年間平均利用回数が、ひきつづき大きく拡大した。全体のインターネットショッピング利用率は、2015年の49%から2018年の58%へと約10ポイント増加した(下図)。
また、利用者あたりの年間平均利用回数も2015年調査と比べて若年層を中心に増加しており、利用者全体では14.8回/年から19.8回/年に増加したとのこと。
消費の際の情報源としては、「テレビのコマーシャル」「ラジオ、新聞、雑誌の広告」などが2012年と比べて減少し、「ネット上の売れ筋情報」「評価サイトやブログ」といったネット情報の参照度が伸びている。
収入の見通しはやや好転、景気の先行きについては様子見傾向が強まる
「家庭の収入がよくなる」と考える人は、2015年調査と同水準の11%。一方、「悪くなる」と考える人の割合は、40%を超えていた2009年・2012年から、2018年は24%まで減少し、収入の見通しはやや好転している。
今後1年の景気の見通しについては、2012年には「悪くなる」と考える人が40%いたが、2015年にその割合は22%、2018年には19%へと減少した。一方で、「どちらともいえない」は2012年の54%から、2015年には66%、2018年には69%へと増加。NRIでは「景気の見通しについて様子見の傾向」が強まっているとしている。
全体の消費スタイルは引き続き「利便性重視」。共働き世帯は「プレミアム志向」が微増
NRIが設定した「4つの消費スタイル」のウェイト変化を見ると、「利便性消費」(=購入する際に安さよりも利便性を重視)スタイルの割合が、2015年、2018年ともに44%と最も高くなっている。また、「プレミアム消費」(=自分が気に入った付加価値には対価を払う)スタイルについては、生活者全体では22%が続きましたが、共働き世帯では21%から23%へと高まっているのが特徴だとNRIは指摘している。
調査概要
- 【調査対象】全国の満15~79歳の男女個人
- 【調査方法】訪問留置法
- 【サンプル抽出方法】層化二段無作為抽出法
- 【調査時期】2018年7月~8月
- 【回答者数】10,065名
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