オフライン広告の効果測定、「ログベース分析」「統計モデル分析」が高評価【サイカ調べ】
サイカは企業の広告宣伝担当者117名を対象に「オフライン広告の効果測定手法に関するアンケート調査」を実施し、その結果を発表した。これはオフライン広告にフォーカスした独自レポートの第3弾となる。
*参考:30.2%がオンライン・オフライン広告の統合分析を実施している【広告の効果測定に関するアンケート調査/サイカ調べ】
オフライン広告に関する5つの効果測定手法
この調査における「オフライン広告」は「インターネットを介さない広告」のことで、テレビCM、ラジオ、新聞、雑誌、チラシなどを含む。その効果測定手法として、同社は次の5つを挙げる。
- 成果データの出稿前後比較:購買数、登録者数といった、広告施策の成果となる指標について、広告の出稿前後のデータ推移を比較して効果を測定する方法
- 出稿/非出稿地域の比較:購買数、登録者数といった、広告施策の成果となる指標について、広告を出稿した地域と出稿していない地域のデータ推移を比較して効果を測定する方法
- アンケート調査:顧客へのアンケートを用いて、製品・サービスへの認知率などが広告出稿によりどの程度向上したかを測定する方法
- ログベース分析:オフライン広告、インターネット広告の出稿データや、外部要因(季節要因、競合の状況など)のデータなど、成果に影響しうる要素を分析・モデル化することで、施策・要因同士の関連性や成果への影響力を測定する方法
- 統計モデル分析:消費者個人単位でテレビCMの視聴履歴やインターネット広告の接触履歴、製品の購買履歴などのデータを収集し、各広告の購買への貢献度を把握する方法
測定手法の採用状況:「出稿前後比較」63%、「地域比較」「アンケート調査」が各48%
オフライン広告の効果測定の手法として、企業の広告宣伝担当者がどの手法を用いているのかを聞いた結果がこちら。
「成果データの出稿前後比較」が最も多く、63.4%の広告宣伝担当者が利用していると回答。次いで「出稿/非出稿地域の比較」「アンケート調査」がそれぞれ47.6%となった。「ログベース分析」は22.0%、「統計モデル分析」は30.5%。
実際の効果測定では「ログベース分析」「統計モデル分析」が高評価
前項のオフライン広告の効果測定手法について、どの程度の効果測定を実現できているかを聞いた結果は下図のとおり。
「十分に測定できている」と答えた比率が最も高いのは「ログベース分析」(22.2%)。「ある程度測定できている」まで含めると、「統計モデル分析」が90.0%で最多となる。
Web/店舗両方で販売する商材では「統計モデル分析」の採用が過半数に
販売チャネルによって広告の出稿方針が異なることを考慮し、今回の調査では、以下の3タイプに分類して各手法の利用状況を問う調査も実施している。
- 主にWeb上で購買される商材
- 主に店舗で購買される商材
- Web上でも店舗でも購買される商材
赤で色付けされた「統計モデル分析」は、Web/店舗の両方で購買される商材を扱う広告宣伝担当者の51.6%が採用しており、主にWeb上で購買される商材(14.8%)、主に店舗で購買される商材(20.8%)と比較して高い。
この理由としてサイカは「Web上でも店舗でも購買される商材は販売ルートが多い分、顧客の行動プロセスも複雑になるが、他4つの測定手法では多岐にわたる成果への影響要因を考慮しきることができず、統計モデル分析が用いられている」と考察している。
このほか、主に店舗で購買される商材についてはアンケート調査の実施率が低くなっている。
調査概要
- 【調査対象】インターネット広告およびオフライン広告の両方に出稿している企業に勤務しており、その企業にて、オフライン広告出稿業務に現在従事している、もしくは過去に従事した経験のある者
- 【調査方法】インターネット調査(ネットリサーチ)
- 【調査時期】2018年9月
- 【回答者数】117名
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