グループウェアのNPS:上位はG Suite、Office365【日経BPコンサルティング/Emotion Tech調べ】

日経BPコンサルティングとEmotion Techは、B2B商材のNPSとカスタマージャーニーについて共同調査を実施した。

日経BPコンサルティングとEmotion Techは、1,111名を対象に「グループウェア」、「チャットメールサービス」、「MDM(Mobile Device Management)」の3種類のB2B商材に関するNPSとカスタマージャーニーについて共同調査を実施した。

この調査は、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験。以下CX)の項目が、それぞれ顧客ロイヤルティ指標であるNPSにどの程度の影響力があるか(影響度)とNPSをどの程度向上・低下させているか(現状の評価)を分析することにより、NPS向上における優先課題を明らかにするもの。

NPS(Net Promoter Score)は顧客ロイヤルティを測る経営指標。
https://webtan.impress.co.jp/l/6990

グループウェア:NPSの上位はG Suite、Office365、Exchange Server

グループウェアの対象10商材において、NPSが1位となったのはGoogleの「G Suite」で、NPSスコアは−25。次いで、日本マイクロソフトの「Office365」(NPSスコア:−27)、3位に同じく日本マイクロソフトの「Exchange Server」(NPSスコア:−28)が入った。

グループウェア商材に対するNPS

グループウェア全体でNPSと顧客体験の関係を見ると、最もNPSへの影響度が高い項目は「システムの使いやすさ/操作性(ユーザビリティ)」となっている(下図)。NPSへの影響度と評価のギャップが大きい項目は、導入前の「営業担当の親身さ」、「質問に対する受け答え」で、両社はこの2項目を、グループウェアにおける最優先課題に挙げている。

グループウェア商材の顧客体験のNPSへの影響度と現状の評価

NPS上位の2商材に関してNPSと顧客体験の関係を見ると、「G Suite」、「Office365」とも最もNPSへの影響度が高い項目として、全体と同じく「システムの使いやすさ/操作性(ユーザビリティ)」となっている。

グループウェアNPS上位2商材に関する顧客体験のNPSへの影響度と現状の評価の比較

一方、優先課題となっている項目は、「G Suite」では導入後の「システムの動作レスポンス」と「サポートへの問い合わせ時の対応」、「Office365」では、導入前の「ニーズ・課題の理解度」となっており、それぞれ優先課題が異なっている。これらの優先課題を改善することが、さらなるユーザー獲得につながると両社は指摘している。

ビジネスチャット:「利用料金(ランニングコスト)」が影響度、改善余地ともに大

ビジネスチャットの対象7商材におけるNPSの比較をすると、ほぼ差がなく、NPSスコアは−30前後となっている。

ビジネスチャット商材に対するNPS

ビジネスチャット全体でNPSと顧客体験の関係を見ると、最もNPSへの影響度が高い項目は「利用料金(ランニングコスト)」、商材を検討する時点での「ホームページの使いやすさ」となっている。

ビジネスチャット商材の顧客体験のNPSへの影響度と現状の評価

NPSへの影響度と評価のギャップが大きい項目は、「利用料金(ランニングコスト)」および「システムの動作レスポンス」。特に、NPSへの影響度が最も高い「利用料金(ランニングコスト)」は、現時点でチャットメールサービスの不満要因であることから、ユーザー獲得する上で最も重要な要素だと両社は指摘している。

MDM:同じ商材でも代理店によってNPSスコアに大差

Mobile Device Management(MDM)の対象12商材において、NPSの上位は、VMwareおよびNTTドコモから提供される「AirWatch」(NPSスコアそれぞれ−14、−15)、日本マイクロソフトの「Office365」(NPSスコア:−15)であった。同じ「AirWatch」でも、導入を支援する販売代理店によって大きく差があり、NTTドコモのスコアが−14に対し、ソフトバンクのスコアは−63であった。

MDM商材に対するNPS

MDM全体におけるNPSと顧客体験の関係を見ると、最もNPSへの影響度が高い項目はグループウェアと同様に「システムの使いやすさ/操作性(ユーザビリティ)」となっている。NPSへの影響度と評価のギャップが大きい項目は、導入前の「ニーズ・課題の理解度」および「ホームページのわかりやすさ」、「システムの動作レスポンス」

MDM商材の顧客体験のNPSへの影響度と現状の評価

同じ「AirWatch」を扱いながらもNPSに大きな差があったNTTドコモとソフトバンクの2社に関して、NPSと顧客体験の関係を見ると、最もNPSへの影響度が高い項目と最も優先課題となっている項目はいずれも「サポート担当から受ける提案」となっているが、それ以外の優先課題となっている項目に違いが見られる。

MDM商材「AirWatch」に関するNTTドコモとソフトバンクの顧客体験のNPSへの影響度と現状の評価の比較

NTTドコモでは「利用料金(イニシャルコスト)」、導入前の「ニーズ・課題の理解度」、「ホームページのわかりやすさ」、ソフトバンクでは、「ブランドイメージ・安心感」、「導入支援サポート」が、それぞれ優先課題となっている。いずれも商材自体ではなく、販売する代理店側の課題といえる。

このように同一商材であっても顧客接点となる代理店によりNPSは異なることから、商材の提供元としては販売チャネルの特性を把握し、それぞれに適切な扱いをすることが重要になるといえそうだ。

調査概要

  • 【調査対象】日経BPコンサルティング調査モニターおよび提携モニター
  • 【調査方法】インターネット調査(ネットリサーチ)
  • 【調査時期】2018年5月28日~6月8日
  • 【回答者数】1,111名
  • 【対象商材】()内は販売会社

グループウェア:
G Suite(Google)、Office365(日本マイクロソフト)、Exchange Server(日本マイクロソフト)、StarOffice(NEC)、IBM SmartCloud Notes(日本IBM)、IBM Notes(日本IBM)、サイボウズOffice(サイボウズ)、サイボウズガルーン(サイボウズ)、クラウド版desknets NEO(ネオジャパン)、パッケージ版desknets NEO(ネオジャパン)

チャットメール(ビジネスチャット):
Topicroom(NTTテクノクロス)、Skype for Business(日本マイクロソフト)、Workplace by Facebook(Facebook)、LINE WORKS(LINE)、ChatWork(ChatWork)、Slack(Slack)

MDM:
AirWatch(VMware)、AirWatch(NTTドコモ)、AirWatch(ソフトバンク)、Office365(日本マイクロソフト)、KDDI Smart Mobile Safety Manager(KDDI)、KDDI デバイスマネジメントパック(KDDI)、G Suite(Google)、FENCE-Mobile RemoteManager(富士通)、CLOMO MDM for ビジネスプラス(NTTドコモ)、ビジネスコンシェル(ソフトバンク)

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