Instagramで購買効果をあげる! 「タグ映え」「キャプション映え」の秘訣
利用者の増加にあわせて投稿量も爆発的に増えているInstagram。マーケティングの観点からもInstagramの重要度は増す一方で、トレンドやアルゴリズムの変化などにより、今までと同じやり方では効果を見いだしにくくなっているケースもあると語るのは、インサイトマーケティングに取り組むAIQの西川龍二氏だ。
オンラインで行われた「Web担当者Forum ミーティング 2020 春」のセッションで、西川氏は「タグ映え」「キャプション映え」というキーワードを軸に、進化するInstagramマーケティングについて解説した。
成長するInstagram。最も購買に近いSNSへ
Instagramの成長は著しい。月間アクティブユーザーは、2019年には過去4年で4倍となる3,300万人まで増加し、利用者層は女性、若年層に限らず、男性、40代以上にも拡大している。
こうした成長とともに、企業による公式アカウント運用も増えている。すでにD2C、ECなどではInstagram経由の売上拡大が数値として現れており、今後は他の業界にも波及していくことが見込まれるという。
Instagram上での顧客接点を増加させる施策としては、次の4つがある。
- オーガニック投稿
- 広告
- キャンペーン
- インフルエンサー
なかでも、最も獲得の難易度が高いのがオーガニックなリーチだが、西川氏は今こそInstagramマーケティングを強化するチャンスだと捉えている。なぜなら、近年、Instagramに2大変化が起こったからだ。
Instagramユーザーの行動変化で重要になった「タグ映え」
Instagramに起こった変化とは一体、何だろうか?
① ユーザーの行動変化
まず一つ目の変化としては「ユーザーの行動変化」だ。具体的には、情報を探すときにGoogleなどの検索エンジンからキーワード検索するのではなく、Instagramのタグを使う人が増えているのだ。
ジャストシステムの調査でも、2019年にはファッションを調べる情報源としてGoogle(28.3%)よりも、Instagram(29.4%)を上げる人のほうが多くなっている(西川氏)
このようにタグによる情報探索が普及するにつれて、「タグ映え」つまり「タグをタップしたときに、ファーストビュー(人気投稿一覧の9位以内)に掲載されること」が重要になった。西川氏によれば、この掲載順位はInstagramの独自ロジックで決定されており、タグ映えするかどうかで、リーチ数が2倍以上変わることもめずらしくないという。
② 人気投稿ロジックの変化
そして2つ目が、2019年末に、人気投稿判定におけるInstagramのロジックが変化したことである。以前は、投稿へのいいね数(特に投稿後の初速のいいね数)、コメント数、保存数などの「エンゲージメント」によって順位が決まっていたが、新しいルールでは、これらよりも「タグの関連性」がより重視されるようになったという。
コンテンツSEOでは、コンテンツの中に共起ワード(あるキーワードと関連するキーワード)が含まれていないと、検索で上位表示されない。Instagramも似た考え方で、投稿につけられた全タグに関連性がないと、人気投稿の対象外になってしまう。この変化によって以前は人気投稿の常連だったアカウントが載らなくなっている(西川氏)
③ SNS接触時間の増加
この2つの変化に加えて、直近の数か月で「さらにもう1つの変化がある」という。それは、Withコロナにおいて、SNSの接触時間が増えたことだ。
アライドアーキテクツの調査によれば、新型コロナウイルスによってSNSの利用時間が増えている人が約34%となっている。Twitter、LINEはコロナ関連情報の収集のため利用時間が増えたが、Instagramは趣味/好きなことに関する情報収集、コミュニケーションを目的に利用時間が増えていると回答する人が多い。タグ映えで新たな顧客接点をしっかり作ることが大切だ(西川氏)
タグ映えするための最適なタグ選びは、人間では不可能!?
しかし「タグ映え」といっても簡単ではない。1つでも関連性のないタグが含まれると、他のタグでも人気投稿に掲載されなくなってしまうからだ。ここで視聴者に「関連性のないタグを選ぶクイズ」が出題された。結果は多くの人が不正解。
人間が考える関連性とInstagramが評価する関連性は異なる。しかもInstagramのアルゴリズムは不定期で変動する。AIQでは人気ハッシュタグの紹介サイト「Instant Trends(インスタントトレンド)」を運営しているが、ハッシュタグの分析、集計をしているのはAI。このデータからアルゴリズムの変化をいち早く気づける体制を整えている(西川氏)
関連性のないタグが含まれているかどうかで、同じテーマの投稿でもリーチ数、保存数、フォロワー増加数に大きく差が生じる。AIQの検証では、同じテーマの投稿で、関連性のないタグを削除したら、リーチ数は+4万、保存数は5倍、フォロワー数は4倍に伸びたという。
Instagramマーケティングの変化
Instagramがプラットフォームとして成長していく中、Instagramマーケティングも徐々に進化している。西川氏はこの進化を「InstagramMarketing1.0、2.0、3.0」と呼ぶ。
InstagramMarketing 1.0
1.0は「インスタ映え」の時代だ。きれい、鮮やか、おしゃれな画像や動画を通してアカウントの世界観に共感してもらうような、「ブランディング」、「認知」のためのマーケティング活動がこれにあたる。
InstagramMarketing 2.0
2.0では、Instagramが情報探索のツールとなる中で、興味・関心が近い投稿の中から見つけてもらうために、画像・動画に加えて「タグ映え」による人気投稿に載るための「ハッシュタグSEO」が重要になった。
InstagramMarketing 3.0
そして3.0ではさらに「キャプション映え」を加えることにより、情報をプールしてもらうことが重要になる。Instagramが認知だけでなく購買につながるプラットフォームとして進化する中、「あとで真似したくなる情報」を発信することで、投稿が保存されるようになるという。情報が保存されれば、いつでも再確認できるようになり、より購買へと近づくのだ。
パルス消費をとらえたクリエイティブを考える
購買決定のプロセスは、「AIDMA」モデルから「パルス型消費行動」に変わっているという。パルス型消費行動とは、Googleが提唱するモデルで、瞬間的に買いたい(パルス発動)と感じて、その場で購入することを指す。24時間買い物が可能な現代だからこそ、「思い立ったときに想起できる」状態にしておくことが重要なのだ。
そして、パルス発動・購買につなげるためには、次の2点が重要だという。
- 情報を見るだけでなく、能動的にアクションさせて忘れにくくすること
- 思い立ったそのときに、サービスにたどり着ける状況を作り出すこと
Instagramでは「保存機能」がこの2つの要件を満たしている。
InstagramMarketing 3.0では、インスタ映え、タグ映えに加えて「いつかマネしたい」という気持ちをくすぐる情報を加えた「キャプション映え」をさせることで、保存を促すことができる(西川氏)
つまり、保存を促すには「参考にしたい」と思わせることが重要で、ポイントは次の2つになる。
- いつかマネしたいという気持ちをくすぐるネタ
- キャプションに、マネするときに必要な情報をプラスする
タグ映えができる運用支援ツール「AISIGHT」
最後に、同社が提供するInstagram版SEO分析ツール「AISIGHT(アイサイト)」が紹介された。AISIGHTのポイントは3つ。
誰でもタグ映えができる
投稿にタグがレコメンドされ、タグ同士の関連性がランク表示されるので、タグ映えするタグを設定できる。投稿後は設定したタグが人気投稿に掲載されたかどうかがひと目でわかる。
タグ映えの効果がわかる
投稿ごとに、いいね数、コメント件数と内容、リーチ数、フォロワー増加数などの数値が一覧で表示される。
レポートの自動生成
運用レポートを自動で生成できるので、作業の効率化がはかれる。
西川氏は、大手飲食チェーン店、大手ハウスメーカー、大手代理店の例をあげ、AISIGHTの上記機能の効果を具体的に紹介し、セッションを締めくくった。
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