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世界最大級のSEOカンファレンス「Pubcon2019」を5つの視点でレポート

米国・ラスベガスで開催された「Pubcon2019」に参加したレポートを紹介します。
PUBCON会場の入り口

米国・ラスベガスで10/8-9開催された「Pubcon2019」に急遽参加してきました。

何を隠そう、筆者は英語ができません。しかし、取材班に抜擢され、ドキドキの経験です。とても貴重なチャレンジの機会を頂き、筆者自身が新しい扉を開いた気がしています。

さて、実際にカンファレンスに参加したなかでの2つの「トピックス紹介」と「筆者」「来場者」「出展者」「スピーカー」「主催者」の5つの視点からPubcon2019についてお話していきます。

トピックス紹介① 世界最大級のSEOカンファレンス「Pubcon」について

コンベンションセンターの外観

Pubconは世界最大級のSEOカンファレンスと言われており、これほどのSEO関連セッションが集まるイベントは他にありません。

来場者の方からも「ここでは深く専門的に学べる」という意見が多く寄せられました。「他のイベントは基礎的な事が多くて、内容が初心者向け。よりディープでプロフェッショナルな話を聞けるので、Pubconに参加している」と、お話しされる来場者の方もいました。

セッション数は80以上あり、どれを聴きにいくか迷ってしまうほど。来場者の姿勢も、「ひとつでも多くの学びを持ち帰る」と、積極的にセッションを回っている印象を受けました。

ゲイリーのセミナーを待つ様子

トピックス紹介② 話題騒然! Googleのゲイリー氏によるQ&Aセッション

ゲイリーの基調講演の様子

特に印象的だったのが、Gary Illyes(ゲイリー・イリェーシュ)氏によるQ&Aセッション。

ゲイリー氏と言えば、GoogleのキーマンでありSEO界でその名前を知らない人はいないはず。バスケット界で言えば、「マイケルジョーダン」氏のような存在です。

Googleの核となる人物に、かなり切り込んだ質問が繰り広げられましたが、ゲイリー氏は慎重に言葉を選び、少し濁した発言が多かったです。

ゲイリー氏の回答のなかで、下記の発言がTwitterでもちょっとした話題になりました。E-A-T や YMYLは、単独のアルゴリズムとして存在しない。

E-A-Tとは、

  • Expertise(専門性)
  • Authoritativeness(権威)
  • TrustWorthiness(信頼性)

の頭文字をとったものです。Webサイトで有益な目的を持つすべてのページにおいて、「専門知識」、「権威」、「信頼性」が重要であると示しています。また、コンテンツ制作者、コンテンツそのもの、コンテンツが載っているWebサイトにおいても、このE-A-Tが求められます。

YMYLとは、“Your Money or Your Life”の略で、現在、あるいは将来の幸福や、健康的に生活送る上で、大きな影響を与える可能性があるページなどのことを指します。具体的知りたい方は、品質評価ガイドラインに該当するページが5つ記載されていますので確認してみてください。

E-A-TやYMYLは、検索上位表示するための重要な要素だと思っていた人も多く、ゲイリー氏の「E-A-TとYMYLは、概念にすぎない」という発言に、騒然とした方も多かったのではないでしょうか。

E-A-T や YMYLを高めようとせっせと試みても、そもそもそういった指標がないというのはSEOの担当者や代理店の方からすると「どうしたらよいんだ!?」となりますよね。

とはいえ、E-A-T や YMYLが重要な事には変わりありません。

それでは、どうしたらいいのかという話が、セッションスピーカーであるLily Ray(リリー・レイ)氏がセッションで話されていて、SEO業界の権威である鈴木謙一氏のブログでも紹介されています。

登壇するリリー氏
EATに関する説明スライド

リリー氏とは交流会でお話ししましたが、日本がすごく好きで、「イベントがあればぜひ登壇したいから呼んで欲しい」と仰っていました。Pubconに参加できなかった方も、日本でリリー氏のスピーチが聞ける日も近いかもしれませんね!

筆者視点① 盛り上がりをみせていた「SNSセッション」

インフルエンサーマーケティングスライド

SEOカンファレンスに、SNSマーケティング関連のセッションもたくさんあったのが印象的でした。今やそれだけSNSが重要視されているという事ですね。

筆者個人としては、「インフルエンサーマーケティング」の話に関心があって楽しみにしていましたが、内容は特に真新しさはなく、基礎的な知識や概要がメインでした。

たとえば、次のような内容です。

  • インフルエンサーを起用する際には、競合と仕事していないかチェックしましょう
  • エンゲージメント率がどれくらい高いのかしっかり見ましょう

投資効果があるのか測る為に、あらかじめ、売り上げなのか、利益なのか、エンゲージメントなのかフォロワーなのか、何を指標にするか決めて、分析して、PDCAを回していきましょう! という話が中心でした。

筆者は、SEO分野よりもSNS分野のほうが得意なので、英語スピーチの端々を拾いながら、「(英語が)わかる、わかる~」という謎の喜びで興奮してしまいました(笑)。

英語が堪能であれば、講師が発したちょっとしたメッセージの中に、さらにヒントを見つけられたのかもしれません。

さて、日本では、画像や動画サービスと聞くと、「Instagram」や「YouTube」を思い浮かべる方が多いと思いますが、米国では「Pinterest(ピンタレスト)」も人気のようです。画像がメインになるSNSというイメージがありますが、「Pinterest」と「Instagram」は何が違うのか、下記ガイアックスソーシャルメディアラボの記事のなかで、おもしろい記述があります。

「Pinterest」は“SNS”ではなく、“Bookmark”という内容です。簡単にいうと、「Instagram」や「Facebook」は、過去や今の話題が中心ですが、「Pinterest」は、未来の自分のために使うサービスだということが書かれています。

この切り口はおもしろいですよね。発見してピン(保存)をして、未来の自分がそのレシピを作ったり、服を買ったり、何かしらのアクションが起きるわけです。そのような目的で「Pinterest」を使った事がなかったのですが、そういえば昔は雑誌の切り張りをしていた時代があったわけで……それの現代版のように感じました。

「Pinterest」の日本国内でのユーザーはまだ400万人(2018年5月Nielsen調べ)程度ですが、今後さらに火がつくかもしれませんね!

参加者視点② 日本からの来場者はPubconに答え合わせをしに来ている!?

Pubconのチケット金額は、日本円にして約10万~15万円。

年始に行われた日本最大級のSEOイベントFOUND Conference Tokyo 2019」は無料だったのに比べ、随分と強気な金額のようにも思えます。

日本(東京)からラスベガスまでの渡航費は、エコノミーでもホテルと合わせると、ざっと1人あたり15万~20万円程度。おまけに時差が日本とラスベガスでは-16時間もあります(初日は時差ぼけでフラフラになりました)。

ラスべガスに向かう時の飛行機内から

Pubconでは日本からの来場者にたくさん会うことができました。ちらっとお見かけしただけでも30名ほどはいたかと思います。インタビューした方のなかには、一つの企業で8名も参加しているところもありビックリしました。

そこまでして、何故みんなPubconに行くのか、Pubconに何があるというのか……。

率直な疑問を、日本からの来場者にぶつけてみると、「スピーカーは、世界でも有名なSEOのエキスパートばかりなので、今彼らが何を考え、何を大事にすべきと考えているのかを、リアルタイムでキャッチできる事が魅力」と感じているようです。

特にリピーターも多い中で、Pubconのどこに価値を感じているのか、さらに話を深掘りして聞いてみると、「去年と内容があまり変わっていない」という意見もちらほらありました。

一方で、「自分たちがやってきたこと(方向性)は間違えてなかった」という答え合わせができて良かったと、納得している人もいました。また、「行かないと不安になるので、結局来てしまう」という声もありました。

セッションの最後に質問タイムがあるので、積極的に情報を引き出すこともできます。セッション後に講師に話を聞きに行くこともできるし、交流会で直に講師と会話することも可能です。セッションでは聞けないような情報をインプットできることも、参加する魅力の一つだと思います。

来場者のなかには、「チケット高いよねぇ~パン以外も食べたいよねぇ」と、苦笑されている方もいました。

他のカンファレンスでは、朝食でパンのほかにもフルーツやヨーグルトが出たり、ランチではフードトラックが何台か来て無料食べ放題のところもあるそうで、イベントによって趣が全く違うようです。

出展者視点③ 出展者の繋がりの場。営業は後からSkypeで……

資料を手にとったり、ノベルティーに手を伸ばす参加者
ブースで営業する様子(BASE)

Pubconでは「展示スペース」」と、「セッション」という2つのセクションに大きく分かれています。展示スペースでは最新のSEOツールのブースがあり、ビジネスのチャンスの場となっています。デモンストレーションも行われて、展示会も大盛況でした。

展示会場では出展者同士も積極的に交流し、繋がっている印象も受けました。

米国では、本土が広いということもあり、後からSkypeなどでデモンストレーションをしたり、オンラインで営業を進めたりするのが一般的。自分の足で、取引先まで伺って商談をするスタンスの日本とは、大きな違いがありますね。

スピーカー視点④ スピーカーはネットワーキングを大事にしている

スピーカーの目的は、もちろん来場した人に少しでも有益な情報を持ち帰ってもらう事です。スピーカーは冒頭に来場者がどんな性質なのか、手を上げて貰ってチェックしたりもします。

代理店が多いのか、それともインハウスが多いのか? それによってアプローチの仕方が違うのでメッセージを変えているのだそうです。

直に取材してわかったのは、スピーカー同士が横の繋がりをかなり大切にされているということ。各国を飛び回り、SEOセッションに登壇しているMotoko Hunt(ハント肇子)氏も「Pubconだけは絶対外せない」と仰っていました。

ハント肇子氏(同氏のインタビュー記事は筆者所属メディア「boost」にて掲載されています)

また、Greg Gifford氏は、Pubcon期間中に毎晩スピーカーの友人とバーやレストランで、SEOについて話をするそうです。トップエキスパートが集まると、「ささいな会話の中からでも良いヒントが得られる」と、彼は語っています。

グレッグ・ギフォード(Greg Gifford)氏

価値ある情報が集まり、更に洗練され、よりスピーカーの情報が濃くなって来場者に伝わる。全てのセッションには出られませんが来場者にとっては嬉しい内容ですね。

スピーカーにとって、Pubconはちょっとした同窓会になっているのかもしれません。参加した私たちもネットワーキング(横の繋がり)を大切にすると、より重要なSEOのヒントを得れると体験をもって確信しました。

主催者視点⑤ 主催者が語るPubcon

Pubcon広報の方と直接お話しする機会もありました。

パブコン広報担当 メリッサ・ファッハ(Melissa Fach)氏(同氏のインタビュー記事は筆者所属のメディア「boost」にて掲載されています)

Pubconは5都市で開催されていますが、全てコンセプトが違います。主催者のメリッサ氏によると、「全てのカンファレンスをコンプリートすると更にエキスパートになれる」のだそうです。何せ、セッションが80種類近くあるので、3日間ではとても全ての内容を網羅できるわけではありません。

5都市全てのPubconを回ったらそこで得た情報、その場で生まれたネットワークからさまざまな気づきを得ることができるでしょう。

まとめ

日本から海外のカンファレンスに参加する場合は、“リアル”を体感することが特別な意味を持つのだと思います。講師に質問する熱量、何に注目しているのか、終わってからランチでその話題を取り上げているか――。どのセッションが盛り上がっているのかを、肌で感じ取ることができます。

ランチスペースの様子 休憩時間はセッションの内容で持ち切り

セッションのビデオを売るようなSEOイベントもあるようですが、その場だからこそ取れる新鮮な情報やネットワーキングが、Pubconの魅力なのでしょう。

来年に参加を検討されている方がいたら、金額に見合った価値を受け取れるように、しっかり準備して行くことをオススメします!

最終日に見たラスべガスの夜景
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