『デジタルマーケティングの実務ガイド』(全4回)

デジタルマーケティング戦略を定義するための心得とは?

戦略を立てる前に「SOW」と全体像を把握しておきましょう。

書籍『デジタルマーケティングの実務ガイド』の一部をWeb担向けに特別にオンラインで公開。

この記事は、第2章「デジタルマーケティングのSOW(スコープオブワーク)を定義する」から、Chapter 2.1「スコープの定義は、デジタルマーケティング業務設計のはじめの一歩」の内容をお届けします。

2.1 スコープの定義は、デジタルマーケティング業務設計のはじめの一歩
デジタルマーケティングのSOW(スコープオブワーク)を定義する

さて、いきなりですが、皆さんのチームや皆さん個人の「デジタルマーケティング戦略」を説明してください。この問いかけ、少々困ってしまわないでしょうか。

例えばデジタル「メディア」戦略を説明せよ、だったり、デジタル「コンテンツ」戦略を説明せよ、と言われればイメージできるものの、組織やチームやロールとしての「デジタルマーケティング戦略」と言われると、「うん、ちょっと待てよ…」となってしまいませんか?その違和感の正体は、前章で議論したデジタルマーケティングの定義の中にあります。

デジタルマーケティングの定義において「控除説」を採れば、デジタルマーケティングは、マーケティング組織に「遍在」することを認めることになります。「偏在」ではなく「遍在」、1つの場所に「偏って」存在しているのではなく、逆にあらゆる場所に広く「遍(あまね)く」存在している、というあり方です。このことを踏まえ結論を急げば、組織としてのデジタルマーケティング戦略を定義するには、

  1. デジタルマーケティングのSOWを明確にし、
  2. その中で特に何に注力するかを、マーケティング全体の課題と他のチームとの横の連携の中で決定していく

という2つのステップが必要になります。本章では、まず最初のポイントである1. SOWの定義について論じていきます。2. 注力事項の決定とKPI設定については次章で論じていきます。

デジタルマーケティングがマーケティング機能の各所に遍在しているのであれば、SOWの定義とは他部門とデジタルマーケティング部門との関係性を定義することに他なりません。前述の通りSOWの定義は戦略策定の前行程として必要不可欠ですが、同時に皆さんのデジタルマーケティングチームを守るためのものでもあります。

これが明確でないと評価の対象にならない仕事が増えてしまったり、関係のない仕事の責任を不当に押し付けられてしまったりすることが避けられません。そういったことを未然に防ぎ、皆さん自身や皆さんのチームを守ることも、デジタルマーケティング責任者の大事な仕事です。

次項のChapter 2.2「SOWを定義する」は、オンライン記事は未公開です。詳しくは書籍『デジタルマーケティングの実務ガイド』でご覧ください。

『デジタルマーケティングの実務ガイド』
  • 井上 大輔 著
  • 発行:株式会社宣伝会議
  • ISBN:978-4-88335-430-6
  • 価格:2,000円+税

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著者は、ヤフー、ニュージーランド航空、ユニリーバのマーケティング担当を経て現職のアウディジャパンでメディア&クリエイティブマネージャを務める井上大輔氏。自身の経験から得た「マーケターの業務へ本当に生かせる」ノウハウを解説。

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