作業は『URLを入れる』だけ。MSの全自動FAQ bot会話生成サービス "QnAMaker" 試してみた
こんにちは、岡田です。
去年から何かと話題になっていたチャットbot、最近ではFAQチャットbotが盛り上がりを見せていますね。
これまでもLOHACOのマナミさんなどで実績はありましたが、その中でも今年の動向として注目なのは、自治体や金融といった業界でも導入が進んでいる、ということ。
ところで皆さん…… あのMicrosoftがひっそり、FAQbot作成に特化した「QnAMaker」なるものをリリースしていました。ご存知でしたか?
じつはこれ、botプラットフォーム市場に革命を起こしそうなぐらいのポテンシャルを秘めています。
いったい何がすごいのか…? 本日は、そんなQnAMakerの“やってみた”をお届けします!
トークスクリプトの作成方法「URLをいれる」…以上!
いざ「FAQbotつくろう!」といっても、面倒なのがトークスクリプトの作成や入力…
すでにFAQのナレッジは溜まってはいるけど、bot作成プラットフォームの形式に合わせて加工するのが面倒くさい。
実際「この手作業、効率化できないの!?」という声を現場でよく聞きます。
今回ご紹介するQnAMakerですが、なんとFAQが載っているURLを入れるだけで、自動でトークスクリプトを作ってくれます。
- URLから質問・回答を自動取得してくれる
- 数分待つと、勝手にトークスクリプトが完成
- もちろん、内容はあとから手動編集OK
って、いやいや本当ですかこれ…笑
というわけで、さっそく試してみました!
日本語のFAQページも一応いけた
まずは気象庁のFAQページで試してみました。
http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq1.html
気象庁らしく、雨や雪についての質問が並んでいます。
ではさっそくトークスクリプトを作っていきます!
まずは、このページからサインインをします。こんな画面が出るので、作成するトークスクリプトの名前とFAQ URLを入力します。
これだけ! 説明するまでもないですね……
待つこと数分。トークスクリプトが完成したらしいので早速使ってることに。
今回は「みぞれ」について質問してみました。結果は以下のような感じ。
おお! 英語にしか対応していないと思いきや、日本語のページにも対応しているようですね。
いままで作っていたFAQの資産を生かしながら、新しいプラットフォームへのチャレンジができる……すんばらしーです。
得意・不得意はあるみたい。ただしファイル挿入でもOK
自動取得といっても、精度はどれぐらいなんでしょう?
いろんなサイトのFAQページのURLを入れて、試してみました。
ちなみに試したサイトは以下。
- UQ Wimax FAQ: トップのFAQが取得OK(リンク先でもOK)。深い下階層はNG
- NTTドコモ よくあるご質問: 取得NG
- LIG よくある質問: ページ上に見えているFAQは取得OK。次ページ以降はNG
- ソフトバンク サポートFAQ: 取得NG
- 楽天 よくある質問一覧: 取得NG
膨大なFAQ一覧があるようなページは、エラーが出てしまって取得NG……のようです。
いまのところ、気象庁のFAQのような質問・回答の両方が出ているページが得意なようですね。このツールでの完全なFAQbot作成の自動化は期待できなそう……
でもご安心を。設定画面をよくみると、ファイルアップロードにも対応しています。
- .txt
- .tsv(タブ区切りデータ)
- .doc
なんとワードとPDF形式も対応! かなりかゆい所に手が届いていますね。URLでダメだったとしても、これなら手間は少なそう!
さらに、URL・ファイルの複数指定も可能
つまり、複数部署でバラバラに管理していたナレッジも一箇所に統合できるということ! 管理の手間も減りそうで、うれしいですね!
Messenger, Skype, Slack, Web, API化… 複数チャンネル完璧カバー!
QnAMakerで作成したトークスクリプトは、Micosoft Bot Frameworkに接続する事が可能です。
これはつまり、MicosoftBotFrameworkが誇る最大のメリット、多チャンネル展開(※) を活かせるということ!
MicrosoftBotFrameworkをつかえば、1つのbotを作成するだけで Messenger, Skype, Slack, Web, API化, Email, Microsoft Teams, Twilio … といった様々なチャンネルに対しbotを展開する事が可能。(2017年3月現在)
QnAMakerの全貌をまとめると、つまり下記のような図。
引用元: https://qnamaker.ai/Documentation
トークスクリプト→bot化だってクリック数回
Micosoft Bot Frameworkとの接続方法も、以下のように超シンプル。
- QnAMaker管理画面から、トークスクリプトをPublish
- AzureBotServiceにログイン
- botを新規作成
- 作成テンプレートにQnAMakerを選択
- Publishしていたトークスクリプトを選択
という、たった数ステップだけ。
実際のAzure Bot Serviceでのbot作成画面
正直、FAQbotつくるならコレ一択という気すらしてきます……
だって、ここまでコード一切書いてないんですから!
※ Azure Bot Serviceや詳しいbot作成方法については、こちらのMicrosoft Developers Blogの記事をご覧ください。
日本語の精度はまだまだ。でも期待度は大!
ただし日本語の場合、質問に対して完全一致でないと答えてくれません…(2017年3月現在)
ちなみに英語だと、部分一致や曖昧な質問でもOK! 他の回答候補も出してくれるので、正解を教える→学習で、どんどん賢くしていくことも可能です。
(下記サンプルはMicrosoft Bot FrameworkのFAQページで試してみました)
英語なら完全に実用レベル…!
「えー…でも日本語ダメならべつにいいや…」と切り捨てるのはまだ早いです。なぜならQnAMaker、現在はまだプレビュー版。
自然言語処理サービスLUISも、いきなり日本語完全対応したので何が起こるかはわかりません。
ウォッチ必須なサービスなのは間違いなし。日本でFAQbotが盛り上がれば、そのうち日本語版もリリースするかも?
今後の展開が楽しみですね!
それではまたー!
「BITA デジマラボ」掲載のオリジナル版はこちら作業は『URLを入れる』だけ。MSの全自動FAQ bot会話生成サービス "QnAMaker" 試してみた2017/03/17
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