企業ホームページ運営の心得

だれが語ったかを重視する大衆。人を感じさせるインタビュー記事のコツ

インタビューコンテンツの肝は“人を感じさせる”ことにあります
Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の379

大衆の真実

Stay hungry, Stay foolish.(ハングリーであれ。馬鹿であれ)

今から3年前に不帰の旅に出たスティーブ・ジョブズは、米スタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチをこう締めくくりました。膵臓ガンの手術から復帰した直後ということも手伝ってか、「伝説」のスピーチと呼ばれるようになりました。

彼の死語、さらに神格化する向きがあったので、出典は伝説のヒッピー雑誌『全地球カタログ』からの引用であることをTwitterで指摘すると、ジョブズの信者がこう噛みついてきました。

“だれ”が言ったかが大切なんだ

文章を書く仕事をしていると、初出は気になるものですし、引用を明記しなければ「盗作」とお叱りを受けます。なによりジョブズ自身もスピーチのなかで出典を語っているのですが、そう感じる人もいるのかと得心し、確信に至ります。それは「人に語らせる」、すなわち「インタビュー記事(コンテンツ)」の有効性です。

本物の無名

経験則から「インタビュー記事」に高い販促効果があることは知っていましたし、通販雑誌を研究したとき、記事の大半がインタビューで構成されていることも確認していました。顔の見えない説明文より、「だれか」にリアリティを見つけるのかもしれません。そして、「ジョブズ」というパーソナリティに言葉を重ねる消費者心理に触れて確信にいたります。

インタビュー対象者の有名無名は問いません。有名人なら尚良しではありますが、そもそも有名無名の定義は曖昧です。

「田山幸憲(故人)」とは、「パチプロ」の世界においてジョブズ級のカリスマでしたが、一般認知度はほぼゼロ。そのジョブズにしても、ある知人女性は「レイザーラモンRGが真似する人」と認識しています。別の道を歩むものからすれば、見ず知らずの他人に過ぎず、つまりは「本物の無名」が登場しても問題はありません。

インタビューのキモ

本サイトの人気ルポ漫画「Webのコト、教えてホシイの!」が受ける理由も同じではないでしょうか。説明の羅列ではなく、だれかが語っているその姿に読者は共感し、ときには反発しながらも読み進めてしまうということです。もちろん、登場する各企業のWeb担当者を「無名」とは言いませんし、漫画のおもしろさがあってのことですが。

それでは「だれ」に語らせるのか。人選の前に「企画」を立てます。企画とは、インタビューの目的と呼び変えてもよいでしょう。

たとえば、商品の品質をアピールするための記事なら、商品のファン(お客)に語らせる方法もありますが、開発スタッフの「開発秘話」も有効です。広報担当者から商品の「反響」を集めたり、営業マンから客先の「反応」をまとめてみたりするのもアリです。

インタビュー記事の利点は、インタビュー対象を選べること。そこから「身内」で固めることができるということです。一般的に「身内」が自社の悪口を言うことはありません。つまり「自作自演」が可能となるのです。

語る言葉はキメうち

記事を捏造しろということではありません。企業のコンテンツとは「広告的性格」を持つもので、不偏不党の「報道」ではないということです。広告ですから、一口食べた刹那に「旨いっ!」と語り、消臭剤ひとつで靴箱が軽井沢の高原に変わることもあり得ます。もちろん記事の中身も「企画」ありきになりますが、この具体的な方法については、次回をお楽しみに。

程度の差こそあれ、メディアでも一般的に使われている手法です。週刊誌は「企画」を立てると、企画に沿った「人選」をしてコメントを集めます。「○○特集」など、その代表格です。先週触れた、朝日新聞の「騒動」を批判的に報じる雑誌は、その立場に立つ人を集めて十字砲火を浴びせます。

写真で感じさせる

インタビュー相手は、だれもが知っている有名人でなくてもよいのですが、「本人写真」はマスト。顔出し・名前だしOKが絶対条件です。なぜなら、インタビューコンテンツとは、

「人」を感じさせることで説得力を作りだすもの

だからです。そして写真は「語っている風」に撮ることがポイント。しかし、これが難題。「カメラを意識しないで」と言われると意識してしまうため表情は硬く、目が泳ぎ、不自然になります。解決策は「インタビュアー」と「カメラマン」の2人体制です。インタビュアーが話を聞き出している間、カメラマンに何度も写真を撮らせます。無駄なカットは後で削除する前提で「撮りまくる」ことで、被写体も撮影を意識しなくなり、自然な表情を得るコトができます。

ただし両手で形を作りながら語る写真は注意が必要です。IT業界人の写真に多く、「ろくろをまわす陶芸家」のようだと嘲笑する人も少なくありません。感情の動きを表現するのに有効なときもありますが、気づくと日本人は“ろくろ”のポーズばかりになるので注意が必要です。緊張感の裏返しから「オーバーアクション」になっているものと推察されますが、できるかぎり「自然」な姿が「インタビュー記事」には適切です。

写真の質をワンランク上げる方法

撮影はスマホでも十分ですが、画像編集ソフト「Photoshop」を持っているなら「人物以外を選択してぼかす」だけで、「プロ風」の写真に加工することができます。

加工前の写真(左)と加工後の写真(右)

企業ホームページのインタビュー企画であれば、第一号は「社長」をオススメしています。社員のだれよりも会社を愛しているのが社長だからです。特に中小企業なら絶対です。企画の意図を説明すれば、嫌がる社長は少ないでしょう。また、社長が自社商品を語る姿は自信の表れと受けとる訪問者も少なくありません。

実はクライアントのコンテンツで、一番人気は「社長インタビュー」。人物像にまで迫って書き下ろすことで、説得力を高めると同時に社長を喜ばせています。単なる礼賛記事にしないところがコツです。

今回のポイント

だれかの語りにシンパシー

写真はマストで、ろくろは注意

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