イベント参加率の平均は? セミナーの来場者数をアップさせる集客のコツ
「セミナー開催マニュアル」では、自社セミナー開催方法を4つのフェーズに分けて解説していく。今回はセミナー開催の第2フェーズ「セミナー集客編」をお届けする。(セミナーの開催方法をゼロから知りたい読者は第1フェーズ「セミナー企画編」からご覧いただきたい)
今回は、セミナー集客のポイントをお伝えしていこう。セミナー集客のゴールは、セミナー当日に会場まで足を運んでもらうことだ。たとえ申し込みが順調に増えていたとしても油断してはいけない、セミナー当日に必ずきてくれるとは限らないからだ。
企業が行う無料の販促セミナーの場合、一般的な来場率(参加率)は申し込み数に対して60~70%(キャンセル率30~40%)程度だ。この数値を前提にセミナー集客の目標設定を行っていこう。
集客を科学するセミナー集客の方程式
上記の来場率を考慮した集客をプランするうえで「セミナー集客の方程式(図1)」を紹介したい。
たとえば、来場率を約70%と想定したうえで、集客目標数50名を得るためには、約70名の申込数(告知数×申込率)を目標とする。セミナー当日の来場率を予測して定員プラス何名まで申し込みを受け付けるかを決定するのだ。
この方程式を見れば一目瞭然、セミナーの集客を成功させるためには以下の3つの施策が重要になる。
- 告知数の増加
- 申込率の向上
- 来場率の向上
ここで一度セミナーの企画に立ち戻ってほしい。リストの絶対数を増やす①の「告知数の増加」は、今回テーマとしている中小企業の法人向けビジネスセミナーにはあまり向いていない。繰り返しになるが、いくら広告予算を投入しても、ある程度の知名度がない限り、いきなり集客するのは難しいからだ。
だから、やはり自社の見込み客リストを最大限に活かして②「申込率の向上」と③「来場率の向上」を目指すのがいいだろう。
申込率向上のための施策
集客の仕組みを理解したら、申し込み開始日を決める。
ここでセミナー開催の初心者が犯すミスは、とにかく早めに告知をして集客をスタートしようとしてしまうことだ。もちろん集客期間が長いほど申し込み数が増えることは否定しない。問題は申込期間を長めに取りすぎることで、申し込みを済ませたもののセミナー当日の来場率が悪く失敗に終わる可能性が高まるところにある。
参加者のスケジュール管理の問題でもあるのだが、実際に1か月以上も前に申し込みを開始すると、申し込み時には大丈夫だったはずのスケジュールが、セミナー直前に都合が悪くなりキャンセルが続出することがある。申込者の参加意欲が損なわれない短期間のうちに一気に集客をするか、継続的にリマインドメールなどでつなぎとめておくかの対策が必要だろう。
申し込み開始日が決定したら、次に告知メールを段階的に配信する。「受付開始」「来週開催」「開催間近」「残席わずか」など、開催日が近づくにつれてメールのタイトルを変えて申し込みを促す。
また、一斉メールの配信だけではなく、社長や営業マンが所有している名刺に対して個別メールで告知をすると申し込み率がアップする。すでに一斉メールが届いている場合でも、担当者から個別にメールを送ることに意味があるのだ。事前に社内への協力をお願いしておくことも重要だ。
来場率向上のための施策
申込工程が無事完了したからといって油断してはいけない。「1週間前」「3日前」「前日」と、開催の1週間前頃から申込者に対して来場促進のためのリマインドメール(申込促進の告知メールとは異なり、申込者に申込内容を思い出させるための確認メール)を複数回送る。
上記、「申込率向上のための施策」で述べたように、これまで開催したセミナーでの欠席理由には、次のようなものが多かった。
仕事が忙しくセミナー申し込んだことを忘れていた
申し込んだ後は、セミナー事務局から何の連絡もなかった
リマインドメールという非常にシンプルな施策だが、こうした不参加を防ぐには非常に有効だ。申し込みを済ませてもらっているからと安心せず、当日会場に来てもらうことがセミナー集客のゴールだということを決して忘れてはならない。
申込率と来場率の向上策、告知数の増加策をいくつかピックアップした。申込状況や予算の都合もあるが、「セミナー開催○○日前に△△名の参加申込数を獲得できていない場合」などの条件をあらかじめ設定しておき、不足している場合は順次以下のような施策を検討するべきだろう。
- 告知数の増加
- リリースポータルサイト、セミナーポータルサイトなどへの掲載・出稿
- ハウスリスト以外へリーチさせるための広告出稿(開催するセミナーのテーマに近いユーザー層を有する媒体に絞り込む)
- Twitterやブログを使った告知
- 申込率の向上
- 申込者への申込特典を設ける
- 目玉ゲストを招集して注目度を高める(メディアに取り上げてもらいやすくする)
- 有料セミナーの場合は早割りサービスの提供など、申込者・参加者のメリットとなるものを用意する
- 来場率の向上
- 開催前日に申込者一人ひとりに電話をかけてセミナー参加を促す
ビジネスセミナーに必須の競合フィルター
申込率や来場率の向上施策を行い順調に申し込みが集まったといってもまだ安心できない。
法人の販促セミナーには、一定の確率で競合企業が調査目的で申し込みをしてくる。また、一般ユーザーが法人向けと知らずに申し込みをした場合や、細かなところではいたずらや重複投稿なども考えられるため、何らかの方法でフィルタをかける必要が出てくる。そこで、「競合チェック」というプロセスが必須になるのだ。
具体的には、すべての申し込みをそのまますぐに受け付けたり先着順にしたりするのではなく、抽選方式を採用するのがポイントだ。申し込み時には「仮申し込み」という形で返答しておく。その後に申し込み内容を精査して、競合企業だと判明した場合はお断りメールを送信して参加予定者リストから除外する。
そうしたフィルタをかけたうえで、想定しているターゲットのみに参加証を発行しよう。
次回はいよいよセミナー当日の運営方法をみていくことにする。セミナー当日に慌てないためにも、前日までに必要な「用意するべきものチェックリスト」と当日の「セミナー運用台本」をお届けする。
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