企業ホームページ運営の心得

ニュースの価値、ビジネスブログの構造的欠陥

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の七十六

ドメスティックなブログ

最新のトレンドや「兆し」を取り上げるのは楽しく、ある種の「予言」ですから当たらぬも八卦です。既存のビジネスを破壊するとまで煽られた「Web 2.0」は懐かしい記憶です。しかし、商売の現場で一過性のものに踊らされるのは危険です。そこで見極めに「定点観測」を行います。

トレンドや兆しといった一過性の「瞬間」は突風やにわか雨で、数値が極端に変動しますが、同じ場所や時間を観測しつづけることで「実態」が浮かび上がってくるからです。嘘も演出も自由自在のホームページは「瞬間」だけでは見えてこないことのほうが多いのです。

定点観測から商売用としてのブログの構造的な欠陥が見えてきました。次に理由を述べますが、「ドメスティック(内向き、身内向き)」となるのが原因で、「ビジネスブログ」故に起こり得ることです。しかし、簡単な方法で避けることができます。それが「ニュース」です。

引用とパクリの境界線

「トレンド好き」の工務店が「社長ブログ」を始めたのは数年前。すぐに「育児ブログ」となり、更新されない「廃墟ブログ」へと移行しました。そして最近、リニューアルを経て、全スタッフによる「社員ブログ」が増築されましたが、エントリーはドメスティックな「身内向け」の内容で、GW明けから更新が滞りがちです。

ブログを継続することが難しいのは以前も述べましたが、「身内向け」となるのも責められません。「ネットの向こう側」を意識できない「ブログ素人」はリアクション(反応)を「(社内や)身内」に求めるからです。また、社長や上司が自分のブログをチェックするかもしれない状況下では、ドメスティックになるなという方に無理があります。これがビジネスブログの欠陥です。

そこでブログではなく「ニュース」をコンテンツにします。テレビ、一般紙、業界紙、雑誌など「ネタもと」は溢れています。丸写しは「法」に触れますが、記事の主要部分を紹介し「ネタもと」、つまり出典を明らかにして引用します。そして「ひとこと」添えるのがポイントです。一般に報じられた事を自分の言葉で紹介するという立場です。

専門家というポジションの強み

専門家のショッピングモールがあります。仕組みは専門家が「出店料」を払い、無料相談に乗る「持ち出し」です。ところが出店希望の専門家は後を絶ちません。素人相手に「専門家」というポジションを得ることで、商売につなげやすくなるからです。

ニュースをコンテンツにすることで「専門家」というポジションが手に入ります。添える「ひとこと」は「専門家」のコメントとなり、なるほどと「気づき」を与えることでしょう。多少の語弊は気にしなくてもOKです。文句を言うのは「同業者」ぐらいです。客は素人で、素人にとっては、はっきりと告げてくれる「専門家=プロ」が安心できるのです。この春、テレビ界から引退したあの占い師の人気の理由と同じで「ズバリ!」と、いいます。

CMSへの疑問

商品やサービスを探している人にとって「ニュース」や「最新情報」を見逃すことはできません。春日部市の競売代行業「だるま不動産」のホームページへの訪問者は、競売関連のキーワードで到着後、高確率でニュースページ(最新情報)を見ています。ニュースのコンテンツバリュー(価値)は高いのです。

「ニュースコンテンツ」は古式ゆかしい「掲示板」がオススメです。専門用語を絡めたニュースのSEO効果は侮れず、タイトルに見出し、メタを設定してくれる掲示板ならいうことはありません。もちろん、ブログや「CMS」でも結構です。更新も手軽で、動画や写真の管理も容易で最新の表現方法も思いのままです。しかし、CMSへの疑問も残ります。

ウェブの表現が進化を続け、「高機能」によりHTMLソースは複雑の一途を辿ったことで、ウェブリケーションとなったホームページビルダーというと言い過ぎでしょうか。簡単な操作でのサイト管理はすばらしいのですが、多機能をフル動員して「何が言いたいかわからない」ことになっていたり、基本的な設定の間違いからSEO効果を下げていたり……文明のジレンマを見る思いです。

新聞というナビゲーター

「ブログ」を採用する際にも注意が必要です。誰でもブログを書ける時代だからこそ「ありがたみ」や「権威」を演出しておかなければ、「専門家」としての立場が弱くなるのです。

専門用語も「新聞」という「フィルタ」を通すことでSEOの対象となります。以前も「新聞を読め」と紹介しましたが、新聞は社会の関心事を拾い出し、ご丁寧に面積比率に整理して優先順位を教えてくれます。そして何より、「Web 2.0」という言葉がmixiの上場承認がおりた、翌日から日経新聞で紹介され始めたように、新聞(業界紙以外)で紹介されるぐらいの情報になって、素人であるお客さんは「検索」を始めるのです。

近頃は「ネットニュースで十分」という声も耳にしますが、自分の興味のある世界「関心空間」の情報しか拾えないデメリットを考えると、毎月の4,000円前後の新聞の「情報料」は破格です。

ニュースとは何か

新聞やテレビをもとにすることで、ドメスティックに傾くことを避けることができます。また、溢れかえる報道が素材となりネタが尽きることはないでしょう。そして無理して社員にブログ更新を迫ることもなくなり、専門家のポジションを手に入れることができます。

馴れてきたら「一次情報」をもとにした、「独自ニュース」にチャレンジします。「一次情報」とは直接見聞きしたものを指しますが、難しいことはありません。専門家だから知っている「現場ネタ」に、「新しい取引先の情報」だって立派なニュースです。そこでは、自社との取引という「賢明な選択」を褒め称え、新サービスの光り輝く未来を予感させます。これはメディアが日常的にやっていることで「主観」もニュースとなるという技です。鳴り物入りで始まり芳しい続報の届かない、主要新聞の読み比べサイト「あらたにす」は記憶に新しいところです。

「ポジティブな出来事」はすべてニュース。商売では正解です。この意味と価値をまだライバルは知りません。

♪今回のポイント

主観でも立派なニュース。

ニュースは価値あるコンテンツを手軽に作る便利な素材。

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