企業ホームページ運営の心得

ヤフーニュースよりサンヤツ広告。ウェブの新潮流TCMS!?

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の四十七

連載前にお知らせです。いよいよ本日から「通販支援ブログ」で新連載が始まりました。こちら共々よろしくお願いします。本日公開号は「安売りに群がる貧乏人。クレーマーも貧乏人」メルマガ版も同時発行です。

朝日×読売×日経=既得権益死守

朝日、読売、日経の新聞各社がネットの共同事業と販売分野で業務提携すると発表しました(日経・朝日・読売の3社、インターネット事業で業務提携)。会見での発言から「IT化」に視線が注がれていますが、宅配網の整理統合の為の呉越同舟とみています。興味は過疎地域ではなく、都市部とその周辺を直営店にしてしまおうというものです。

新聞に折り込まれるチラシの売り上げは「街の新聞屋さん」のもので、両者の関係は本部とFC(フランチャイズチェーン)に近く新聞社に直接入りません。都心郊外のとある住宅に折り込まれた「チラシ」から推定してみると、このFC1店だけでで軽く年間1億円を超える売り上げが見込めるのです。整理統合という名の下に「直営店」が増えれば、1億円は新聞社のものです。一方の過疎地域は、郵便物数が減少し続ける「郵便局」に委託すれば両者の思惑は一致する……という仮定の話。

学歴社会を批判する一方で、自らの採用規定に「大卒程度」とある新聞社には言いたいことがありますが、テーマは新聞批判ではなく「新聞を読みましょう」という話。Web担当者ならば特にです。

ネットニュースが大量生産するものたち

新聞離れが進んでいる一因として「ネットニュース」が挙げられます。同じくブログにRSS、メルマガなどでトピックを知り、興味があれば、詳しい情報はインターネットで検索するので新聞は必要ないといいます。

しかし、拾い読みやダイジェストでは「結果」はわかっても経緯や背景がすっぽり抜け落ちてしまいます。そして、検索があるといっても、付随情報や基礎知識がなければ、全体像を追うことは不可能です。ネットニュースへの依存が、結果だけを寄せ集めた「知ったかちゃん(知ったかぶりする人)」を増やしているのではないでしょうか。

Web担当者は仕掛ける側に立たなければなりません。その為には、結果に至る過程も読み込んでおくべきなのです。

ネットニュースも全文掲載されたものを読み込めば同等ではありますが、次に紹介する「見方」から、私は新聞を読むことを薦めています。

学校では教えてくれない新聞の見方

「新聞」を信頼している人が多いことは各種世論調査の結果で表れており、情報源が多様化したとはいえ、コンセンサス育成の一翼を担っているということです。

新聞にあってネットニュースにないものが「面積比」です。新聞を手にしたらまず眺めます。「紙面を割く」という言葉通り「価値」は面積に比例するので、大きい方が「価値」があるということです。配置も重要で縦書きなら右肩(右上)、横書きなら左肩(左上)が価値が高くなります。

※1:朝日新聞の安部元総理の退陣記者会見の記事から生まれた、「安部する」(責任を半ば放り投げてしまうこと)という造語に対するさまざまな疑惑から、対抗するようにネット上で生まれた造語。「捏造すること」「事実でないことを事実のようにこしらえていうこと」と意味されている。

新聞への信頼度の高さから、「価値」は一般的な「関心」と連動していると言ってよく、眺めることで事件の社会的価値を直感的に捉えることができるのです。ネット社会に傾斜しがちなWeb担当者の価値観の「補正ツール」として役立ちます。

もっとも「アサヒる※1」のこともあるので数紙を眺めると良いでしょう。また、小さな記事は「ネットの話題」にもなりにくいので要チェックです。


ヤフーニュースの影響範囲

日経新聞の朝刊に拙著「楽天市場がなくなる日」のサンヤツ広告(新聞一面の下段に並ぶ広告)がでると、コピーして社員回覧したとクライアントからメールが届きました。広告とはいえ「(新聞に)載った」ことはリアル社会に影響を与えます。

一方、ネットの情報がリアルに影響するの希です。

地元の足立区を舞台とした作品の記念施設を誘致する動きがありました。大人の事情で停滞していたときに、関係者の1人から「ネットで何かできないか」と私に声がかかり、地元のためと応援サイトを自腹を切って立ち上げました。直後に記念施設を「ヤフーニュース」が取り上げ、関連サイトとして紹介されて爆発的なアクセスがありましたが、それはネットの中だけの一瞬の出来事でした。

結局、記念施設は利害関係者で話がまとまった後、自治体も巻き込んだ「リアル社会」の署名活動で誘致に成功しました。

ウェブの新潮流。TCMS(笑)

米国での流行が日本に流れ込む「時差」を利用した経営手法を「タイムマシンビジネス」とソフトバンクの孫正義さんは名付けました。「TCMS(タイムマシンコンテンツ管理システム)」とは、コンテンツを公開するタイミングを新聞に掲載されてからとするワークフローを、何でも英語に置き換えて頭文字で表現する「IT界の因習」にならって揶揄したものです。

要するに「新しい情報(コンテンツ)」は、新聞に登場してから公開するぐらいで良いということ。日経新聞でWeb 2.0が紙面を賑わせ始めたのは、「ミクシィ」の上場が承認されたと報じた直後からで、ネット界ではピークアウトしていました。しかし、IT界以外なら「そんなの関係ねぇ(こちらもピークアウトしていますが)」なのです。

IT界と週刊少年ジャンプ

新聞を眺めることで立ち位置を確認し、時差を利用して「適時」を計ります。さらに新聞は大人の事情をそっと教えてくれます。

※2:2006年の年始に楽天が開催した楽天会員向けのキャンペーンで起きた一連の騒動。キャンペーンサイトにアクセスするだけで「楽天スーパーポイント」が無償で付与されるというものであったが、複数の楽天会員アカウントを取得して大量にポイントを取得するという問題が発生し、付与したポイントを一度取り消すという自体になっている。詳しくは当時のニュースを参照。

2006年の正月におこった「楽天ポイント祭り※2」は存亡の危機といえるほどの不祥事だったはずが、扱いは夕刊の「社会面」だけでした。楽天の責任には触れず、「不正取得」だけが報じられました。前述のミクシィの「煽り」もです。……商売用に携わるなら大人の事情に通じる必要もあります。

都市部の『週刊少年ジャンプ』は月曜発売ですが、日曜や土曜日に売り出している店があります。昭和後期の子供にとって、誰よりも早く「ジャンプ」を仕入れることは1つのステータスで、金曜日の夕方に売っているという噂だけで自転車で飛び出したものです。誰よりも早く情報を入手してひけらかします。

IT……とりわけIT言論界に重なります。

「ブログやネットで話題になっていたのに世間がまったく知らない話」、Web担当者なら一度は経験したことがあるのではないでしょうか? そんなときに新聞で補正するのです。IT界を冷静に観察するのにも新聞は役立ちます。ちなみに新聞社に知人はいますが、回し者ではありません。

♪今回のポイント

IT界を冷静に観察する正しい新聞の「眺め方」。

ネットへ傾斜した姿勢を補正するのに役立てる。

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