企業ホームページ運営の心得

俺様の中心で「Yes」と叫ぶ。常識にしたいネットマナー

Web 2.0時代のド素人Web担当者におくる 企業ホームページ運営の心得

コンテンツは現場にあふれている。会議室で話し合うより職人を呼べ。営業マンと話をさせろ。Web 2.0だ、CGMだ、Ajaxだと騒いでいるのは「インターネット業界」だけ。中小企業の「商売用」ホームページにはそれ以前にもっともっと大切なものがある。企業ホームページの最初の一歩がわからずにボタンを掛け違えているWeb担当者に心得を授ける実践現場主義コラム。

宮脇 睦(有限会社アズモード)

心得其の四十参

どちらを使うかで変わる人生

  • A:今回の行動は反省してほしい。しかし、日頃の活動は評価できる
  • B:日頃の活動は素晴らしい。しかし、今回の行動は反省してほしい

前者は批評系のブログでよく見かけ、後者はファンサイトや応援ブログによくあります。

どちらも同じ様なもので、持ち上げてから落とす後者よりも、間違いを指摘してから、良いものは良いと褒めるところに好感を持つかも知れません。しかし、それはあくまで他人事の時の話です。

ネットでは「客観」を盾に、相手の感情を斟酌しないことが多々ありますが、それにより損なっているものの多さはあまり知られていません。

どちらが相手の心に響くでしょうか。両者の違いがその後の人生に与える影響は計り知れません。

“RE:”で返す非礼と常識

ビジネスでのインターネット利用が活発となり、いろいろな「ネットマナー」が策定されつつあります。メールならば、返信の際に「件名」を打ち変えずに送ると自動的につけられる「RE:」は避けた方が良いといったものです。用向きを表す「件名」の打ち込みや考える手間を省いたことが、敬意を欠いた非礼にあたるという解釈でしょう。

一方、「●●物産様お見積もりの件で」というような場合、あえて「RE:」をいれることで、問い合わせへの返事だと「明示」できると推奨する流派もあり、どちらが正解と押しつけるものではありませんが、相手を不快にさせずに、効率を損なわないようにすることが「ビジネスマナー」の原則ではないでしょうか。

そこで、私が提唱しているマナーが「まず、褒めよ」です。

褒めて育てるブラック心理操作

「褒める」は実用的なマナーです。不快になる人はいませんし、相手の理解が得やすくなります。

人間には認められたいという欲求(自己肯定)があり、褒められればこれを満たすことができます。褒めるのは認めているが故だからです。認めることは「価値観の共有」も表し、そこから親近感を覚え耳を傾けるようになります。簡単に言うと「仲間」と錯覚させ、「自分もそう思った」と言わせやすくするということです。

部下はもちろん上司も同じです。上司だって人の子ですから褒められたいのです。そこで「欲求」を満たしてあげ、「仲間(あるいは理解者)」と感じさせて「言い分」に耳を傾けさせます。すると「心理操作」しやくなるのです。詳述しませんが詐欺師はこのテクニックを熟知しています。

均一な文字から受けとる印象

メールやブログ等へのコメントを「褒める」ことを薦めるのは「フォントの文字は冷たい」というのも理由の1つです。文字に感情が表れる手書きと違い、否定的な言葉は必要以上に相手を傷つけることがあります。

褒め言葉で傷つくことはなく、前述の理由から親しみを覚えます。その上での「指摘」や「叱責」をするということです。ちなみに「褒める」と「甘やかす」が似て非なるところはご注意ください。

絵文字や顔文字で「緩衝材」をいれる方法もありますが、現実のビジネスメールではあり得ない話ですし、上司が慣れない絵文字を使うと、逆に舐められることもあるので避けるのが無難です。

一億総評論家という時代背景

現実の生活の中で会話の始まりから「ダメだし」をする人は少なく、「否定」から入るのはネットの特徴で、「テレビ」の影響が色濃いとみています。

ニュースやワイドショーの評論家は口々に「問題だ」「なぜこうなったのか」と、否定的なコメントを並べ、MCは彼らに「貴重なご意見をありがとうございました」と謝辞を述べます。しかし、これは番組が「問題」をネタにしているのですから当然の演出です。この「演出」から「意見=否定」と混同したイメージが定着し、ネットで花開いたというのが私の見立てです。

この場合の「否定」は「リアクション」です。湯気のでるおでん食べて「熱い!」、真冬の海に飛び込み「寒い!」というのと同じように「問題だ」と呟いているだけです。演出の一部としてのリアクション芸は認めますが、それだけでは番組は成立しません。

ドラマのような関係はとても難しい

否定→肯定という図式にこんなドラマのワンシーンがあります。

厳しい叱責の後に「それでもおまえに期待している!」と肩を掴み、その言葉に部下が号泣し「ついて行きます!」と。このマッチポンプな演出は「絶対の信頼と明確な上下関係」が成立している場合にのみ通じるレアケースで、珍しいからドラマになります。果たして、ビジネスメールやブログの書き込みにドラマティックな演出が必要でしょうか。

肯定(=褒める)は親近感を与えますが、否定は相手の心に壁をつくります。否定から始めるというのは壁をつくって乗り越えるのと同じ。わざわざ仕事を増やしているようなものです。

ビジネスで通じない「俺節」

論陣を張る場合は「否定」からもありですが、これは文章を使った「喧嘩」です。

また、意見を否定することで優位に立っているという錯覚が匿名ブログ等のファンタジー空間で散見します。相手の話を聞かずに「俺節(おれぶし)」を全開にし、相手をねじ伏せる姿は「朝まで生テレビ」の影響かも知れません。

言論の世界や娯楽番組はともかく、現実社会、特にビジネスの世界で「俺節」は嫌われます。

まずは褒めてみてください。

相手の主張を聞いた後に「しかし」と切り返す営業手法を「イエス・バット(Yes・But)式」というのに習って、褒めた後に注意や指導をすることを「グッド・バット(Good・But)式」と呼んでいます。

部下に注意をする前に、日ごろの努力を認めてください。上司に進言する際は多少ごまを擂ってでも敬意を表してから。ブログのコメントも着目した理由から綴ってください。

世界が変わります。

良いところに注目した後に、厳しい言葉を続けるのは難しいのです。そして、自然と「優しく」なれます。

どうしても褒めるところが見つからなければ……相手にしないのが一番お得です。

♪今回のポイント

相手を否定しても自分が偉くなる訳じゃない。

Good・But式で対人関係をコントロール。

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