ネットショップ担当者フォーラム

オイシックスドット大地、らでぃっしゅぼーやを買収

8 years 1ヶ月 ago

有機野菜などの食品宅配を展開するオイシックスドット大地は1月30日、会員制の食品宅配事業を手がける、らでぃっしゅぼーやを完全子会社化すると発表した。

NTTドコモが所有する、らでぃっしゅぼーやの全株式を2月28日に買い取る。取得価額は10億円。

オイシックスドット大地は、らでぃっしゅぼーやの買収でグループの年間売上高は550億円規模になる見通し。

らでぃっしゅぼーやは物流面で、全国6拠点(札幌、仙台、東京、神奈川、愛知、大阪)に物流センターとコンシェルジュ機能を有したらでぃっしゅクルー(配送スタッフ)による自社便配送網を保有。

2017年10月に配送料を改定し、宅配料金が値上げ傾向にあるなか、無料対象枠を拡大して利便性の向上を実現した。

2社は調達や購買、デジタルマーケティングなどで相乗効果を創出し、収益性の改善をめざす。生産者ネットワークは合計5100人となる。

3月1日以降、らでぃっしゅぼーやの代表取締役社長にはオイシックスドット大地の代表取締役社長の高島宏平氏が就任する予定。

らでぃっしゅぼーやの2017年2月期における売上高は、前期比11.4%減の197億8600万円だった。当期純利益は900万円(前期は13億700万円の赤字)。

NTTドコモがオイシックスに3%出資

オイシックスドット大地とNTTドコモは2月に資本業務提携を結ぶ。NTTドコモがオイシックスドット大地に3%を出資。2018年6月をめどに、NTTドコモからオイシックスドット大地へ社外取締役を派遣する。

2社は共同で、多種多様な商品を取り扱うミールキット専用のECサイトを2018年中にも立ち上げる。

「ミールキット」は、必要な量の食材とレシピがセットになった商品。オイシックスドット大地が販売しているミールキット「Kit Oisix」は2013年7月の発売以来、シリーズ累計の出荷数は2017年12月までに800万食を超えたという。

オイシックスドット大地は、2017年10月にオイシックスと大地を守る会が経営統合して誕生。NTTドコモは2012年にらでぃっしゅぼーやを子会社化していた。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

スマホグッズECのHameeがコンサル領域に進出、JSコンサルティングを買収へ

8 years 1ヶ月 ago

スマホグッズのECや一元管理システムの提供などを行うHameeは1月30日、EC事業者向けコンサルティングサービスを手がけるJSコンサルティングを買収すると発表した。

EC向けプラットフォーム「ネクストエンジン」のサービス領域を、バックオフィスからフロントオフィスへ拡張。システムからコンサルティングまで、EC事業者の成長ステージにあわせたサービスを提供する。

JSコンサルティング社の発行済株式の100%を取得する。取得日は2018年4月1日。取得価額は3億5000万円の予定。

JSコンサルティングは2014年11月設立。自社ECサイトや楽天市場、Yahoo!ショッピング、AmazonなどのECサイトを対象に、サイト分析、コンサルティング、制作代行、運営代行などを行っている。

2017年10月期の売上高は前期比338.8%増の1億7330万円。当期純利益は1978万円(前期は129万円の赤字)だった。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

アマゾン、オイシックスドット大地など登壇の全66講演のセミナー&展示会の見どころは?【2/13-14開催】

8 years 1ヶ月 ago

オイシックスドット大地やアマゾンジャパンなど有名EC企業のセミナー全66講演、ECのサービス支援会社90社(1月30日現在)が一同に集まるセミナー&展示会のECイベントが2/13(火)+14(水)の2日間にわたって東京ビッグサイトで開催される。

ECサイト構築、デジタルマーケティングを使った集客、物流などさまざまなテーマのセミナーや出展者が集まる「イーコマースフェア 2018」の見どころなどを紹介する。

日本最大級のEC・通販業界の一大イベント「イーコマースフェア 2018」

「イーコマースフェア 2018」の見どころ

  • 有名EC企業のセミナー全66講演
  • ECのサービス支援会社90社が出展
  • 新設テーマエリア(インバウンド・越境ECエリア、スマート・ロジスティクスエリア、BtoBソリューションエリア)

全66講演のセミナーを実施

オイシックスドット大地、アマゾンジャパン、アダストリア、ディノス・セシール、フェリシモなど有名EC企業などがさまざまなテーマでECの取り組みについて語る2日間。

編集部が注目する5講演を紹介する。

[基調講演]
デジタルマーケティングで売上の壁を超える方法顧客へのアプローチが変わる10のメソッド 
2月13日 9:15〜10:15

オイシックスドット大地 執行役員 西井 敏恭氏

デジタルマーケティング界隈で有名な西井氏が解説するのは、「ECに携わって15年の経験から築き上げてきた基本的な数字の見方、やるべき施策の優先順位など」。オイシックスドット大地の事例を踏まえて、実践的なデジタルマーケティングによる「顧客と売上の作り方」を解説する。

オイシックスドット大地 執行役員 西井 敏恭氏
オイシックスドット大地
執行役員 西井 敏恭氏

[基調講演]
テクノロジーの進化が変えるリテール/消費社会の未来 
2月14日 9:15〜10:15

ローランド・ベルガー プリンシパル 福田 稔氏

ローランド・ベルガーはヨーロッパ最大の経営戦略コンサルティング会社。これからの10年間、小売り・流通市場はかつてないほどの変革が起きると予想する福田氏が、未来のリテールの在り方、リアルとECの関係性、消費社会の変化を大胆に予測する。

ローランド・ベルガー プリンシパル 福田 稔氏
ローランド・ベルガー プリンシパル 福田 稔氏

[特別講演]
中国越境ECの動向と今後 
2月13日 10:15〜11:00

日本貿易振興機構(JETRO) ものづくり産業部生活関連産業課 課長代理 草場 歩氏

草場氏が解説するのは中国向け越境EC。日本の商品に対する現地消費者の信頼度、所得向上に伴うライフスタイルの変化、ネット経済の進展に伴う消費・流通構造の変化などを踏まえ、中国の越境EC概況を解説する。

日本貿易振興機構(JETRO) ものづくり産業部生活関連産業課 課長代理 草場 歩氏
日本貿易振興機構(JETRO)
ものづくり産業部生活関連産業課
課長代理 草場 歩氏

[特別講演]
AIロボットによる物流改革 作業現場の人手不足解消、業務効率化の効果に迫る 
2月14日 10:15〜11:00

アッカ・インターナショナル 代表取締役 加藤 大和氏

中国EC大手のアリババグループも使うAI搭載の物流ロボット「Geek+」(ギークプラス)を導入したアッカ・インターナショナル。AI物流ロボット導入により作業現場にもたらした効果(省人化、作業効率化)、将来の物流現場の在り方、倉庫内ロボットの選定方法などについて解説する。

アッカ・インターナショナル 代表取締役 加藤 大和氏
アッカ・インターナショナル 代表
取締役 加藤 大和氏

[BtoB通販]
アマゾンによる新たな企業向け(B2B)マーケットプレイス”Amazon Business”についてご紹介いたします。
2月14日 16:00〜16:45

アマゾンジャパン Amazon Business事業本部 事業本部長 星 健一氏

2017年9月にアマゾンジャパンが始めたビジネス向けの新サービス「Amazon Business」。企業の購買担当者、販売事業者が「Amazon Business」を利用するメリットについて紹介する。

アマゾンジャパン Amazon Business事業本部 事業本部長 星 健一氏
アマゾンジャパン
Amazon Business事業本部
事業本部長 星 健一氏

ECのサービス支援会社90社が出展

変化の激しいEC業界で、その時期のトレンドを把握しておくことはとても重要なこと。「イーコマースフェア 2018」は新サービスや新製品などの情報をキャッチすることができるイベント。

今回、出展するのは86社(1月22日現在)。ECサイト構築、集客、マーケティング支援、バックヤード支援、決済、オムニチャネル、ビッグデータ戦略、越境EC、物流など、EC事業に関わる支援サービスが一堂に会する。

UBMは、「EC、通販ビジネスにおける注目分野、また課題とされるテーマの解決のヒントとなるような出展製品を展示する」と説明している。

当日の出展企業は次の通り。

  • アイテック阪急阪神
  • アイル
  • アクアリーフ
  • アクティブ・ワーク
  • アドウェイズ
  • アドブレイブ
  • アピリッツ
  • いつも.
  • インプレス
  • イーグラント
  • ECのミカタ
  • ecbeing
  • ECホールディングス
  • イー・ロジット
  • ウェブテクノロジ・コム
  • SBクリエイティブ
  • NRIセキュアテクノロジーズ
  • NEC
  • NTTドコモ
  • NTTレゾナント
  • FID
  • MF KESSAI
  • エルテックス
  • オージーフーズ
  • かっこ
  • ギークプラス
  • クリーブウェア
  • Criteo
  • コマースニジュウイチ
  • これから
  • サイトコア
  • シクロマーケティング
  • Shopify
  • シナブル
  • JSコンサルティング
  • ジェイエスフィット
  • 順豊エクスプレス
  • GMOメイクショップ
  • 鈴与
  • スタークス
  • スターフィールド
  • スマートショッピング
  • スレットメトリックス
  • 千趣会
  • セールスフォース・ドットコム
  • Zendesk
  • ZETA
  • ソフトバンク・ペイメント・サービス
  • ソニーペイメントサービス
  • Dai
  • 醍醐倉庫
  • 大日本印刷
  • ダイレクトマーケティングゼロ
  • タナックス
  • w2ソリューション
  • DNPロジスティクス
  • ディーエムエス
  • 特攻店長
  • ドーモ
  • Tunnel
  • ニコンシステム
  • 日光企画
  • 日本システムウエア
  • 日本システム開発
  • 沼尻産業
  • ネットショップ支援室
  • ネットデポ
  • ハモンズ
  • バリュース
  • ビッグツリーテクノロジー&コンサルティング
  • フェデックス エクスプレス
  • 富士通コミュニケーションサービス
  • BERTRAND
  • 不二家システムセンター
  • フューチャーショップ
  • ペイオニア・ジャパン
  • 三菱電機インフォメーションシステムズ
  • ミニマル・テクノロジーズ
  • ヤマトクレジットファイナンス
  • ユニヴァ・ペイキャスト
  • ユミルリンク
  • ユーピーエス・ジャパン
  • ヨンカーズトランスレーションアンドエンジニアリング
  • ラクス
  • ラクーン
  • Resorz
  • リンク
  • WACUL

新設テーマエリア

2018年は新たに、3つのテーマアリアを新設した。

①インバウンド・越境ECエリア

言語や習慣の違いなどから対応が難しく課題の多い海外ビジネスにフォーカスしたインバウンド・越境ECエリアを開設。訪日外国人向け「インバウンド」、「越境EC」ビジネスへの新規参入、海外への販路拡大をめざす事業者に向け、最適な製品・サービスを展示

インバウンド・越境ECエリア出展製品例

海外マーケティング、翻訳などのインバウンドビジネスサポートから越境ECパッケージ、運営代行、決済などの製品・サービスを紹介

②スマート・ロジスティクスエリア

EC・通販事業の重要課題である「作業現場の人手不足」「再配達問題」「配送料の高騰」。こうした課題を解消するための倉庫内物流から発送までをカバーした製品・サービスが集結

出展社名

イー・ロジット、ギークプラス、スタークス、大日本印刷、タナックス、順豊エクスプレス、DNPロジスティクス、フェデックス エクスプレス、沼尻産業、BERTRAND(2018年1月30日現在)

スマート・ロジスティクスエリア出展製品例

AI(人工知能)搭載物流ロボット、国内・海外発送代行、物流フルフィルメント、

WMS(倉庫管理システム)など

③BtoBソリューションエリア

成長市場として近年注目されているBtoB-EC。受発注業務の負担削減、売上拡大への貢献だけでなく、独自の商習慣への対応を可能にする多数のシステム・サービスを紹介

出展社名

アイル、Dai、ハモンズ、ヤマトクレジットファイナンス、ユニヴァ・ペイキャスト、ラクーン、WACUL(2018年1月30日現在)

イベント概要

  • 名称:イーコマースフェア 2018 東京(第11回)
  • 会期:2018年2月13日(火)・2月14日(水)
  • 時間:10:00-17:30(受付開始9:30〜/基調講演受付開始8:45〜)
  • 会場:東京ビッグサイト西3・4ホール
  • 主催:UBMジャパン株式会社
  • 合同開催:マーケティング・テクノロジーフェア 2018(第6回)、コンテンツマーケティングジャパン 2018(第2回)
  • 詳細と申込:http://www.ecommerceexpo-japan.com/index.php
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米アマゾンがファッション関連の販売手数料UPを発表、プライム会員費の値上げも実施 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

8 years 1ヶ月 ago

Amazon(アマゾン)は、出品サービス「Amazonマーケットプレイス」を利用して衣料品などを販売している事業者の販売手数料が2月から引き上げる予定です。また、「Amazonプライム」会員の月会費を2ドルほど引き上げました。

衣料品とアクセサリーの手数料は15% → 17%に変更

アマゾンはマーケットプレイスの販売事業者、および消費者に影響を及ぼす「Amazonプライム」の価格改定を発表しました。

「Amazonマーケットプレイス」の販売事業者に関し、マーケットプレイスで売れた各商品に課す販売手数料と、カテゴリーごとに規定している成約手数料(編注:日本ではメディア商品<本、ミュージック、ビデオ・DVD>が対象)を変更します。

アパレルとアクセサリー、靴、ハンドバッグ、サングラスのカテゴリーで手数料を引き上げる予定なのです。

現在、上述したカテゴリーについてアマゾンは、売上金額(税抜き)の15%、最低手数料1ドルを販売事業者に請求していますが、4月15日から衣料品とアクセサリーの手数料を17%に引き上げます

日本のアマゾン出品サービスの販売手数料
編注:日本のアマゾン出品サービスの販売手数料(画像は編集部がキャプチャして追加)

靴、ハンドバッグ、サングラスは販売金額によって手数料が変わります。75ドル以下の商品の手数料は変更がありませんが、75ドル以上の商品には18%の手数料を課すことにしました。最低手数料1ドルに変更はありません。

ジュエリー商品の販売手数料は2月22日から変更になり、新手数料は1年間有効となります。現在、ジュエリー商品の販売手数料は20%で、最低手数料は2ドル。今後は250ドル以下の商品の手数料は20%のままで、250ドル以上の商品は基準価格(250ドル)を超えた金額に5%の手数料が加算されます。

たとえば、マーケットプレイスで300ドルの指輪を販売している事業者に対して、アマゾンはこれまで60ドルの販売手数料(販売価格の20%)を請求していました。2018年2月22日からは、販売手数料が52.50ドルに変わります(250ドル分に50ドル、残り50ドル分に2.5ドルの販売手数料)。

ジュエリーを販売するマーケットプレイスの販売事業者は、高い商品を売ればアマゾンへの支払い手数料が安くなります。一方、衣料品とアクセサリーの販売事業者は、アマゾンで販売すると従来よりも高い手数料が請求されます。

アマゾンは近年、ファッションカテゴリーに注力し、アパレル関連が急成長を遂げています。One Click Retail社の予測によると、2017年7~9月期(第3四半期)のアパレルの売り上げが、前年同期の9億1000万ドルから32%増の12億ドルまで拡大しています。

アマゾンのベビー用品売上(2017年3Qと2016年3Qの比較)
One Click Retail社の予測によるアマゾンのベビー用品売上(2017年3Qと2016年3Qの比較)。ベビーアパレルはアパレルジャンルでも最も高い成長率を記録しているという
アマゾンはファッションジャンルも制するのか? オリジナルブランドの衣類が好調なワケ ワンピースで成功しているアマゾンのオリジナルファッションブランド(オリジナルブランドの商品別売上構成比:アマゾンとメイシーズの比較)
アマゾンが販売するオリジナルブランドの商品別売上構成比率
  • ターコイズブルー:トップス・Tシャツ
  • 黒:パンツ
  • カーキ:ジャケット・コート
  • 青:セーター
  • オレンジ:ワンピース
  • 紫:その他
出典:Slice Intelligence社

マーケティング会社CPC Strategy社の最新調査によると、オンライン通販で衣料品を購入している消費者の半分以上(52%)が、直近の6か月間で、アマゾンで衣料品を購入したと答えています。

今回の販売手数料の改定は、アマゾンの配送サービス、FBA(フルフィルメントバイアマゾン)を利用している販売事業者にも影響を与えそうです。2月22日から適用される改定手数料の詳細はこちらです。

アマゾンの今回の発表には、消費者に影響を与える改定も含まれています。アマゾンはプライム会員の月会費を2ドル引き上げたのです。すでに適用されている新しい月会費は、従前の10.99ドルから12.99ドルに変更しました。

月ごとにプライム会員費を1年間支払った場合、年間155.88ドル払うことになり、従来の131.88ドルから18%も高くなります。一方、プライム会員費を一括支払いする年会費は従来通り99ドルのままです。アマゾンは2012年、プライム会員の会費を月単位で払えるように仕様変更しています。

アマゾンが2017年6月に導入した、政府から支援を受けている消費者がプライム会員になった場合の特別会費は月5.99ドル。これまでと変更はありません。

プライムスチューデントの月会費は1ドル引き上がり、今までの5.49ドルから6.49ドルに変更となりました。

インターネットリテイラー社発行「全米EC事業 トップ500社 2017年版」で第1位のアマゾンは、プライム会員の正確な人数を公表していませんが、16か国で数千万人の会員がいると話しています。

株式関連の調査会社CIRP社は、2017年9月30日の時点でプライム会員の数は9000万人以上と予測。全米のアマゾン利用者の63%がプライム会員になっていると言われています。

米国のアマゾンが提供する「Amazonプライム」の会員数予測
米国のアマゾンが提供する「Amazonプライム」の会員数予測

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

Internet RETAILER

2018年のEC市場で勝つカギは「多店舗展開」「海外販売」「バックヤード自動化」

8 years 1ヶ月 ago

市場環境がめまぐるしく変わるEC業界で、2018年にEC事業者が取り組むべき施策とは何か? ECのコンサルティングや運営代行などで8400社以上の企業を支援してきた実績や経験を持つ、いつも.が、ECのテクノロジーなどで一歩先を行く米国・中国、チャンスがありそうな台湾といった海外市場のトレンドを踏まえ、EC企業が採るべき成長するための戦略を解説した。 写真◎Lab

2018年は「多店舗展開」「越境EC・海外進出」「バックヤード自動化」が鍵に

自社ECサイトやECモールの運営支援、越境EC、オムニチャネル、バックヤード改善などを支援している、いつも.の立川哲夫氏(事業推進部 兼 グローバルEC事業部 事業部長)があげたEC企業が取り組むべき戦略は、①多店舗展開による市場シェア拡大 ②海外を視野に入れたチャネル拡大 ③バックヤードの自動化――の3点。

株式会社いつも.事業推進部 兼 グローバルEC事業部 事業部長 立川哲夫氏
株式会社いつも.事業推進部 兼 グローバルEC事業部 事業部長 立川哲夫氏

① モールを活用した多店舗展開は必須

成長戦略の1つ目は、国内の主要なECモールに出店し「多店舗展開」を行うこと。近年のEC業界で売り上げを伸ばすには、「国内の主要ECモールを徹底して活用することが重要になっている」(立川氏)と言う。

国内のEC売上高上位400社のうち70%以上が多店舗展開を手がけていることを紹介し、「成長しているEC事業者はECモールを積極的に活用している」(立川氏)と指摘。

「楽天市場」「Amazon.co.jp」「Yahoo!ショッピング」「Wowma!」といった主要ECモールに出店し、モール内SEOや広告運用によってモール内検索でのシェア(露出)を高めていくことが重要だ。極端に言えば、2018年はこれを徹底するだけで業績は十分伸びる。(立川氏)

日本のEC上位企業の動向 モール利用率76%
国内のEC売上高上位400社のうち76%はECモールに出店している

ECモールを活用した多店舗展開の重要性が高まっている理由について立川氏は、①Googleの検索エンジンを使った商品検索では、表示順位の上位は主に大手ECモールが独占している大手ECモールは桁違いの販促投資を行っており、集客力が非常に高い――この2点をあげた。

検索エンジンの上位は大手が独占

現在、Googleの検索エンジンでEC関連の主要キーワードを検索すると、自然検索もリスティング広告も1ページ目に大手ECモールで扱っている商品情報が表示されるケースが多い。

特に、検索ボリュームが大きいビッグワードの検索結果の上位は、莫大な広告予算を持つ大手企業によるリスティング広告、またはSEOに強い企業の商品情報が目立っている。また、リスティング広告の人気キーワードもECモールや大手EC企業が上位を独占する傾向が強まっているという。

中小のネットショップがGoogleの検索エンジンを軸に集客することは、数年前と比べて難しくなりつつあるECモールと正面から競争するのではなく、ECモールの集客力を利用することを考える必要があるのではないか。(立川氏)

例えば・・「レディース財布」で検索
Google検索におけるECのビッグワードは、検索結果の上位をECモールや大手サイトが独占している

ECモールは莫大な販促費で集客

多店舗展開の重要点である2つ目の理由として、「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「Amazon.co.jp」「Wowma!」「ポンパレモール」といった主要ECモールの運営企業が、テレビCMやポイント還元などの販促施策に莫大な投資を行っていることをあげた。

大手ECモールは毎年、億単位、十億単位の販促費を投じてモールに消費者を集客している。また、「楽天市場」や「Amazon.co.jp」といった大手モールのショッピングアプリの利用者はすでに数千万人規模に達した。EC事業者はECモールの集客力を積極的に活用した方がいい。(立川氏)

立川氏は国内の大手ECモールの流通額が、推定で年率5~10%程度のスピードで伸びていると説明した上で、「今後もECモールの存在感が高まると予想される中、ECモールに出店していないと、出店している競合に市場シェアを奪われる可能性がある」と警鐘を鳴らす。

② 米国、中国、台湾といった海外EC市場の攻略

2018年の成長戦略の2つ目にあげたのは「越境EC・海外進出」。海外でEC事業を成功させるにはハードルは高いものの、「5年後、10年後を見据えると、特に中国や北米の市場は、今から取り組んでおく必要があると判断している企業は増えている」(立川氏)と言う。

気になるのは、現在の海外EC市場に関する環境だ。立川氏はクライアントの越境ECを支援してきた知見を踏まえ、日系企業の進出先として注目を集めている米国、中国、台湾の市場動向を説明した。

株式会社いつも.事業推進部 兼 グローバルEC事業部 事業部長 立川哲夫氏
いつも.は、米国最大級のECイベント「IRCE」の日本公式パートナー

【米国】EC市場シェア4割を握るAmazonの活用が必須

立川氏は、米国のEC市場は2017年時点で推計約40兆円(いつも.社の推計)に達しており、市場シェアの約4割を「Amazon.com」が握っていると話す。近年はAmazonのシェア拡大が目覚ましく、メイシーズやJCペニー、シアーズ、ウォルマートといった老舗百貨店やスーパーマーケットなど、多くの小売企業が店舗削減に追い込まれているという。

また、18~29歳の消費者の63%はインターネットで買い物をする際、最初にAmazonで商品を検索するといった調査結果もある。こうしたことを踏まえ、「日系企業が米国でECに取り組むなら、まずは『Amazon.com』を活用することが欠かせない」と説明する。

その他:47%Amazon:53%
2016年EC市場の成長率のシェアで、アマゾンは半分以上を占める(53%)
黒:その他 オレンジ:アマゾン
出典:Slice Intelligence
参照:https://netshop.impress.co.jp/node/3985

また、スポーツブランドのNIKEが「Amazon.com」で直販に乗り出していることなどを紹介し、「小売業界のルールは従来とは大きく様変わりした。こうしたトレンドは、数年以内に日本でも起こる可能性がある」(立川氏)。

【中国】成功の鍵を握るのは「保税倉庫」

続いて立川氏は中国ECのEC市場を解説した。いつも.の推計によると、中国のEC市場は現在約100兆円。「Tmall.com」と「JD.com」の大手2社が市場の約80%を独占しており、その他、唯品会(VIP)や蘇寧電器(SUNING)などのECサイト、ECモールがある。

2017年の「独身の日」にアリババの受注額が前年比39%増の約2兆8000億円に達したことにも触れ、「規格外の成長を遂げている」(立川氏)と指摘。また、アリババの流通額に占めるモバイルEC比率が約90%に達していることにも触れ、モバイルEC比率の高さが現在の中国市場の特徴だと強調した。

中国は温度管理で配送を対応するコールドチェーンが急速に整いつつあることや、インターネットの5G環境も普及する見通しであることから、「2020年にはECが中間所得層にも浸透し、EC利用者は約7億人、EC市場は180兆円程度まで拡大するのではないか」と立川氏は予想する

中国のBtoC市場
中国は「Tmall」と「JD.com」の市場シェアが大きい

いつも.は日系企業の中国進出を支援するため、中国企業との合弁会社を設立。そして、「JD.com」やヤマトグローバルロジスティクスと提携し、日系企業の越境ECを支援している。

直近2年間で中国への越境ECを支援してきた経験から、「国内から中国にEMS(国際スピード郵便)で商品を配送する『直送モデル』は通用しにくい」(立川氏)と感じているという。

直送モデルは現地に在庫を持たないため、在庫リスクがなく、初期投資も少なくて済むというメリットがある。一方、配送日数が1週間以上かかったり、荷物1個あたりの送料が割高になったりするため、価格競争やサービス競争で現地のEC事業者に見劣りしてしまう

そのため、いつも.は現在、中国の保税倉庫に在庫を保管して中国ユーザーに商品を販売する「保税区モデル」を推奨している。また、ある程度まで規模が拡大したら、現地のディーラーに商品を卸売りする「卸モデル」や、中国への一般貿易で現地から販売するモデルを組み合わせることが成長には必要だという。

近年、中国ECで売り上げを伸ばしているウォルマート、シーメンス、オルビスなどが、こういった販売モデルを採用している。「保税区モデル」は越境ECでは現在もっとも成功確率が高いスキームだ。(立川氏)。

いつも.が支援している事例では、中国・寧波の保税倉庫などから商品を出荷することで、リードタイムを注文後1~4日間、注文1件あたりの物流コストはEMS直送の3分の1以下に抑えているという。保税倉庫を使った配送はJD.comの物流部門と連携して行っている。

当社のJD.com連携 中国越境EC支援専門のFRANK&いつも.設立
JD.comと連携し、保税倉庫を活用して行う中国越境ECのスキーム

【台湾】先行者利益が望める有望市場

日系企業の進出が増えている台湾市場についても解説した。台湾は現在、日系企業が安定してECの売り上げを伸ばすことができる市場という。「化粧品や健康食品など単品通販企業を中心に、中国ECで苦戦した企業が目先を変え、こぞって台湾に進出している」(立川氏)。

台湾は親日家が多いとされ、他国と比べて顧客を獲得しやすいという。

日本のWebでの販促手法が通用しやすく、CPA(顧客獲得単価)やCPO(注文獲得単価)などの指標が日本のEC市場の半分程度と安い。GoogleアドセンスやFacebook広告などを使って積極的に販促投資を行い、先行者利益を取りに行く通販企業が目立つ。(立川氏)

台湾のEC市場はECモールの市場シェアが高い。そのため、「Yahoo!台湾」「momo購物網」「PChome」といったECモールを活用することが欠かせないと強調した。

一方、台湾の人口は約2500万人、EC市場は3兆5000億~4兆円と言われており、マーケットは日本の4分の1程度にとどまる。台湾進出の事業計画を立てる際は、売上目標を国内ECの10%程度に設定する企業が多いという。

③ 配送費値上げを受け、必要性が高まる「バックヤードの自動化」

立川氏が2018年の成長戦略の3つ目にあげたのは、ECのバックヤードの自動化だ。受注管理システムを導入して注文処理を自動化した上で、基幹システムや物流システム(WMS)を連携することで受注から出荷までの工程を自動化する必要性が高まっているという。

特に重要視しているのが「受注スルー率」。すべての注文件数のうち何割が、受注から出荷指示データ送付まで自動化されているかを示した数値を意味する。

ECサイトに注文が入ってから出荷指示までの業務において、EC担当者が何もしなくても業務ステータスが進む体制を作ることで、「出荷スピードの向上、業務効率の改善、土日出荷の実現、フルフィルメントコストの削減など、さまざまな効果が期待できる」(立川氏)。

配送会社が運賃を値上げし、通販会社のコスト削減が課題になるなか、フルフィルメントコスト全体を見直す上で「受注スルー率」を高めることの重要性は増しており、EC業界では大手を中心に多くの企業が「受注スルー率」の向上に取り組んでいるという。

Amazonやヨドバシなどの「受注スルー率」は95%以上と言われている。だから土日や夜間も迅速に出荷できる。そのサービス水準の高さが消費者から支持されている。(立川氏)。

配送費用値上げに対応(自動化)粗利益高 従来 フルフィルメント比率
フルフィルメントコスト全体の見直し、適正化が求められている

ECの枠組みを早期に決断する

最後に立川氏は、「2018年の成長戦略において大事なことは、国内のECモールであれ、海外進出であれ、どのチャネルをどう攻めるか早期に決断すること」と強調した。

国内のEC市場は、大手小売業のオムニチャネル化が進んでいる他、大手メーカーも直販に続々と本格参入している。こうした市場環境を踏まえ、「何をすべきか迷っている時間はない。2020年を見据えて、多店舗展開、海外進出、バックヤードの効率化の枠組みを早期に決めることが成功につながる」と訴えた。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

中国越境ECのインアゴーラが地銀出資企業と提携、地方企業の出店を強化

8 years 1ヶ月 ago

日本の商品に特化した中国向け越境ECプラットフォーム「豌豆(ワンドウ)プラットフォーム」を運営するインアゴーラは1月24日、出店取次ぎパートナー契約を結んだGLコネクトとの取り組みを1月から本格的に開始したと発表した。

GLコネクトは伊藤忠商事、あおぞら銀行、鹿児島銀行、荘内銀行、十六銀行、東邦銀行、伊予銀行などが共同出資する企業。国内外の企業に対するファイナンス業務、海外ビジネスサポート業務などを手がけている。

株主である各銀行と協業し、インアゴーラに地方企業の紹介を行うという。

インアゴーラは出店取次ぎパートナー契約を結んだGLコネクトとの取り組みを1月から本格的に開始

地銀などを通じて地方企業の出店を開拓する

インアゴーラは2017年12月、100年以上の歴史を持つ老舗日本企業100社を集め、「ワンドウ」で販売する「100年100社プロジェクト」をスタートしている。

インアゴーラが運営する「豌豆プラットフォーム」は、商品情報の掲載、物流、決済、マーケティング、顧客対応、他チャンネル展開などの全工程をインアゴーラが担う。

カゴメやカルビー、阪神阪急百貨店、キリン堂などが出店しており、出店企業数は2017年11月時点で210社。約2600ブランド、約4万種類の商品を取り扱っている。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

メガネスーパー、LINE@で近隣店舗の在庫検索と商品取り置きが可能に

8 years 1ヶ月 ago

「メガネスーパー」などを展開するビジョナリーホールディングスは1月29日、LINEのビジネス向けアカウント「LINE@」を活用し、近隣店舗の在庫検索と商品の取り置きを行える新サービス「コンタクト レンズ在庫検索&取り置き」を開始した。

LINEのAPIを利用して買い物の利便性向上を図る。 

ビジョナリーホールディングスグループが展開する「メガネス ーパー」「メガネハウス」「シミズメガネ」の店舗が対象。

「LINE@」のアカウント「コンタクト在庫検索│ビジョナリ―HD 」を友だち登録し、使用しているコンタクトレンズの商品名と度数を登録した後、位置情報を送信すると、当該商品の在庫が存在する店舗を近い順に表示する。

店舗を選んで「取り置きボタン」を押すと、翌営業日まで商品を取り置くことが可能。

ビジョナリーホールディングスは「LINE@」を活用し、近隣店舗の在庫検索と商品の取り置きを行える新サービス「コンタクト レンズ在庫検索&取り置き」を開始

新サービスの概要

「メガネスーパー」は、店舗での購入履歴から簡単にコンタクトレンズを注文できるスマホアプリ「コンタクトかんたん注文アプリ」を展開するなど、店舗とデジタルを組み合わせて利便性向上に取り組んでいる。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

ECサイト20店を支えるたった4人のチーム。入社4年目のリーダーが実現したアパレル企業の社内改革 | STORY of BACKYARD ─ECサイトの裏方たち─

8 years 1ヶ月 ago

メンズアパレルのネット販売を手がける株式会社ピー・ビー・アイ(以下、PBI)。通販で高い人気を誇るメンズファッショブランドの「SILVER BULLET(シルバーバレット)」と言えば、わかる人も多いだろう。

PBIのECサイトは20店舗にもおよぶが、各店舗の受注とカスタマーサービスを担うのは、たったの4人という少人数体制。少数精鋭のスタッフが、お客さまからの質問に答える「コーディネート相談室」を展開するなど、他にはないサービスを行っている。少人数でこれだけのことを果たしている裏側はどうなっているのだろう……? 舞台裏を知るべく、PBIのバックヤードを訪ねた。

PBI社内
「SILVER BULLET」は2007年と2014に楽天ショップ・オブ・ザ・イヤーを獲得している。オフィスの中には最新のアイテムが所狭しと並ぶ

バックヤードの業務は注文の処理、商品交換や返品対応、商品の問い合わせに関する電話対応など多岐に渡る。 例えば、ある日のスケジュールはこんな感じだ。

9:30出社。注文系のメールの返信
10:00始業。受注処理開始
11:00顧客対応
12:00受注処理終了。返品された商品を開封。交換対応なども合わせて行う。新製品やコーディネートなどをSNSに投稿。最近はInstagramに力を入れている
13:00昼休憩。ランチにはあまり出向かず、お弁当を社内で食べることが多い
14:002度目の受注処理。15時までの注文は即日発送を行っている
15:00顧客対応など。メールと電話の対応やデータの集計作業など。キャンセル率などを集計し、会社の全体会議で共有する
16:00発送のための倉庫とのやりとり。倉庫は平和島にあり、毎日電話でやりとりをしている
17:00発送終了後は自由時間。SNSの画像を作ったり、それぞれ自分のやりたい仕事や持っている仕事を行う
19:00終業

カスタマー部リーダーの無津呂晴菜さんが入社したのは3年前。無津呂さんはPBIのバックヤードに大きな改革をもたらした立役者だ。今は「仕事が楽しくてしょうがない」と語る無津呂さんだが、入社した頃はまったく違う状況だった。

無津呂さん
アパレルの販売からネット通販未経験で入社した無津呂さん。「もともと人が好きなんです。人と話すのも好きだし、協力して何かを達成するのが楽しいタイプ」

業務改革の理由は「スタッフにつらい思いをして欲しくないから」

入社した最初の1年間は「ただつらかった」。PBIの繁忙期は楽天スーパーセールが行われる時期や福袋のシーズンだが、それ以外の時期も業務が山積みになっていることが常態化していた。膨大な仕事量に翻弄され、仕事が終わらない、帰れない。助けてくれる人はいても個人プレーが多く、チームワークは望めなかった。

カスタマー部のリーダーになった時、無津呂さんは自分の部下になったスタッフにあんなにつらい気持ちになってほしくないという思いで、「カスタマー部を改革しよう」と決意した。

無津呂さん

無津呂さんがまず行ったのが業務の洗い出し。「この作業は面倒だな」「時間がかかるな」と思うところを洗い出し、導入しているバックヤードサポートサービス「CROSS MALL」で使えるものがないか模索した。

改めてシステム運用を見直してみると、業務を効率化できるツールがいくつもあった。例えば、お問い合わせメールの返信。 それまでは担当者がそれぞれのメーラーから返信していたため、文面を共有することができていなかった。

お客さまからのお問い合わせメールは2種類ある。1つは注文に関するもので、住所変更やキャンセルなど、ノウハウがなくても対応可能なものだ。無津呂さんは、注文系のメールはすぐに返せるようにテンプレ化してCROSS MALLに登録し、通販部全体で共有することで迅速な対応が可能になった。

注文系はスピードが命。お客さまは「ちゃんと変更できるのか」「ちゃんとキャンセルできるのか」と不安になっていらっしゃるので、対応が遅いとメールに加えて電話までいただくことになってしまいます。余計な手間をかけさせないよう、お問い合わせには朝一番に対応するようにしています。 (無津呂さん)

もう1種類の問い合わせは、商品やコーディネートに関する、マニュアルでは答えられない質問だ。これには商品知識や顧客対応スキルが試される。

お客さまからのお問い合わせはさまざまです。特に「フーガ」や「シヴァーライズ」などの“お兄系”ファッションでは、サイズ感や素材感を気にされる方が多いですね。素材感がわからないときは、在庫がある倉庫に電話をして、スタッフに「どんな感触?」と聞いてお答えすることもあります。 (無津呂さん)

ネットでは伝わらないサイズ感などを伝えるために、スタッフが試着し、写真を送って確かめてもらうこともあるという。

社内風景

「ネット通販を使ったことがない」または「ネット通販を信頼できるのか不安」というお客さまも多い。不安を解消するために親身な対応を心がけている。

お客さまの中には10代から20代で、ネット通販を使ったことがない方も多くいらっしゃるので、その時にはお電話で説明しています。皆さん、雑誌やInstagramで憧れのモデルが着ている服を見て「この服が欲しい」と言ってくださるんです。「こうなりたい!」という気持ちがすごく伝わってくるので、その手助けをしてあげたいと思っています。 (無津呂さん)

お客さまの「こうなりたい」を叶えたい

PBIの徹底した顧客思いの対応が現れているのが、Webサイトで展開されている「コーディネート相談室」。「今年は何が流行るの?」「うまく着こなせない」「もっとオシャレになりたい」─お客さまのそんな思いに応えるために立ち上げた企画だ。

「コーディネート相談室」TOPページ
ファッションに関する相談にメールで回答する「コーディネート相談室

コーディネート相談室によせられた質問は、「SILVER BULLET」チームとも相談し、一緒に考えて回答している。

「コーディネート相談室」の回答メール
「コーディネート相談室」の回答メールの一例。機械的な返信ではなく、絵文字を使ったり写真を添付したり、親しみやすくなるよう工夫している 

電話でも「このアイテムをどんな風に合わせればいいのか?」といったコーディネートに関する質問を受けることがある。お客さまによっては対応が1時間半におよぶこともあるという。

SNSの投稿も通販部が担当

PBIのブランドは20あり、Instagramのアカウントだけでも7つある。SNSの投稿を通販部が担うことも多く、新作商品からコーディネートまで自由に投稿している。

普通は広報部などが担当することなのかもしれませんね。ですが、私たちにしか書けない文章もありますし、お客さまが何を知りたいかっていうことも、私たちが一番わかっていると思います。 (無津呂さん)

他にも、お客さまからコメントやメッセージをいただいた時に、すぐに対応できるのは通販部ならではの利点だという。また、通販部にとっても、新作情報やイベント情報を把握でき、商品についても詳しくなれるというメリットがある。

SNS更新作業

一番難しかったのは社内のコミュニケーション

業務のツールやシステムを改善するだけでは全体的な改善にはつながらない。無津呂さんが業務フローの改善とあわせて行ったのが、カスタマー部メンバー同士のコミュニケーションを増やすこと

スタッフ間のコミュニケーションができていないと、引き継ぎうまく行われず、お客さまへの連絡が遅れたり、重複したり、結果、それがクレームにつながったりする。無津呂さんは「スタッフ間の意志の疎通が一番難しかった」と言う。

メール対応に関しては、どのスタッフがどのメールに対応しているのか進捗状況がわかる機能を導入し、全員がリアルタイムで状況を把握し、対応できる体制を作った。

システム運用の見直しだけでなく、積極的に業務中の会話を増やしたりミーティングを行ったりするなど、チーム内でコミュニケーションとる時間を増やした。

ミーティングを始めたばかりの時は、うまく喋ることができず、自分の感情を伝えることができなかった。しかし、回数を重ねるうちに、だんだんお互いの気持ちがわかるようになってきた

コミュニケーションを増やすと、部の雰囲気がすごく良くなるんです。やっぱり人とつながってないと何も生まれないし、そうやって生まれたものから売上も伸びていくんだと思います。1人では何もできないので、協力していかないと。そういうところをすごく大事にしています。(無津呂さん)

現在は毎週金曜にカスタマー部の定例会議を行っている。チームの課題や、それぞれの仕事について建設的な話し合いを行う場だ。月ごとの目標をメンバー同士で共有し、達成できたかどうかを話し合う。会議中の発言は活発そのもの。スタッフが互いに目を配り、誰かがつまずいていたら助け船を出せるような協力体制が出来上がった。

忙しさを楽しさに変えた「目標設定」

しかし、ここに至るまでにはかなりの苦労があった。業務改善を行わなければ、スタッフが楽しく仕事と向き合うことができない。しかし「みんなで協力して仕事をしよう」とただ言っていてもスタッフの心は1つにならない。そこで無津呂さんが行ったのは「目標を設定する」ことだった。

初めて目標を設定したのは忙しくなる楽天スーパーセールの時期。具体的には「受注のデータを何時までに送る」とか「会話を増やす」といった目標だ。最初はスタッフ間に“やらされてる感”が漂っていた。しかし、最終的にはスタッフ全員がすべての目標を達成できていた。そこからチームの意識が変わった。

セール期間を振り返ったときに、みんなが「楽しかった」って言ってくれたんです。それが私はすごく嬉しくて。多分、その時に初めて、目標を設定して達成することにみんなが楽しさを感じてくれたんだと思います。

最初はバラバラだったみんなの中に「一緒に仕事をしている」という意識が生まれたのもうれしかったですね。(無津呂さん)

力を合わせて目標を達成すること。その達成感によって、強い連帯感が生まれた。

「仕事の楽しさを伝える」という役割

こうして築いてきた協力体制の強みを、社内にも広めていくのが無津呂さんのこれからの目標だ。 「口で言っても伝わらないので、わたしたちが実現して見せるしかない」 と無津呂さん。「以前は目の前のことで精一杯だったけど、今は1年後に自分が、部署が、会社が1年後どうなっていたいかを考えられるくらいの余裕ができた」という。

若い4人のチームが支える、PBIが展開するアパレルブランドのバックヤード。無機質に思われることもあるバックヤードの業務だが、無津呂さんは「こんなに楽しいことをみんなが知らないのはもったいない」と目を輝かせる。

今、ものすごく仕事が楽しいんです。本当にこの仕事に出会えて良かったなと思っているんです。自分の部下や後輩にも同じ気持ちでいて欲しいし、同じ感覚を味わってほしい。

仕事をしている時間ってすごく長いので、楽しんいでないともったいないですよね。自分も楽しいから、みんなにも楽しんで欲しいと思ってるんです。私のこの会社での役割はそれじゃないかな。 (無津呂さん)

PBI社内風景
◇◇◇

新しいコミュニケーションの方法を得て、強くなったPBIのバックヤード。これからますますその強みを増すことで、いったいどうなっていくのか? これからのPBIが楽しみだ。

B.Y

B.Yは、普段表に出ないEコマースのバックヤード(受注、出荷、顧客対応)担当者を取材した“日本初”バックヤードに特化したWEBメディア。 バックヤードの人々が実践する「運用業務の創意工夫」「仕事への向き合い方」をSTORY、「バックヤード運用ノウハウ」をTOPIC、として発信している。本来Eコマースがもつ可能性を拡げ、バックヤードの人がいきいきと働けるキッカケを提供することでEC業界全体を支援している。

B.Y

コンバージョン率を改善する「Web接客」を使いこなす秘訣とは? 4000社導入の「ecコンシェル」が解説

8 years 1ヶ月 ago

ECサイトのコンバージョン率の改善、リピート客を増やすための効果的な手法として「Web接客ツール」が注目を集めている。低コストで、かつコードをECサイトに埋め込むだけといった手軽なツールが多いことも「Web接客ツール」が注目されている理由の1つ。

ただ、日々の運用で効果を上げていくためには、シナリオ策定などの勘所は欠かせない。4000社以上が利用するWeb接客ツール「ecコンシェル」の事例を踏まえ、NTTドコモの羽矢崎聡セールスマネージャーが、効果を上げる「Web接客」のポイントを解説した。写真◎Lab

効果の上がるWeb接客は「顧客分類」「接客シナリオ設定」が重要

効果の上がる「Web接客」を行うために重要なことは、サイト訪問者のデータを収集し、属性や行動履歴などに応じてユーザーを分類した上で、「だれに」「どこで」「いつ」「なにを行うか」といった「接客シナリオ」を設定することだ。

NTTドコモの羽矢崎聡氏(イノベーション統括部 ecコンシェル セールスマネージャー)はこう話し、「ecコンシェル」の事例を踏まえて効果の上がる「Web接客」の方法や注意点、効果を解説した。

羽矢崎氏が考える「Web接客」とは、商品やサービスとエンドユーザーをつなぐコミュニケーション。「エンドユーザーが本当に欲しい情報を、エンドユーザーの状態やタイミングに合わせて案内すること。これを実現するために『ecコンシェル』を作った」と言う。

たとえば、「未購入のユーザーに(誰に)、ECサイトのTOPページで(どこで)、1か月間(いつ)、新規顧客限定クーポンを(何を)配信する」といった具合に、ターゲットや施策の内容、期間などを具体的に設計すると効果的という。

どのような接客シナリオを作るか、工夫次第で施策の効果は変わってくる。(羽矢崎氏)

株式会社NTTドコモ イノベーション統括部 ecコンシェル セールスマネージャー 羽矢崎 聡氏
株式会社NTTドコモ イノベーション統括部 ecコンシェル セールスマネージャー 羽矢崎 聡氏

接客シナリオを設定するコツ

顧客分類行動の分類を掛け合わせた図をもとに、接客シナリオを設定するための考え方のコツを羽矢崎氏は紹介した。

まず、ECサイトのユーザーの状態を「未購入」「初回購入」「リピート購入」の3つに分類。そして、ユーザーが「ECサイトにアクセスした」「商品一覧ページを閲覧した」「商品詳細ページへと進んだ」「商品をカートに入れた」「購入した」といったECサイト上でのステップに応じて施策を打つことが必要という。

たとえば、ECサイトにアクセスしたユーザーが直帰しようとしたら「キャンペーンバナーをポップアップ表示して離脱を防ぐ」、商品ページを閲覧しているユーザーには「ショップ内の回遊を促進するバナーを表示」、カートまで進んだ顧客に対しては決済への後押しとなるクーポンなどを提供する――といった施策だ。

顧客の分類とECサイト上での行動を掛け合わせて接客方法を考えると、コンバージョン率向上などの目的を達成しやすい。(羽矢崎氏)

分類した顧客に行動をかけあわせ、接客方法を考える 顧客の分類 リピート購入、初回購入、実購入 行動の分類 流入、一覧m詳細、カート、購入
顧客の分類×行動の分類によってわけたそれぞれのステップに対して施策を考えていく

分類した顧客に合った接客方法とは?

羽矢崎氏は、Web接客の具体的な手法について事例をあげて解説した。

接客① 興味喚起(&動線強化)

ユーザーがサイトを訪問した直後に、ポップアップで「買いませんか」という内容の情報を見せてしまうと嫌がられることが多いという。そのため、まずは欲しい商品を見つけてもらうことを優先する方がいいという。たとえば、「おすすめ商品」や「人気商品」などを表示し、サイト訪問者が欲しい商品を見つけられるようにする。

接客② 購入前の不安払拭

ユーザーが商品をカートに入れる直前に、ポイントやクーポンなどを表示するとコンバージョン率は高まるという。ユーザーは購入直前になって「今買わなくてもいいかな?」「もう少し他のサイトを見たいな」と感じる場合もあるため、クーポンなどを表示することで「今買った方が良い」というメッセージを伝えることが重要になる。

FAQや問い合わせ、送料や返品についての案内、レビューなどを掲載することで、ECサイトの返品対応や送料などに関する疑問や不安を払拭することも、コンバージョン率アップの有効な施策になる。

商品をカートに入れてもらうために、あと一押し、何を伝えればよかったのだろう? カートへ商品を入れたのに購入しなかったユーザーへは、どうすれば心地よく購入していただけるのだろう?……といったことを考え、各ステップでお客さまの状況に合わせて案内・接客していくと成果は上がっていく。(羽矢崎氏)

ターゲットに対してどのような接客をするか(接客目的)
改善ポイントに対してどのような接客が有効かを考えることが重要

Web接客でCVRが改善した「d fashion」の事例

羽矢崎氏は、NTTドコモのファッションECサイト「d fashion」で実際に行ったWeb接客の事例をあげ、コンバージョン率改善のポイントを説明した。

「d fashion」では、新規顧客を獲得するための施策の1つとして、初回購入時に1000ポイントをプレゼントするキャンペーンを行っている。以前は、キャンペーン情報のバナーをECサイトのトップページなどで、来訪したすべてのユーザーに表示していたが、施策の効果が十分に発揮できていないと感じていたという。

そこで、ユーザーのサイト訪問回数やECサイトの行動履歴を分析し、「過去に商品を購入したことはないが、商品詳細ページを閲覧している」「訪問回数が複数回ある」というユーザーに絞ってキャンペーンバナーを表示する仕組みに変更。その結果、コンバージョン率が約1.5倍も向上したという。

お客さまが「このキャンペーン情報は私に向けたものだ」と感じるタイミングでキャンペーンを案内することが正しいコミュニケーションだ。商品やサービスとお客さまをつなぐ的確なコミュニケーション、つまり「接客」を行うことが、売上増加やコンバージョン率の向上につながる。(羽矢崎氏)

コンバージョン率153%アップ
訴求の仕方を変えることでCVRが約1.5倍もアップした

ecコンシェルは高速PDCAも可能にする

羽矢崎氏によると、「ecコンシェル」でWeb接客に取り組んでいる企業のなかで、オークローンマーケティングが運営するECサイト「ショップジャパン」、音楽・映像ソフトを販売している「TOWER RECORDS」、ブランド品ECサイトの「AXES」など、多数の企業がコンバージョン率のアップといった成果を上げているという。

その理由の1つとしてあげられるのが、「ecコンシェル」を使うとPDCAを高速で回せること。「ecコンシェル」はユーザーデータの収集と分析、プロモーション施策の自動化、バナー生成の自動化といった機能に加え、「接客シナリオ」のABテストを自動化することができる。

ディープラーニング(深層学習)の最先端技術を持つPKSHA Technologyとの共同開発による人工知能(AI)が、自動でABテストを実施。改善を行う自動最適化機能も実装してりる。これにより、「Web接客」のPDCAサイクルを高速で回すことを可能にした。

本来、PDCAには多くの手間と時間がかかる。そのために、PDCAに取り組めていない企業も少なくない。「ecコンシェル」はAIが接客シナリオのABテストを自動で行い、効果が高いものを残す。これにより、施策の効果の可視化と高速PDCAが効率的に実現する。「ecコンシェル」が多くの成果を上げている理由だ。(羽矢崎氏)

高速PDCAのイメージ キャンペーンの企画、クリエイティブの作成、シナリオの決定、結果確認と改善検討 PDCAサイクルを入力で時間をかけて実施 ec-concier 人工知能による自動最適化によりマーケターの稼働・サイト改修費用の削減
ecコンシェルが持つ機能で高速PDCAが回るようになる

渡辺 裕子

フリーライター・エディター

渡辺 裕子(わたなべ・ゆうこ)
フリーライター・エディター

出版社での音楽雑誌編集を経てフリーに。音楽や旅など趣味実用系の雑誌・書籍、ECショップのコラム、企業HPコンテンツ制作、タイアップ記事など、幅広い媒体で編集者兼ライターとして活動中。

趣味はピアノ、クラシック中心の音楽会の企画、マラソン。東京都在住。

渡辺 裕子

楽天、全国約2万局の郵便局での受取サービスを開始

8 years 1ヶ月 ago

楽天は1月29日、「楽天市場」で購入した商品を全国約2万か所の郵便局で受け取ることができるサービスを開始した。不在再配達の削減に向け、日本郵便との連携を強化する。

「楽天市場」の利用者が郵便局で商品を受け取る場合は、サービス対象店舗で商品を購入した際、届け先として希望の郵便局を選択する仕組み。荷物が郵便局に届くと、「楽天市場」から「問い合わせ番号」と「認証番号」がメールで送られてくる。利用者はその番号を郵便局の窓口で伝え、荷物を受け取る。

「楽天市場」で購入した商品を全国約2万か所の郵便局で受け取ることができるサービスを開始

「楽天市場」で購入した商品を全国約2万か所の郵便局で受け取ることができる

楽天はこれまで、不在再配達比率の低減に向け、商品の受け取り方の多様化を推進してきた。商品受け取りロッカー「楽天BOX」を設置しているほか、コンビニエンスストアでの店頭受け取りや、日本郵便の宅配ロッカー「はこぽす」の利用などを進めている。

また、日本郵便はネット通販の不在再配達を削減するため、ECモールとの連携を進めている。2017年4月には、EC物流における不在再配達削減に向け、楽天との連携を強化。10月には、リクルートライフスタイルが運営するECモール「ポンパレモール」の商品を、全国のコンビニや郵便局、宅配ロッカーで受け取れるようにした。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2017」のグランプリはアパレルECの「soulberry」

8 years 1ヶ月 ago

楽天は1月29日、「楽天市場」に出店する約4万店舗のなかから、購入者からの投票や売り上げなどが優れたショップを選出して表彰する「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2017」(楽天SOY2017)を開催し、女性向けアパレルや雑貨の「soulberry」(運営はグァルダ)がグランプリを初受賞した。

楽天SOY2017の総合グランプリを獲得した女性向けアパレルや雑貨の「soulberry」(運営はグァルダ)

グランプリを初受賞した「soulberry」(画像は編集部がキャプチャ)

総合2位は自然食品を扱う「タマチャンショップ」(運営は九南サービス)、総合3位は「頑張る家具屋 タンスのゲン」(運営はタンスのゲン)が受賞した。

楽天SOY2016年は、グランプリは家電などを取り扱う「Joshin web 家電とPCの大型専門店」(運営:上新電機)、総合2位は「エディオン楽天市場店」(運営:エディオン)、3位は「ビックカメラ楽天市場店」が獲得し、家電製品を取り扱うショップが独占。「楽天SOY2017」は総合トップ3の顔ぶれががらりと変わった。

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2017」の会場

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2017」の会場(画像は楽天が提供)

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

セブン&アイの3QEC売上は976億円、生鮮EC「IYフレッシュ」の進捗は?

8 years 1ヶ月 ago

セブン&アイ・ホールディングスの2017年3-11月期(第3四半期)連結業績におけるEC売上高は、前年同期比10.9%増の797億7100万円だった。

セブンネットショッピングの売上高が約1.6倍に増えたほか、アカチャンホンポ、イトーヨーカドー、ロフト、そごう・西武などが売り上げを伸ばした。

EC売上高はグループを横断したECサイト「omni7(オムニセブン)」に参加している企業やブランドの合計金額。ニッセンホールディングス傘下の「ニッセン」の売上高は含まない。

第3四半期における企業別のEC売上高は、イトーヨーカドーの「ネットスーパー」が前年同期比2.5%減の329億2000万円、「セブンミール」は同2.1%減の192億4900万円、「セブンネットショッピング」は同65.9%増の167億2600万円、「アカチャンホンポ」が同8.4%増の46億3200万円、「イトーヨカードー(通販)」は同71.5%増の29億5800万円、「そごう・西武」は同25.7%増の21億4900万円、「ロフト」は同85.3%増の6億8200万円。

セブン&アイ・ホールディングスの2017年3-11月期EC売上高
セブン&アイ・ホールディングスの2017年3-11月期

「IYフレッシュ」リピート率は上昇傾向

決算説明会では、2017年11月28日に都内の一部で開始した生鮮食料品のECサービス「IYフレッシュ」の進捗状況も公表した。

「IYフレッシュ」はセブン&アイが取りそろえた野菜や果物、加工食品など約5000種類の食料品を、アスクルの日用品ECサイト「LOHACO」の物流網を活用して東京・新宿区と文京区で販売している。

サービスのリピート率は上昇傾向にあるという。新規顧客獲得が課題となっており、サービスの認知度向上が必要だとしている。

サービスに対する要望を顧客にアンケートで聞いたところ、「品ぞろえの幅の拡大」「ミールキット商品の拡充」「配送時間帯の拡大(早朝・夜間)」「無料配送の条件(4500円)の引き下げ」があがった。

顧客からの要望やサービスの課題への対応策として、「ネットスーパーの売れ筋商品の導入」「セットメニューの提案」「3000円以上購入で無料配送キャンペーン(2月28日まで)」「チラシの折込/手配り、主要駅でポスター掲出」「LOHACOトップページからの誘導」「LOHACOユーザーへのメールマガジン配信」などに取り組んでいる。

「IYフレッシュ」の対象地域は2018年春をめどに東京西部や北部へ拡大し、2018年中には東京23区内、2020年秋頃には首都圏へと広げる計画。

セブン&アイ・ホールディングスが手がける「IYフレッシュ」の進捗
「IYフレッシュ」の進捗状況

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

「Amazon Go」ついに一般向けにオープン! アマゾンがリアルでも着々と拡大中【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

8 years 1ヶ月 ago

米国シアトルのAmazon本社で、従業員向けにスタートして話題になった「Amazon Go」がついに一般向けにもオープンしました。商品を取って出ていくだけで買い物完了。「レジ? なにそれ?」という時代は目前です。

意外と早く日本上陸しちゃうかも?

レジがない未来のコンビニ「Amazon Go」ついにオープン! 現地からレポート! | 人工知能ニュースメディア AINOW
http://ainow.ai/2018/01/23/131817/

まとめると、

  • 駅の改札のような入場ゲートに、ダウンロードしておいたAmazon GoアプリのQRコードをかざして入場
  • 天井には無数のカメラとセンサーがあるが、監視されている感じはない
  • もちろんレジはなし。商品を取って戻してもきちんと精算されている

レジがないとこんなに便利なのかと思い知らされました。本当にノンストレスです。しかも請求も正確。
システム自体には言うことなしです。
ちょっと困らせようといくつかの商品を取って戻してを繰り返しましたが、私の惨敗でした(笑)。
素早くとったヨーグルトもしっかりと認識されていたので、驚きです。

こちらの記事にあるように、従業員向けにオープンしたのが2016年の12月。それから1年ほどで一般向けにもオープンしてしまうとは……。技術の進歩は目覚ましいものがあります。QRコード決済も普及してきそうですし、ネットの決済もお手軽にしないと敬遠されそうですね。

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価格コムで最安になるには信頼性向上も必須

「最安」でいくら儲かる? 現役ショップ店長に聞いた価格コムの裏側 | the360.life
http://the360.life/U1301.doit?id=2257

まとめると、

  • 昔に比べて価格コムの審査が格段に厳しくなったため、掲載ショップが倒産するようなことはまず起こらない
  • 価格コムで値段を調べた人が最安価格1位のショップで買い物をする確率は9.5割
  • 価格コムで最安価格1位になることだけに没頭せず、コストダウンできるところを徹底的に探して利益を出す

実店舗を持たないネットショップという形態では信頼されにくいのが現実ですが、価格コムなど多くのユーザーが集まるサイトに情報を掲載できれば、信頼性が高まるのも事実。現に、価格コムの最安価格を実際の家電量販店で見せて値切りの交渉材料にすることも昔より増えていて、今までよりも影響力は高いものとなっています。

価格コムは安さだけでなく信頼性にもかなり力を入れているようです。そのため出店する側も努力しないといけないので、ユーザーにとっては自然に信頼性と安さが提供される仕組みになっているようです。トラブルが絶えない通販業界では「信頼性」は大きな武器になりますね。

画像を使うならInstagramだけでなくPinterestも

「Pinterest」のマーケティング活用、実は意外と進んでいるってご存じでした? | ITmedia
http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1801/19/news099.html

Instagramの投稿から自社ECへ誘導 米Commerce Cloudユーザーは誰もが利用可能に | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/5363

まとめると、

  • Pinterestの全世界における月間アクティブユーザー数は現在2億人を突破、日本でも2017年には前年の3倍に
  • キャンペーンによってはPinterestからの送客が他のSNSの中で一番多いという声もある
  • Instagramの投稿から自社ECへ誘導も可能に。アメリカのCommerce Cloudユーザーであれば利用可能

「買いたいのに買えない」「売りたいのに売れない」場だったInstagramが、ついに自社ECサイトとつながった。先行投資で、コツコツと投稿し、フォロワーとコミュニケーションしてきたブランド、小売業者が、同機能のリリースで大きなアドバンテージを得たと言えよう。

Instagramの投稿から自社ECへ誘導 米Commerce Cloudユーザーは誰もが利用可能に

「Instagramで通販がついに可能に!」と思っている方も多いと思いますが、Pinterestのマーケティング活用も進んでいます。私の知っているサイトでも、Pinterest経由のアクセスがSNSで一番多いところもありますので、時間のある時に投稿してみることをおススメします。

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EC全般

スマホでよく使うネット通販は「Amazon」が約8割、楽天は約5割、ヤフーは約3割 | ネットショップ担当者フォーラム
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メルカリが15.4%、ZOZOTOWNが12.7%と続きます。若い世代でAmazon比率が下がっていることにも注目。

LINEショッピングの利用ユーザー8割が女性、年齢は25~34歳が最多 | ネットショップ担当者フォーラム
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おっさんはお呼びでない……というか、商品自体が女性向けですよね。

健食・美容の広告担当者は必見! 「医薬品等適正広告基準」改定のポイントまとめ【全部で14点】 | ネットショップ担当者フォーラム
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買ったもの=持っているもの、でサイズがわかるというのは便利。

楽天の「楽天市場」 スマホに適した商品ページへ、チャット試験導入し画像の扱いも変更 | 通販新聞
http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2018/01/post-3066.html

ユーザーはテキストが書き込まれた画像より、何もないきれいな画像を押すというのは興味深いです。

「お金よりも時間」と考える若者が増えている | 日経トレンディネット
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/111600043/011700005/

時間は自分のもの。その時間をどうやって使ってもらうかがこれからの課題です。

今週の名言

確かに私は会長になりましたが、私だけでできることなんて限られています。だから「私にあまり期待しないで、自分たちでやってください」とよく言うようにしています。組織として強くなるためにまず必要なことは、個々人が強くなること。

太田雄貴会長の大仕事、全日本選手権。フェンシング大会でダンスにLED!? - フェンシング | Number Web
http://number.bunshun.jp/articles/-/829745

「みんなで頑張る」ではなくて「みんなが頑張る」。こんな組織が強いです。

森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

「Wowma!」始動から1年――最新の状況は? 売り上げを伸ばす方法は? 出店者とKDDICF社長のホンネ対談

8 years 1ヶ月 ago

KDDIコマースフォワードが運営するECモール「Wowma!(ワウマ)」が2018年1月30日で開設から1年を迎えた。出店数や流通額が成長を続ける「Wowma!」で売り上げを伸ばすには、どのような戦略が効果的なのか。「Wowma!」でベビー服を販売しているコージィコーポレーションのEC担当者と、モールを運営するKDDIコマースフォワード・八津川博史社長らが対談。最新の「Wowma!」の状況、「Wowma!」で成功する方法、有効な施策などを語り合った。

新規顧客を獲得しやすいフェーズ

子ども服・ベビー服のブランド「BABYDOLL(ベビードール)」を展開するコージィコーポレーションは、全国に約80店舗を構えているほか、自社サイトや複数のECモールでネット通販を手がけている。「Wowma!」の前身である「ビッダーズ」時代の2009年から出店。2010年から2016年までの7年間で計6回、「キッズ・ベビーカテゴリー」で大賞を受賞するなど実績を積み重ねてきた。KDDIコマースフォワード・八津川社長は「Wowma!において、子ども服カテゴリーのリーダー的な存在」と賞賛する。

コージィコーポレーションが運営する「BABYDOLL」
「BABYDOLL」は「Wowma!」のカテゴリーリーダー的な店舗という

KDDIコマースフォワード 八津川博史社長(以下八津川):出店者として「Wowma!」に期待することは何でしょうか?

EC事業部グループリーダー 西尾知華氏(以下西尾)「au」ユーザーを「Wowma!」に送客していただくことですね。「au」ユーザーを対象にしたキャンペーン企画が行われると、「Wowma!」店のアクセス数や売り上げは跳ねることが多いんです。たとえば、「au」ユーザーにデータ通信料をプレゼントする企画や、毎月3の付く日に、さまざまな特典をプレゼントする「三太郎の日」は、顕著に売り上げが伸びます。今後も「au」ユーザーをモールに誘導する企画をたくさん実施していただきたいです。

コージィコーポレーションのEC事業部グループリーダー 西尾知華氏
EC事業部グループリーダー 西尾知華氏 コージィコーポレーションが出店している各モールの店長をサポートしながら、EC事業の売り上げと在庫管理などを担当している

八津川「au」ユーザーの利用比率が高いことは「Wowma!」の特徴の1つ。携帯電話キャリアとの親和性、ブランドへの信頼感を生かし、これからも「au」を含めてKDDIグループのお客さまに「Wowma!」を使っていただくための施策を打っていきます。

コージィコーポレーションさんは「Wowma!」の他に、「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「Amazon.co.jp」「ZOZOTOWN」に出店されています。「Wowma!」と他のモールの違いを、どのように感じていますか?

西尾「Wowma!」の特徴はキャリア決済の利用比率が高いことです。コージィコーポレーションの場合、「Wowma!」のキャリア決済の利用比率は35%。他のモールと比べて20ポイント以上も高いんですよ。

八津川:キャリア決済の利用比率が高いことを踏まえて、販促で工夫していることは?

通販部 中野由貴氏(以下中野)キャリア決済の決済上限枠がリセットされる月初に売り上げが伸びやすいのが「Wowma!」の特徴です。そのため、毎月1日は送料無料キャンペーンを実施し、顧客獲得を図っています

西尾:「Wowma!」のもう1つの特徴では、他モールでは獲得のできない「au」ユーザーという独自の客層をもっていること。複数出店を行っても、自社をはじめ他モールの売り上げを下げることなく、ブランド全体の売り上げアップにつなげることができます。そのため、他モールよりも新規顧客を獲得しやすい環境にあると感じています。「Wowma!」は良い意味で成長段階。新規顧客が多く流入してきていると感じているので、新規顧客開拓の施策を打てばモールの成長速度と同じペースで成長できていると思います。

中野:新規のお客さまが獲得しやすい環境であることはチャンスですよね。コージィコーポレーションでは新規のお客さまの購入ハードルを下げるために、キャンペーンやクーポンの発行などを積極的に実施しています。

執行役員兼ECコンサルティング部長 島崎匡織氏(以下島崎):メルマガやWeb接客ツールなども上手に活用しているという印象です。

中野:「Wowma!」はメルマガを月12回まで無料で送信できるので、メルマガにも注力しやすいです。メルマガでセールを告知するとアクセス数が増えるので、2017年秋からメルマガの回数を増やしています。特徴としては、セールの当日はもちろん、前日にもメルマガを配信していること。前日のメルマガがセールの告知として、当日配信のメルマガでセール中の案内を行うのですが、告知~実施の案内といった流れができたことによって、既存顧客がより楽しんで買い物をする環境が整備できたと思っています。

「Wowma!」はWeb接客ツール「KARTE(カルテ)」と連携しているので、それも活用しながら販促費の最適化を図っています。手軽にABテストを行えるため、試験的にプロモーションを行うこともあります。こうした外部のツールをいち早く導入していることも「Wowma!」を使うメリットの1つですね。

コージィコーポレーションの通販部・中野由貴氏
通販部・中野由貴氏 「Wowma!」店の店長として、プロモーション施策、サイトの更新作業などを担当している

「Wowma!」と「Wowma! for au」を統合した影響は?

「Wowma!」では2017年にさまざまな制度の変更が行われた。「Wowma!」(旧DeNAショッピング)と「Wowma! for au」(旧auショッピングモール)を8月に統合。管理するモールが1つに集約されたことは、出店者にとって負担減などの影響があったと見られる。

また、アプリのリニューアルを実施。12月からはテレビCMの放映を始めた。どのような影響があったのだろうか。

中野:モールが統合されたことで、販促などの作業負担が減りました。別々に運用していた2つのモールのメルマガや広告が一本化されたため、運用がとても楽になりました。空いた時間を販促や顧客分析などの時間に充てることができています。アプリのリニューアル、そしてテレビCMも始めましたよね。

八津川:以前は「Wowma!」と「Wowma! for au」を別々に運用する必要があったため、出店者さんにご不便をおかけしていました。モールを統合したことで、作業負担が減ったというご意見を聞けて良かったです。

9月にアプリをフルリニューアルし、ネイティブアプリに作り変えました。アプリならではのサクサク感や検索の操作性などを向上し、お客さまにとっての使いやすさを改善できたと思っています。

テレビCMは「Wowma!」の認知度を高めることと、アプリの利用を促進することが狙いです。「Wowma!」がスタートしてから1年が経ちましたが、「そもそも『Wowma!』って何?」という消費者もまだまだ多い。認知向上のためにテレビCMは重要だと考えています

少し話は逸れますが、テレビCMのクリエイティブは、若年層向けと、主婦層向けをイメージしたものの2種類を流しました。どちらも顧客獲得に成果は出ていますが、今回は特に、日中の時間帯に放映したCMによって、30代女性を多く獲得できたと実感しています。この結果から、「Wowma!」は「在宅の30代女性」といった層と親和性が高い傾向も見えてきました。また、アプリのダウンロード数に関しても、テレビCMは成果の高かった施策だと感じています。

KDDIコマースフォワード 代表取締役社長 八津川博史氏
KDDIコマースフォワード 代表取締役社長 八津川博史氏

八津川:コージィコーポレーションさんでは、統合後も含めて、「Wowma!」で売り上げを伸ばすために意識していることはありますか?

中野:今は、とにかく新規顧客を獲得するための広告やキャンペーンなどを積極的に行うことが重要かなと思っています。先ほどもお話しした通り、新規顧客を獲得しやすい時期なので、店舗にとって財産であるお客さまを、新規に獲得するためのコストはまだまだ安価な段階にあります。つまり、「Wowma!」で多くのお客さまと関係性を作ることが早ければ早いほど、売上・利益拡大につなげることができると思っています。

今の段階ですと、「三太郎の日」など売り上げが大きく跳ねるキャンペーンのタイミングに合わせて、広告や独自のキャンペーンなどを行っています。現段階ですと、その策が有効だと感じています。2017年11月に始まった検索連動型広告をはじめ、モール内広告の新規の獲得効率は高いと思っています。

出店プラン変更で新規出店数は2倍に

「Wowma!」のスタートと合わせてKDDIコマースフォワードは新たな出店プランをリリース。成約手数料を実質的に値下げした。従来と比べ手数料にかかるコスト負担が軽減される設計となっており、「売れば売るほど手数料が軽減される仕組みになっているので、予算をうまく活用してプロモーションを行ってほしい」(八津川社長)という思いを込めたという。従来の成約手数料は決済手数料と合わせて9~11%。新プランでは決済手数料込みの成約手数料体系で、最低4.5%からに設定している。

八津川:手数料プランを変更したこともあり、新規出店の数は「Wowma!」スタート時と比べて2倍強に増えています。「DeNAショッピング」時代から出店しているコージィコーポレーションさんはどんな影響がありましたか?

「Wowma!」の出店プラン
「Wowma!」の出店プラン詳細 コミコミ出店プランとシンプル出店プラン
月商が一定額を超えると、超えた金額の部分だけでなく、ショップの売り上げ全体に対して、低い成約手数料を適用。月商が増えるにつれて段階的にショップ全体の成約手数料率が下がる。例えば、月商が1000万円を超えると、成約手数料率は従来と比べて3%下がることもある

西尾:新プランの導入以降、毎月数字を見ていますが、利益へのインパクトが特に大きいです。たとえば、売上高が昨対比で110%だとすると、利益は150%になったりしますから。

八津川:売れば売るほど“恩恵を受ける”のが商売の本質ですよね。KDDIコマースフォワードは、出店者と共存共栄のモールでありたいと考えています。出店者の増加に伴い、「Wowma!」の競争環境は厳しくなっていると感じていますか?

西尾他モールでは顧客の奪い合いが始まっていると感じていて、セールをしなければ伸ばすのが難しい状況。「Wowma!」で言うと、競合は増えていますが、コージィコーポレーションの売り上げは着実に伸びています。八津川社長がおっしゃったように成長段階ということもあると思うのですが、出店数が増えるほど、お客さまにとって魅力的なモールになる段階なのでしょう。モールの出店者が増えて利用者も伸びていく、その結果、出店者の売り上げも拡大していくというように感じています。

八津川「Wowma!」にはまだ出店者さんが少ないカテゴリー、つまり“ホワイトスペース”があります。カテゴリー単位では、少しずつ商品がそろってきているような状況です。消費者から見るとまだまだ満足できない部分があると思うのですが、出店者から見るとまだまだビジネスチャンスが転がっている“場”ということですね。

島崎:営業的な戦略を説明すると、いまは2つの営業方針があります。1つは他モールで実績がある店舗さん、もう1つはまだまだ伸びしろがありこれから伸張していくだろうと考えられる店舗さんへの出店依頼です。たとえば、「Wowma!」のグルメジャンル。特定商材では売れている店舗が多いのですが、まだまだグルメは伸びしろがあるカテゴリー。出店者数や商材のバランスを見ながら、出店者を増やしていきたいと考えています。

KDDIコマースフォワード株式会社 執行役員兼ECコンサルティング部長 島崎匡織氏
KDDIコマースフォワード 執行役員兼ECコンサルティング部長 島崎匡織氏

「三太郎の日」に合わせた広告やキャンペーンが効果的

「Wowma!を本気で伸ばしていく」と八津川社長が出店者に宣言したのは2017年3月。KDDIグループ傘下となり、さまざまな施策を打ち続けてきた「Wowma!」は今後、どういう方向に進んでいくのか――。

西尾:「Wowma!」はこれからの伸びしろが期待できるECモールです。出店者としては、外部とのコラボレーション企画など、面白い施策を一緒に取り組んでいきたいなと思っています。

八津川:ファッションイベント「東京ガールズコレクション」との共同事業を2017年11月に発表しましたが、こうしたイベントと連動したeコマースなど、ユーザーのすそ野を広げるようなアライアンスを今後も仕掛けていきます。「Wowma!」の独自性を打ち出せるような企画をご一緒できたら面白いですよね。

中野:私からも実務的な要望があります。たとえばクーポン機能をもう少し改善していただけるとありがたいです。顧客のセグメントに応じて配信するといった機能が増えると、もっと売り上げを伸ばしやすくなると思います。

島崎:その辺りは「Wowma!」の課題です。出店者に提供できる武器をもっと増やしていきます。クーポン機能も近いうちに改善できると思います。

八津川:じつは今、専属チームを作って準備しているので、期待していてください。今後は動画やSNSを活用して、新しいプロモーションの方法に挑戦していきます。テレビ通販番組との連動、「東京ガールズコレクション」のようなリアルイベントの連動もその一環です。コミュニティーやコンテンツを軸に、外部と連携していくと、すごく面白い化学反応が生まれるのではないかと期待しているんです。モールの名称の由来でもある「ワウ!」という驚きを、お客さまに感じていただけるように、さまざまな新しいことに挑戦していきます。

KDDIコマースフォワード本社
対談終了後、KDDIコマースフォワード本社の入り口で記念撮影

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

石居 岳

石居 岳(いしい・がく)

フリーライター、ジャーナリスト。

渡部 和章, 石居 岳

「メルマガの効果が落ちた」の悩みを解決! SMSを通販・ECの販促&顧客対応に活用する方法とは? | 『EC物流最前線 送料値上げ時代を勝ち抜くためのヒント20選』ダイジェスト

8 years 1ヶ月 ago

「メルマガ経由の購入が落ちた」「メルマガが読まれない」「顧客接点を増やしたい」――消費行動の多様化にともない、近年このような課題を抱えるEC事業者が増えている。「INST Messenger」は「メルマガ」以外の顧客接点を増やすことができる統合管理ツール。有名化粧品通販会社が導入するなど、通販・EC企業の利用が徐々に進んできている。開発元のINSTに、「顧客接点を増やす」「販売チャネルを増やす」サービスの仕組みを聞いてきた。

「メルマガの効果が落ちた」などを解決するツール

Facebook Messenger、LINE、Twitter、Skypeなどを利用しているユーザーとのチャットを一元管理できるサービス。メールや電話に反応しないスマホ世代とのコミュニケーションを改善し、通販やECのリピート率や購入率のUPが期待できる。チャットBotとも連携しているので、顧客対応の業務効率化も可能になる。

「INST Messenger」の仕組みや特徴をこう説明するのはINSTの石野幸助社長。これまで約200社に導入し、「スマホ時代のユーザーとのコミュニケーションで課題を抱える企業の課題を解決してきた」(石野社長)

特徴① 売上UPにSMS活用

「INST Messenger」に搭載されているSMS(ショートメッセージサービス)配信サービスは、メルマガ以外でのチャネルで顧客接点を増やしたいといった企業が利用する機能。「メルマガや電話というチャネル以外の販売チャネルとしてSMSを使う企業が増えている。その理由はメールを読まない顧客の掘り起こし。顧客接点を活性化し、接点を増やすことで売上アップを実現できる」(同)

「INST Messenger」の仕組み
「INST Messenger」の仕組み

導入企業では、消費者が購入時などに登録した携帯番号に対してメッセージを配信できるSMS配信機能を活用。休眠顧客として扱われていた消費者とのコミュニケーション接点を回復し、売上アップを実現したケースもある。

ここで、ある単品通販・EC企業(A社)の事例を紹介しよう。既存顧客のリピート率が低下していたA社では、メールの開封率悪化や消費者との電話がつながりにくくなっていることが起因していると仮説。「INST Messenger」を導入しSMS配信機能を利用したところ、配信数あたりのコンバージョン率はメルマガの数倍といった高い成果が出た。

実は、ネット通販でSMSを活用している企業は少ない。今から顧客とのコミュニケーションでSMSを活用すれば、先行者利益を獲得できるはずだ。(石野社長)

特徴② 顧客対応にチャットBot活用で業務効率化

「INST Messenger」に搭載されたBot機能はLINEやFacebookと連携。消費者とのやり取りをメッセンジャー経由で行うことができる(やり取りは統合管理ツール上で一元管理できる)。

「商品はいつ届きますか?」「返品はどうすればいいですか?」「送料について知りたい」といったさまざまな顧客からの問い合わせについて、「当社が用意したロジックシートに従って想定される質問と回答を記載すれば、自動対応出来るようになる」(同)と言う。

石野社長がお勧めするのは顧客との一次対応。顧客からの質問をチャットBotが対応することによって、オペレーター対応が必要か否かを振り分ける。チャットBotが対応できない質問に関しては、オペレーターにつなぐように設計すれば、二次対応からカスタマーセンターが対応できるようになる。

SMSをEC利用はチャンス

石野社長はこう言う。「ネット通販でSMSを活用している企業は少ない。今から顧客とのコミュニケーションでSMSを活用すれば、先行者利益を獲得できるはずだ」(石野社長)

ネット通販でのSMS活用も徐々に出始めてきている。通販化粧品のヴァーナルではDMのフォローツールとしてSMSを活用、効果を上げ始めているという(事例ページはこちら)。

石野幸助社長
石野幸助社長の似顔絵イラスト
Nint
サービスリリースから1年強で、約200企業が導入した「Inst Messenger」を開発・販売。初期導入費用は無料、1通15円でSMSを配信できる機能などを搭載。
ネットショップ担当者フォーラム編集部

ECカートからカード情報が漏えい、カラミーショップ利用企業と消費者の情報が流出か

8 years 1ヶ月 ago

GMOペパボは1月26日、ASPショッピングカート「カラーミーショップ」が外部から不正アクセスを受け、サービスを利用しているEC事業者や、ECサイトで買い物をした消費者のクレジッットカード情報などが流出した可能性があると発表した。

1月26日時点で流出したのはショップオーナーのクレジットカード22件。漏えいしたのはカード番号のみ。

一方、流出した可能性がある「カラーミーショップ」利用企業のカード情報は9430件にのぼる。クレジットカード番号や有効期限、名義人名、セキュリティーコードが対象となっているのは最大7259件。

クレジットカード番号、有効期限、名義人名が流出した可能性があるのは最大337件。カード番号、有効期限のみは最大1834件。

また、カード情報以外では、ログインIDや住所、氏名、電話番号などが最大7万7385件流出した可能性がある。

「カラーミーショップ」を利用しているECサイトで買い物をした消費者のクレジットカード情報は、最大2711件が流出した可能性があるという。セキュリティコードが漏えい対象となっている件数は最大485件。

情報流出の経緯と対策

2018年1月7日、「カラーミーショップ」のアプリケーションの機能を悪用した不正アクセスが発生。同日中に不正プログラムが実行されないよう回収を実施し、緊急対策本部を設置した。

翌日、外部のセキュリティ専門機関に調査を依頼。流出した情報の内容が1月10日に判明したことから、クレジットカード各社への報告や、渋谷警察署への相談、セキュリティ専門機関2社によるフォレンジック調査を開始した。

1月25日、フォレンジック調査の結果を受けて被害状況が判明。1月26日に佐藤健太郎社長を委員長とする再発防止委員会を設置した。

再発防止委員会は次の3つの役割を担う。

  1. 本件の不正アクセスや情報流出の可能性に関し、システム開発および運用の検証を行う
  2. システム全般のセキュリティレベルを向上させるため、専門家アドバイザーの知見・経験に基づき、再発防止策を立案する
  3. 再発防止策の実施とモニタリングを行い、継続的な改善や一層のセキュリティレベルの向上に努める

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

楽天市場初、ネット通販で買った医薬品を店頭受け取り。薬剤師への健康相談も提供

8 years 1ヶ月 ago

医療機関向けのコンサルティングや、調剤薬局の運営などを手がける総合メディカルは1月25日、「楽天市場」で医薬品やサプリメントを販売しているECサイト「そうごう薬局e-shop」で、店頭受け取りサービスを開始したと発表した。

「そうごう薬局e-shop」で販売している商品の一部を、全国展開している調剤薬局「そうごう薬局」の450店舗で受け取れるようにした。総合メディカルによると、「楽天市場」での医薬品の店頭受取サービスは初めてという。

店頭受取サービスの対象は当初、プライベートブランド(PB)商品や一部の医薬品、サプリメントなど約100品目に限定している。今後、対象商品を拡充していく。

顧客が店頭で商品を受け取る際、薬剤師による健康相談を受けることもできる。「そうごう薬局e-shop」で購入した商品だけでなく、健康全般について相談することが可能だという。

「そうごう薬局e-shop」は、同社の薬剤師や管理栄養士が薦める医薬品、健康食品、介護用品など約8500アイテムを販売している。PB「SOGO SMILE」は青汁クッキーや黒酢ドリンクなど34品目。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

オーマイグラスの事例にみるオムニチャネルを成功に導くバックオフィスの仕組みとは?

8 years 1ヶ月 ago

オムニチャネルを成功させるには、ECとリアル店舗をシームレスにつなぎ、最適な業務プロセスを実現するバックオフィスシステムは欠かせない。オムニチャネルで成果を上げている企業は、どのようなシステムを使い、どういった施策に取り組んでいるのか。

世界で4万社が利用するクラウド型の基幹業務システム「NetSuite」を提供する日本オラクルのネットスイート事業本部(以下オラクル+ネットスイート)・内野彰氏が、オーマイグラスやマクラーレンといったクライアントの事例を踏まえ、オムニチャネルを成功に導く業務システムの在り方を解説する。写真◎Lab

オーマイグラスに学ぶ最新のオムニチャネル

「NetSuite」はERPやeコマース、財務会計、CRM、人事といった企業の業務を1つのシステムで管理するクラウド型のソフトウェア。EC企業やオムニチャネルに取り組む小売企業、メーカー、サービス業など、世界4万社以上が利用している。

業務システムの統合によってオムニチャネルを推進している企業の成功事例として内野氏があげたのは、メガネECの「オーマイグラス」の取り組みだ。

買い物の利便性向上を最優先に掲げながら、在庫移動や受発注業務を効率化し、オペレーションコストの削減にも余念がない。先進的なオムニチャネルにチャレンジしている企業の1つであり、こうした取り組みは多くの企業にとって学びがある。(内野彰ディレクター)

日本オラクル株式会社 グローバルビジネスユニット ネットスイート事業本部 マーケティングディレクター 内野 彰氏
日本オラクル株式会社 グローバルビジネスユニット ネットスイート事業本部 マーケティングディレクター 内野 彰氏

オーマイグラスは2011年に設立され、現在はオンラインショップ「Oh My Glasses TOKYO」のほか、路面店や商業施設のテナントなど約10店舗の直営店を運営。消費者が便利にメガネを購入できる環境を作るため、2014年に「NetSuite」を導入し、本格的なオムニチャネルに乗り出した。

EC商品1万SKUの店頭受け取りが可能

メガネECの課題の1つは、メガネを購入する際に視力検査や試着を行えないこと。この課題を解決するため、「オーマイグラス」はECサイトで販売している商品の店頭受け取りサービスを実施している。

ECサイトの利用者は、オーマイグラスの直営店に加え、約600か所の提携店で商品を受け取ることができる。商品を店舗に取り寄せ、視力測定や試着を行った上で購入することが可能。店頭取り寄せサービスの対象商品は、ECで扱っている400ブランド・1万SKUに上るという。

ECでは試着・返品サービスを実施

ECサイトでは、商品を自宅で試着してから購入できる試着サービスも行っている。メガネを最大5本まで注文でき、顧客は試着後に購入することが可能。試着期間は5日間。返品は無料だが、試着したすべての商品を返品した場合は試着手数料540円がかかる(試着手数料は2017年12月1日からスタート)。

オーマイグラスの直営店コンセプト ファッション性 トレンド 日本製の高い品質 手に届く価格
約10店舗の直営店と約600店舗の提携店がECと連携し、さまざまなサービスを提供している

オーマイグラスが取り組んでいる店頭受け取りサービスや返品サービスは、在庫の入出庫の件数が増える上、膨大な件数の返品処理が発生する。そのため、サービスを実現・維持するには、複雑な業務プロセスを管理し、複数のチャネルにまたがる顧客接点を管理するバックオフィスの仕組みが必要になる。

オーマイグラスは「NetSuite」のAPIを活用し、基幹システムとEC、リアル店舗、倉庫などのサブシステムを連携。注文データの処理を自動化したほか、試着注文から決済までの顧客ステータス変更、店舗とECの在庫の入出庫管理、倉庫への入荷指示・出荷指示、購買情報分析といった各種業務プロセスを自動化しているという。

オムニチャネルの特徴 ECで販売されている商品を、自宅でも店舗でも試着・購入・受取可能。レンズ加工を店舗ではおこなわず、加工センターで集約することにより、小スペースの店舗運営で効率化を促進。
オーマイグラスのバックオフィスシステムの連携イメージ

ECの成長には「統合されたシステム」が不可欠

「NetSuite」が2016年に処理した売上高は合計1870億ドル(約21兆円、1ドル=112円換算)に達し、2016年のサイバーマンデー(感謝祭翌週の月曜日)には1日に245万件の受注を処理したという。

2006年の設立以来、さまざまな企業のECやオムニチャネルを支えてきた「NetSuite」。内野氏は、「オムニチャネルを成功させるには、統合されたバックオフィスシステムを構築することが欠かせない」と、オーマイグラスなどの事例などを踏まえてこう強調する。

顧客が複数のデバイスや販売チャネルをまたいで行動するオムニチャネルにおいて、ユーザーの複雑なトラフィックを把握・分析するには、基幹システムやEC、店舗、倉庫、会計などの業務システムがシームレスに連携することが不可欠だという。

データがバラバラに管理されていると、データの集計に手間がかかる上、俯瞰的なデータ分析が困難となる。また、業務ごとにシステムが独立していると社内の業務プロセスが分断され、運用が非効率になる。社内の業務システムが統合されていないために、業務効率悪化やデータ分析の不備、セキュリティへの不安など、さまざまな面で課題を抱える企業は少なくない。(内野氏)

海外でも多数の成功事例

「NetSuite」は海外でも多数の企業のオムニチャネルを支えている。たとえば、ベビー用品の「マクレーンベイビーストロワーズ」はeコマース、在庫管理、注文管理、マーケティング、経営指標管理、製造といった業務システムを「NetSuite」で統合。「トランザクションの履歴の完全な管理」「あらゆるチャネルにまたがる顧客の購買行動を1つの統合データとして管理」「購買行動のライフサイクルにおける収益性を定量的に把握」といった成果を実現している。

多様な観点による顧客分析
事業の牽引要素
・トランザクション履歴の完全な管理
・あらゆるチャネルにまたがる顧客の購買行動を一つの統合データとして提供
・購買行動のライフサイクルにおける収益性の定量的な把握
NetSuite SuiteCommerceがご提供するもの
・あらゆるチャネルを網羅した顧客分析
・統合された顧客向けサービス
・顧客の個別化、およびセグメント化
ベビー用品の「マクレーンベイビーストロワーズ」もオムニチャネルを推進

「Net Suite」5つの特徴、ECに特化した「Suite Commerce」を2018年春までに国内で提供

ネットスイートの概要や製品の特徴に触れておきたい。15か国で約160か所の拠点を持ち、社員数は約5500人、年商は1000億円を超えている。顧客数は世界約4万社、国内では300社近いという。2016年11月にオラクルの傘下に入った際、オラクルとして過去最大規模の約1兆円で買収された。

「NetSuite」はシリコンバレーのスタートアップ企業にも数多く利用されている。直近1年半で導入企業約40社が株式上場を果たし、時価総額は合計1000億ドルを超えるなど、最先端企業の成長も支えている。

内野氏は「NetSuite」の特徴について、次の5点をあげた。

  • 非常に安全性が高く、柔軟なカスタマイズが可能、オープンなAPIの開発環境を提供できる
  • 企業の業務システムを統合された一つの製品として、クラウドのみで提供する
  • ERP、コマース、CRM、財務会計、オムニチャネル、人事管理などの機能を統合できる
  • 複数の言語、通貨、各国の税制に対応しており、グローバル展開が可能
  • 流通業、製造業、サービス業など業界別に最適なシステムを提供

また、EC事業者に提供する価値として、①多彩な視点による顧客分析②革新的な顧客価値経験の提供③効率的、高度な注文管理④システムの拡張性⑤単一のクラウド基盤――があるという。

NetSuite
クラウド統合環境
・ひとつのシステム
・クラウドのみで提供
・マルチテナント型
・オラクルスタックによる環境
・統一データモデル
・全てのユーザが同一バージョン
開発環境 SuiteCloud
・簡単なカスタマイズ
・スクリプト
・ワークフロー
・オープンなAPIs
・バージョンロックなし
ERP/コマース/HCM
・ERP
・財務会計
・サプライチェーン管理
・サービスリソース管理
・オムニチャネル Commerce
・CRM
・人事管理
グローバル管理 ONEWORLD
・複数元帳
・複数言語
・複数通貨
・各国の税制対応
業界別
・ソフトウェア
・サービス
・広告・出版
・非営利団体
・製造
・流通卸
・小売
「NetSuite」の特徴

ECに特化した「Suite Commerce」を2018年春までに国内で提供

内野氏は、オンラインショッピングに特化したクラウド型のECプラットフォーム「Suite Commerce」を2018年春までに、日本でも本格的に提供開始することも発表した。「Suite Commerce」を使ったWebサイトは現在、約3200サイトで稼働しており、5400万種類以上の製品を管理している。ユニークユーザーは年間13億人以上、注文処理件数は年間1000万件を超えているという。

「Suite Commerce」の特徴として、内野氏は次の5点を紹介。

  • 完成されたレイアウトテンプレート
  • 雛形提供による高速インプリ
  • モバイル完全対応
  • マーケティングオートメーション等の連携
  • メールキャンペーン、ディスカウント設定、ポイント制などのプラグイン

「CSSを拡張したメタ言語を使い、プログラミングCSSを実現しているため、ピクセルレベルのデザイン性で、全てのレイアウトをコントロールできる」と説明。複数の言語や通貨、税制に対応しているため海外展開にも活用できると強調した。

さらに、Webページの表示速度が速く安定稼働すること、SEOに強いことなどが多くの企業から選ばれる要因になっているという。そして、直感的に操作できるコンテンツマネジメントシステム、ページのズーム機能、まとめ買い機能、カートのカスタマイズ、ソーシャルプラグイン、会員ページも特徴だと説明した。

SuiteCommerceのアーキテクチャ概要
NetSUite SuiteCommerce アプリケーション群
カタログ
プロモーション
コンテンツ
価格設定
マーチャンダイジング
認定
カート
チェックアウト
アカウント管理
POS
サーチ
支払
Commerceプラットフォーム
NetSuite
「Suite Commerce」の機能群

目指すのは革新的な買い物体験の提供

オラクル+ネットスイートが考える理想のオムニチャネルについて、内野氏は「消費者がオンラインかオフラインかを問わず、いつでもどこでも商品を購入でき、サポートも受けられる。そして追加注文や返品も利用できる。そういった革新的な買い物の体験を提供できるように『NetSuite』は設計されている」と説明する。

最後に、「世界の小売業界はオムニチャネルが当たり前となり、業種や業態を超えてビジネスモデルの変革が起きている。今後、市場のルールが一変する可能性もある」と指摘。

そして、「変化が激しい市場で勝ち抜くためには、スピード感を持って理想のオムニチャネルを実現できる信頼性のあるスタンダードなシステムを利用することが、eコマースの1つの成功モデルではないか」と強く訴えかけた。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

存続率24%の「楽天市場」で生き残れない店は、会社としての生存も難しい【竹内調査】 | 竹内謙礼の一筆啓上

8 years 1ヶ月 ago

年末に事務所を大掃除していると懐かしい資料が出てきた。「楽天市場」の出店者向けに行われている「楽天大学」の教材の一式だ。2001年の日付なので今から17年も前のもの。私もネットショップ運営の初心者として、千葉の田舎からわざわざ中目黒の楽天本社に出向き、出店講座を受講してeコマースの“いろは”を学ばせてもらった。

資料をめくると「楽天市場」の出店店舗数がまだ5,450店で、取扱商品数は64万点ほどしかない。当時は「楽天市場」という小さなネットビジネスの会社が、後に巨大企業となり、プロ野球球団を持ち、海外のサッカーチームのスポンサーになるなど、当時は想像もできなかった。

今も楽天店を運営しているのはどれくらい?

そんな懐かしい資料をめくっていると、興味深い名簿が目に入った。当時、「楽天大学」を受講した参加者一覧リストである。店舗名と会社名と所在地、店舗URLと出席者の名前が掲載されていた。

このうち何店舗が今も「楽天市場」でお店を運営しているんだろうか?

ふとこんな思いがよぎり、参加者リストを片手に17年間も運営を継続している“生存率”を調べてみることにした。名簿は2001年3月21日、3月29日、4月5日の計3回の講座分。1回の講座に15社~23社が参加していた。名簿に記載されていたURLを打ち込んで調査。以下は私が調べた生存率である。

参加店舗生存数生存率
3月21日23店舗5店舗22%
3月29日18店舗5店舗28%
4月5日14店舗3店舗21%

予想はしていたが、ほとんどの店舗はURLを打ち込んでも「ページが表示できません」という文言が画面に表示され、しばらくすると自動的に「楽天市場」のトップページに戻された。一緒に「楽天大学」を受講してeコマースの成功を夢見た“同期”の仲間が75%もいなくなってしまったのだ。「楽天市場」での成功がいかに難しいのかを痛感させられた。

楽天大学ご出席者一覧

難しいのは楽天店の運営なのか?

しかし、生存率を調べていくうちに、新たにもう1つの疑問が頭の中に浮かんできてしまった。

会社そのものはどうなっているのだろうか?

参加名簿の会社名を見ると、大企業と中小零細企業が入り混じっている。2001年といえば、まだインターネットそのものが怪しい存在であり、ホームページを持っている企業すら珍しい時代である。「楽天大学」の参加者も一攫千金を狙う中小零細企業の経営者から、上司に「とりあえず『楽天市場』に店を出せ」と言われ、半信半疑で受講するサラリーマンまでさまざまだった。

「楽天市場」を撤退した“同期”が、今、何をしているのか知りたくなり、名簿に記載された会社名を検索し、その会社が現在、どのような状態になっているのか調べることにした。気分としては同窓会。テレビ番組でいえば「あの人は今」に近い。

ホームページがなかったり、会社名が変わったりした場合、ネット上の調査だけで倒産したかどうかの情報は分からない。しかし、2001年時点で「楽天市場」に出店していることを考えれば、自社のホームページが残っている可能性は高いと言える。仮に会社名が変わった場合でも、何かしらネット上に形跡は残っているはずだ。

このような仮説を立て、会社名で調査。なかには警察のご厄介になって倒産した会社、“同期”同士で数年後にM&Aで合併したり、なかなか面白い“同窓会”となった。会社そのものの生存率は下記の通りだった。

参加店舗数生存数生存率会社生存数会社生存率
3月21日23店舗5店舗22%15社65%
3月29日18店舗5店舗28%10社56%
4月5日14店舗3店舗21%8社57%

わかったのが、会社の生存率が平均して6割だったということ。これは考えさせられる数字だった。会社そのものが4割も消滅しているのだから、「楽天市場」で成功することが難しいというわけではなく、むしろ会社を17年間続けるということ自体が難しいのではないかと考えてしまう。

「楽天市場」を撤退する中小企業の半数が消滅

存続している企業には大手有名企業も含まれているので、中小零細企業だけで見れば生存率はさらに低い。大企業と中小零細企業の線引きが難しいので的確な数字を出すことはできないが、「楽天市場」を撤退した中小零細企業のうち、およそ5割は消滅してしまったと推測できる。

「楽天市場」に出店した店舗の約75%が17年間の内に退店し、そのうち約半数の中小零細業が消滅しているということを考えると、「楽天市場は出店しても売れない」というよりも、そもそも会社として生き残っていくことが難しい状況だったのではないかと思えてしまう。

eコマースを会社の事業として取り組むことができない時点で、もうすでにネット社会から脱落してしいるわけであって、「『楽天市場』は売れない」「儲からない」といった問題ではなさそうだ。

それよりも、eEコマースに取り組めない会社の組織構造、経営者や社員のモチベーションだったり、商材そのものがもうすでに競争力を失っていたり……問題はネット社会についていけない会社そのものにあると考えた方が良いだろう。

もし、仮に「楽天市場」やネットビジネスそのものに問題があるのであれば、「楽天市場」を撤退した企業が17年後に生き残っている確率はもう少し高いはずだ。

極論を言ってしまえば、「楽天市場」を撤退しなければならない状況になった時点で、会社の生存率が50%になってしまうのだから、撤退した企業は相当の危機感を持ってその後の事業に取り組まなければいけない。そう考えると、「楽天市場」は企業存続のバロメーターのような役割もあるのかもしれない。

◇◇◇

今回の調査は対象店舗数が少なく、会社の生存がネット調査だけでは正確にわからないといったリサーチ上の問題点が多々ある。正直、遊び半分で調べた数字なので、この数値を本気でとらえる気は毛頭ない。しかし、3回の講座の生存率がほぼ似通った数値になった点をみると、あながち見当違いな数値ではないようにも思われる。

インターネットが普及して、スマホの所有率が5割を超える昨今、eコマースを事業として取り組めるぐらいの企業でなければ、やはり今後の厳しい消費マーケットの中で生き残っていくことは難しいことは確かなようである。

「『楽天市場』は儲からない」と誰かのせいにするのではなく、まずは「楽天市場」でネットショップ運営に取り組み売り上げを伸ばすくらいの企業でなければ、今後のネット社会で生き残っていくことは難しいのかもしれない。

竹内 謙礼

有限会社いろは 代表取締役

竹内 謙礼(たけうち・けんれい)

1970年生まれ。大学卒業後、出版社に勤めた後に観光牧場に転職。企画広報担当を経て2004年に経営コンサルタントとして独立。楽天市場、ビッダーズ等で多くのネットビジネスの受賞履歴あり。また、千葉文学賞等の小説、エッセイでも数々の受賞暦を持つ。

大企業、中小企業のコンサルティングはもちろん、サイドビジネスや起業に対しての販促、営業、人材教育のアドバイスを行い、特に実店舗のキャッチコピー制作とネットビジネスへのコンサルティングには定評がある。また、低価格の会員制コンサルティング「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、180社近いコンサルティング指導を日々行っている。

販促、企画、会計、投資の書籍執筆の他、新聞や雑誌等でも連載を持っており、ラジオのパーソナリティとしても活躍。商工会議所や企業での講演、企業での人材教育等、経営コンサルタントとして精力的に活動している。NPO法人ドロップシッピング・コモンズ理事長。著書多数(詳しくはこちら

竹内 謙礼

楽天、ウォルマートとの提携を発表。西友とネットスーパー事業を共同運営へ

8 years 1ヶ月 ago

楽天は1月26日、米国大手の小売企業ウォルマート・ストアーズとの戦略的提携を発表した。

2018年度第3四半期(7-9月)までに、ネットスーパー事業の協働運営を開始。米国では年内に、ウォルマート社の実店舗や「Walmart.com」で、「楽天Kobo」の提供する電子書籍やオーディオブック、電子書籍リーダーなどを、量販店として独占販売する。

楽天はウォルマートの日本子会社である西友と、日本でネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」を協働運営することを目的に、新会社を設立することで基本合意した。

西友は現在、ネットスーパー「SEIYUドットコム」を運営しているが、新サービスの提供に合わせて「SEIYUドットコム」はサービス提供を終了。「楽天西友ネットスーパー」へと移行する。

「SEIYUドットコム」は2013年からディー・エヌ・エー(DeNA)と共同展開しているが、提携関係は「SEIYUドットコム」のサービス提供終了とともに解消となる。

楽天が手がけるネットスーパー事業「楽天マート」は今後、西友と共同運営する「楽天西友ネットスーパー」に「統合していく」(三木谷浩史社長)。

なお、共同運営するネットスーパー事業では、「楽天市場」での人気グルメなども取り扱う方針。

ウォルマートとの戦略的提携を発表した楽天・三木谷浩史社長

ウォルマートとの戦略的提携を発表した楽天・三木谷浩史社長

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実
確認済み
6 分 30 秒 ago
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