ネットショップ担当者フォーラム

コンバージョン率を改善する「Web接客」を使いこなす秘訣とは? 4000社導入の「ecコンシェル」が解説

7 years 10ヶ月 ago

ECサイトのコンバージョン率の改善、リピート客を増やすための効果的な手法として「Web接客ツール」が注目を集めている。低コストで、かつコードをECサイトに埋め込むだけといった手軽なツールが多いことも「Web接客ツール」が注目されている理由の1つ。

ただ、日々の運用で効果を上げていくためには、シナリオ策定などの勘所は欠かせない。4000社以上が利用するWeb接客ツール「ecコンシェル」の事例を踏まえ、NTTドコモの羽矢崎聡セールスマネージャーが、効果を上げる「Web接客」のポイントを解説した。写真◎Lab

効果の上がるWeb接客は「顧客分類」「接客シナリオ設定」が重要

効果の上がる「Web接客」を行うために重要なことは、サイト訪問者のデータを収集し、属性や行動履歴などに応じてユーザーを分類した上で、「だれに」「どこで」「いつ」「なにを行うか」といった「接客シナリオ」を設定することだ。

NTTドコモの羽矢崎聡氏(イノベーション統括部 ecコンシェル セールスマネージャー)はこう話し、「ecコンシェル」の事例を踏まえて効果の上がる「Web接客」の方法や注意点、効果を解説した。

羽矢崎氏が考える「Web接客」とは、商品やサービスとエンドユーザーをつなぐコミュニケーション。「エンドユーザーが本当に欲しい情報を、エンドユーザーの状態やタイミングに合わせて案内すること。これを実現するために『ecコンシェル』を作った」と言う。

たとえば、「未購入のユーザーに(誰に)、ECサイトのTOPページで(どこで)、1か月間(いつ)、新規顧客限定クーポンを(何を)配信する」といった具合に、ターゲットや施策の内容、期間などを具体的に設計すると効果的という。

どのような接客シナリオを作るか、工夫次第で施策の効果は変わってくる。(羽矢崎氏)

株式会社NTTドコモ イノベーション統括部 ecコンシェル セールスマネージャー 羽矢崎 聡氏
株式会社NTTドコモ イノベーション統括部 ecコンシェル セールスマネージャー 羽矢崎 聡氏

接客シナリオを設定するコツ

顧客分類行動の分類を掛け合わせた図をもとに、接客シナリオを設定するための考え方のコツを羽矢崎氏は紹介した。

まず、ECサイトのユーザーの状態を「未購入」「初回購入」「リピート購入」の3つに分類。そして、ユーザーが「ECサイトにアクセスした」「商品一覧ページを閲覧した」「商品詳細ページへと進んだ」「商品をカートに入れた」「購入した」といったECサイト上でのステップに応じて施策を打つことが必要という。

たとえば、ECサイトにアクセスしたユーザーが直帰しようとしたら「キャンペーンバナーをポップアップ表示して離脱を防ぐ」、商品ページを閲覧しているユーザーには「ショップ内の回遊を促進するバナーを表示」、カートまで進んだ顧客に対しては決済への後押しとなるクーポンなどを提供する――といった施策だ。

顧客の分類とECサイト上での行動を掛け合わせて接客方法を考えると、コンバージョン率向上などの目的を達成しやすい。(羽矢崎氏)

分類した顧客に行動をかけあわせ、接客方法を考える 顧客の分類 リピート購入、初回購入、実購入 行動の分類 流入、一覧m詳細、カート、購入
顧客の分類×行動の分類によってわけたそれぞれのステップに対して施策を考えていく

分類した顧客に合った接客方法とは?

羽矢崎氏は、Web接客の具体的な手法について事例をあげて解説した。

接客① 興味喚起(&動線強化)

ユーザーがサイトを訪問した直後に、ポップアップで「買いませんか」という内容の情報を見せてしまうと嫌がられることが多いという。そのため、まずは欲しい商品を見つけてもらうことを優先する方がいいという。たとえば、「おすすめ商品」や「人気商品」などを表示し、サイト訪問者が欲しい商品を見つけられるようにする。

接客② 購入前の不安払拭

ユーザーが商品をカートに入れる直前に、ポイントやクーポンなどを表示するとコンバージョン率は高まるという。ユーザーは購入直前になって「今買わなくてもいいかな?」「もう少し他のサイトを見たいな」と感じる場合もあるため、クーポンなどを表示することで「今買った方が良い」というメッセージを伝えることが重要になる。

FAQや問い合わせ、送料や返品についての案内、レビューなどを掲載することで、ECサイトの返品対応や送料などに関する疑問や不安を払拭することも、コンバージョン率アップの有効な施策になる。

商品をカートに入れてもらうために、あと一押し、何を伝えればよかったのだろう? カートへ商品を入れたのに購入しなかったユーザーへは、どうすれば心地よく購入していただけるのだろう?……といったことを考え、各ステップでお客さまの状況に合わせて案内・接客していくと成果は上がっていく。(羽矢崎氏)

ターゲットに対してどのような接客をするか(接客目的)
改善ポイントに対してどのような接客が有効かを考えることが重要

Web接客でCVRが改善した「d fashion」の事例

羽矢崎氏は、NTTドコモのファッションECサイト「d fashion」で実際に行ったWeb接客の事例をあげ、コンバージョン率改善のポイントを説明した。

「d fashion」では、新規顧客を獲得するための施策の1つとして、初回購入時に1000ポイントをプレゼントするキャンペーンを行っている。以前は、キャンペーン情報のバナーをECサイトのトップページなどで、来訪したすべてのユーザーに表示していたが、施策の効果が十分に発揮できていないと感じていたという。

そこで、ユーザーのサイト訪問回数やECサイトの行動履歴を分析し、「過去に商品を購入したことはないが、商品詳細ページを閲覧している」「訪問回数が複数回ある」というユーザーに絞ってキャンペーンバナーを表示する仕組みに変更。その結果、コンバージョン率が約1.5倍も向上したという。

お客さまが「このキャンペーン情報は私に向けたものだ」と感じるタイミングでキャンペーンを案内することが正しいコミュニケーションだ。商品やサービスとお客さまをつなぐ的確なコミュニケーション、つまり「接客」を行うことが、売上増加やコンバージョン率の向上につながる。(羽矢崎氏)

コンバージョン率153%アップ
訴求の仕方を変えることでCVRが約1.5倍もアップした

ecコンシェルは高速PDCAも可能にする

羽矢崎氏によると、「ecコンシェル」でWeb接客に取り組んでいる企業のなかで、オークローンマーケティングが運営するECサイト「ショップジャパン」、音楽・映像ソフトを販売している「TOWER RECORDS」、ブランド品ECサイトの「AXES」など、多数の企業がコンバージョン率のアップといった成果を上げているという。

その理由の1つとしてあげられるのが、「ecコンシェル」を使うとPDCAを高速で回せること。「ecコンシェル」はユーザーデータの収集と分析、プロモーション施策の自動化、バナー生成の自動化といった機能に加え、「接客シナリオ」のABテストを自動化することができる。

ディープラーニング(深層学習)の最先端技術を持つPKSHA Technologyとの共同開発による人工知能(AI)が、自動でABテストを実施。改善を行う自動最適化機能も実装してりる。これにより、「Web接客」のPDCAサイクルを高速で回すことを可能にした。

本来、PDCAには多くの手間と時間がかかる。そのために、PDCAに取り組めていない企業も少なくない。「ecコンシェル」はAIが接客シナリオのABテストを自動で行い、効果が高いものを残す。これにより、施策の効果の可視化と高速PDCAが効率的に実現する。「ecコンシェル」が多くの成果を上げている理由だ。(羽矢崎氏)

高速PDCAのイメージ キャンペーンの企画、クリエイティブの作成、シナリオの決定、結果確認と改善検討 PDCAサイクルを入力で時間をかけて実施 ec-concier 人工知能による自動最適化によりマーケターの稼働・サイト改修費用の削減
ecコンシェルが持つ機能で高速PDCAが回るようになる

渡辺 裕子

フリーライター・エディター

渡辺 裕子(わたなべ・ゆうこ)
フリーライター・エディター

出版社での音楽雑誌編集を経てフリーに。音楽や旅など趣味実用系の雑誌・書籍、ECショップのコラム、企業HPコンテンツ制作、タイアップ記事など、幅広い媒体で編集者兼ライターとして活動中。

趣味はピアノ、クラシック中心の音楽会の企画、マラソン。東京都在住。

渡辺 裕子

楽天、全国約2万局の郵便局での受取サービスを開始

7 years 10ヶ月 ago

楽天は1月29日、「楽天市場」で購入した商品を全国約2万か所の郵便局で受け取ることができるサービスを開始した。不在再配達の削減に向け、日本郵便との連携を強化する。

「楽天市場」の利用者が郵便局で商品を受け取る場合は、サービス対象店舗で商品を購入した際、届け先として希望の郵便局を選択する仕組み。荷物が郵便局に届くと、「楽天市場」から「問い合わせ番号」と「認証番号」がメールで送られてくる。利用者はその番号を郵便局の窓口で伝え、荷物を受け取る。

「楽天市場」で購入した商品を全国約2万か所の郵便局で受け取ることができるサービスを開始

「楽天市場」で購入した商品を全国約2万か所の郵便局で受け取ることができる

楽天はこれまで、不在再配達比率の低減に向け、商品の受け取り方の多様化を推進してきた。商品受け取りロッカー「楽天BOX」を設置しているほか、コンビニエンスストアでの店頭受け取りや、日本郵便の宅配ロッカー「はこぽす」の利用などを進めている。

また、日本郵便はネット通販の不在再配達を削減するため、ECモールとの連携を進めている。2017年4月には、EC物流における不在再配達削減に向け、楽天との連携を強化。10月には、リクルートライフスタイルが運営するECモール「ポンパレモール」の商品を、全国のコンビニや郵便局、宅配ロッカーで受け取れるようにした。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2017」のグランプリはアパレルECの「soulberry」

7 years 10ヶ月 ago

楽天は1月29日、「楽天市場」に出店する約4万店舗のなかから、購入者からの投票や売り上げなどが優れたショップを選出して表彰する「楽天市場ショップ・オブ・ザ・イヤー2017」(楽天SOY2017)を開催し、女性向けアパレルや雑貨の「soulberry」(運営はグァルダ)がグランプリを初受賞した。

楽天SOY2017の総合グランプリを獲得した女性向けアパレルや雑貨の「soulberry」(運営はグァルダ)

グランプリを初受賞した「soulberry」(画像は編集部がキャプチャ)

総合2位は自然食品を扱う「タマチャンショップ」(運営は九南サービス)、総合3位は「頑張る家具屋 タンスのゲン」(運営はタンスのゲン)が受賞した。

楽天SOY2016年は、グランプリは家電などを取り扱う「Joshin web 家電とPCの大型専門店」(運営:上新電機)、総合2位は「エディオン楽天市場店」(運営:エディオン)、3位は「ビックカメラ楽天市場店」が獲得し、家電製品を取り扱うショップが独占。「楽天SOY2017」は総合トップ3の顔ぶれががらりと変わった。

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2017」の会場

「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2017」の会場(画像は楽天が提供)

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

セブン&アイの3QEC売上は976億円、生鮮EC「IYフレッシュ」の進捗は?

7 years 10ヶ月 ago

セブン&アイ・ホールディングスの2017年3-11月期(第3四半期)連結業績におけるEC売上高は、前年同期比10.9%増の797億7100万円だった。

セブンネットショッピングの売上高が約1.6倍に増えたほか、アカチャンホンポ、イトーヨーカドー、ロフト、そごう・西武などが売り上げを伸ばした。

EC売上高はグループを横断したECサイト「omni7(オムニセブン)」に参加している企業やブランドの合計金額。ニッセンホールディングス傘下の「ニッセン」の売上高は含まない。

第3四半期における企業別のEC売上高は、イトーヨーカドーの「ネットスーパー」が前年同期比2.5%減の329億2000万円、「セブンミール」は同2.1%減の192億4900万円、「セブンネットショッピング」は同65.9%増の167億2600万円、「アカチャンホンポ」が同8.4%増の46億3200万円、「イトーヨカードー(通販)」は同71.5%増の29億5800万円、「そごう・西武」は同25.7%増の21億4900万円、「ロフト」は同85.3%増の6億8200万円。

セブン&アイ・ホールディングスの2017年3-11月期EC売上高
セブン&アイ・ホールディングスの2017年3-11月期

「IYフレッシュ」リピート率は上昇傾向

決算説明会では、2017年11月28日に都内の一部で開始した生鮮食料品のECサービス「IYフレッシュ」の進捗状況も公表した。

「IYフレッシュ」はセブン&アイが取りそろえた野菜や果物、加工食品など約5000種類の食料品を、アスクルの日用品ECサイト「LOHACO」の物流網を活用して東京・新宿区と文京区で販売している。

サービスのリピート率は上昇傾向にあるという。新規顧客獲得が課題となっており、サービスの認知度向上が必要だとしている。

サービスに対する要望を顧客にアンケートで聞いたところ、「品ぞろえの幅の拡大」「ミールキット商品の拡充」「配送時間帯の拡大(早朝・夜間)」「無料配送の条件(4500円)の引き下げ」があがった。

顧客からの要望やサービスの課題への対応策として、「ネットスーパーの売れ筋商品の導入」「セットメニューの提案」「3000円以上購入で無料配送キャンペーン(2月28日まで)」「チラシの折込/手配り、主要駅でポスター掲出」「LOHACOトップページからの誘導」「LOHACOユーザーへのメールマガジン配信」などに取り組んでいる。

「IYフレッシュ」の対象地域は2018年春をめどに東京西部や北部へ拡大し、2018年中には東京23区内、2020年秋頃には首都圏へと広げる計画。

セブン&アイ・ホールディングスが手がける「IYフレッシュ」の進捗
「IYフレッシュ」の進捗状況

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

「Amazon Go」ついに一般向けにオープン! アマゾンがリアルでも着々と拡大中【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

7 years 10ヶ月 ago

米国シアトルのAmazon本社で、従業員向けにスタートして話題になった「Amazon Go」がついに一般向けにもオープンしました。商品を取って出ていくだけで買い物完了。「レジ? なにそれ?」という時代は目前です。

意外と早く日本上陸しちゃうかも?

レジがない未来のコンビニ「Amazon Go」ついにオープン! 現地からレポート! | 人工知能ニュースメディア AINOW
http://ainow.ai/2018/01/23/131817/

まとめると、

  • 駅の改札のような入場ゲートに、ダウンロードしておいたAmazon GoアプリのQRコードをかざして入場
  • 天井には無数のカメラとセンサーがあるが、監視されている感じはない
  • もちろんレジはなし。商品を取って戻してもきちんと精算されている

レジがないとこんなに便利なのかと思い知らされました。本当にノンストレスです。しかも請求も正確。
システム自体には言うことなしです。
ちょっと困らせようといくつかの商品を取って戻してを繰り返しましたが、私の惨敗でした(笑)。
素早くとったヨーグルトもしっかりと認識されていたので、驚きです。

こちらの記事にあるように、従業員向けにオープンしたのが2016年の12月。それから1年ほどで一般向けにもオープンしてしまうとは……。技術の進歩は目覚ましいものがあります。QRコード決済も普及してきそうですし、ネットの決済もお手軽にしないと敬遠されそうですね。

関連記事

価格コムで最安になるには信頼性向上も必須

「最安」でいくら儲かる? 現役ショップ店長に聞いた価格コムの裏側 | the360.life
http://the360.life/U1301.doit?id=2257

まとめると、

  • 昔に比べて価格コムの審査が格段に厳しくなったため、掲載ショップが倒産するようなことはまず起こらない
  • 価格コムで値段を調べた人が最安価格1位のショップで買い物をする確率は9.5割
  • 価格コムで最安価格1位になることだけに没頭せず、コストダウンできるところを徹底的に探して利益を出す

実店舗を持たないネットショップという形態では信頼されにくいのが現実ですが、価格コムなど多くのユーザーが集まるサイトに情報を掲載できれば、信頼性が高まるのも事実。現に、価格コムの最安価格を実際の家電量販店で見せて値切りの交渉材料にすることも昔より増えていて、今までよりも影響力は高いものとなっています。

価格コムは安さだけでなく信頼性にもかなり力を入れているようです。そのため出店する側も努力しないといけないので、ユーザーにとっては自然に信頼性と安さが提供される仕組みになっているようです。トラブルが絶えない通販業界では「信頼性」は大きな武器になりますね。

画像を使うならInstagramだけでなくPinterestも

「Pinterest」のマーケティング活用、実は意外と進んでいるってご存じでした? | ITmedia
http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1801/19/news099.html

Instagramの投稿から自社ECへ誘導 米Commerce Cloudユーザーは誰もが利用可能に | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/5363

まとめると、

  • Pinterestの全世界における月間アクティブユーザー数は現在2億人を突破、日本でも2017年には前年の3倍に
  • キャンペーンによってはPinterestからの送客が他のSNSの中で一番多いという声もある
  • Instagramの投稿から自社ECへ誘導も可能に。アメリカのCommerce Cloudユーザーであれば利用可能

「買いたいのに買えない」「売りたいのに売れない」場だったInstagramが、ついに自社ECサイトとつながった。先行投資で、コツコツと投稿し、フォロワーとコミュニケーションしてきたブランド、小売業者が、同機能のリリースで大きなアドバンテージを得たと言えよう。

Instagramの投稿から自社ECへ誘導 米Commerce Cloudユーザーは誰もが利用可能に

「Instagramで通販がついに可能に!」と思っている方も多いと思いますが、Pinterestのマーケティング活用も進んでいます。私の知っているサイトでも、Pinterest経由のアクセスがSNSで一番多いところもありますので、時間のある時に投稿してみることをおススメします。

※関連記事

EC全般

スマホでよく使うネット通販は「Amazon」が約8割、楽天は約5割、ヤフーは約3割 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5086

メルカリが15.4%、ZOZOTOWNが12.7%と続きます。若い世代でAmazon比率が下がっていることにも注目。

LINEショッピングの利用ユーザー8割が女性、年齢は25~34歳が最多 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5089

おっさんはお呼びでない……というか、商品自体が女性向けですよね。

健食・美容の広告担当者は必見! 「医薬品等適正広告基準」改定のポイントまとめ【全部で14点】 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5070

「効能効果を1つだけ表示することが可能に」。これは大きいかも。それ以外も読んでおきましょう。

よくわかる!リスティング広告で第三者の自社商標利用を防ぐ方法 | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/5342

誰もが経験する道ですね。何ともならない場合もありますが……。

音声ショッピング時代の到来前に知っておくべきこと[Amazon Alexaの検索対策有] | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5096

慣れるとなんでもかんでも話しかけたくなるのがスマートスピーカー。その流れで買い物も。

丸井が「マルイウェブチャネル」で「自分の体に合う服だけを選べる」サービスを開始 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5101

買ったもの=持っているもの、でサイズがわかるというのは便利。

楽天の「楽天市場」 スマホに適した商品ページへ、チャット試験導入し画像の扱いも変更 | 通販新聞
http://www.tsuhanshinbun.com/archive/2018/01/post-3066.html

ユーザーはテキストが書き込まれた画像より、何もないきれいな画像を押すというのは興味深いです。

「お金よりも時間」と考える若者が増えている | 日経トレンディネット
http://trendy.nikkeibp.co.jp/atcl/column/17/111600043/011700005/

時間は自分のもの。その時間をどうやって使ってもらうかがこれからの課題です。

今週の名言

確かに私は会長になりましたが、私だけでできることなんて限られています。だから「私にあまり期待しないで、自分たちでやってください」とよく言うようにしています。組織として強くなるためにまず必要なことは、個々人が強くなること。

太田雄貴会長の大仕事、全日本選手権。フェンシング大会でダンスにLED!? - フェンシング | Number Web
http://number.bunshun.jp/articles/-/829745

「みんなで頑張る」ではなくて「みんなが頑張る」。こんな組織が強いです。

森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

「Wowma!」始動から1年――最新の状況は? 売り上げを伸ばす方法は? 出店者とKDDICF社長のホンネ対談

7 years 10ヶ月 ago

KDDIコマースフォワードが運営するECモール「Wowma!(ワウマ)」が2018年1月30日で開設から1年を迎えた。出店数や流通額が成長を続ける「Wowma!」で売り上げを伸ばすには、どのような戦略が効果的なのか。「Wowma!」でベビー服を販売しているコージィコーポレーションのEC担当者と、モールを運営するKDDIコマースフォワード・八津川博史社長らが対談。最新の「Wowma!」の状況、「Wowma!」で成功する方法、有効な施策などを語り合った。

新規顧客を獲得しやすいフェーズ

子ども服・ベビー服のブランド「BABYDOLL(ベビードール)」を展開するコージィコーポレーションは、全国に約80店舗を構えているほか、自社サイトや複数のECモールでネット通販を手がけている。「Wowma!」の前身である「ビッダーズ」時代の2009年から出店。2010年から2016年までの7年間で計6回、「キッズ・ベビーカテゴリー」で大賞を受賞するなど実績を積み重ねてきた。KDDIコマースフォワード・八津川社長は「Wowma!において、子ども服カテゴリーのリーダー的な存在」と賞賛する。

コージィコーポレーションが運営する「BABYDOLL」
「BABYDOLL」は「Wowma!」のカテゴリーリーダー的な店舗という

KDDIコマースフォワード 八津川博史社長(以下八津川):出店者として「Wowma!」に期待することは何でしょうか?

EC事業部グループリーダー 西尾知華氏(以下西尾)「au」ユーザーを「Wowma!」に送客していただくことですね。「au」ユーザーを対象にしたキャンペーン企画が行われると、「Wowma!」店のアクセス数や売り上げは跳ねることが多いんです。たとえば、「au」ユーザーにデータ通信料をプレゼントする企画や、毎月3の付く日に、さまざまな特典をプレゼントする「三太郎の日」は、顕著に売り上げが伸びます。今後も「au」ユーザーをモールに誘導する企画をたくさん実施していただきたいです。

コージィコーポレーションのEC事業部グループリーダー 西尾知華氏
EC事業部グループリーダー 西尾知華氏 コージィコーポレーションが出店している各モールの店長をサポートしながら、EC事業の売り上げと在庫管理などを担当している

八津川「au」ユーザーの利用比率が高いことは「Wowma!」の特徴の1つ。携帯電話キャリアとの親和性、ブランドへの信頼感を生かし、これからも「au」を含めてKDDIグループのお客さまに「Wowma!」を使っていただくための施策を打っていきます。

コージィコーポレーションさんは「Wowma!」の他に、「楽天市場」「Yahoo!ショッピング」「Amazon.co.jp」「ZOZOTOWN」に出店されています。「Wowma!」と他のモールの違いを、どのように感じていますか?

西尾「Wowma!」の特徴はキャリア決済の利用比率が高いことです。コージィコーポレーションの場合、「Wowma!」のキャリア決済の利用比率は35%。他のモールと比べて20ポイント以上も高いんですよ。

八津川:キャリア決済の利用比率が高いことを踏まえて、販促で工夫していることは?

通販部 中野由貴氏(以下中野)キャリア決済の決済上限枠がリセットされる月初に売り上げが伸びやすいのが「Wowma!」の特徴です。そのため、毎月1日は送料無料キャンペーンを実施し、顧客獲得を図っています

西尾:「Wowma!」のもう1つの特徴では、他モールでは獲得のできない「au」ユーザーという独自の客層をもっていること。複数出店を行っても、自社をはじめ他モールの売り上げを下げることなく、ブランド全体の売り上げアップにつなげることができます。そのため、他モールよりも新規顧客を獲得しやすい環境にあると感じています。「Wowma!」は良い意味で成長段階。新規顧客が多く流入してきていると感じているので、新規顧客開拓の施策を打てばモールの成長速度と同じペースで成長できていると思います。

中野:新規のお客さまが獲得しやすい環境であることはチャンスですよね。コージィコーポレーションでは新規のお客さまの購入ハードルを下げるために、キャンペーンやクーポンの発行などを積極的に実施しています。

執行役員兼ECコンサルティング部長 島崎匡織氏(以下島崎):メルマガやWeb接客ツールなども上手に活用しているという印象です。

中野:「Wowma!」はメルマガを月12回まで無料で送信できるので、メルマガにも注力しやすいです。メルマガでセールを告知するとアクセス数が増えるので、2017年秋からメルマガの回数を増やしています。特徴としては、セールの当日はもちろん、前日にもメルマガを配信していること。前日のメルマガがセールの告知として、当日配信のメルマガでセール中の案内を行うのですが、告知~実施の案内といった流れができたことによって、既存顧客がより楽しんで買い物をする環境が整備できたと思っています。

「Wowma!」はWeb接客ツール「KARTE(カルテ)」と連携しているので、それも活用しながら販促費の最適化を図っています。手軽にABテストを行えるため、試験的にプロモーションを行うこともあります。こうした外部のツールをいち早く導入していることも「Wowma!」を使うメリットの1つですね。

コージィコーポレーションの通販部・中野由貴氏
通販部・中野由貴氏 「Wowma!」店の店長として、プロモーション施策、サイトの更新作業などを担当している

「Wowma!」と「Wowma! for au」を統合した影響は?

「Wowma!」では2017年にさまざまな制度の変更が行われた。「Wowma!」(旧DeNAショッピング)と「Wowma! for au」(旧auショッピングモール)を8月に統合。管理するモールが1つに集約されたことは、出店者にとって負担減などの影響があったと見られる。

また、アプリのリニューアルを実施。12月からはテレビCMの放映を始めた。どのような影響があったのだろうか。

中野:モールが統合されたことで、販促などの作業負担が減りました。別々に運用していた2つのモールのメルマガや広告が一本化されたため、運用がとても楽になりました。空いた時間を販促や顧客分析などの時間に充てることができています。アプリのリニューアル、そしてテレビCMも始めましたよね。

八津川:以前は「Wowma!」と「Wowma! for au」を別々に運用する必要があったため、出店者さんにご不便をおかけしていました。モールを統合したことで、作業負担が減ったというご意見を聞けて良かったです。

9月にアプリをフルリニューアルし、ネイティブアプリに作り変えました。アプリならではのサクサク感や検索の操作性などを向上し、お客さまにとっての使いやすさを改善できたと思っています。

テレビCMは「Wowma!」の認知度を高めることと、アプリの利用を促進することが狙いです。「Wowma!」がスタートしてから1年が経ちましたが、「そもそも『Wowma!』って何?」という消費者もまだまだ多い。認知向上のためにテレビCMは重要だと考えています

少し話は逸れますが、テレビCMのクリエイティブは、若年層向けと、主婦層向けをイメージしたものの2種類を流しました。どちらも顧客獲得に成果は出ていますが、今回は特に、日中の時間帯に放映したCMによって、30代女性を多く獲得できたと実感しています。この結果から、「Wowma!」は「在宅の30代女性」といった層と親和性が高い傾向も見えてきました。また、アプリのダウンロード数に関しても、テレビCMは成果の高かった施策だと感じています。

KDDIコマースフォワード 代表取締役社長 八津川博史氏
KDDIコマースフォワード 代表取締役社長 八津川博史氏

八津川:コージィコーポレーションさんでは、統合後も含めて、「Wowma!」で売り上げを伸ばすために意識していることはありますか?

中野:今は、とにかく新規顧客を獲得するための広告やキャンペーンなどを積極的に行うことが重要かなと思っています。先ほどもお話しした通り、新規顧客を獲得しやすい時期なので、店舗にとって財産であるお客さまを、新規に獲得するためのコストはまだまだ安価な段階にあります。つまり、「Wowma!」で多くのお客さまと関係性を作ることが早ければ早いほど、売上・利益拡大につなげることができると思っています。

今の段階ですと、「三太郎の日」など売り上げが大きく跳ねるキャンペーンのタイミングに合わせて、広告や独自のキャンペーンなどを行っています。現段階ですと、その策が有効だと感じています。2017年11月に始まった検索連動型広告をはじめ、モール内広告の新規の獲得効率は高いと思っています。

出店プラン変更で新規出店数は2倍に

「Wowma!」のスタートと合わせてKDDIコマースフォワードは新たな出店プランをリリース。成約手数料を実質的に値下げした。従来と比べ手数料にかかるコスト負担が軽減される設計となっており、「売れば売るほど手数料が軽減される仕組みになっているので、予算をうまく活用してプロモーションを行ってほしい」(八津川社長)という思いを込めたという。従来の成約手数料は決済手数料と合わせて9~11%。新プランでは決済手数料込みの成約手数料体系で、最低4.5%からに設定している。

八津川:手数料プランを変更したこともあり、新規出店の数は「Wowma!」スタート時と比べて2倍強に増えています。「DeNAショッピング」時代から出店しているコージィコーポレーションさんはどんな影響がありましたか?

「Wowma!」の出店プラン
「Wowma!」の出店プラン詳細 コミコミ出店プランとシンプル出店プラン
月商が一定額を超えると、超えた金額の部分だけでなく、ショップの売り上げ全体に対して、低い成約手数料を適用。月商が増えるにつれて段階的にショップ全体の成約手数料率が下がる。例えば、月商が1000万円を超えると、成約手数料率は従来と比べて3%下がることもある

西尾:新プランの導入以降、毎月数字を見ていますが、利益へのインパクトが特に大きいです。たとえば、売上高が昨対比で110%だとすると、利益は150%になったりしますから。

八津川:売れば売るほど“恩恵を受ける”のが商売の本質ですよね。KDDIコマースフォワードは、出店者と共存共栄のモールでありたいと考えています。出店者の増加に伴い、「Wowma!」の競争環境は厳しくなっていると感じていますか?

西尾他モールでは顧客の奪い合いが始まっていると感じていて、セールをしなければ伸ばすのが難しい状況。「Wowma!」で言うと、競合は増えていますが、コージィコーポレーションの売り上げは着実に伸びています。八津川社長がおっしゃったように成長段階ということもあると思うのですが、出店数が増えるほど、お客さまにとって魅力的なモールになる段階なのでしょう。モールの出店者が増えて利用者も伸びていく、その結果、出店者の売り上げも拡大していくというように感じています。

八津川「Wowma!」にはまだ出店者さんが少ないカテゴリー、つまり“ホワイトスペース”があります。カテゴリー単位では、少しずつ商品がそろってきているような状況です。消費者から見るとまだまだ満足できない部分があると思うのですが、出店者から見るとまだまだビジネスチャンスが転がっている“場”ということですね。

島崎:営業的な戦略を説明すると、いまは2つの営業方針があります。1つは他モールで実績がある店舗さん、もう1つはまだまだ伸びしろがありこれから伸張していくだろうと考えられる店舗さんへの出店依頼です。たとえば、「Wowma!」のグルメジャンル。特定商材では売れている店舗が多いのですが、まだまだグルメは伸びしろがあるカテゴリー。出店者数や商材のバランスを見ながら、出店者を増やしていきたいと考えています。

KDDIコマースフォワード株式会社 執行役員兼ECコンサルティング部長 島崎匡織氏
KDDIコマースフォワード 執行役員兼ECコンサルティング部長 島崎匡織氏

「三太郎の日」に合わせた広告やキャンペーンが効果的

「Wowma!を本気で伸ばしていく」と八津川社長が出店者に宣言したのは2017年3月。KDDIグループ傘下となり、さまざまな施策を打ち続けてきた「Wowma!」は今後、どういう方向に進んでいくのか――。

西尾:「Wowma!」はこれからの伸びしろが期待できるECモールです。出店者としては、外部とのコラボレーション企画など、面白い施策を一緒に取り組んでいきたいなと思っています。

八津川:ファッションイベント「東京ガールズコレクション」との共同事業を2017年11月に発表しましたが、こうしたイベントと連動したeコマースなど、ユーザーのすそ野を広げるようなアライアンスを今後も仕掛けていきます。「Wowma!」の独自性を打ち出せるような企画をご一緒できたら面白いですよね。

中野:私からも実務的な要望があります。たとえばクーポン機能をもう少し改善していただけるとありがたいです。顧客のセグメントに応じて配信するといった機能が増えると、もっと売り上げを伸ばしやすくなると思います。

島崎:その辺りは「Wowma!」の課題です。出店者に提供できる武器をもっと増やしていきます。クーポン機能も近いうちに改善できると思います。

八津川:じつは今、専属チームを作って準備しているので、期待していてください。今後は動画やSNSを活用して、新しいプロモーションの方法に挑戦していきます。テレビ通販番組との連動、「東京ガールズコレクション」のようなリアルイベントの連動もその一環です。コミュニティーやコンテンツを軸に、外部と連携していくと、すごく面白い化学反応が生まれるのではないかと期待しているんです。モールの名称の由来でもある「ワウ!」という驚きを、お客さまに感じていただけるように、さまざまな新しいことに挑戦していきます。

KDDIコマースフォワード本社
対談終了後、KDDIコマースフォワード本社の入り口で記念撮影

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

石居 岳

石居 岳(いしい・がく)

フリーライター、ジャーナリスト。

渡部 和章, 石居 岳

「メルマガの効果が落ちた」の悩みを解決! SMSを通販・ECの販促&顧客対応に活用する方法とは? | 『EC物流最前線 送料値上げ時代を勝ち抜くためのヒント20選』ダイジェスト

7 years 10ヶ月 ago

「メルマガ経由の購入が落ちた」「メルマガが読まれない」「顧客接点を増やしたい」――消費行動の多様化にともない、近年このような課題を抱えるEC事業者が増えている。「INST Messenger」は「メルマガ」以外の顧客接点を増やすことができる統合管理ツール。有名化粧品通販会社が導入するなど、通販・EC企業の利用が徐々に進んできている。開発元のINSTに、「顧客接点を増やす」「販売チャネルを増やす」サービスの仕組みを聞いてきた。

「メルマガの効果が落ちた」などを解決するツール

Facebook Messenger、LINE、Twitter、Skypeなどを利用しているユーザーとのチャットを一元管理できるサービス。メールや電話に反応しないスマホ世代とのコミュニケーションを改善し、通販やECのリピート率や購入率のUPが期待できる。チャットBotとも連携しているので、顧客対応の業務効率化も可能になる。

「INST Messenger」の仕組みや特徴をこう説明するのはINSTの石野幸助社長。これまで約200社に導入し、「スマホ時代のユーザーとのコミュニケーションで課題を抱える企業の課題を解決してきた」(石野社長)

特徴① 売上UPにSMS活用

「INST Messenger」に搭載されているSMS(ショートメッセージサービス)配信サービスは、メルマガ以外でのチャネルで顧客接点を増やしたいといった企業が利用する機能。「メルマガや電話というチャネル以外の販売チャネルとしてSMSを使う企業が増えている。その理由はメールを読まない顧客の掘り起こし。顧客接点を活性化し、接点を増やすことで売上アップを実現できる」(同)

「INST Messenger」の仕組み
「INST Messenger」の仕組み

導入企業では、消費者が購入時などに登録した携帯番号に対してメッセージを配信できるSMS配信機能を活用。休眠顧客として扱われていた消費者とのコミュニケーション接点を回復し、売上アップを実現したケースもある。

ここで、ある単品通販・EC企業(A社)の事例を紹介しよう。既存顧客のリピート率が低下していたA社では、メールの開封率悪化や消費者との電話がつながりにくくなっていることが起因していると仮説。「INST Messenger」を導入しSMS配信機能を利用したところ、配信数あたりのコンバージョン率はメルマガの数倍といった高い成果が出た。

実は、ネット通販でSMSを活用している企業は少ない。今から顧客とのコミュニケーションでSMSを活用すれば、先行者利益を獲得できるはずだ。(石野社長)

特徴② 顧客対応にチャットBot活用で業務効率化

「INST Messenger」に搭載されたBot機能はLINEやFacebookと連携。消費者とのやり取りをメッセンジャー経由で行うことができる(やり取りは統合管理ツール上で一元管理できる)。

「商品はいつ届きますか?」「返品はどうすればいいですか?」「送料について知りたい」といったさまざまな顧客からの問い合わせについて、「当社が用意したロジックシートに従って想定される質問と回答を記載すれば、自動対応出来るようになる」(同)と言う。

石野社長がお勧めするのは顧客との一次対応。顧客からの質問をチャットBotが対応することによって、オペレーター対応が必要か否かを振り分ける。チャットBotが対応できない質問に関しては、オペレーターにつなぐように設計すれば、二次対応からカスタマーセンターが対応できるようになる。

SMSをEC利用はチャンス

石野社長はこう言う。「ネット通販でSMSを活用している企業は少ない。今から顧客とのコミュニケーションでSMSを活用すれば、先行者利益を獲得できるはずだ」(石野社長)

ネット通販でのSMS活用も徐々に出始めてきている。通販化粧品のヴァーナルではDMのフォローツールとしてSMSを活用、効果を上げ始めているという(事例ページはこちら)。

石野幸助社長
石野幸助社長の似顔絵イラスト
Nint
サービスリリースから1年強で、約200企業が導入した「Inst Messenger」を開発・販売。初期導入費用は無料、1通15円でSMSを配信できる機能などを搭載。
ネットショップ担当者フォーラム編集部

ECカートからカード情報が漏えい、カラミーショップ利用企業と消費者の情報が流出か

7 years 10ヶ月 ago

GMOペパボは1月26日、ASPショッピングカート「カラーミーショップ」が外部から不正アクセスを受け、サービスを利用しているEC事業者や、ECサイトで買い物をした消費者のクレジッットカード情報などが流出した可能性があると発表した。

1月26日時点で流出したのはショップオーナーのクレジットカード22件。漏えいしたのはカード番号のみ。

一方、流出した可能性がある「カラーミーショップ」利用企業のカード情報は9430件にのぼる。クレジットカード番号や有効期限、名義人名、セキュリティーコードが対象となっているのは最大7259件。

クレジットカード番号、有効期限、名義人名が流出した可能性があるのは最大337件。カード番号、有効期限のみは最大1834件。

また、カード情報以外では、ログインIDや住所、氏名、電話番号などが最大7万7385件流出した可能性がある。

「カラーミーショップ」を利用しているECサイトで買い物をした消費者のクレジットカード情報は、最大2711件が流出した可能性があるという。セキュリティコードが漏えい対象となっている件数は最大485件。

情報流出の経緯と対策

2018年1月7日、「カラーミーショップ」のアプリケーションの機能を悪用した不正アクセスが発生。同日中に不正プログラムが実行されないよう回収を実施し、緊急対策本部を設置した。

翌日、外部のセキュリティ専門機関に調査を依頼。流出した情報の内容が1月10日に判明したことから、クレジットカード各社への報告や、渋谷警察署への相談、セキュリティ専門機関2社によるフォレンジック調査を開始した。

1月25日、フォレンジック調査の結果を受けて被害状況が判明。1月26日に佐藤健太郎社長を委員長とする再発防止委員会を設置した。

再発防止委員会は次の3つの役割を担う。

  1. 本件の不正アクセスや情報流出の可能性に関し、システム開発および運用の検証を行う
  2. システム全般のセキュリティレベルを向上させるため、専門家アドバイザーの知見・経験に基づき、再発防止策を立案する
  3. 再発防止策の実施とモニタリングを行い、継続的な改善や一層のセキュリティレベルの向上に努める

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

楽天市場初、ネット通販で買った医薬品を店頭受け取り。薬剤師への健康相談も提供

7 years 10ヶ月 ago

医療機関向けのコンサルティングや、調剤薬局の運営などを手がける総合メディカルは1月25日、「楽天市場」で医薬品やサプリメントを販売しているECサイト「そうごう薬局e-shop」で、店頭受け取りサービスを開始したと発表した。

「そうごう薬局e-shop」で販売している商品の一部を、全国展開している調剤薬局「そうごう薬局」の450店舗で受け取れるようにした。総合メディカルによると、「楽天市場」での医薬品の店頭受取サービスは初めてという。

店頭受取サービスの対象は当初、プライベートブランド(PB)商品や一部の医薬品、サプリメントなど約100品目に限定している。今後、対象商品を拡充していく。

顧客が店頭で商品を受け取る際、薬剤師による健康相談を受けることもできる。「そうごう薬局e-shop」で購入した商品だけでなく、健康全般について相談することが可能だという。

「そうごう薬局e-shop」は、同社の薬剤師や管理栄養士が薦める医薬品、健康食品、介護用品など約8500アイテムを販売している。PB「SOGO SMILE」は青汁クッキーや黒酢ドリンクなど34品目。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

オーマイグラスの事例にみるオムニチャネルを成功に導くバックオフィスの仕組みとは?

7 years 10ヶ月 ago

オムニチャネルを成功させるには、ECとリアル店舗をシームレスにつなぎ、最適な業務プロセスを実現するバックオフィスシステムは欠かせない。オムニチャネルで成果を上げている企業は、どのようなシステムを使い、どういった施策に取り組んでいるのか。

世界で4万社が利用するクラウド型の基幹業務システム「NetSuite」を提供する日本オラクルのネットスイート事業本部(以下オラクル+ネットスイート)・内野彰氏が、オーマイグラスやマクラーレンといったクライアントの事例を踏まえ、オムニチャネルを成功に導く業務システムの在り方を解説する。写真◎Lab

オーマイグラスに学ぶ最新のオムニチャネル

「NetSuite」はERPやeコマース、財務会計、CRM、人事といった企業の業務を1つのシステムで管理するクラウド型のソフトウェア。EC企業やオムニチャネルに取り組む小売企業、メーカー、サービス業など、世界4万社以上が利用している。

業務システムの統合によってオムニチャネルを推進している企業の成功事例として内野氏があげたのは、メガネECの「オーマイグラス」の取り組みだ。

買い物の利便性向上を最優先に掲げながら、在庫移動や受発注業務を効率化し、オペレーションコストの削減にも余念がない。先進的なオムニチャネルにチャレンジしている企業の1つであり、こうした取り組みは多くの企業にとって学びがある。(内野彰ディレクター)

日本オラクル株式会社 グローバルビジネスユニット ネットスイート事業本部 マーケティングディレクター 内野 彰氏
日本オラクル株式会社 グローバルビジネスユニット ネットスイート事業本部 マーケティングディレクター 内野 彰氏

オーマイグラスは2011年に設立され、現在はオンラインショップ「Oh My Glasses TOKYO」のほか、路面店や商業施設のテナントなど約10店舗の直営店を運営。消費者が便利にメガネを購入できる環境を作るため、2014年に「NetSuite」を導入し、本格的なオムニチャネルに乗り出した。

EC商品1万SKUの店頭受け取りが可能

メガネECの課題の1つは、メガネを購入する際に視力検査や試着を行えないこと。この課題を解決するため、「オーマイグラス」はECサイトで販売している商品の店頭受け取りサービスを実施している。

ECサイトの利用者は、オーマイグラスの直営店に加え、約600か所の提携店で商品を受け取ることができる。商品を店舗に取り寄せ、視力測定や試着を行った上で購入することが可能。店頭取り寄せサービスの対象商品は、ECで扱っている400ブランド・1万SKUに上るという。

ECでは試着・返品サービスを実施

ECサイトでは、商品を自宅で試着してから購入できる試着サービスも行っている。メガネを最大5本まで注文でき、顧客は試着後に購入することが可能。試着期間は5日間。返品は無料だが、試着したすべての商品を返品した場合は試着手数料540円がかかる(試着手数料は2017年12月1日からスタート)。

オーマイグラスの直営店コンセプト ファッション性 トレンド 日本製の高い品質 手に届く価格
約10店舗の直営店と約600店舗の提携店がECと連携し、さまざまなサービスを提供している

オーマイグラスが取り組んでいる店頭受け取りサービスや返品サービスは、在庫の入出庫の件数が増える上、膨大な件数の返品処理が発生する。そのため、サービスを実現・維持するには、複雑な業務プロセスを管理し、複数のチャネルにまたがる顧客接点を管理するバックオフィスの仕組みが必要になる。

オーマイグラスは「NetSuite」のAPIを活用し、基幹システムとEC、リアル店舗、倉庫などのサブシステムを連携。注文データの処理を自動化したほか、試着注文から決済までの顧客ステータス変更、店舗とECの在庫の入出庫管理、倉庫への入荷指示・出荷指示、購買情報分析といった各種業務プロセスを自動化しているという。

オムニチャネルの特徴 ECで販売されている商品を、自宅でも店舗でも試着・購入・受取可能。レンズ加工を店舗ではおこなわず、加工センターで集約することにより、小スペースの店舗運営で効率化を促進。
オーマイグラスのバックオフィスシステムの連携イメージ

ECの成長には「統合されたシステム」が不可欠

「NetSuite」が2016年に処理した売上高は合計1870億ドル(約21兆円、1ドル=112円換算)に達し、2016年のサイバーマンデー(感謝祭翌週の月曜日)には1日に245万件の受注を処理したという。

2006年の設立以来、さまざまな企業のECやオムニチャネルを支えてきた「NetSuite」。内野氏は、「オムニチャネルを成功させるには、統合されたバックオフィスシステムを構築することが欠かせない」と、オーマイグラスなどの事例などを踏まえてこう強調する。

顧客が複数のデバイスや販売チャネルをまたいで行動するオムニチャネルにおいて、ユーザーの複雑なトラフィックを把握・分析するには、基幹システムやEC、店舗、倉庫、会計などの業務システムがシームレスに連携することが不可欠だという。

データがバラバラに管理されていると、データの集計に手間がかかる上、俯瞰的なデータ分析が困難となる。また、業務ごとにシステムが独立していると社内の業務プロセスが分断され、運用が非効率になる。社内の業務システムが統合されていないために、業務効率悪化やデータ分析の不備、セキュリティへの不安など、さまざまな面で課題を抱える企業は少なくない。(内野氏)

海外でも多数の成功事例

「NetSuite」は海外でも多数の企業のオムニチャネルを支えている。たとえば、ベビー用品の「マクレーンベイビーストロワーズ」はeコマース、在庫管理、注文管理、マーケティング、経営指標管理、製造といった業務システムを「NetSuite」で統合。「トランザクションの履歴の完全な管理」「あらゆるチャネルにまたがる顧客の購買行動を1つの統合データとして管理」「購買行動のライフサイクルにおける収益性を定量的に把握」といった成果を実現している。

多様な観点による顧客分析
事業の牽引要素
・トランザクション履歴の完全な管理 
・あらゆるチャネルにまたがる顧客の購買行動を一つの統合データとして提供
・購買行動のライフサイクルにおける収益性の定量的な把握
NetSuite SuiteCommerceがご提供するもの
・あらゆるチャネルを網羅した顧客分析
・統合された顧客向けサービス
・顧客の個別化、およびセグメント化
ベビー用品の「マクレーンベイビーストロワーズ」もオムニチャネルを推進

「Net Suite」5つの特徴、ECに特化した「Suite Commerce」を2018年春までに国内で提供

ネットスイートの概要や製品の特徴に触れておきたい。15か国で約160か所の拠点を持ち、社員数は約5500人、年商は1000億円を超えている。顧客数は世界約4万社、国内では300社近いという。2016年11月にオラクルの傘下に入った際、オラクルとして過去最大規模の約1兆円で買収された。

「NetSuite」はシリコンバレーのスタートアップ企業にも数多く利用されている。直近1年半で導入企業約40社が株式上場を果たし、時価総額は合計1000億ドルを超えるなど、最先端企業の成長も支えている。

内野氏は「NetSuite」の特徴について、次の5点をあげた。

  • 非常に安全性が高く、柔軟なカスタマイズが可能、オープンなAPIの開発環境を提供できる
  • 企業の業務システムを統合された一つの製品として、クラウドのみで提供する
  • ERP、コマース、CRM、財務会計、オムニチャネル、人事管理などの機能を統合できる
  • 複数の言語、通貨、各国の税制に対応しており、グローバル展開が可能
  • 流通業、製造業、サービス業など業界別に最適なシステムを提供

また、EC事業者に提供する価値として、①多彩な視点による顧客分析②革新的な顧客価値経験の提供③効率的、高度な注文管理④システムの拡張性⑤単一のクラウド基盤――があるという。

NetSuite
クラウド統合環境
・ひとつのシステム
・クラウドのみで提供
・マルチテナント型
・オラクルスタックによる環境
・統一データモデル
・全てのユーザが同一バージョン
開発環境 SuiteCloud
・簡単なカスタマイズ
・スクリプト
・ワークフロー
・オープンなAPIs
・バージョンロックなし
ERP/コマース/HCM
・ERP
・財務会計
・サプライチェーン管理
・サービスリソース管理
・オムニチャネル Commerce 
・CRM
・人事管理
グローバル管理 ONEWORLD
・複数元帳
・複数言語
・複数通貨
・各国の税制対応
業界別
・ソフトウェア
・サービス
・広告・出版
・非営利団体
・製造
・流通卸
・小売
「NetSuite」の特徴

ECに特化した「Suite Commerce」を2018年春までに国内で提供

内野氏は、オンラインショッピングに特化したクラウド型のECプラットフォーム「Suite Commerce」を2018年春までに、日本でも本格的に提供開始することも発表した。「Suite Commerce」を使ったWebサイトは現在、約3200サイトで稼働しており、5400万種類以上の製品を管理している。ユニークユーザーは年間13億人以上、注文処理件数は年間1000万件を超えているという。

「Suite Commerce」の特徴として、内野氏は次の5点を紹介。

  • 完成されたレイアウトテンプレート
  • 雛形提供による高速インプリ
  • モバイル完全対応
  • マーケティングオートメーション等の連携
  • メールキャンペーン、ディスカウント設定、ポイント制などのプラグイン

「CSSを拡張したメタ言語を使い、プログラミングCSSを実現しているため、ピクセルレベルのデザイン性で、全てのレイアウトをコントロールできる」と説明。複数の言語や通貨、税制に対応しているため海外展開にも活用できると強調した。

さらに、Webページの表示速度が速く安定稼働すること、SEOに強いことなどが多くの企業から選ばれる要因になっているという。そして、直感的に操作できるコンテンツマネジメントシステム、ページのズーム機能、まとめ買い機能、カートのカスタマイズ、ソーシャルプラグイン、会員ページも特徴だと説明した。

SuiteCommerceのアーキテクチャ概要
NetSUite SuiteCommerce アプリケーション群
カタログ
プロモーション
コンテンツ
価格設定
マーチャンダイジング
認定
カート
チェックアウト
アカウント管理
POS 
サーチ
支払
Commerceプラットフォーム
NetSuite
「Suite Commerce」の機能群

目指すのは革新的な買い物体験の提供

オラクル+ネットスイートが考える理想のオムニチャネルについて、内野氏は「消費者がオンラインかオフラインかを問わず、いつでもどこでも商品を購入でき、サポートも受けられる。そして追加注文や返品も利用できる。そういった革新的な買い物の体験を提供できるように『NetSuite』は設計されている」と説明する。

最後に、「世界の小売業界はオムニチャネルが当たり前となり、業種や業態を超えてビジネスモデルの変革が起きている。今後、市場のルールが一変する可能性もある」と指摘。

そして、「変化が激しい市場で勝ち抜くためには、スピード感を持って理想のオムニチャネルを実現できる信頼性のあるスタンダードなシステムを利用することが、eコマースの1つの成功モデルではないか」と強く訴えかけた。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

存続率24%の「楽天市場」で生き残れない店は、会社としての生存も難しい【竹内調査】 | 竹内謙礼の一筆啓上

7 years 10ヶ月 ago

年末に事務所を大掃除していると懐かしい資料が出てきた。「楽天市場」の出店者向けに行われている「楽天大学」の教材の一式だ。2001年の日付なので今から17年も前のもの。私もネットショップ運営の初心者として、千葉の田舎からわざわざ中目黒の楽天本社に出向き、出店講座を受講してeコマースの“いろは”を学ばせてもらった。

資料をめくると「楽天市場」の出店店舗数がまだ5,450店で、取扱商品数は64万点ほどしかない。当時は「楽天市場」という小さなネットビジネスの会社が、後に巨大企業となり、プロ野球球団を持ち、海外のサッカーチームのスポンサーになるなど、当時は想像もできなかった。

今も楽天店を運営しているのはどれくらい?

そんな懐かしい資料をめくっていると、興味深い名簿が目に入った。当時、「楽天大学」を受講した参加者一覧リストである。店舗名と会社名と所在地、店舗URLと出席者の名前が掲載されていた。

このうち何店舗が今も「楽天市場」でお店を運営しているんだろうか?

ふとこんな思いがよぎり、参加者リストを片手に17年間も運営を継続している“生存率”を調べてみることにした。名簿は2001年3月21日、3月29日、4月5日の計3回の講座分。1回の講座に15社~23社が参加していた。名簿に記載されていたURLを打ち込んで調査。以下は私が調べた生存率である。

参加店舗 生存数 生存率
3月21日 23店舗 5店舗 22%
3月29日 18店舗 5店舗 28%
4月5日 14店舗 3店舗 21%

予想はしていたが、ほとんどの店舗はURLを打ち込んでも「ページが表示できません」という文言が画面に表示され、しばらくすると自動的に「楽天市場」のトップページに戻された。一緒に「楽天大学」を受講してeコマースの成功を夢見た“同期”の仲間が75%もいなくなってしまったのだ。「楽天市場」での成功がいかに難しいのかを痛感させられた。

楽天大学ご出席者一覧

難しいのは楽天店の運営なのか?

しかし、生存率を調べていくうちに、新たにもう1つの疑問が頭の中に浮かんできてしまった。

会社そのものはどうなっているのだろうか?

参加名簿の会社名を見ると、大企業と中小零細企業が入り混じっている。2001年といえば、まだインターネットそのものが怪しい存在であり、ホームページを持っている企業すら珍しい時代である。「楽天大学」の参加者も一攫千金を狙う中小零細企業の経営者から、上司に「とりあえず『楽天市場』に店を出せ」と言われ、半信半疑で受講するサラリーマンまでさまざまだった。

「楽天市場」を撤退した“同期”が、今、何をしているのか知りたくなり、名簿に記載された会社名を検索し、その会社が現在、どのような状態になっているのか調べることにした。気分としては同窓会。テレビ番組でいえば「あの人は今」に近い。

ホームページがなかったり、会社名が変わったりした場合、ネット上の調査だけで倒産したかどうかの情報は分からない。しかし、2001年時点で「楽天市場」に出店していることを考えれば、自社のホームページが残っている可能性は高いと言える。仮に会社名が変わった場合でも、何かしらネット上に形跡は残っているはずだ。

このような仮説を立て、会社名で調査。なかには警察のご厄介になって倒産した会社、“同期”同士で数年後にM&Aで合併したり、なかなか面白い“同窓会”となった。会社そのものの生存率は下記の通りだった。

参加店舗数 生存数 生存率 会社生存数 会社生存率
3月21日 23店舗 5店舗 22% 15社 65%
3月29日 18店舗 5店舗 28% 10社 56%
4月5日 14店舗 3店舗 21% 8社 57%

わかったのが、会社の生存率が平均して6割だったということ。これは考えさせられる数字だった。会社そのものが4割も消滅しているのだから、「楽天市場」で成功することが難しいというわけではなく、むしろ会社を17年間続けるということ自体が難しいのではないかと考えてしまう。

「楽天市場」を撤退する中小企業の半数が消滅

存続している企業には大手有名企業も含まれているので、中小零細企業だけで見れば生存率はさらに低い。大企業と中小零細企業の線引きが難しいので的確な数字を出すことはできないが、「楽天市場」を撤退した中小零細企業のうち、およそ5割は消滅してしまったと推測できる。

「楽天市場」に出店した店舗の約75%が17年間の内に退店し、そのうち約半数の中小零細業が消滅しているということを考えると、「楽天市場は出店しても売れない」というよりも、そもそも会社として生き残っていくことが難しい状況だったのではないかと思えてしまう。

eコマースを会社の事業として取り組むことができない時点で、もうすでにネット社会から脱落してしいるわけであって、「『楽天市場』は売れない」「儲からない」といった問題ではなさそうだ。

それよりも、eEコマースに取り組めない会社の組織構造、経営者や社員のモチベーションだったり、商材そのものがもうすでに競争力を失っていたり……問題はネット社会についていけない会社そのものにあると考えた方が良いだろう。

もし、仮に「楽天市場」やネットビジネスそのものに問題があるのであれば、「楽天市場」を撤退した企業が17年後に生き残っている確率はもう少し高いはずだ。

極論を言ってしまえば、「楽天市場」を撤退しなければならない状況になった時点で、会社の生存率が50%になってしまうのだから、撤退した企業は相当の危機感を持ってその後の事業に取り組まなければいけない。そう考えると、「楽天市場」は企業存続のバロメーターのような役割もあるのかもしれない。

◇◇◇

今回の調査は対象店舗数が少なく、会社の生存がネット調査だけでは正確にわからないといったリサーチ上の問題点が多々ある。正直、遊び半分で調べた数字なので、この数値を本気でとらえる気は毛頭ない。しかし、3回の講座の生存率がほぼ似通った数値になった点をみると、あながち見当違いな数値ではないようにも思われる。

インターネットが普及して、スマホの所有率が5割を超える昨今、eコマースを事業として取り組めるぐらいの企業でなければ、やはり今後の厳しい消費マーケットの中で生き残っていくことは難しいことは確かなようである。

「『楽天市場』は儲からない」と誰かのせいにするのではなく、まずは「楽天市場」でネットショップ運営に取り組み売り上げを伸ばすくらいの企業でなければ、今後のネット社会で生き残っていくことは難しいのかもしれない。

竹内 謙礼

有限会社いろは 代表取締役

竹内 謙礼(たけうち・けんれい)

1970年生まれ。大学卒業後、出版社に勤めた後に観光牧場に転職。企画広報担当を経て2004年に経営コンサルタントとして独立。楽天市場、ビッダーズ等で多くのネットビジネスの受賞履歴あり。また、千葉文学賞等の小説、エッセイでも数々の受賞暦を持つ。

大企業、中小企業のコンサルティングはもちろん、サイドビジネスや起業に対しての販促、営業、人材教育のアドバイスを行い、特に実店舗のキャッチコピー制作とネットビジネスへのコンサルティングには定評がある。また、低価格の会員制コンサルティング「タケウチ商売繁盛研究会」の主宰として、180社近いコンサルティング指導を日々行っている。

販促、企画、会計、投資の書籍執筆の他、新聞や雑誌等でも連載を持っており、ラジオのパーソナリティとしても活躍。商工会議所や企業での講演、企業での人材教育等、経営コンサルタントとして精力的に活動している。NPO法人ドロップシッピング・コモンズ理事長。著書多数(詳しくはこちら

竹内 謙礼

楽天、ウォルマートとの提携を発表。西友とネットスーパー事業を共同運営へ

7 years 10ヶ月 ago

楽天は1月26日、米国大手の小売企業ウォルマート・ストアーズとの戦略的提携を発表した。

2018年度第3四半期(7-9月)までに、ネットスーパー事業の協働運営を開始。米国では年内に、ウォルマート社の実店舗や「Walmart.com」で、「楽天Kobo」の提供する電子書籍やオーディオブック、電子書籍リーダーなどを、量販店として独占販売する。

楽天はウォルマートの日本子会社である西友と、日本でネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」を協働運営することを目的に、新会社を設立することで基本合意した。

西友は現在、ネットスーパー「SEIYUドットコム」を運営しているが、新サービスの提供に合わせて「SEIYUドットコム」はサービス提供を終了。「楽天西友ネットスーパー」へと移行する。

「SEIYUドットコム」は2013年からディー・エヌ・エー(DeNA)と共同展開しているが、提携関係は「SEIYUドットコム」のサービス提供終了とともに解消となる。

楽天が手がけるネットスーパー事業「楽天マート」は今後、西友と共同運営する「楽天西友ネットスーパー」に「統合していく」(三木谷浩史社長)。

なお、共同運営するネットスーパー事業では、「楽天市場」での人気グルメなども取り扱う方針。

ウォルマートとの戦略的提携を発表した楽天・三木谷浩史社長

ウォルマートとの戦略的提携を発表した楽天・三木谷浩史社長

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

雪に振りまわされた一週間。配送にも影響残る【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

7 years 10ヶ月 ago

23日に降った雪の影響で、ヤマト運輸と佐川急便は荷物の配送に遅延が生じていると公表しました。

  1. 大雪でネット通販の荷物の配送に遅延、EC事業者は「しばらく物流の混乱が続く」

    ヤマト運輸と佐川急便は1月23日、大雪の影響で関東地方を中心に荷物の配送に遅延が生じていると公表

    2018/1/23
  2. スマホでよく使うネット通販は「Amazon」が約8割、楽天は約5割、ヤフーは約3割

    MMDLaboとコロプラが「2017年版:スマートフォン利用者実態調査」を公表した。

    2018/1/22
  3. アスクルが年間1000億円の出荷能力を持つ物流センターを2月に全面稼働へ

    ピッキングロボットや3D搬送ロボットを導入し、業務の自動化や省人化を図る

    2018/1/23
  4. 音声ショッピング時代の到来前に知っておくべきこと[Amazon Alexaの検索対策有]

    音声検索を活用した買い物は始まったばかりだが、Amazonが市場に投入している投資額を考えると、急速に広がると予想できる

    2018/1/25
  5. ナノ・ユニバースがアプリを刷新した理由&実装した機能と施策まとめ

    「店舗起点でECを利用するようになった顧客をもう一度店舗に送客することが“伸びしろ”になる」と判断

    2018/1/22
  6. 健食・美容の広告担当者は必見! 「医薬品等適正広告基準」改定のポイントまとめ【全部で14点】

    「医薬品等適正広告基準」が15年ぶりに改訂。その14のポイント(連載第38回)

    2018/1/24
  7. メガネスーパーを8期連続赤字から脱出させた星崎流・企業再生のレシピ【ネッ担まとめ】

    ネットショップ担当者が読んでおくべき2018年1月15日~21日のニュース

    2018/1/23
  8. ECに力を入れる丸亀製麺、通販子会社が東雲エリアに八百屋カフェオープン

    ネットスーパーの利用が多い地域にリアル店舗を持つことで、食材通販との相乗効果を狙う。

    2018/1/19
  9. スマホ時代の新しいEC売上施策、ブラウザプッシュ通知ができるEC向けツールが登場

    ムーヴが「ブラウザプッシュファクトリー」の提供開始

    2018/1/22
  10. ヤフー新人事、コマースグループ長の川邊氏が社長へ、小澤氏は常務に就任

    「Yahoo!ショッピング」「ヤフオク!」といったEC関連事業を管轄するコマースグループ長の川邊健太郎副社長が新社長に

    2018/1/25

※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

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ヤマトフィナンシャル、カート&決済&配送機能を一本化したECプラットフォーム

7 years 10ヶ月 ago

ヤマトホールディングス傘下のヤマトフィナンシャルは1月25日、ショッピングカート機能と決済、配送機能が一体となったカートサービス「らくうるカート」を1月29日に開始すると発表した。

商品管理や受注管理といった機能に加え、クレジットカード決済、コンビニ受け取りサービス、配送用の送り状の発行や、オンライン決済の売上確定・変更を、1つ管理画面で行える。

ショッピングカートと決済、配送を個別に契約する場合、管理画面が別々になり業務が煩雑になることから、こうした課題を解決するために一体型のサービスを作った。

主なターゲットは、ECをこれから始める通販事業者や、開始間もない事業者。

ヤマトフィナンシャルが提供する「らくうるカート」のサービス概要

「らくうるカート」のサービス概要

「らくうるカート」の主な機能

(1)ショッピングカート機能

  • コンテンツ管理(CMS)機能
  • カート機能
  • 会員マイページ機能
  • 受注管理
  • 商品管理
  • 店舗基本情報管理
  • 顧客管理
  • デザイン設定
  • ポイント設定 など

(2)ヤマトグループの各サービスとの連携による機能

  • EC通販における主要決済(クレジットカード決済・コンビニエンス後払い決済)の標準装備
  • 「送り状発行システムB2クラウド」API対応
  • 「受取場所選択サービス」API対応

料金プラン(税別)

料金プランは、基本機能に限定した「ライトプラン」と、すべての機能を実装し商品登録数が無制限の「レギュラープラン」の2種類。

「ライトプラン」

  • 初期導入費用:3000円
  • 基本料:登録料/更新料3600円/年
  • 利用手数料:受注金額の1%

「レギュラープラン」

  • 初期導入費用:5000円
  • 基本料:登録料/更新料3万6000円/年
  • 利用手数料:無料

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

丸井が「マルイウェブチャネル」で「自分の体に合う服だけを選べる」サービスを開始

7 years 10ヶ月 ago

丸井は1月25日、ファッションアイテムなどを販売するECサイト「マルイウェブチャネル」で、自分の体に合った服を選びやすくする新たなサービスを開始した。

商品詳細ページで、肩幅や腹囲、股上などのサイズを過去に購入した商品と比較できるようにした。詳細なサイズによる絞り込み検索機能、ユーザーの体に合った商品レコメンド機能も順次開始する。

「サイズが合わない」「試着しないと分からない」「でも試着すること自体が面倒」といったEC利用に関する負の声に対して、試着前提の考えを転換。「サイズを確認するための試着がいらない世界の実現」をめざすことにしたという。

過去の購入商品とサイズを比較

商品詳細ページに、商品のウエスト、ヒップ、股上、わたり幅、袖幅、股下などのサイズを一覧で表示。過去に購入した商品の数字も表示し、比較できるようにする。イラストでサイズの違いを直感的に把握できる機能も提供する。

「マルイウェブチャネル」でサイズ比較

サイズ比較のイメージ

「マルイウェブ」でイラストでお気に入りの服との比較も可能に

イラストでお気に入りの服との比較も可能

詳細なサイズで商品検索

1月29日に商品検索機能をリニューアルし、ウエストやバスト、肩幅などのサイズで商品を絞り込めるようにする。絞り込み検索の「こだわりサイズ」の項目に、ウエストやバストなどの数字を入力すると、該当する商品を絞り込む。

「マルイウェブ」で絞り込みで詳細検索が可能に

絞り込みで詳細検索

サイズを活用した商品レコメンド

服のサイズをベースに商品をレコメンドする機能を、2月上旬に開始する。「S」「M」「L」といった大まかな分類ではなく、詳細なサイズに基づきレコメンドの精度を向上させるとしている。

服のサイズをベースに商品をレコメンドする機能も「マルイウェブ」に搭載

服のサイズをベースに商品をレコメンドする機能

機能の効果測定を行うため、「表示・非表示」の出し分け(ABテスト)を実施するという。

「マルイウェブチャネル」は2006年開設。靴、レディスファッション、メンズファッション、キッズファッションなどを中心に、1100以上のブランド、約15万点を販売している。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

ヤフー新人事、コマースグループ長の川邊氏が社長へ、小澤氏は常務に就任

7 years 10ヶ月 ago

ヤフーは1月24日、「Yahoo!ショッピング」「ヤフオク!」といったEC関連事業を管轄するコマースグループ長の川邊健太郎副社長を新社長に昇格する人事を発表した。6月の株主総会の決議を経て正式決定する。

川邊氏は2012年7月に副社長へ就任。2017年4月にコマースグループ長に就いた。

ヤフーの新社長に就任予定の川邊健太郎氏

社長就任予定の川邊健太郎氏

「2020年代初頭、楽天やAmazonを超える国内NO.1のECサービスになる」。ヤフーが2017年12月に開いた報道陣を集めた懇親会で、川邊副社長はコマースグループ長の立場を踏まえてヤフーがめざすECサービスの目標をこう語っている。

川邊健太郎副社長が語ったヤフーのECサービスの目標

川邊健太郎副社長が語ったコマースグループのミッション

新人事では、コマースグループ ショッピングカンパニー長の小澤隆生執行役員が4月1日付で常務に昇格する。

今回の人事について、ヤフーは「変化の激しいインターネット業界を勝ち抜くためには、新たな挑戦とそれに伴う経営幹部の若返りこそが重要な要素であり、新執行体制への移行と代表取締役の異動(内定)を決定いたしました」と説明。

「スマートフォンの会社」に加えて「データの会社」になることをめざすとしている。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

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瀧川 正実

化粧品通販で最も推奨したいのは「ハーバー研究所」。NPSの評価要因は「効果・効能」「コスパ」

7 years 10ヶ月 ago

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは1月24日 、顧客ロイヤルティを図る指標である「NPS(ネットプロモータースコア)」の業界ベンチマーク調査の結果を公表、化粧品通販6社の中で最もNPSが高いのは「ハーバー研究所」だった。

NPS上位の企業は、製品の「効果・効能」や、効果・効能に対する価格感である「コストパフォーマンス」の評価が高かったという。

NPSトップはハーバー研究所

NPSトップはハーバー研究所

NPSは商品やサービスなどを「友人や同僚に薦めたいか?」という質問への回答から算出される、顧客ロイヤルティを図る指標。

「ハーバー研究所」のNSPはマイナス6.3ポイント。最下位の企業との差は24.5ポイントだった。6社の平均はマイナス19.4ポイント。

「製品の信頼性・安全性」「無添加・添加物が少ない」など16の要因ごとに、重要度と満足度を質問した。ハーバー研究所は、「製品の信頼性・安全性」「無添加・添加物が少ない」「品質のよさ」「コストパフォーマンス」などの評価が高かったという。 

同調査では、推奨度が高いユーザーほど、対象の通販化粧品の年間購入金額が高い傾向が見られた。「批判者」の年間平均購入額を1とした場合、「中立者」(推奨度として7~8を選択した人)は1.2倍、「推奨者」は2.2倍の購入金額だった。

NPSセグメント別年間の平均購入金額【化粧品】

NPSセグメント別年間の平均購入金額(「批判者」を1とした場合)

調査概要

  • 調査対象者:インターネットリサーチモニターのうち、通販化粧品を利用している女性
  • 調査方法:NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
  • 調査期間:2017年11月2日~11月7日
  • 有効回答者数:2079人
  • 回答者の属性:20代以下 12.2%、30代 15.7%、40代 0.0%、50代 17.3%、60代以上 4.8%

NPSとは?

推奨度が高ければ高い顧客ほどリピート率が高く、クチコミによる新規顧客の獲得にもつながるため、企業はNPSを向上させることで収益を上げることができるとされている。

NPSは次のように計測する。

「友人に(特定商品などを)すすめたいと思いますか?」と顧客に質問し、0~10点で推奨度を計測。次のように分類する。

  • 0~6点を付けた人 → 「批判者」
  • 7~8点を付けた人 → 「中立者」
  • 9~10点を付けた人 → 「推奨者」
ネットショップ業界(EC業界)のNPSに関する調査結果
NPSの計測方法

NPSは、「推奨者」の割合(仮に40%)から「批判者」の割合(仮に25%)を引いた数値(40%-25%=15%)のことを指す。「推奨度」を聞くことで、顧客がどれほど企業・ブランドに対してロイヤルティがあるかを数値化する。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

6~24時までの時間帯配送を実現、ロコンドが再配達ゼロめざす「ファーストクラス便」

7 years 10ヶ月 ago

靴やファッションのECサイト「LOCONDO.jp」を運営するロコンドは1月22日、午前6時から24時まで、1~2時間単位で配達時間帯を指定できる配送サービス「ファーストクラス便」を開始した。

2017年9月に導入した、夜間(21~24時)や早朝(6~9時)に商品を届ける配送サービス「当日・夜間早朝便」をバージョンアップし、名称を「ファーストクラス便」に変更した。

「当日・夜間早朝便」は、14時までの注文は当日の「21~22時」「22~23時」「23~24時」と、翌日の「6~7時」「7~8時」「8~9時」で配達時間を指定することができた。

「当日・夜間早朝便」の利用者の満足度が高く、再配達件数が非常に少なく推移したことから、サービスを拡充し、9~21時も配達時間帯を指定できるようにした。

送料は従来の490円から390円に変更。買い物1回あたりの金額が5400円以上なら390ポイントが還元されるため、実質無料になる。

ロコンドは午前6時から24時まで、1~2時間単位で配達時間帯を指定できる配送サービス「ファーストクラス便」を開始

ロコンドは「ファーストクラス便」で再配達の削減をめざす(画像は編集部がキャプチャ)

「ファーストクラス便」は、ソフトバンクグループの配送ベンチャーMagicalMove社が提供する「Scatch!」を利用している。配送中のトラックの位置情報をアプリなどで見る場合、従来は「Scatch!」の会員登録が必要だったが、「ファーストクラス便」では会員登録不要でマイページから閲覧できる。

ロコンドは「当日夜間・早朝便」の利用状況について、2017年9~11月期(第3四半期)の決算説明会で「時間帯およびサービス提供地域を限定しているため、現時点では(利用率は)1%未満」と説明。「ファーストクラス便」へと変更することで新たなニーズを掘り起こすとしている。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

音声ショッピング時代の到来前に知っておくべきこと[Amazon Alexaの検索対策有] | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

7 years 10ヶ月 ago

音声検索を使った買い物の時代がすぐそこまでやってきています。小売事業者やブランドにとって難しいのは、音声検索による買い物にはどんなコンテンツが役立つのかを見極め、自社ECサイトのコンテンツをカスタマイズしていくことです。

音声検索はここ数年のトレンド

もうすぐ2歳になるアダムは、英語と自己流の幼児語を話します。夜になると、両親が大きな絵と文字が描かれた絵本を読みます。アダムは読み聞かせをしてもらうことで、動物や色などの名前を覚えていきます。そう、彼は毎日、言語への自信を深めているのです。

最近、アダムの家族は、彼がスマートフォンに話しかけていることに気づきました。絵本で見た牛を検索するために、「モー」とスマホに向かって言うのです。鳥が見たいときは「カーカー」と言い、羊を探すときは「メーメー」と言います。誰に教えてもらったわけでもなく、自発的にやり始めたのです。

興味深いのは、アダムがタイピングを覚える前に、音声を使ったテクノロジーを駆使していること。同時に彼は、言葉の使い方も学んでいます。言語とテクノロジーは、彼の頭の中では対になっているのです。アダムの話は、また後ほど言及しましょう。

最近、音声アシスタントが大きな話題になっています。使い方はとてもシンプルで、幼児でも利用できます。将来的に、Google(グーグル)の検索から、声で質問する検索に変わった場合、どのような変化が起きるのでしょうか?

その流れが、買い物の仕方まで変えることになったら? すでにデジタル化の波に乗り遅れている小売事業者やブランドは、この変化に対応するにはどうしたら良いのでしょうか?

音声検索の最適化は、ここ数年のトレンドとなっています。2014年にグーグルが発表した資料によると、10代の55%、成人の41%が毎日1回以上、音声検索を使っています。利用用途は主に、電話する時、行き先を探す時、テキスト入力の代替、宿題に関する質問などに音声検索機能を使っています。

10代の55%、成人の41%が毎日1回以上、音声検索を使ってい(編集部が画像を追加、出典はGoogleの発表資料
音声検索の利用用途について(画像の出典はGoogleの発表資料
  • 10代
    • 電話をするとき……43%
    • 行き先を探すとき……38%
    • 宿題に関する質問……31%
    • 音楽を聴くとき……30%
    • 映画の時間を見つけるとき……20%
    • 時間をチェックするとき……13%
  • 成人
    • 行き先を探すとき……40%
    • テキストの代替……39%
    • 電話をするとき……31%
    • 時間をチェックするとき……11%
    • 音楽を聴くとき……11%
    • 映画の時間を見つけるとき……9%

今までスマホなどに利用されていたこのテクノロジーを、自宅や家電に応用することが、グーグルとAmazon(アマゾン)の最重要課題です。

最近発表されたアマゾンの第3四半期の収支報告書内で、最も登場した単語がAlexa(アレクサ、編注:アマゾンが提供するクラウドベースの音声認識サービス)でした。私たちは、クリスマスシーズンにアレクサ関連のプロモーションを数多く目の当たりにしていますよね。

「Amazon Echo」(アマゾン エコー、編注:クラウドベースの音声認識サービス「Amazon Alexa」に対応したデジタルアシスタント)のデバイスが自宅に届けられ、さまざまな家電とつながる時、家庭内が“音声革命”の主戦場になります。すでに音声アシスタント時代に突入している今、音声認識を活用した買い物が、ビジネスの次の開拓地になるわけです。

音声認識サービス「Amazon Alexa」対応の音声アシスタント「Amazon Echo」
「Amazon Alexa」搭載の「Echo」

音声検索はビジネスシーンを急速に変える?

小売事業者やブランドが取り組まなければいけないのは、消費者が音声テクノロジーを使う際、どのようにして自然に彼らへアプローチできるのかを考え、そのための戦略を立てることです。

Webの検索結果で上位に食い込むためにブランドや小売事業者が実行できる対策は、ユニークなコンテンツを作る、価格を下げる、素敵な画像を用意する、ディスプレイ広告を行うといった施策でした。これらを音声アシスタントでどのように実現できるかは、模索状態が続いています。

位置情報サービス支援のYext社で業界分析部門の副社長を務めるデュアン・フォレスター氏は自著「音声検索が全てを変える」で次のように指摘しています。

「これまでの10年がキーワードの関連性を競う競争だったとしたら、次の10年は文脈の関連性を競う競争になるでしょう。音声認識の台頭は、ビジネスシーンを急速に変えています

そう、文脈が重要なキーワードになるのです。デュアン氏は自著で、「個人が体験している文脈を瞬間ごとに捉え、意味を考えられるかどうかが、音声検索でどれくらい成功できるかどうかのカギになります」と指摘。つまり、スマホに話しかけて検索する時と、文字をタイピングして検索する時は異なる言葉を使うため、文脈にも変化が起きるということなのです。

音声検索をリードする「Amazon Alexa」

音声検索を活用した買い物は始まったばかりです。しかし、アマゾンが市場に投入している投資額を考えると急速に広がると予想できます。小売事業者やブランドにとって難しいのは、どんなコンテンツが音声認識による買い物に役立つのかを見極め、自社コンテンツをカスタマイズしていくことです。

音声を活用した買い物が最も利用されるのは、自宅ですぐに欲しいものが発生した時です。洗濯用洗剤、乾電池、おむつなどがその良い例でしょう。これらの商品では、知名度の高い有名ブランドが有利となります。消費者は、「アレクサ、乾電池をお願い」「アレクサ、洗濯用洗剤を注文して」といった内容で話しかけます。

アレクサでの検索結果に名前を出すために、小売事業者やブランドが実行できる対策があります。しかし、それらの対策について事前に知っておくべきことが2つあります。すべての小売事業者やブランドがそれらの対策を採らなければいけなくなること、そして、それらの対策は長期的に見れば大きな戦略のなかの一部でしかないことです。

アレクサの検索結果に出る方法

Amazon.comで展開されている、Amazon Alexa対応デバイス向けの機能で、特定の基準を満たす製品をAmazonが認定する「Amazon's Choice」
Amazon.comで「Amazon's Choice」を獲得している商品(画像は編集部がキャプチャ)
  • Amazon's Choice badge(アマゾンのチョイスバッジ、編注:一般的な日常的なアイテムを探すときに時間と労力を節約できるようにする機能。Amazon Alexa対応デバイス向けの機能で、特定の基準を満たす製品をAmazonが認定するもの。対象商品はAmazonプライムと考えられるという)を獲得する → アレクサの検索結果に出てくる59%のブランドは、チョイスバッジを保有している
  • プライムに対応にすること。そして、売り上げを伸ばし、良いレビューを集め、評価の高い販売者に商品を売ってもらうこと
  • ベストセラー第1位を獲得すること → アレクサの検索結果では、25%のブランドがベストセラー第1位を獲得している
  • 消費者の購買履歴に残るようにする → アレクサは他の商品をすすめる際、購買履歴のデータを使っている

すでに知られている上記の基本的な項目以外では、アレクサに連携しているすべての商品リストやソーシャルメディアのプロフィール、製品パッケージなどに「(Alexaに)Ask for Us(私たちを尋ねてください)」と追加するのも良いでしょう。どのような効果があるか実際に見てみましょう。

最後に

Gartner社は、2020年までに検索の3分の1は音声で行われるようになると予測しています。

検索の半分は2020年に音声検索へ――米国の専門家が語るEC企業の音声ショッピング戦略
調査会社ComScore社では、「音声検索は2020年までにすべてのインターネット検索の半分を占めるようになる」と予測。図はセグメント別ヴァーチャルデジタルアシスタントのユニーク・アクティブ・ユーザー数 (出典はTracticaの公表資料)
青:一般ユーザー
赤:企業ユーザー
縦軸:百万人

その頃、アダムは5歳になっており、きちんと話しができるようになっているでしょう。クレジットカードやビットコインの決済方法はまだわからないかも知れませんが、正確にモバイルデバイスを使いこなし、幼稚園生らしく変わった楽しい質問を投げかけていることでしょう。

今までとは異なる考え方ができ、テクノロジーを最優先事項に置き、そして開発にリソースを割く覚悟がある小売事業者やブランドであれば、音声検索の時代がやってきても将来は明るいでしょう。

ソーシャルメディアができた時、それにどんな意味があるのかわからなかったのと同じことです。大切なのは、すべての可能性を受け入れていくことです。なぜなら今の段階では、ほとんどすべてが可能だからです。

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

Internet RETAILER

ECの「セール利用率」トップは京都、最も低いのは佐賀【JADMA調査】

7 years 10ヶ月 ago

通販利用者のうち、ネット通販のセールの利用率が最も高いのは京都府民――。

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)が1月15日に公表した「ジャドマ県民通販第調査2017」から、ECのセールの利用に関する地域性の違いが浮かび上がった。

直近1年間に通販を利用者した消費者に、「ネット通販のセールをどの程度利用しますか?」と質問。「通販セール利用率」の1位は京都府で40%。

2位以下は熊本県(39.0%)、茨城県(38.5%)、大阪府(37.0%)、岡山県(36.0%)と続いた。

公益社団法人日本通信販売協会(JADMA)公表の「ジャドマ県民通販第調査2017」

全国平均は31.2%。最も低いのは佐賀県の25.0%だった。

選択肢として「セールでないと通販サイトを利用しない」「セールがあれば必ず商品を買う」「セールを頻繁に利用する」「セールはたまに利用する」「セールはほとんど利用しない」「セールは全く利用しない」を提示し、「セールでないと通販サイトを利用しない」「セールがあれば必ず商品を買う」「セールを頻繁に利用する」を選んだ回答者の割合を合算して「通販セール利用率」を算出した。

ランキングは次の通り。

  • 1位 → 京都府(40.0%)
  • 2位 → 熊本県(39.0%)
  • 3位 → 茨城県(38.5%)
  • 4位 → 大阪府(37.0%)
  • 5位 → 岡山県(36.0%)
  • 6位 → 徳島県(35.5%)
  • 7位 → 千葉県(35.3%)
  • 8位 → 大分県(35.0%)
  • 9位 → 静岡県(34.5%)
  • 9位 → 鹿児島県(34.5%)
  • 11位 → 神奈川県(34.0%)
  • 12位 → 群馬県(33.5%)
  • 13位 → 岩手県(33.0%)
  • 13位 → 秋田県(33.0%)
  • 13位 → 東京都(33.0%)
  • 16位 → 愛知県(32.7%)
  • 17位 → 福島県(32.5%)
  • 18位 → 香川県(32.0%)
  • 19位 → 宮城県(31.5%)
  • 19位 → 石川県(31.5%)
  • 19位 → 沖縄県(31.5%)
  • 22位 → 山形県(31.0%)
  • 23位 → 山梨県(30.5%)
  • 23位 → 岐阜県(30.5%)
  • 23位 → 福岡県(30.5%)
  • 26位 → 埼玉県(30.3%)
  • 27位 → 栃木県(30.0%)
  • 27位 → 富山県(30.0%)
  • 27位 → 三重県(30.0%)
  • 27位 → 奈良県(30.0%)
  • 31位 → 福井県(29.5%)
  • 31位 → 兵庫県(29.5%)
  • 33位 → 滋賀県(29.0%)
  • 33位 → 広島県(29.0%)
  • 35位 → 北海道)28.5%)
  • 35位 → 島根県(28.5%)
  • 37位 → 新潟県(28.0%)
  • 37位 → 長崎県(28.0%)
  • 39位 → 青森県(27.5%)
  • 39位 → 高知県(27.5%)
  • 41位 → 山口県(27.0%)
  • 41位 → 愛媛県(27.0%)
  • 43位 → 長野県(26.5%)
  • 43位 → 和歌山県(26.5%)
  • 43位 → 宮崎県(26.5%)
  • 46位 → 鳥取県(25.5%)
  • 47位 → 佐賀県(25.0%)

ネットオークション・フリマ利用率の1位も京都

また、「これまでにネットオークション・フリマを利用したことがありますか? その頻度はどのくらいですか?」という質問も実施。「週3回以上」「週2回程度」「週1回程度」「月に2~3回程度」「月に1回程度」「2~3か月に1回程度」「半年に1回程度」「1年に1回程度」「それ以下」のなかから1つを選択してもらい、ネットオークション・フリマ利用率を算出した。

その結果、利用率が高い都道府県のベスト3は京都府(53.0%)、岡山県(51.0%)、福島県(50.5%)だった。

県民性データアナリストの久保哲朗氏は、「ネット通販セール利用率」と「ネットオークション・フリマ利用率」が全国1位だった京都について、「大学生の数が全国1位。非正規雇用率が3位と、通販でかしこく買い物をして、家計を上手にやりくりしている模様」などと分析している。

調査概要

  • 調査名:ジャドマ県民通販大調査
  • 実施時期:2017年9月4日から9月8日
  • 調査手法:インターネット調査
  • 調査対象:全国の20代から60代、および直近1年で通販を利用したことがある男女1万人(各県200人ずつ、一部人口が多い都道府県は300人)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

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