ネットショップ担当者フォーラム

「中国版Amazon Go」を仕掛ける“中国のアマゾン”JD.comの無人スーパーの裏側 | 中国ECのテクノロジー・ウォッチ from JD.com(京東商城)

7 years 10ヶ月 ago

“中国のアマゾン”とも呼ばれる中国直販EC最大手のECサイト「JD.com(京東商城)」を運営する京東集団が、「Amazon Go」に代表される無人スーパーの運営に乗り出している。中国では2016年以降、テクノロジーを活用した無人の小売り店舗が出現。フルーツのネット通販を手がけるZhongshan BingoBox technology Co.(中山市賓哥網絡科技)が無人コンビニ「BingoBox」を展開、アリババグループも無人店舗の運営に着手している。

直販ECサイト、マーケットプレイスを運営し、ラストワンマイルも自社グループ内で手がける中国の小売最大手企業の無人スーパーとは? 無人スーパーを置く本社に直撃した。

無人スーパーは30店舗以上を運営

社員1万人以上が勤務するJD.com本社(北京)。1階に置かれている無人スーパーは2017年10月当初、テストという位置付けでスタートした。この無人スーパーは現在、30店舗以上を中国内で展開している。

時間はお昼過ぎ。無人スーパーの入り口に詰めかけたJD.comの中国人スタッフが、続々と入口に設置された専用ゲートにスマートフォン(スマホ)をかざして店内に入り、ペットボトル飲料やお菓子を手にして店を去っていく。

JD.com本社の1階に設置された無人スーパー
JD.com本社の1階に設置された無人スーパー

現金の支払いがないキャッシュレス決済。店内に入ってから出るまで1人あたりの滞在時間は平均1分程度。この無人スーパーの仕組みはどうなっているのだろうか?

JD.com本社内の無人スーパーを使うJDの社員

店内に入るには、「JD.com」アカウントに自身の顔を登録しておく必要がある。入り口のゲートにはQRコードの読み取り機が内蔵されており、「JD.com」アプリからQRコードを表示し、読み取り機にかざすと店内に入ることができる。

中国EC大手JD.comが仕掛ける無人スーパーの仕組み
スマホにQRコードを表示し、入り口の専用ゲートにかざすと入場できる
中国EC大手JD.comが仕掛ける無人スーパーの仕組み
スタッフ向けに無人スーパーの使い方を説明する看板もあった

天井には壁に埋め込まれた埋め込み式カメラ、外付けされたカメラがあり、入場したユーザーの顔を認証。入店時のアカウントと顔を照合、ひもづけているという。また、埋め込み式と外付けカメラを設置している理由は、「さまざまな角度からユーザーの顔、行動を識別するため」(JD.com広報担当の張雲澤氏)と言う。

中国EC大手JD.comが仕掛ける無人スーパーの仕組み
天井には埋め込み式のカメラ(赤枠)と外付けカメラが多数設置されていた

商品棚にはセンサーを搭載し、商品の動きや重さの増減によって在庫を管理。併せて、カメラによって、「誰が」「何の商品を」手に取ったか判別する

中国EC大手JD.comが仕掛ける無人スーパーの仕組み
商品棚に設置されたセンサー(赤枠)が、商品の動きを検知しているという

実は無人スーパーがスタートした当初、RFID(ICタグ)とカメラによる商品管理を並行して試していた。RFIDは商品1つひとつに貼付ける作業が必要となるため、全体的なコストがカメラの運用を上回ったという。

また、「RFIDだと商品が減った(売れた)ということしかわからない。だが、カメラだと数字には出てこない消費行動を把握することができる」(同)。JD.comはカメラで顧客の動きを把握し、商品の選択、顧客の好みを監視し、効率的に在庫を管理するためのヒートマップの生成、データ収集ができるという。

中国EC大手JD.comが仕掛ける無人スーパーの仕組み
ヒートマップによる分析イメージ(画像はJDのサイトから編集部がキャプチャ)

課題もある。顔認識などができないほどの大人数が一挙に来店した際、カメラがすべてのユーザーの顔や行動を認識できなくなる可能性がある。一方のRFIDは、カメラでは認識できない人数が入店しても問題は発生しない。だが、JD.comは実店舗におけるユーザー行動といったデータ収集を重視したため、カメラ認証による運営に切り替えている。

こうしたJDの仕組みは「Amazon Go」に近い。カメラやセンサーによる商品識別、スマホによる入店、キャッシュレス決済は「Amazon Go」でも採用されている。

中国EC大手JD.comが仕掛ける無人スーパーの仕組み
スムーズに店内に入る使い慣れた社員も多かった

JD.comがリアルを攻める理由

JD.comは中国EC市場の直販ビジネスでは1位で、リアル店舗が主力の中国企業を含めてもトップに位置する小売業界の最大手企業。ネット通販をスタートしたのは2004年、わずか12年で年間流通額は15兆円以上、過去12年間の平均成長率は152%という驚異のスピードで成長している。

ネットを主軸に事業規模を拡大させてきたJD.comが今、力を入れているのがオフライン展開。「JD.com」の人気商材をフランチャイズ制で販売する「JD Retail Experience Shops」、スーパー事業にも乗り出している。

流通額15兆円の中国EC大手JD.comが実店舗「JD Retail Experience Shops」を大量出店するワケ
JD.comがFC制で展開する実店舗「JD Retail xperience Shops」

中国ではIT企業が進める小売業界の変革を「第四次小売革命」と呼んでいる。「第一次小売革命」は百貨店の進展、「第二次小売革命」がチェーン店の躍進、「第三次小売革命」はスーパーの登場とされている。この、「第四次小売革命」とは何か? IT企業によるオフラインとオンラインの融合である。

中国のEC流通額トップのアリババグループは2016年、オンラインとオフラインの融合をめざすOtoO戦略「ニューリテール戦略」を宣言。馬 雲(ジャック・マー)会長は、「オンラインビジネスは今後10年から20年でなくなり、オンラインとオフラインの融合のニューリテールが誕生する」と話している。

アリババと共にEC業界をけん引するJD.comは、「オンライン・オフラインの境界すらも越え快適に消費できる世界をめざすボーダーレスリテール」を掲げ、実店舗展開に力を入れている。

JD.comを中核とする京東集団は、関連会社JDファイナンスが金融事業を手がけるなど、ネット通販、クラウドファンディング、企業や個人向けの融資、決済事業など業務内容は幅広い。

京東集団はリアルとネットにおける「商品・情報・資金」の流れを収集、分析、そして把握していくことで、将来的には全方位を網羅したビジネスの展開を視野に入れている。無人スーパーなどの実店舗展開は、それを実現するための1つの施策なのだという。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

楽天の独自配送ネットワーク構想+楽天ビック+ポイント施策の進捗は? | 通販新聞ダイジェスト

7 years 10ヶ月 ago

楽天は1月、「楽天市場」出店者向けに、同社独自の配送ネットワークを構築する考えを明らかにした。「宅配クライシス」を受けたもので、ネット販売に特化した配送ネットワークを、2年以内に構築するとしている。また、同月には西友と共同でネットスーパーを運営することを発表したほか、ビックカメラとの共同事業「楽天ビック」をスタートするなど直販事業にも力を入れる。さらなる拡大を図る楽天市場の成長戦略とは。

独自配送網で「革新的なサービスを出せると思っている」

独自の配送ネットワーク構築は、1月30日に都内で開催された出店者向けイベント「楽天新春カンファレンス2018」で発表された。同社で楽天市場事業を統括する、矢澤俊介執行役員楽天市場事業長は「店舗の困りごとを解決しないといけないというのが、自前で物流を整備する最大の理由だ」と話す。同社では、出店者の物流業務を請け負う「楽天スーパーロジスティクス」を展開している。そこで利用する物流拠点についても、時期は未定だが10カ所まで拡大する予定で、昨今の宅配会社による運賃値上げや荷物の総量規制を受けて、新たな方針を打ち出したことになる。

「宅配クライシス」で、出店店舗はどの程度影響を受けているのか。矢澤執行役員は「出店店舗の責任者に話を聞く機会は多いが、運賃値上げで利益構造そのものが変わってきており、経費増にどう対応するかで頭がいっぱいになっているネット販売企業の社長も多い。また、昨年末には荷物の総量規制があり、出荷できないという事態に陥った店舗もあった。今以上に突っ込んだ施策を行うことで、出店者に貢献しないといけないタイミングだと思っている」と話す。

今年に入ってからも、多くの通販事業者が配送料を値上げしている。これまで、一定の金額以上注文すれば送料を無料にしていた大手通販企業でも、取りやめるケースが相次いだ。楽天市場の出店店舗は中小規模の事業者が多いだけに、経費大幅増の影響は大きいはずで、このままでは楽天市場の拡大基調に水を差すことになりかねない。

楽天が主導する独自の配送ネットワーク作りなどの「ワンデリバリー」構想
楽天の三木谷氏は2018年1月、楽天が主導する独自の配送ネットワーク作りなどの「ワンデリバリー」構想を公表した(画像は編集部が追加)

事業スタートに向けた具体的なスケジュールや投資金額はどうなっているのか。矢澤執行役員は「現段階ではまだ明かせないが、今年後半には説明する機会を設けたい。革新的なサービスを出せると思っている」と自信を見せる。三木谷社長は1月のイベントで、「宅配会社による物流は、これまでCtoCが基本になっていた」と指摘。つまり、個人間、あるいは法人間の宅配を想定していたインフラに、通販のようなBtoCのビジネスモデルを乗せていったために、ひずみが大きくなってしまったというわけだ。

今後は、BtoCに最適化された物流ネットワークを構築していくことになるが、どんなサービスを想定しているのか。「これまでは、店舗が出荷した商品が宅配会社の拠点に来てから、『いつ届けなければいけないか』というデータが登録される。当社であれば、注文があった時点でそれを把握しているので、より効率的に届けることができる。また、AIを使った需要予測の精度がかなり高くなっており、在庫をどの倉庫に配置すれば最適なのかも分かる」(矢澤執行役員)。

例えば「注文時にはいつ在宅しているのか明確でないため、取りあえず翌日を受取日にしていた」というケースもある。「到着直前に予定が変わるのは良くあるので、ユーザーが受け取りたいタイミングで届けるためのサービス設計を進めている」という(同)。

これらのサービスは、同社の物流センターから出荷するのが前提となるわけだ。今後、出店店舗は同社の倉庫に全ての荷物を預けることになるのだろうか。矢澤執行役員は「現在、詳細を詰めているところだ。楽天スーパーロジスティクスのように全在庫を預けるタイプと、出荷する際に出店者の利用する倉庫から当社物流センターに移動するタイプの2種類を考えている」と説明する。

同社では現在、店舗向け決済代行サービス「楽天ペイ(楽天市場決済)」の導入を進めている。全店舗の決済手段を統一することで使いやすさの向上につなげるのが狙いだ。配送方法が統一されれば、ユーザーにとっての利便性はさらに高まることになる。

楽天ビック好調

物流網構築に関しては、近年強化している直販事業の成長にも大きく関わってくる。同社ではこれまで手掛けてきた、書籍、ファッション、日用品に加えて、家電の直販にも乗り出した。4月11日には楽天市場内に、「ビックカメラ楽天市場店」を刷新する形で「楽天ビック」を開設。大型家電の設置や配送面などで利便性を向上させるほか、O2O施策も強化。家電販売のサービスレベルを向上することで、流通総額の拡大を図る狙いだ。

楽天とビックカメラは楽天市場内に「楽天ビック」を開設
楽天とビックカメラは楽天市場内に「楽天ビック」を開設した

矢澤執行役員は、開設から約1カ月が経過した楽天ビックの現状について、「ビックカメラ楽天市場店の前年同期売り上げと比較した場合、比べものにならないほど売れており、家電だけではなく非家電商材も好調だ。なおかつ、楽天ビックの売り上げを除いた、楽天市場全体における家電の売り上げも前年同期と変わっていない」と話す。楽天市場に出店する家電ネット販売企業の担当者も「楽天ビックの影響は特に出ていない」とそれを裏付ける。

今後の成長に向けたカギとなるのは、やはり物流だ。東京23区などで今夏にも注文当日配送を導入。今後はビックと楽天の物流センターを連携させ、ビックの扱う商品のうち、小物については、楽天の保有する神奈川県相模原市の物流センターから配送するようにする。また、楽天市場に出店する他の店舗にビックの配送網を活用してもらうという構想もあり、その際はビックの千葉県内の物流センターから大型商品が配送できるようになる。

矢澤執行役員は「物流というピースが揃えば直販はもっと伸びる。楽天市場というサービスはネット販売の枠を超えてきているので、実店舗への送客もどんどんできるようになるだろう」と話す。

SPUは拡大

さらなる楽天市場の成長に向けて、物流インフラの整備が片方の車輪としたら、もう片方の車輪は「楽天スーパポイントを軸とした楽天経済圏拡大によるユーザーの囲い込み」だ。同社では、グループサービス利用者が楽天市場で買い物をした際に、ポイントを恒常的に増量する施策「スーパーポイントアッププログラム(SPU)」を展開しており、3・4・5月にはポイントアップ対象となるサービスを大幅に追加。SPUを導入した16年は、新規顧客や休眠顧客の復帰が目立っていたが、最近はヘビーユーザーがグループ内の複数サービスを利用するケースが増えており、クロスユースが加速しているという。

ポイントを恒常的に増量する施策「スーパーポイントアッププログラム(SPU)」が事業拡大に寄与
SPUの導入でクロスユースが加速しているという

特に、4月に対象となった楽天トラベルについては、SPU導入後に明確に予約数が上昇。矢澤執行役員は「SPUの対象サービスはもっと増やしていく。当社は『ショッピング・イズ・エンタテインメント』を掲げてきたが、サービス拡大で『ライフ・イズ・エンタテインメント』になってきており、サービス間をつなげるハイウエイがSPUだ」と強調する。

経済圏拡大のさらなる拡大に貢献しそうなのが、携帯キャリアへの参入だ。矢澤執行役員は「本当に楽しみだ」と期待感を口にする。携帯事業は来年10月のサービス開始を予定している。独自物流、携帯キャリアと大きな取り組みを進める楽天。東京五輪の開催される2020年には、その成果が形になりそうだ。

【矢澤俊介執行役員に聞く】「出店者に貢献する機会だ」“宅配クライシス”の根本解決

楽天の矢澤俊介執行役員楽天市場事業長
矢澤俊介執行役員楽天市場事業長

楽天市場の事業戦略について、矢澤俊介執行役員に聞いた。

――楽天市場において新たな取り組みをさまざまな形で進めている。

「楽天市場に対し、消費者が求めているものがどんどん変化している。インターネット、ネット販売が身近になったからだ。当社としてもその都度変化しなければいけない。それは、独自物流もそうだし、全店舗の決済手段を統一する『ワンペイメント』もそうだし、『楽天ペイ』の実店舗決済・アプリ決済・オンライン決済もそうだ。楽天市場という通販サイトで買い物をしてもらうにとどまらず、楽天IDを核に消費者の選択肢を増やす、というのが現在の課題だ。消費者からみた楽天というブランドはどんどん広がっており、それに応えることで出店企業に喜んでもらえるようにしたい」

――独自の配送ネットワーク構築を表明した。

「運賃値上げが店舗の利益構造を変えてしまっており、今以上に突っ込んだ施策を展開することで、出店企業に貢献しなければいけないタイミングだと思っている。当社のサービス設計は、ユーザーからみた際に、使いやすい配送方法を作り上げるというのが前提となる。宅配クライシスに関しては、根本となっている問題を解決しないと、今後の飛躍的な成長は難しいのが実情だ。4万5000店舗を代表する形で、当社が物流を作り上げるしかない」

――具体的に、どの部分に楽天が関わるのか。

基本的には当社がすべてやっていくことになる。ただ、集荷から配送までいくつかのパートがあるわけだが、すべて当社だけでやるわけではなく、パートナーと共同で取り組む部分もある」

ユーザーが受け取りやすい、今までにはないサービスを作り上げる。そのメリットを出店者に説明しながら、徐々に当社物流にスイッチしていただければ」

――荷物の受け取り場所も拡大する。

「街のさまざまなポイントでも受け取れるようにする。店舗の商品を預かっているのであり、顧客との接点も持つわけだから、一番大事なのはクオリティーだ。実店舗での受け取りはすでに始めているが、毎月そのシェアが拡大しており、一部の店舗では売り上げの9割が店頭受け取りだ。商品説明や使用方法を店頭で聞きたいというニーズは根強い。出店者にとっても、新たな顧客との接点になる」

――その他には。

「大手メーカーやなどとコラボレーションしたさまざまな取り組みを進めている。楽天市場をメディアとしてブランド訴求し、楽天市場限定の商品を販売するといったもので、飲料や日用品などで成果が出ている。また、当社が仲介して出店企業をメーカーに紹介し、新たなビジネスがスタートするケースも増えている。昨年、電通とマーケティング事業を行う合弁会社を設立したが、それにより当社が声をかけやすい大手企業も増えた」

――若年層取り込みに向けた施策は。

「1つはCtoCサービスの強化。フリマアプリ「ラクマ」のユーザーを楽天市場に誘導する。もう1つはファッションだ。若年層に人気があるブランドや出店者をしっかりサポートしていく」

通販新聞

Amazon、楽天は物流問題にどう対処した? 宅配クライシス前後の配送会社利用率調査

7 years 10ヶ月 ago

宅配大手による送料値上げに端を発した「宅配クライシス」を受け、EC各社は宅配会社との契約の見直しを進めている。

宅配荷物の追跡や再配達依頼を行う無料アプリ「ウケトル」を展開するウケトルが実施した調査によると、Amazonと楽天が委託している宅配会社の利用比率は約1年で大きく変化した。

2017年4月と2018年4月における宅配会社の利用比率を比較すると、Amazonは中小規模の配送業者(デリバリープロバイダ)が5.03%から20.28%へと大幅に拡大している。

一方、ヤマト運輸の比率は71.37%から49.25%に低下。日本郵便は20.67%から26.66%、佐川急便は2.93%から3.81%にそれぞれ上昇した。

アマゾンの宅配会社利用率の変化

Amazonの宅配会社利用比率(画像はウケトルのサイトから編集部がキャプチャ)

楽天はヤマト運輸の比率が46.51%から24.02%へと、ほぼ半減した。日本郵便は21.31%から36.42%、佐川急便は33.18から39.56%に拡大している。

楽天の宅配会社利用率の変化

楽天の宅配会社利用比率(画像はウケトルのサイトから編集部がキャプチャ)

ウケトルは調査結果について、次のようにまとめている。

  • 宅配クライシスの前後で、アマゾンはヤマト運輸の利用を減らした一方、デリバリープロバイダの利用を大きく増やした
  • アマゾンは、日本郵便の利用を大きく増やしたと思われていたが、それほど大きく増えていない
  • 楽天のテナント含む宅配会社の利用においても、ヤマト運輸の利用が大きく減った一方、日本郵便の利用が大きく増えた
  • 今回のヤマトショックへの対応は、アマゾンはデリバリープロバイダ、楽天は日本郵便を使うことで切り抜けたと見ることができる

アマゾンと楽天の宅配会社利用率の変化

Amazonと楽天の宅配会社利用率の変化(画像はウケトルのサイトから編集部がキャプチャ)

EC・通販各社が送料値上げ

通販・EC業界では宅配大手各社による値上げを受け、送料の見直しや送料無料の廃止などが相次いでいる。2018年3月以降、セブンネットショッピング、ディノス・セシール、ファンケル、ベルーナ、ニッセン、オルビスといった大手が、送料無料の廃止や送料の実質値上げなどに踏み切っている。

楽天は不在再配達比率の低減に向け、商品受け取りロッカー「楽天BOX」を設置を推進しているほか、コンビニエンスストアでの店頭受け取り、日本郵便の宅配ロッカー「はこぽす」の利用などを進めている。

「ウケトル」は、「Amazon.co.jp」や「楽天市場」など大手ECサイトのアカウントを登録しておくと、荷物の配送状況の確認、再配達の依頼を行うことができるアプリ。配送状況の通知が随時届くほか、履歴管理やワンクリック再購入といった機能も利用できる。

2018年5月30日には、Amazonが契約しているデリバリープロバイダの荷物を追跡できるようになった。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

無印良品が中国ECを強化、直販EC最大手JD.comとオンライン・オフラインでタッグ

7 years 10ヶ月 ago

「無印良品」を展開する良品計画は6月1日、現地子会社の無印良品(上海)を通じて中国の大手ECサイト「京東商城(JD.com)」に出店し、「無印良品旗艦店」を開設した。中国で展開しているすべての商品を販売する。

中国ECで市場シェア2位、直販流通額で1位の「JD.com」に出店することで、中国におけるEC事業の拡大を図る。

JD.comがめざす新しい小売概念「ボーダーレスリテール」において、オンラインとオフラインで協業する。

「ボーダーレスリテール」とは、「オンライン・オフラインの境界すらも越え快適に消費できる世界」という考え方にもとづき、ECと実店舗、物流機能などを融合させ、消費者がいつでも、どこでも快適に消費できる環境をめざしている。

JD.comは「無印良品」に対しECにおけるさまざまなリソースを提供し、顧客基点のマーケティングを相互で行えるようにするという。

良品計画は中国の大手ECサイト「京東商城(JD.com)」に出店

JD.com内に開設した「無印良品旗艦店」(画像は編集部がキャプチャ)

無印良品(上海)の山本直幸董事総経理は次のようにコメントしている。

無印良品と京東グループの連携は2017年9月から物流分野から開始いたしました。このたび無印良品は京東グループの「京東商城(ジンドンしょうじょう、JD.com)」にて、京東商城無印良品旗艦店を開店いたします。無印良品は京東グループと商いを通して消費者の暮らしに役に立て、又、社会に貢献できる会社をさらに目指してまいります。

「無印良品」の中国事業は現地子会社の無印良品(上海)が手がけている。これまで中国では自社ECサイトやアリババグループが運営する「Tmall(天猫)」などでEC事業を展開してきた。2015年には自社アプリ「MUJI passport」の中国語版もリリースしている。

中国国内の実店舗は229店舗(2018年2月時点)。飲食事業やホテル事業なども展開しており、2018年2月期における中国事業の営業収益は円換算で約671億円だった。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

閉店したECサイトでカード情報1003件が漏えいした可能性

7 years 11ヶ月 ago

工具の販売などを手がけていたナカミツ(現在は廃業)は5月21日、工具のECサイト「ワールドインポートツールズ」から顧客のクレジットカード情報が漏えいした可能性があると発表した。情報流出の件数は最大1003件。

情報漏えいの対象は、2017年4月20日7月26日までに「ワールドインポートツールズ」でクレジットカード決済を利用した顧客。

2017年7月26日にカード会社から情報流出の懸念があると連絡を受け、同日クレジットカード決済を停止した。

外部の専門調査会社「Payment Card Forensics株式会社」(PCF)に不正アクセスの調査を依頼。9月12日にPCF社から受領した調査結果では不正アクセスの直接的な証跡は発見されなかったが、クレジットカード情報が抜き取られた可能性は否定できないことが判明したという。

「ワールドインポートツールズ」は2017年12月28日に閉店した。同社のブログによると、東京・板橋の実店舗も2018年1月31日に営業を終了したとしている。

ナカミツは廃業しているため、代表清算人の田中裕光氏が情報漏えいについて公表した。

閉店した「ワールドインポートツールズ」で漏えいの可能性を公表(画像は編集部がキャプチャ)

「ワールドインポートツールズ」が利用していた決済代行会社のSMBCファイナンスサービスに、顧客からの問い合わせ窓口を設置した。

EC業界におけるセキュリティ対策について

経済産業省主導の「クレジット取引セキュリティ対策協議会」(事務局は日本クレジット協会)は、2017年3月8日に公表した「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画-2017-」において、EC事業者に対して2018年3月までにカード情報の非保持化、もしくは「PCI DSS準拠」を求めていく方針を掲げた。

カード情報の漏えいの頻度が高い非対面(EC)加盟店については原則として非保持化(保持する場合はPCI DSS準拠)を推進。EC加盟店におけるカード情報の非保持化を推進するため、PCI DSS準拠済みのPSP(決済代行会社)が提供するカード情報の非通過型(「リダイレクト(リンク)型」または「JavaScriptを使用した非通過型」)の決済システムの導入を促進するとしている。

2018年6月1日に施行された「割賦販売法の一部を改正する法律(改正割賦販売法)」では、クレジットカードを取り扱うEC事業者などに対して、「クレジットカード情報の適切な管理」と「不正使用防止対策の実施」が義務付けられている。

また、独立行政法人情報処理推進機構では不正アクセス対策についての資料をまとめており、「安全なウェブサイトの作り方」などを閲覧することができる。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

楽天市場でイエニスタ祭り/訴求に「必要性」を盛り込んでみよう【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

7 years 11ヶ月 ago

ヴィッセル神戸に移籍した元FCバルセロナのイニエスタ選手。楽天ではイニエスタ選手に関するセールが開催され、そのニュース記事が注目を集めました。ネッ担にも波及したイエニスタ効果。すごいですね……。

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    楽天は、スペインの名門クラブ「FCバルセロナ」から、アンドレス イニエスタ選手が完全移籍で「ヴィッセル神戸」に加入することを発表した

    2018/5/25
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  3. “ECのプロ”が選んだ5つの優れたECサイトがやっている施策まとめ

    JECCICA ECデザイン大賞2018 最終プレゼン大会レポート

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    グーグル利用客は「何が欲しいのかを調べるために利用」。アマゾン利用客は「購入する商品を決めていて、レビューや商品の質を確かめるためにアマゾンを利用する」

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    2018/5/28
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    EUにおける個人情報保護のルールを定めた「GDPR」は2018年5月25日から適用が開始される

    2018/5/25
  8. Instagramの投稿写真をSNS広告に使用したら新規顧客数が7倍、CPAが1/3になった事例

    UGCを活用した広告クリエイティブは、SNSのタイムラインに馴染み、新たなユーザー層への訴求に成功した

    2018/5/29
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    メジャーブランドがこぞって出店する「オフィシャルプレミアムショップ」。その理由は?

    2018/5/30
  10. 創業10年で売上210億円のドゥクラッセグループに学ぶ通販企業の店舗事業を伸ばすコツ

    「価値のある商品を最適なチャネルで提供することが大事」(ドゥクラッセの岡田峰昌COO)

    2018/5/28

    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    uchiya-m

    売上100億円めざしアンカー・ジャパンがブランド横断型の自社ECサイトを開設

    7 years 11ヶ月 ago

    モバイルバッテリーやスマホ・PC周辺機器などを販売するアンカー・ジャパンは5月31日、アンカーグループが展開する全ブランドの商品を横断的に購入できるECサイト「Anker公式オンラインストア」を開設した。

    「Anker」や「Eufy」といったブランド別に運用していたウェブサイトを集約。グループ初となるポイント制度を備えた会員プログラムも導入した。

    会員プログラムは年間購入金額に応じて「GOLD」「SILVER」「BRONZE」の3段階。ステージに合わせてポイント還元率が上がるほか、「SILVER」以上は特別セールへの参加や限定商品の購入などが可能になる。貯まったポイントは1ポイント=1円としてECサイトでの買い物に使える。

    ECの支払い方法はクレジットカードや「atone翌月後払い(コンビニ)」、「Amazon Pay」を採用した。

    アンカー・ジャパンはアンカーグループが展開する全ブランドの商品を横断的に購入できるECサイト「Anker公式オンラインストア」を開設

    全ブランドの商品を横断的に購入できる(画像は編集部がキャプチャ)

    アンカー・ジャパンは2018年4月、新事業戦略を発表し、2018年に売上高100億円の目標を掲げた。

    スピーカーやイヤホンなどオーディオ製品を強化するため、ブランドの統廃合を実施。オフラインチャネルでは、家電量販店などの「Ankerコーナー」の常設展示と販売を拡大するとともに、新たなブランド体験の場となる「ブランドストア」の出店を計画している。

    アンカー・ジャパンの求人情報を掲載している大手求人サイトの掲載情報などによると、アンカー・ジャパンの年間売上高は2013年の創業以来、10億円、20億円、30億円、70億円と増加している。 

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    Google、Appleなどの決済サービスと連携する「Shopifyペイメント」とは

    7 years 11ヶ月 ago

    Shopify Inc.の日本法人であるShopify Japan株式会社は、オンライン決済サービス「Shopifyペイメント」の提供を始めた。対象はECプラットフォーム「Shopify」を利用している企業。

    GoogleとAppleのID決済サービス「Google Pay」「Apple Pay」とも連携可能。「Shopify」を導入しているECサイトは個別申請や追加開発などをせずに、手軽に「Google Pay」「Apple Pay」「Shopify Pay」といったID決済に対応できるようになる。

    ECプラットフォーム「Shopify」の共通ID決済サービスで、消費者は「Shopify」導入の60万サイト以上で簡単に決済できるようになる「Shopify Pay」とも連携している。

    Shopify Japan株式会社は、オンライン決済サービス「Shopifyペイメント」の提供をスタート

    「Shopifyペイメント」のLPをこのほど開設した(画像は編集部がキャプチャ)

    クレジットカードは「Visa」「マスターカード」「アメリカン・エキスプレス」に対応。国内カードでのオンライン取引は、契約プランによって決済手数料を設定した。Basicプランが3.4%、Shopifyプランは3.3%、Advancedプランは3.25%、Plusプランは3.15%。

    海外カードでのオンライン取引は、Basicプランが3.9%、Shopifyプランは3.85%、Advancedプランは3.8%、Plusプランは3.75%。

    「Shopifyペイメント」経由の売上金の入金は、決済後から5営業日後に支払いを受けることができる。

    「Shopify」は、「Amazon Pay」「PayPal」「コンビニ払い」といった外部の決済サービスとも既に連携している。この決済サービスとの連携には別途、サービス提供元の登録などが必要。「Shopify」でECサイトを運営しているは、「Shopifyペイメント」を導入することで決済の多様化に対応できるようになる。

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

    瀧川 正実

    Amazonの荷物を100%追跡、デリバリープロバイダにも対応した「ウケトル」

    7 years 11ヶ月 ago

    宅配荷物の追跡や再配達依頼を行う無料アプリ「ウケトル」を展開するウケトルは5月30日、「Amazon.co.jp」で買い物した荷物を100%追跡できるようになったと発表した。

    これまで荷物の追跡が難しかった大手配送業者以外の配送業者(デリバリープロバイダ)の荷物も追跡できるようになった。

    デリバリープロバイダとは、アマゾンジャパンが提携する中小規模の配送業者。

    ウケトルの調査によると、「Amazon.co.jp」における購入全体の20.28%をデリバリープロバイダが担っているという。

    Amazonが契約している宅配会社の比率を2017年4月と2018年4月で比較したところ、デリバリープロバイダの利用率が5.03%から20.28%に増加していた。

    ウケトルは、デリバリープロバイダが扱う荷物を追跡できるようになったことで、さらなる再配達削減への貢献が期待できるとしている。

    「ウケトル」とは?

    「Amazon.co.jp」や「楽天市場」など大手ECサイトのアカウントを登録しておくと、荷物の配送状況の確認、再配達の依頼をアプリ上で行うことができる。配送状況の通知が随時届くほか、履歴管理やワンクリック再購入といった機能も利用できる。

    ウケトルが対応している配送会社「ウケトル」が対応している配送会社

    6月1日から化粧品通販のオルビスが「ORBISアプリ」と「ウケトル」を連携するなど、通販会社の利用も広がっている。

    「ウケトル」のダウンロード数は、2016年4月のリリースから約11か月で10万DLを超えた(ウケトルによる公表数値)。

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    アマゾンとグーグルの利用者は何が違う? Amazon販売でEC企業が知っておくべきこと | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

    7 years 11ヶ月 ago

    Amazon(アマゾン)での販売は、Google(グーグル)の広告を使ったアプローチとは異なります。それぞれのプラットフォームで、消費者の行動スタイルが違うのです。また、販売事業者が利用できる機能も異なり、販売事業者が気をつけるべき特徴も同じではありません。

    アマゾンで売れるようにするために、機能や仕様などさまざまな項目を変更しなければいけないことを考えると、その量に圧倒されることもあるでしょう。しかし、一度変更してしまえば、アマゾンの膨大な数の顧客や、アマゾンにロイヤルティの高い顧客にアプローチできるため、多くの見返りが期待できます。

    アマゾンとグーグルを比較すると、消費者の行動スタイルだけではなく、エコシステム、物流、利用可能な機能など、明確に違うものもあれば、あまり違いがわからない部分もあります。

    アマゾンの顧客は、グーグルの利用客となにが違うのか?

    グーグルとアマゾンの顧客は多くのケースで重複しますが、アマゾンの顧客にのみ当てはまる特徴があります。

    非常に高いアマゾン顧客のロイヤルティ

    アマゾンは「Amazonプライム」の導入によって、消費者のオンラインでの買い物方法をガラリと変えました。通常の5~7日以内配送で満足していた消費者が、今では2日以内の配送を期待するようになりました(しかも無料で!)。

    消費者を満足させるためのハードルが高くなった一方、1億人以上の会員を抱える「Amazonプライム」は、ロイヤルティの高い顧客を数多く囲い込でいます

    ロイヤルティの高い顧客は、年間199ドル(編注:米国)のプライム会費に加え、年間平均1300ドルもの買い物をアマゾンで行っています。リサーチ会社Customer Intelligence Research Partners社のデータによると、非プライム会員でも年間700ドルの買い物をしているそうです。

    「Amazonプライム」に加えて、低価格で膨大な商品アイテムを提供し、カスタマーサービスも定評の高いアマゾンを、消費者は何度も利用します。顧客中心主義のサービスを提供しているアマゾンは、米国におけるeコマースの売り上げの44%(編注:以下のインターネットリテイラー社の表は43%)を占めているのです(編注:Amazonの直販、マーケットプレイス経由の流通額の割合、インターネットリテイラー社の調査データ)。

    全米EC市場のうち、アマゾンが運営するECサイト経由で商品が流通した取扱高の割合
    全米EC市場のうち、アマゾンが運営するECサイト経由で商品が流通した取扱高の割合(オレンジが2016年のアマゾンのシェア割合)
    出典:インターネットリテイラー、ChannelAdvisor、Slice Intelligence、アメリカ商務省

    アマゾンユーザーはすでに買う準備ができている

    消費者はアマゾンでもグーグルでも商品を調べますが、アマゾンとグーグルでは、異なる動きをします。

    グーグルなどの検索エンジンは、どんな商品が欲しいのかわからず、まずは何が欲しいのかを調べるために利用されます。一方、アマゾンを利用するユーザーはすでに購入する商品を決めていて、購入前にレビューや商品の質を確かめるためにアマゾンを利用しています。消費者は、商品を見つけ、購入するためにアマゾンをチェックするのです。

    調査会社Survata社の2017年の調査では、特定商品における検索の49%はアマゾンが起点となっており、グーグルなどの検索エンジンを利用するのは36%にとどまっています。

    特定商品における検索の49%はアマゾンが起点となり、グーブルなどの検索エンジンを利用するのは36%
    商品情報を探すときにどこから検索するのか?
    水色:アマゾン 青:Googleなどの検索エンジン :オレンジ:ECサイト
    出典:Survata社のブログ

    また、アマゾンで商品検索を始めた消費者の92%は購入に至るという驚異的な数字もあります。アマゾンの顧客はマーケティングファネルの下の方に位置しており、購入する準備ができているということです。

    販売事業者がアマゾンで気をつけるべきこと

    小売事業者は、ロイヤルティが高く、マーケティングファネルの下部に存在するアマゾンの顧客に商品を売るかどうかを選択できます。全米で最も大きなECサイトで販売するメリットは非常に大きいでしょう。しかし、アマゾンでの販売を決める前に、押さえるべきいくつかのポイントを確認しましょう。

    アマゾンは、物流への投資を求めてきます

    ほとんどの小売事業者は、既存のフルフィルメントと連携したECサイトを持っています。グーグルは自社サイトに消費者を送客するので、グーグルを利用しても新しい物流システムは必要ありませんよね。

    Googleショッピング掲載用の商品情報を作成する必要はあるかもしれませんが、商品のフルフィルメントや在庫管理は、既存のシステム内で完結できます。

    しかし、アマゾンで販売するには、新たなフルフィルメントプロセスを作るか、既存のシステムを変更しなければなりません。アマゾンに商品を卸販売するケースでは、「フルフィルメント by アマゾン」(FBA)を利用する場合、決められた箱を使って納品する必要があります。FBAを使わない場合でも、既存の倉庫を使ってアマゾンの注文に対応するためには、受注システムを新たに作らなければならないのです。

    アマゾンが顧客データとカスタマーエクスペリエンスを管理します

    グーグルは、小売事業者のECサイトに消費者を送客して、事業者のECサイトで購入させるため、顧客データは小売事業者が全面的に管理できます。

    アマゾンでは、アマゾンのシステム内で購入が完了するため、販売事業者は顧客データにアクセスすることができません。顧客データをマーケティング戦略に活用できないため、ブランドへのロイヤルティを構築することが困難となります

    グーグル検索では、オーディエンスデータを使うことができますが、アマゾンはオーディエンスのターゲティングを許可していません。「アマゾンメディア」(編注:アマゾの広告ソリューションで、スポンサー契約、ディスプレイ広告などがある)でも限られた機能しかありません。消費者がアマゾンで買い物をしたら、彼らはまず「アマゾンの顧客」になるのです。

    アマゾンでは大胆な価格戦略が求められます

    グーグルを利用する小売事業者の目的の1つは、消費者を自社ECサイトに誘導し、商品を購入してもらうこと。一定のカスタマーエクスペリエンスを提供するため、特別なプロモーション期間ではない限り、1日に何度も価格を変えるようなことはしません。

    しかし、アマゾンにおける価格変更は様相が異なります。アマゾンは、多くの販売事業者が求めている「Buy Box」(編注:「Buy Box」は、日本では「ショッピングカードボックス」と呼ばれている。出品商品がAmazon.co.jp上で有利な位置に表示されることを意味し、「ショッピングカートボックスの獲得」と表現されています。詳細はこちら)の称号を手に入れる条件の1つに、競争力の高い価格提供をあげています。結果的に、手動もしくはツールを使って、1日に何度も価格を変更する販売事業者が出てきているのです。

    頻繁に価格を変更すると、アマゾンがインターネット上での最安値になる可能性が高く、消費者には歓迎されます。しかし、競争力の高い価格をアマゾンで保つために、販売事業者への負荷が増えていくのも事実です。

    アマゾンは、顧客への質の高いサービスを要求します

    販売事業者は、カスタマーサービスにおいて一定の基準を満たすように求められます。問い合わせへの返答に要する時間、欠陥品の割合、販売キャンセルの割合、配送遅延率など、アマゾンが提示する基準値を下回ってはいけません。

    条件を満たせない場合は、今後一切アマゾンでの販売ができなくなる危険があります。販売中止になった場合、再度アマゾンで販売できるようになるには、数週間、数か月かかることがあります。

    販売中止の危険を回避するためにも、アマゾンでの販売を始める前に、カスタマーサービス、在庫管理、発送に関して準備を整えておくことが重要です。

    ◇◇◇

    最初は大変ですが、アマゾン独自のエコシステムをうまく活用することができるようになれば、長期にわたって恩恵を得ることができるでしょう。アマゾンが引き続きEC業界を牛耳ることは間違いありません。アマゾン内での存在感を増しておけば、この先何年も利益をもたらしてくれるはずです。

    Internet RETAILER

    世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

    Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

    Internet RETAILER

    「とらのあな通信販売」が12年ぶりECサイトを刷新、7つのリニューアルポイント

    7 years 11ヶ月 ago

    同人誌やマンガ、アニメグッズなどを販売する虎の穴は、自社ECサイト「とらのあな通信販売」を6月にリニューアルする。自社ECサイトをリニューアルオープンするのは約12年ぶり。

    従来よりも見やすく、買い物しやすいサイトデザインに変更するほか、スマホやタブレット端末に対応。主に7つのポイントを軸にリニューアルを行う。

    虎の穴はECサイト「とらのあな通信販売」をリニューアル

    PC向けページのリニューアルイメージ

    虎の穴はECサイト「とらのあな通信販売」を刷新、サイト内検索も刷新した

    サイト内検索を機能強化した(画像はHPから編集部がキャプチャ)
    • 「スマホ&タブレット対応」:従来は一部ページのみの対応だった。サイト表示をスマートフォンやタブレット端末に最適化する。
      虎の穴はECサイト「とらのあな通信販売」を刷新、スマホ・タブレットに対応
      スマホ向けの表示イメージ
    • 「特典在庫の全表示」:「とらのあな通信販売」の特徴は独自特典。これまで「先着」表記だったため、注文しても特典が付くかどうか消費者は不安があったという。特典も在庫表示するようにし、注文時点で特典が付くかどうか把握できるようにする。
    • 「ブランド区分&女性向けブランドがリネーム」:「成年向け」や「全年齢向け」など対象年齢ごとに商品を分類する。女性向けブランドの名称は「とらのあな女子部」に変更する。
    • 「メールアドレスでログイン可能」:会員IDとメールアドレスを連携させるとメールアドレスでログインできるようにする。

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    「Amazon Pay」利用者の5割強が「すきま時間・空き時間」にネット通販【アマゾン調査】

    7 years 11ヶ月 ago

    Amazonが提供するオンライン決済サービス「Amazon Pay」が2015年5月に日本市場でリリースされてから、3年が経過した。EC企業、予約サイトなど数千の自社ECサイトが導入し、利便性向上、コンバージョンアップ、新規顧客の獲得などに役立てている。

    Amazonは「Amazon Pay」リリースから3周年を迎えたことを受け、消費者向けアンケートを初めて実施。その調査結果を公表した。

    「Amazon Pay」の特徴は、総合オンラインストア「Amazon.co.jp」のアカウントでログインすることができ、そのアカウントに登録している配送先住所やクレジットカード情報などを利用することで入力の手間を減らし、手軽に購入が完了できること。

    「Amazon Pay」を導入したECサイトでは、「Amazon.co.jp」のアカウントを使って最短2ステップで商品を購入できるようになるため、カート離脱率の改善、コンバージョン率の向上、新規会員登録の促進につなげることができると期待されている。

    ネット通販を利用するシーンは?

    「Amazon Pay」利用者は、「すきま時間・空き時間」を利用したECの割合が53.0%で、未経験者(42.5%)よりも多い。Amazonによると、「『Amazon Pay』のお客さまは、『Amazon Pay』を利用されたことがない方に比べ、タブレットやスマートフォンで、短時間のうちに効率よくお買い物を楽しまれる傾向にあることがうかがえる」とした。

    アマゾンジャパンによる「Amazon Pay」の消費者調査
    ECを利用するシーン(スマホ + タブレット)

    ネット通販で利用する決済方法は?

    利用継続意向では、「Amazon Pay」利用ユーザーのうち、64.7%は「今後も決済手段として『Amazon Pay』を利用したい」と回答。

    2番目に多かったのがクレジットカードで6割弱。「Amazon Pay」利用ユーザーは、クレジットカードよりも「Amazon Pay」を利用する傾向がうかがえる。

    アマゾンジャパンによる「Amazon Pay」の消費者調査
    今後(も)利用したい決済手段

    ネット通販で「Amazon Pay」を選ぶ理由

    決済手段として「Amazon Pay」を選択する理由のトップは「初めてのECサイトでお買い物する時、新たな情報を入力しなくても良いから」で47.3%。

    「ID・パスワードを覚えているから」(35.7%)という理由が2位、AmazonのIDやパスワードを活用することで、簡単にログイン・決済できる利便性の高さが支持を集めている。

    アマゾンジャパンによる「Amazon Pay」の消費者調査
    「Amazon Pay」を選ぶ理由

    ネット通販をする際のデバイスは?

    ECショッピングにおける「タブレット」の利用率は、「Amazon Pay」の決済経験者は29.7%。未経験者(12.4%)に比べて高いのが特徴的。

    「スマートフォン」の利用率についても同様で、「Amazon Pay」の決済経験者は67.5%で、未経験者(49.6%)を大きく上回っている。

    アマゾンジャパンによる「Amazon Pay」の消費者調査
    ECを利用するデバイス

    Amazonでは「Amazon Pay 3周年記念キャンペーン」として、EC事業者が「Amazon Pay」を体験できるデモショッピングサイトを開設した。体験者には、先着333人に500円分のAmazonギフト券をプレゼントする。期間は5月30日(水)から6月28日(木)まで。

    Amazon Payオンライン調査の概要

    • 調査期間:2018年4月25日~27日
    • 調査方法:インターネット調査
    • 調査対象者:ECサイトでの買い物経験のある20歳~69歳までの男女1800人
    • 調査エリア:全国
    • 調査会社:株式会社クロス・マーケティング

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

    瀧川 正実

    ロコンドがリアルイベント事業に参入、チケットを「LOCONDO.jp」で販売

    7 years 11ヶ月 ago

    ロコンドがリアルイベント事業に参入する。

    音楽とアートのカルチャーフェスティバル「Local Green Festival(ローカルグリーンフェスティバル) presented by LOCONDO.jp」を9月1日と2日に横浜・赤レンガ地区野外特設会場で開催。靴とファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」でチケット1万枚を販売し、既存ユーザーとは異なる客層の取り込みを狙う。

    ロコンドがリアルイベントを開催するのは初めて。 3年以内に当該イベント単体での黒字運営をめざす。

    同イベントは毎年5月末に開催され、延べ11万人を動員するという。今年は運営会社のGREENROOMとロコンドがコラボレーションする。

    チケットの販売価格は1日券が6000円、2日間で1万円。

    イベントのテーマは「MUSIC(音楽)」「GREEN(植物)」「ORGANIC(食)」。ミュージックライブやグリーンマーケット、オーガニックフードマーケット、環境ブースなどの出展を予定している。

    ロコンドは2019年2月期を初年度とする3か年計画で、2021年2月期に取扱高300億円、営業利益30億円とする目標を掲げた。「LOCONDO.jp」をてこ入れするほか、モール事業やプラットフォーム事業も強化する。2018年2月期の取扱高は95億円だった。

    2019年2月期は広告投資を積極的に行うため、営業利益は10億円の赤字を見込む。

    ロコンドの取扱高推移

    取扱高の推移と計画

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    Amazonファッションの責任者が語る「アマゾン ファッション」の今とこれから

    7 years 11ヶ月 ago

    2014年に誕生し、成長を続けている「Amazon Fashion(アマゾン ファッション)」。「日本のファッション業界全体をサポートすることが必要だと感じた」「ユーザーの行動を見ながら求めているものを見つけ、イノベーションを起こしたい」──。アマゾンファッションを率いるアマゾンジャパンのジェームス・ピータース氏が、アマゾンファッションの今までとこれからを語った。

    本記事は「ADVERTISING WEEK ASIA」で5月16日に行われたジェームス・ピータース氏の講演をまとめたものです。

    アマゾンファッション バイスプレジデント ジェームズ・ピータース氏。
    1992年から日本在住。2015年にアマゾンに参画

    アマゾンのビジネスモデルとは

    アマゾンは現在、世界で3億人以上のアクティブカスタマー(過去1年間にAmazonで買い物をした顧客)がおり、Prime会員も1億人以上。企業理念は95年に創業してから変わらず顧客中心であること。「アマゾンがユニークなのは、お客さまにとにかく力を入れていること。常にお客さまの立場で考えること、常に求められるものを見つけ出して提供するということ」(ピータース氏)。

    世界3億以上のアクティブカスタマーアカウント
1億人以上のPrime会員
売上高は約1780億ドル(2017年)
    世界におよそ3億人のアクティブカスタマーと1億人のPrime会員を抱え、2017年の売上高は約178億ドル(約1.96兆円)

    「アマゾンはなぜそんなに巨大化したんだ?」「そんなにことを急ぐ必要があるのか?」と言われます。アマゾンが大きくなればなるほど全体的なコストは下がります。そして、お客さまにより良い価格で商品をお届けすることができます。すると、さらにお客さまの体験もより良くなりトラフィックが増えます。これがアマゾンのビジネスモデルのサイクルなのです。(ピータース氏)

    アマゾンのビジネスモデル
圧倒的な投資
お客さまが安心して買い物できる価格
    Amazon.com の共同創設者ジェフ・ベソスがペーパーナプキンに書いた「正のサイクル」。セレクション(品揃え)から始まり、顧客に「欲しいものが手に入る」という経験を提供する。顧客満足度が上がれば来店数も増える。
    Amazonジャパンの全体の売上推移
    アマゾンジャパン全体としての3年間の年間平均成長率は20%
    ユーザーの31%がまずアマゾンに来て商品に関する情報を検索する
ユーザーの93%がレビューを読んでいる
    「31%がまずアマゾンで商品に関する情報を検索しており、93%のお客さまがレビューを読んでいます。レビューは購入決定に非常に大きな影響をもたらします」(ピータース氏)

    「アマゾンファッション」の誕生

    アマゾンがファッションに注力し始めたのは2007年。きっかけは検索ランキングの変動だった。

    2007年、日本のお客さまがファッション商材の検索をアマゾンで始めました。ランキングが毎日上がっていきます。それを見て「じゃあやろう」ということになり、ファッションに進出しました。お客さまのニーズを充足しなければならないと考えたのです。(ピータース氏)

    2007年にお客様がファッション商材の検索を始めました
    Amazon Fashionのタイムライン
    2007年にアパレル、靴、時計のストアを、2009年にジュエリーのストアをオープンした。「アマゾンファッション」としてスタートしたのは2014年

    米国では、アマゾンファッションは最大のオンライン/オフラインファッションセラーですが、米国と同じように日本のアマゾンファッションも日本有数のファッションオンラインストアの1つに成長しました

    2017年だけでも1,000以上のブランドを追加できました。国内だけでも何千というブランドがあり、約1千万の洋服、靴、ジュエリーなどが、各カテゴリーで販売されています。他にも準備中のブランドが多数あります。(ピータース氏)

    ファッションは、アマゾンの中で最も成長しているカテゴリーの1つに成長
    ファッションは、アマゾンの中で最も成長しているカテゴリーの1つに成長
    アマゾンで新しいビジネスをするとき考える4つの柱
    アマゾンで新しいビジネスをするとき考える4つの柱。「品揃えを増やし、適正価格で提供し、素早くお届けし、カスタマーサービスを高めていく。品揃えはその重要な1つ」(ピータース氏)

    海外進出のプラットフォームとしてのアマゾン

    アマゾンファッションの“お客さま”とは、服を着ている人、すべてです。日本だけでなく世界中のお客さまがアマゾンジャパンから購入しています。私たちは世界中にお客さまがいます。アマゾンに出店しているみなさんにとっても世界中の人がお客さまになります

    これは今までアマゾンがあまり言ってこなかったことですが、アマゾンでは67か国に向けて商品を配送できます。これはすごいことです。資金も人的資源も少ない段階でも、アマゾンを介することで世界中に商品を販売できます

    これまでは海外のお客さまに商品を販売したいと思ったら、実際にそれぞれの国に行き、現地で物流を確立するなど大変な作業が必要でした。お金も手間もかかりました。しかしアマゾンなら、やって来たお客さま全員に商品を届けられるのです。とても簡単に海外市場に参入できるのです。(ピータース氏)

    67か国のお客さまに商品を配送

    Amazon最大の撮影スタジオを品川にオープン

    アマゾンジャパンは2018年3月、2年間の準備期間を経て、アマゾン最大の撮影スタジオを品川にオープンした。ニューヨーク、ロンドン、デリーに続く世界で4番目のスタジオで、7,500平方メートルという広大なスペースの中に、11の撮影スタジオと5つの動画用スタジオ、キッチン、ラウンジエリア、スタイリング、メイクアップエリアなど、クリエイティブな作業をサポートするためのスペースがある。

    東京撮影スタジオ外観
    東京撮影スタジオ内部
    東京撮影スタジオ内部
    「私はこの場所を特別な場所として、普通のオフィスは違う雰囲気にしたいと思いました。そこでお客さまのためにいろんな形で創造性を発揮してもらいたい」(ピータース氏)

    ファッション業界への支援

    ピータース氏が必要だと感じたのは、日本のファッション業界全体をサポートするということだったという。2016年、アマゾンジャパンは毎年2回行われるファッションショー「東京ファッションウィーク」の冠スポンサーになった。2017年からはオリジナルプログラム「AT TOKYO」もスタートしている。

    3年目を終えたばかりですが、我々の期待のはるか上を行くイベントです。これからも続けて行きたいと思っています。(ピータース氏)

    AmazonFashion ブランドストア
    Amazon Fashion「AT TOKYO」内の「ブランドストア」。販売開始から1分で完売になる人気アイテムもある
    AmazonFashion マイアマゾン
    デザイナーやスタイリストがお気に入りのアイテム紹介する「MY AMAZON

    アマゾンファッションの今後

    米国では「echo look」と「Prime wardrobe」が始まっている。「echo look」はワードローブのすべてを撮影し、買うべきものやスタイリングをアドバイスするもの(招待制)。「Prime wardrobe」はAmazonで10着選び、届いたら試着してみて、気に入ったものだけを購入し、気に入らなかったら無料で返品できるというもの。

    echo look」「Prime wardrobe」
    「echo look」「Prime wardrobe」についてはこちらの記事も参照のこと

    毎日我々は2つのことをやっています。1つ目はお客さまが何を求めているのか、お客さまの行動を見ながら求めていることを見つけること。私のチームがかなりの時間をかけてやっています。

    2つ目はかなり難しいのですが、イノベーションです。お客さまがまだ知らないものがイノベーションです。アマゾンには2つの偉大なイノベーションがあります。1つはKindle。自分の本を全部入れられます。もう1つはAlexaやAmazon Echoです。Alexaに「照明をつけて」とか「トイレットペーパーを注文して」と頼めるなんて、とても思い付きませんでした。

    ビッグデータを機械学習やAIで読み込んで、将来的にはパーソナライズされた購買経験を提供したいと考えています。そのために数千人のエンジニアが世界中にいるのです。(ピータース氏)

    日本のファッション業界にアマゾンがもたらしたもの

    後半はファッションブランドBEDWIN(ベドウィン)デザイナーの渡辺真史氏と、ファッション業界誌『WWD JAPAN』編集長の向 千鶴(ムコウ チズル)氏を交えたトーセッション。

    ジェームズ・ピータース氏(←)とBEDWINの渡辺真史氏(中央)と『WWD JAPAN』の向編集長(右)
    BEDWINの渡辺真史氏(中央)と『WWD JAPAN』の向編集長(右)

    ファッション業界に身を置いて25年という向氏は、アマゾンが日本のファッションウィークに参入した影響について、次のように語った。

    良い物を作ってもなかなか世界に出て行けないというのが日本のファッションウィークの課題だったが、アマゾンが新しいデジタルの世界をたずさえてファッションウィークに来てくれたおかげで、ほぼ初めて日本のファッションが世界に出て行き始めていると感じている。(向氏)

    また、日本のファッション業界には、店舗でも雑誌でも「このブランドの隣はこのブランドしかダメ」というような業界のルールがあり、それに縛られると同時に価値を高めてきたところがあると語った。それについてピータース氏は、

    今、お客さまは完全に携帯デバイスに移っていて、ファッションだけでも50%以上がモバイルから購入されています。おっしゃっているような隣り合わせのルールはあり得ません。

    ファストファッションからハイブランドまでいろいろありますけど、重要なのはそれぞれの人のスタイル。どんな風にファッションで自分を表現したいかは、1人ひとりが決めればいいことです。

    アマゾンのような商品の見せ方をするお店があることによって、「これとこれを合わせたい」という選択がしやすくなると思います。将来的にもそういう方向に進むと思います。(ピータース氏)

    デザイナーとして渡辺氏は次のように語った。

    70年代80年代にブランドがどんどん出てきた頃、1つのブランドでそろえることでファッションの良さを求めてきた人たちがいますが、今の人たちはもっとリベラルでフェア。高かろうが安かろうが、自分が気に入ったら取り入れるというのが今の顧客だと思っているんです。

    昔は良い物を作っていればお客さんの方からそれを見付けてもらえる、どうにかなるというところがあったけど。今の時代ではまったく通用しない。デザイナー自らが発信力を持たなければならないし、ビジネスのことを考えてモノを作らなければならないと思っている。(渡辺氏)

    内山美枝子

    内山 美枝子

    ネットショップ担当者フォーラム編集部
    内山 美枝子

    9億人が使う中国SNS「WeChat」のEC向け新機能「オフィシャルプレミアムショップ」とは | 中国の最新買い物事情~トランスコスモスチャイナからの現地レポート~

    7 years 11ヶ月 ago

    中国大手IT企業Tencent(テンセント)の無料インスタントメッセンジャーアプリ「WeChat」はソーシャルメディアアプリからスタートした後、スマートフォンの急速な発展に伴い数年で急成長、ユーザー数は飛躍的に増加しました。この「WeChat」で、日本のメーカー・EC事業者さんに注目してほしいのが、2017年末にリリースされた「オフィシャルプレミアムショップ」という新サービスです。

    「WeChat」上で提供している「ミニプログラム」(WeChat上で動くインストール不要のアプリに似たプログラム)と同様に、販売業者と消費者をつなげるプラットフォームとして、「WeChat」上で消費者は直接商品を購入することができるようになりました。日本ではほとんど知られていない「オフィシャルプレミアムショップ」を詳しく説明していきます。

    オフィシャルECサイトへの入り口となる「オフィシャルプレミアムショップ」

    「WeChat」は2017年9月時点で、1日の「WeChat」利用者数は9億人を超え、前年比17%の成長率を記録。また、月間のシニア利用者数は5000万人1日の情報送信件数は380億件音声送信件数は61億回にのぼります。

    「Tall」(天猫)とJD.comの2台巨頭が圧倒的シェアを占める中国EC市場で、「WeChat」の強力なソーシャルネットワークとモーメンツ広告(「WeChat」内でユーザー同士が情報を共有し合う「モーメンツ」上に表示できるネイティブ広告)を活用しながら、テンセントは「オフィシャルプレミアムショップ」でECの新しい道を切り拓くことができるのか? 「WeChat」の「オフィシャルプレミアムショップ」にはこのような期待が集まっています

    「WeChat」のトップにある「搜一搜(検索)」をクリックし、ブランド名を入力して検索すると、画面上部に、ブランドの「オフィシャルプレミアムショップ」が表示されます。タップすると、商品を購入することができます。

    WeChatの「検索」機能
    「WeChat」の「検索」機能

    ユーザーがブランド名などのキーワードを入力して検索すると、オフィシャルプレミアムショップの他に、「ブランド名」を付けた友人のモーメンツ投稿(「WeChat」内でユーザー同士が情報を共有し合うことを「モーメンツ」と呼ぶ)や、ブランドの公式アカウント(公衆号)、Baidu百科事典などの関連情報を閲覧することができます

    中国の「WeChat」ユーザーの間では、この検索機能からさまざまな商品や情報を検索することが日常行動として定着しています各ブランドは「WeChat」の検索機能を通じて自社のブランドや店舗を認知してもらい、購買につなげようとしています

    Nikeのオフィシャルプレミアムショップ
    Nikeのオフィシャルプレミアムショップ

    「オフィシャルプレミアムショップ」の仕組み

    企業の出店状況

    2018年4月時点では、「WeChat」の「オフィシャルプレミアムショップ」に出店ているブランドは中高級ブランドがメインとなっています。たとえば、NIKE、Starbucks、Cartier、Gucci、Lancome、Louis Vuitton、Montblanc、Swarovski、Tiffany、ZARA。ジャンルはスポーツ用品、ファッションなど多岐に渡っています。

    決済とカスタマーサポート

    「Tmall」、「JD.com」などのECプラットフォームとは異なり、「WeChat」の「オフィシャルプレミアムショップ」は、「WeChat」上の自営店舗(自社ECサイト)という位置付けになります。

    決済は、「WeChatPay」以外にも、「Alipay」「着払い」といった複数の決済手段が利用可能です。また、ユーザーが店舗の窓口担当者へ直接問い合わせることもできます。

    「オフィシャルプレミアムショップ」に出店する理由

    その理由は単純です。多くのユーザーが使い、エンゲージメントが高く、とても便利だからです。

    「WeChat」は中国内での主要ソーシャルツールとして、チャットやモーメンツ機能などさまざまなサービスを提供しています。ネットショッピングの機能も提供しているので、ユーザーは毎日何時間も「WeChat」を利用していています

    地下鉄、エレベーター、ダイニングテーブルの前など、モーメンツ上の投稿を閲覧しているユーザーの姿はいつでも、どこでも見かけることができます。

    「WeChat」の機能が拡張しているため、ユーザーは別のアプリへ切り替えたり、複数のアプリをダウンロードする必要がありません。そのため、「WeChat」という1つのアプリで、チャット、読書、友達作り、買い物などの複数の機能を利用しています。

    2017年1月には「WeChat」内でアプリを構築できる「ミニプログラム」という機能も追加され、「WeChat APP」内でシームレスにさまざまなアプリケーション機能を利用することが可能となりました。EC機能はもちろんのこと、位置情報と連携したデリバリー、レンタルサイクル、航空券の手配なども可能です。

    ミニプログラムの表示画面
    ミニプログラムの表示画面

    「オフィシャルプレミアムショップ」の利点と欠点は?

    「オフィシャルプレミアムショップ」というくらいですから、店内の商品は「プレミアムグッズ」でなければいけません。「Tmall」のように、簡単に店舗を構え、すべての商品を掲載してユーザーに選んでもらうという設計ではないのです。

    簡潔なインターフェースのため、ブランド側が最も強調したい部分をアピールしなければなりません。普通のオンラインショッピングモールとは異なり、「オフィシャルプレミアムショップ」は、ブランドプロモーションに役立つUI(ユーザーインターフェース)であり、UX(ユーザーエクスペリエンス)を意識したインタラクティブなサービスである必要があります

    企業は商品販売だけを利用していません。ユーザーに商品情報や企業文化を届け、交流を一層強化し、ブランド認知度を高め、オフライン販売に貢献することを主な狙いとしているブランドがたくさんあるのです。

    一方、ブランドが作った「オフィシャルプレミアムショップ」は、自由度が高く、ブランド戦略に合わせてマーケティングを行うことができます。ブランド側がすべての購入データを取得できるので、オンラインチャネルとオフラインチャネルを融合し、顧客ロイヤリティを向上させることもできるのです。

    「オフィシャルプレミアムショップ」はUI、UXを意識している
    「オフィシャルプレミアムショップ」は特に、UI、UXを意識した設計になっている

    「オフィシャルプレミアムショップ」は人気があるものの、購買体験があまり充実していないのが欠点と言えるでしょう。たとえば、公式サイトの読み込み時間が長すぎる商品不足ショップのキャンペーン活動がまだ開始されていないなどの問題点があります。

    「WeChat」がめざすソーシャルECの方向性とは?

    「WeChat」のユーザー基盤は日々成長しています。ソーシャル上での友人間の口コミはブランド価値を向上させます。

    そして、「WeChat」は、「オフィシャルプレミアムショップ」のほか、公式アカウント(公衆号)、ミニプログラム、モーメンツ広告、「WeChat決済」などの機能とあわせて、ソーシャルEC内のバリューチェーンを形成することによって、企業のユーザーへの正確なターゲティングが可能となります。

    「WeChat Pay」や「ミニプログラム」機能を利用することで、オフラインのユーザーにアプローチし、ビッグデータサービスを活用することも可能。取扱製品のマーケティングを支援することができます。

    「WeChat」は、一般的なECプラットフォームと競合するのではなく、ユーザー向けに、ハイエンド製品の正確的なターゲティングと情報配信をすることでブランド価値を向上するといった戦略を持っていると考えられます。

    このような状況下、トランスコスモスチャイナは2016年から「WeChat」関連ビジネスに積極的に取り組み、2017年9月にテンセントのソーシャル広告の代理権を取得。テンセントの全プラットフォームでの広告配信サービスを提供することが可能となりました。主要プラットフォームは、インスタントメッセンジャー「QQ」、ソーシャル・ネットワーキング・ツール「WeChat」などです。

    トランスコスモスチャイナはクライアント企業のWeChat「オフィシャルプレミアムショップ」に、ワンストップECとデジタルマーケティングを融合したトータルサービスを提供することが可能となり、ブランド企業の売上高や顧客ロイヤリティの向上を図っています。

    トランスコスモスチャイナ(transcosmos China)

    トランスコスモスチャイナ(transcosmos China)はトランスコスモス株式会社の100%出資子会社。上海4拠点、北京1拠点、天津1拠点、合肥1拠点、長沙1拠点、西安1拠点の6都市9拠点でサービスを提供しています(台北、深センには支社を開設)。

    阿丽玛(Alima)

    トランスコスモスチャイナ(transcosmos China)

    プロジェクト管理部 アクティングデパートメントディレクター(Project Management Department Acting Department Director)
    阿丽玛(Alima)

    トランスコスモスチャイナ(transcosmos China), 阿丽玛(Alima)

    企業のBtoC-ECの実施割合は18%。自社EC比率は約7割、モール出店は約4割

    7 years 11ヶ月 ago

    総務省が5月25日に公表した「平成29年通信利用動向調査」によると、電子商取引(インターネットを利用した調達・販売)を行なっている企業の割合は49.0%だった。

    「消費者への販売」は18.3%、「企業への販売」は10.7%、「企業からの調達」は36.2%となっている。

    電子商取引の実施割合を産業別に見ると「卸売・小売業」が60.5%で最も高い。次いで「金融・保険業」が57.6%、「情報通 信業」は53.0%、製造業は49.3%。

    総務省の「平成29年通信利用動向調査」:電子商取引の実施状況
    電子商取引の実施状況

    資本金の規模別では、資本金が多いほど電子商取引の実施割合が高まる傾向にある。1000万円未満では39.1%だが、50億円以上では72.8%に達している。

    自社サイトとモールの割合は?

    電子商取引を行なっている企業のうち「自社サイト」を利用している割合は68.9%、「電子モールへの出店」は42.4%だった。

    「自社サイト」の利用割合は前年比3.1ポイント低下。「電子モールへの出店」は同2.0ポイント上昇した。

    総務省の「平成29年通信利用動向調査」:企業のインターネット販売モデル

    インターネット販売モデル(複数回答)

    インターネット利用企業の約3割がSNSを活用

    インターネットを利用している企業のうち、ソーシャルメディアサービスを活用している割合は28.9%。産業別で利用割合の上位は「不動産業」(46.2%)、「情報通信業」(40.8%)、「金融・保険業」(39.2%)。「卸売・小売業」は32.1%だった。

    総務省の「平成29年通信利用動向調査」:ソーシャルメディアサービスの活用状況

    ソーシャルメディアサービスの活用状況

    利用目的は「商品や催物の紹介、宣伝」(73.7%)、「定期的な情報の提供」(59.6%)、「会社案内、人材募集」(35.5%)が上位。

    「通信利用動向調査」は世帯と企業を対象とし、1990年(企業調査は1993年)から実施している。

    調査概要(企業調査)

    • 調査時期:2017年11月~12月
    • 調査範囲:公務を除く産業に属する常用雇用者規模100人以上の企業
    • 調査対象数(有効送付数):7257(6034)
    • 有効回収数(率):2592(43.0%)
    • 調査方法:郵送により調査票を配布し、郵送又はオンライン(メール)により調査票を回収

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    Instagramの投稿写真をSNS広告に使用したら新規顧客数が7倍、CPAが1/3になった事例

    7 years 11ヶ月 ago

    男性用コスメブランド「BULK HOMME」を展開するバルクオムは、ユーザーが撮影してInstagram(インスタグラム)に投稿した商品写真をSNS広告のクリエイティブに活用した結果、顧客獲得件数が7倍に増加し、顧客獲得単価(CPA)が3分の1に下がった。

    Instagram上に投稿された約3000点の写真データを、専用ツールを使い一括で収集。SNS広告のクリエイティブに適した写真を選定し、広告を配信した。写真を投稿したユーザーに使用許諾を取っている。

    商品の利用者が投稿した生活者目線の写真を広告のクリエイティブに使用したことで、広告がSNSのタイムラインに馴染み、新たなユーザー層への訴求に成功したと分析している。

    さらに、SNS広告で効果の高かった写真を「ユーザーボイス」として通販サイトのランディングページに掲載。写真を閲覧してECサイトを訪れた潜在顧客に対し、自然な形で商品のクチコミを表示して購買を後押しした。

    ユーザーがSNSに投稿した写真を広告クリエイティブに活用した

    この事例は、バルクオムのSNS広告の運用を支援しているアライドアーキテクツが5月24日に公表した。

    バルクオムのマーケティング・高橋文人氏は、こうしたユーザー生成コンテンツ(UGC)の活用について次のようにコメントしている。

    以前から、お客さまが購入した商品を自然発生的にInstagramにアップしてくださっていることは認識していました。今までも自社でインフルエンサーへのサンプリング施策を行ったり、有名人の方が自発的にInstagramにアップしてくださったりしていて、それが売上につながっているのもわかっていたので、UGCは社内でも非常に注目していたのですが、それをプロモーションに使って認知を促したり、ご購入に繋げたりするような設計まではできておりませんでした。

    今回の施策を通じて大きく変わったことは、SNS広告におけるクリエイティブ(画像)の検証速度が格段に上がったことと、UGCの活用によって今までの当社の視点では絶対に出てこないような斬新な商品写真が集まり、広告クリエイティブの幅が広がったことです。また、広告効果が改善し新規のお客さまが増えた結果、SNS上に新たなUGCが生まれる速度も上がり、それをまた広告に活用するという好循環も生まれました。

    様々なUGCを活用して広告を出稿するうちに、写真の背景や商品と一緒に写っているもの、商品を写した角度など「こういうクリエイティブの広告効果が高い」という傾向が見えてきたので、そういった検証結果を参考にしながらUGCを選定するようにしています。また、一度出稿して効果の高かったUGCに新たにテキストを加えてみたり、スライドショー形式に加工したりと、単純に「このUGCが良かった!」だけで終わらせず、常に仮説検証を続けています。

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章

    【ECマーケ】デジタルと紙媒体の強みを融合した「リップ」とは? 「高レスポンス」「即時性」「個別最適化」をDMなどで実現

    7 years 11ヶ月 ago

    プリントメディアが持つ高いレスポンスの強みはそのままに、(紙媒体の)課題だった最適なタイミング・最適なコンテンツによるCRMを、デジタルマーケティング施策と同列で実現することができる――。

    レスポンスが(Webよりも)高い傾向の紙媒体、1人ひとりに最適なタイミングで最適なコンテンツを配信できるデジタルという両者の強みを融合した新しいEC向けのマーケティングツールが誕生した。

    名称は「Re;p(リップ)」。ファインドスターと、デジタル印刷テクノロジーを活用したプロダクションワークフロー構築を支援するグーフが共同開発した。

    ファインドスターと、デジタル印刷テクノロジーを活用したプロダクションワークフロー構築を支援するグーフが共同開発した「Re;p(リップ)」
    「Re;p(リップ)」の仕組みと特徴

    ファインドスターは蓄積してきたダイレクトマーケティング領域のノウハウを活用し、シナリオ設計・運用、レスポンスを最大化させるクリエイティブのA/Bテスト実行をサポート。グーフはデジタル印刷機で培ったプリントメディアの生産性コントロールノウハウを用い、「1枚でも1万枚でも同じ納期・同じコスト(単価)」を実現する支援を行う。

    ファインドスターは「企業の顧客体験価値を向上させるソリューションとして提供が可能になる」としている。

    ファインドスターと、デジタル印刷テクノロジーを活用したプロダクションワークフロー構築を支援するグーフが共同開発した「Re;p(リップ)」
    グーフが保有する技術などを活用して「Re;p(リップ)」をサービス化した

    MAツールとの連携で実現するプリントメディアの自動最適化

    「Re;p」導入企業がMAツールを利用している場合、ソリューション連携でプリントメディアを活用したリテンション施策の自動最適化も可能になるという。

    たとえば、ECサイトで一般的な「カゴ落ちメール」のシナリオ。Eメールと同じタイミングで紙DMの発送手配をかけるといった施策も行うことができる。

    ファインドスターと、デジタル印刷テクノロジーを活用したプロダクションワークフロー構築を支援するグーフが共同開発した「Re;p(リップ)」
    MAツールとの連携で、さまざまな施策が実行できるようになるという

    プリントメディア・デジタルの強みと弱みが融合

    DMなどプリントメディアによる顧客へのリテンションは、リーチ率やクリエイティブの高さなどから高いレスポンスを成果をあげてきた企業が多い。

    しかし、制作などの準備期間に時間を要するため、メールやアプリのプッシュ通知のように、即時に顧客1人ひとりへ最適化したリテンション施策として活用することは困難だった。

    一方、近年のデジタルマーケティングでは、メルマガ開封率の低下、クーポンなどのインセンティブを前提としたリテンションの乱発などが課題としてあがっている。

    こうした課題の解決策の1つとして、デジタルとアナログを融合したマーケティング手法が台頭してきたのがここ1年。

    紳士服大手のAOKIは2018年2月、ファッションブランド「ORIHICA(オリヒカ)」で、Eメールとダイレクトメール(DM)を併用した販促を実施した。「一見顧客」「休眠顧客」「離反顧客」を、それぞれ「Eメールのみ」「DMのみ」「EメールとDM」の3つのグループに分けて販促効果を調査。

    その結果、「DMとEメール」で告知した場合は「Eメールのみ」の告知よりもCVRは2.5倍、売上金額は1.9倍に増加した。特に「離反顧客」では「DMとEメール」のCVRは「Eメールのみ」の3.9倍、売上金額は2.9倍だった。

    ディノス・セシールは2017年11月1日、「EC」とカタログやDMなどの「紙」をリアルタイムで連携させたCRMの運用を開始すると発表。第1弾として、「ディノスオンラインショップ」においてカートから離脱した顧客に対し、内容を顧客ごとに最適化した紙のDMを最短24時間で発送する取り組みを行っている。

    2017年9月末から2週間、試験的にこの施策を運用したところ、カート離脱対策メールだけを送った顧客に比べて紙のDMも発送した顧客の購入率は約20%向上したという。

    瀧川 正実

    ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

    通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

    瀧川 正実

    キャッチコピーの問題です。「機内は○○しています。ポカリスエットをどうぞ」 ○○に入る言葉は?【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

    7 years 11ヶ月 ago

    欲しいときに欲しい場所で、欲しいものが目の前にあれば売れる。わかっているけど……という人は、訴求内容に「必要性」を盛り込んでみましょう。はまった人には買ってもらえるはず。

    欲しくないものをすすめられても誰も買わない

    売れないのは何故?「売りたい気持ち」が強い人ほど売れなくなるパラドックスについて | コマースデザイン
    https://www.commerce-design.net/blog-staff/180521-harapeko/

    まとめると、

    • 売上を作りたいなら、お客さんが商品を欲しくなっている状態(ハラペコ状態)をめがけて販促を仕掛けるべき
    • 典型的なフレーズは「もうすぐ◯◯ですね。〇〇を忘れていませんか?」「〇〇の準備は大丈夫ですか?」
    • 「売る努力」と「売上」は必ずしも比例しない

    どんなにすごい提案をしても「タイミング」が違えば売れません。逆に、完成度が低くても「タイミング」があえば、驚くほど売れます。タイミングは、中身以上に提案の成否に影響するんです。

    (中略)

    弊社代表の坂本曰く、羽田空港の某売店には「機内は乾燥しています。ポカリスエットをどうぞ」という宣伝があるそうです。シンプルなメッセージですが、これも、必要性を思い出しますよね。

    ─コマースデザイン 大邉 勇介氏

    欲しいときに欲しい場所で、欲しいものが目の前にあれば売れる。当たり前のことなんですが、この「欲しいとき」に気付かず、ひたすら販促をしているところは多いです。販促手法を追求するのもいいですが、タイミングと訴求内容を徹底的に考えたほうが効率が良いはず。

    インフルエンサーは広告塔ではない

    残念な企業の口コミマーケティングはどこがまずいのか? インフルエンサーが本音を語る | ITmedia
    http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1805/22/news040.html

    まとめると、

    • インフルエンサーの普段の投稿を見ていないのに依頼をしてくる残念な企業がある
    • 投稿を見る人が不自然に感じるような細かい注文や、「いかにも撮影用」といった小道具は差別化しづらくて使いづらい
    • 依頼の時点で「PR表記を入れてください」と明言する企業の方が信頼できる

    私の過去の投稿を見て、反響があった投稿の感想を書いて手紙を下さった企業があります。うちの商材も同じような形でPRしてほしいという内容でした。そうやって、きちんと自分の投稿を見てイメージを持った形で依頼してくださると、「理解してもらっている」と感じるので、そういう企業の投稿をするときは特別な気持ちになりますよね。

    ─インフルエンサー 赤埴奈津子氏

    インフルエンサーを広告塔だと思っている企業って多いのではないでしょうか? 現役インフルエンサーの赤埴さんが言うとおり、インフルエンサーは生活者の代表でステマ(というか広告)の素人。インフルエンサーさんの個性を活かすような施策を考えたいですね。

    着実にオムニチャネルが進んでいるのがよくわかる記事

    三陽商会のEC売上が伸びている理由と自社通販サイトの強化策とは | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/5453

    まとめると、

    • 三陽商会の会員制度「サンヨーメンバーシップ」が三越伊勢丹グループでも利用可能になり、前期末時点で会員数が50万人を突破
    • 自社ECの欠品時に店舗在庫を引き当てて販売する「お取り寄せ購入」がEC売り上げに貢献
    • 三陽商会の前期EC売上高約50億円のうち、7割強の37億円が自社EC。他のアパレルと比べて自社EC比率が高い

    レコメンド機能についてもAIを活用し画像検索で類似アイテムを表示する複数のツールを上期中にテストする三陽商会ではスマホ利用者の拡大に伴ってライトユーザーの訪問者が増えていることから、「商品と出会いやすくすることが大事」(安藤裕樹IT戦略本部ウェブビジネス部長)とする。

    拡大に伴ってライトなユーザーが増えると検索性やタイミングが重要になってきます。それをカバーするために会員制度やポイントの統一、店舗との連携などが必要になってきて、店頭販売員へのEC啓発活動や評価制度もやらないといけません。オムニチャネルのお手本のような記事なので、関係する人は読んでおきましょう。

    EC全般

    BASE、初の常設リアルショップ「SHIBUYA BASE」を渋谷マルイにオープン | ECzine
    https://eczine.jp/news/detail/5700

    リアル接点を作るのはお金がかかるので、こうしてお手軽な手段が出るのは大歓迎! という人が多いはず。

    キーワードは“Inclusive” インバウンドの老舗・エクスポート・ジャパン高岡さんに聞く | ECzine
    https://eczine.jp/article/detail/5702

    「パッケージに書かれた情報を多言語で読めるようにするにはQRコードが一番つかえる」。まさにその通りかと。

    定期購入の通販・EC企業が取るべき特商法改正への対応方法【事例をもとに解説】 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/5435

    悪質な業者が増えたためにこうした対応するのも……と思いますが、ちゃんとやっておきましょう。

    「契約した覚えがない」「納得できない」若者のトラブル110番、相談113件 | リセマム
    https://resemom.jp/article/2018/05/23/44668.html

    上記に関連して、若者でも定期購入のトラブルが増えてますね。

    楽天市場で“イニエスタ祭り”が早くもスタート、出店者「イニエスタ効果」に期待の声 | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/5459

    32億の男イニエスタ。サッカーファンには圧倒的な認知度なので、上手く乗っかってタイミングをつかみたいです。

    今週の名言

    信頼を得てもまた失う。でも決してあきらめないことが大事

    アリババ創業者ジャック・マーがビジネスマンに贈る12のメッセージ | ネットショップ担当者フォーラム
    https://netshop.impress.co.jp/node/5409

    つい最近では日大アメフト部の件がまさにこれですね。積み上げてきたものを失っても、あきらめずに信頼回復のために努力するのみです。

    森野 誠之

    運営堂

    運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

    森野 誠之

    “ECのプロ”が選んだ5つの優れたECサイトがやっている施策まとめ

    7 years 11ヶ月 ago

    今年で3回目を迎えた「JECCICA ECデザイン大賞」。“デザイン大賞”というものの、もちろん単純にデザインだけが評価されるのではない。顧客体験やユーザビリティー、デザインに込められた戦略など、さまざまな観点から審査される。

    5月18日に行われた最終プレゼンに登壇したのは5社。米国拠点のアパレルメーカー、イタリアの調理器具ブランド、佐賀・福岡の漢方薬局、名古屋の酒販店、金沢のオーダーシャツ専門店……業種も業態も異なる5社が語った、それぞれの強みと課題、それに対する各社の取り組みをまとめた。

    【ダイヤモンド賞】ECが家業を救った
    「オーダーシャツ専門店 金沢・片町・金港堂」

    オーダーシャツ専門店 金沢・片町・金港堂のトップページ
    オーダーシャツ専門店 金沢・片町・金港堂 https://kinkodo.co.jp/

    金港堂は石川県金沢市のオーダーワイシャツ専門店。ECサイトは2008年から運営している。フルオーダーで納品までおよそ1か月で前払い制。しかも値段は「多分、ネット上にある中では一番高い」(宮谷氏)。イージーオーダーとの違いを伝え、値段に納得してもらうことと、信用してもらうことが必要と考え、2004年にブログを書き始めて以来、毎日更新している。

    オーダーの敷居を下げるために生地の選び方を5つに絞り、プルダウンで選択できるようにした。スマホからも同様に、選択するだけでオーダー可能にした。ページが長くなりすぎないよう、プルダウンメニューを設置。現在のユーザー比率は スマホが53.9%、PCが36.6%、タブレットが9.5%。2回目からは前回と違う個所だけ伝えれば良い設計にし、リピート率アップを試みた。

    NHKの連続テレビ小説など、テレビドラマwwの衣裳も数多く手がけている。時代考証が伴うドラマの現場では、襟の形や大きさなど、細かな注文に応えてくれるフルオーダーは強い味方。有名人の顧客も得て、波及的に知名度が上がっている。

    金港堂 代表取締役の宮谷隆之氏
    金港堂 代表取締役の宮谷隆之氏。趣味はマラソン。東京マラソンの抽選を12回連続で落選しているという宮谷氏は、「賞金の10万円で来年の東京マラソンのチャリティー枠に申し込みたい」と会場をわかせた。

    うちは85年続いているんですが、もしECというものがなかったら、多分、消滅していたと思っています。ECがうちの家業を支えてくれています。

    これからも継続して良い商品をお客さまに届けられるよう、がんばっていきたいと思います。(金港堂 宮谷氏)

    川連一豊氏と宮谷氏
    JECCICA代表理事の川連一豊氏と宮谷氏

    【プラチナ賞】コアなファンをつかむ
    「ベルギービールJapan」

    ベルギービールJapanのトップページ
    ベルギービールJapan https://www.belgianbeer.co.jp/

    「ベルギービールJapan」を運営する「木屋」は、愛知県名古屋市にある創業127年の酒販店。代表取締役の三輪 一記氏は4代目。事業を引き継いだ当時はお酒が飲めなかった三輪氏が、たまたま出会ったベルギービールでビールの美味しさに開眼。その後、ベルギーにも足を運び、2004年に現サイトの前身となるサイトをオープンした。ベルギーで見聞きした情報を発信し、全国のベルギービールファンとのつながりを作ってきた。

    しかし、ネットでの売上は伸びず、飲食店向けに樽やケースでの販売を行うBtoBサイトも運営したが、こちらも売上が伸びないため、2016年に本店サイトのリニューアルとBtoBサイトの構築をAISHAの伊東美沙貴氏に依頼した。

    リニューアルに際し、伊東氏はまず「ベルギービールJapan」の売上分析とアクセスログ解析を実施。月別の動向から特徴を見つけ出し、三輪氏が発信する専門性の高い情報と売上に関連性があることと、ベルギービールの熱心なファンをつかんでいるこがわかった。リニューアルの際にはこの2つを生かすことをテーマに設計した。売上はV字回復し、BtoBサイトも同じコンセプトで展開した。

    デザイン的には配色をベルギーの国旗から、黒、赤、黄色に決め、ユーザーがコンテンツに集中できるようにシンプルにした。商品写真にもこだわり、スタイリング写真には料理を添えるようにしている。ショッピングカートは「EC-CUBE」を使用。そちらに商品情報を登録し、WordPressに80以上ある醸造所の概要や代表銘柄を登録し、相互にデータを呼び出してECサイトを運営している。

    「ベルギービールJapan」を運営する株式会社木屋 代表取締役の三輪一記氏(左)と、制作を手がけたAISHA(アイシャ)代表取締役の伊東美沙貴氏(右)
    「ベルギービールJapan」を運営する株式会社木屋 代表取締役の三輪一記氏(左)と、制作を手がけたAISHA(アイシャ)代表取締役の伊東美沙貴氏(右)。伊東氏はこの「JECCICA ECデザイン大賞」の第1回と第2回の優勝者昨年の授賞式のレポートはこちら

    【ゴールド賞】明るい色合いにこだわった
    「回生薬局漢方未病ラボ オンラインショップ」

    回生薬局漢方未病ラボオンラインショップのTOPページ
    回生薬局漢方未病ラボオンラインショップ
    https://www.kaisei-drug.co.jp/wp/shop/

    「回生(かいせい)薬局」は佐賀県と福岡県に店舗を持つ薬局チェーン。処方箋のドライブスルーなど、先進的な取り組みをしている。コーポレートサイトには漢方についての豊富なコンテンツがあったため、ECサイトも別ドメインにせず、コーポレートサイトの下に入れる形でオープンした。

    コンセプトは「漢方薬のデパート」。品揃えと品質の良さ、薬剤師がセレクトし、厳しい基準をクリアした商品であることを訴求したいと考えた。「漢方」というと古めかしいイメージだが、店舗の中心顧客が30代から40代女性なこともあり、明るい色合いを心掛けた。 

    モバイルファーストで設計し、PCサイトは後から制作した。90%以上がモバイルからのアクセス。

    漢方薬にはさまざまな効果効能があると言われているが、薬機法に留意しなければならないため、サイト上で訴求できることが少ない。そのため、すでに生薬の名前を知っている目的買いのユーザーをターゲットにしている。また、特定の体の不調や単体の症状で訴求するのではなく、「梅雨の時期の養生」「夏の養生」というように、季節に合わせたおすすめテーマを提案し、“漢方からの卒業”がないようにコンテンツを用いて工夫している。

    JECCICAの理事でもあるECコンサルティングの中谷昌弘氏
    JECCICAの理事でもあるECコンサルティングの中谷昌弘氏

    【シルバー賞】“男性向け”と“イタリアブランド”を意識した
    「RISOLI Japan」

    RISOLI japanのトップページ
    RISOLI japan https://www.risoli.jp/

    「RISOLI(リゾリ)」はイタリアの調理器具ブランド。広告代理店を営むヒューマンイノベーションの塚野香織氏が製品にほれ込み、独占販売契約を獲得。2017年から自社で販売している。調理器具は競合が多いため、差別化ポイントとして男性を意識してサイトを制作した。実際、Facebook広告からの流入を見ても男性が多いという。

    サイトのコンセプトは「イタリアブランド」。ブランドショップにいるような雰囲気が出るよう、サイトをデザインした。新しいブランドなだけに商品認知度アップが課題。SNSやブログ、チラシなど、あらゆる方法で商品の魅力を伝えていきたいという。

    ヒューマンイノベーション 塚野香織氏
    「RISOLI(リゾリ)」を販売するプロデューサー兼店長を務めるヒューマンイノベーション 塚野 香織氏

    【特別賞】表示速度にこだわった
    「L.L.Bean」

    「L.L.Bean」は米国に本社があるアパレルブランド。ECサイトの立ち上げは2002年だが、当初は米国で運営していた。2011年に現在のドメインで独立。2016年10月に株式会社ドーモのスマホサイト変換・最適化ツール「mobify(モビファイ)」でモバイルに最適化。コンバージョン率が20%改善した。売上自体はまだPCサイトの方が多い。

    2018年に入ってモバイルの商品詳細ページの改善に取り組んでいる。商品画像が全面表示されるように自動スクロールを実装したり、数量欄を数字入力からタップに変更したりといった細かい改修を重ねているという。

    ページの表示の速さにこだわっており、「SpeedCurve」というツールを導入し、毎日9時、12時、21時に計測している。近い将来、Amazon並みの表示スピードを実現できると考えている。すべてのマーケティングの効率を上げる意味で、スピードもデザインの一部だとお伝えしたい。(ドーモ 代表取締役 占部雅一氏)

    L.L.Beanのみなさんとドーモの占部氏

    プレゼンしたL.L.Beanの上原 桃氏(右)。L.L.Beanではチャネルごとにマーケティング施策を行っていたり、クリエイティブの制作を行っていたりした経緯があったため、「まずは、お客さまへのメッセージングを統一することろから取り組んでいる」

    JECCICA ECデザイン大賞2018について

    審査対象は2017年4月1日から2018年3月31日までに制作、またはリニューアルしたECサイト(1ページでも可)。エントリーはJECCICAサイトにおいて、2018年2月20日から4月13日の間に受け付けた。

    エントリーされたサイトをJECCICA理事8名が採点し、平均点で順位を決定。 上位5サイトが決勝に進出。決勝会場では5分間の最終プレゼンを行い、その場に参加している全員の投票で各賞が決定した。

    内山美枝子

    内山 美枝子

    ネットショップ担当者フォーラム編集部
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