ネットショップ担当者フォーラム

LINE@の「1:1トーク」が新規・リピート顧客の増加に一定の効果

7 years 10ヶ月 ago

チャットアプリ「LINE」の企業向けアカウントサービス「LINE@(ラインアット)」において、企業がユーザーと1対1でやりとりできるチャット機能「1:1トーク」を利用した企業・店舗の35%が既存客の継続率・リピート率の向上を実感しているなどとする調査結果を、LINEが6月22日に公表した。

「1:1トーク」を利用している店舗・企業のうち、効果を実感したと回答したのは84%。既存顧客の継続率・リピート率の向上を実感していると答えた企業・店舗は35%だった。

顧客からの問い合わせ件数が増えたと回答した割合は34%。新規客が増えたと答えた企業・店舗は21%だった。

LINE@の「1:1」機能に関して感じた効果の内容(複数回答)

感じた効果の内容(複数回答)

問い合わせ総数のうちLINE経由の問い合わせが占める割合を質問。「100%」は7%、「70%程度」は16%、「50%程度」は15%、「30%程度」は15%、「10%程度」は23%、「0ではないが、ほとんどない」は24%となっている。

問い合わせ総数に占める「1:1トーク」の割合

問い合わせ総数に占める「1:1トーク」の割合

「1:1トーク」の業種別利用率は「医療機関・診療所」「美容・サロン」「生活関連サービス」などが高い。

LINE@の業種別の「1:1トーク」利用率

業種別の「1:1トーク」利用率

「LINE@」はユーザーに対して直接情報発信を行える店舗・企業向けのLINEアカウント。2012年12月にサービスが始まった。飲食やアパレル、美容、宿泊施設などに活用されている。

「LINE@」の「1:1トーク」機能は、ユーザーと店舗・企業が1対1でやり取りできるチャット機能で、商品やサービスに関する問い合わせや、来店予約などを「LINE@」上で実施できる。

調査概要

  • 調査主体:LINE株式会社
  • 調査対象者:LINE@アカウントを持つ企業・店舗・企業
  • 設問数:10問
  • 有効回収数:2717サンプル
  • 調査時期:2018年4月26日~5月10日
  • 調査手法:インターネットアンケート 

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

60万超のサイトが導入したECプラットフォーム「Shopify」とオンライン決済「PayPal」が自社ECにもたらすメリットとは?【ヨガウェアEC「KIT」の場合】

7 years 10ヶ月 ago

「テクノロジーの進化、消費行動の多様化が進む今、ECサイトの基盤となるシステムは何を使えば今後の売上アップや業務効率に役立つのか?」。こんな思いを巡らす一部のEC事業者の中で、“ECサイトの構築・運用サービスの黒船”が注目を集めている。60万超のECサイトが使い、そのサイト経由で年間550億ドルが流通するカナダ発のECプラットフォーム「Shopify」である。

日本語へ完全対応(管理画面など)し、日本法人を設立したのは2017年のこと。日本での認知はほんのわずかなEC事業者にとどまっていた2016年、ヨガウェアのECサイト「KIT」は、「Shopify」の機能性などに引かれ導入を決めた。

無料カート、ASPカート、ECパッケージ、オープンソース……数あるECサイト構築サービスの中から「Shopify」に決めた理由は何なのか? 日本内での商慣習に適したサービスなのか? 「KIT」を運営するオーソ株式会社の酒井陽子さん、Shaun Turpin(ショーン・ターピン)さんに話を聞いた。

「Shopify」を選んだ理由は「豊富な拡張機能」や「決済+の利便性」

「Shopify」は他のECサイト構築・運営サービスよりも使い勝手が良かった。海外のECプラットフォームですが、アプリを利用すれば日本の商習慣に柔軟に対応できますし。もちろん、デザインも。そして、「KIT」として将来実現したいことも、アプリという拡張性の高い機能で実現できることも魅力でした。

このようにECサイトの立ち上げを振り返る酒井さんが立ち上げた「KIT」は2017年2月にオープン。海外のヨガウェアやスポーツウェア、レギンス、スポーツバッグなどを販売している。取扱ブランドは約20社。日本ではあまり流通していないが、海外の百貨店や高級ブティック、フィットネスクラブなどで扱われているブランドを買い付け、ネット通販で展開する。

2016年までカナダやインドネシアなどで生活していたという創業者の酒井さん。ヨガをライフワークとしていた酒井さんは、海外で人気のヨガウェアが日本ではあまり売られていないことに着目し、日本でオンライン販売を行うことを決意。アパレル業界に詳しいショーンさんと共に起業した。

インポートブランドが主力商材のため、海外で知られている商品を買い求める日本人のニーズも高い。「海外に住んだことがある」「『KIT』の取扱商品を海外で買ったことがある」「海外ECサイトでショッピングをしたことがある」といった日本人のほか、日本在住の外国人の利用も比較的多い。たとえば、こうしたユーザーが頻繁に使う決済手段が「PayPal」だ。

「Shopify」は「PayPal」とグローバルパートナー契約を結んでいる。そのため、「Shopify」と「PayPal」の連携は、追加開発は必要なく、クリック操作とID・パスワード入力といった簡単な操作で実現できる。

日本ではあまり知られていないインポートブランドで新たな需要を創造していく一方、在住外国人に「日本でもあの商品が購入できる」といった環境を用意し、「KIT」のネット通販ビジネスを軌道に乗せている。

海外のヨガウェアやスポーツウェアを販売している「KIT」
海外のヨガウェアやスポーツウェアを販売している「KIT」

海外では、ヨガウェアをオシャレに着こなしている人がたくさんいます。ヨガを行うときだけでなく、レギンスやタンクトップを普段着としてカジュアルに着こなしている人も珍しくありません。販売しているのは、ヨガウェア、アクティブウェア、スポーツウェアといっても普段着として着られる商品なんです。こうした商品を、日本でも流行らせたいと思いECサイトを運営しています。(酒井さん)

共同創業者の酒井陽子さん(右)とショーン・ターピンさん(左)
共同創業者の酒井陽子さん(右)とショーン・ターピンさん(左)

ECサイトの立ち上げを決めたのは2016年。「BASE」に代表される無料カート、多様なASPカート、ECパッケージなど、さまざまなECサイト構築・運営サービスがある中、管理画面の日本語対応も進んでいなかった「Shopify」を選んだ。それなぜか? 酒井さんは主に次の4つが決め手になったと言う。

1. 運用実績が豊富で、サービスが安定稼働している

世界中で開設された60万店舗から常に大量のトラフィックが入る中、安定的に注文をさばく強固なインフラを保有。たとえば、マスメディアでの商品紹介、人気商品の発売タイミングなどによるサーバーダウンの心配もないという。

2. 決済サービスが豊富

「PayPal」を中心に多くのユーザーが利用する決済サービスと連携。開発の手間・コストをかけず、スムーズに決済手段の多様化が実現できる

3. 連携できるアプリケーションが豊富で、機能拡張が可能

「Shopify」は販売に必要となる基本的なECサイト運営の機能しか備えていない。必要な機能は専用アプリケーション(アプリ)で追加し、自社のビジネスモデルに合ったシステムを作り上げていくというモデルを採用している。「Shopify」のほか、世界中のエンジニアがさまざまなアプリを開発。日本でも配送など各種アプリが提供されている。ECサイトのフロント側、管理画面などさまざまなAPIを公開しており、EC事業者の細かい要望にも応えるようにしているのも特徴。Instagramのショッピング機能にも対応している。

4. 海外展開を行いやすい

多言語対応や送料計算など越境ECに対応しやすい仕組みを搭載。もちろん、アプリにはさまざまな越境EC対応機能が提供されている。

さまざまなオープンソースやショッピングカートを調べ、比較検討した。費用、機能、拡張性、柔軟性、安定性、デザイン性……さまざまな要素を検討した結果、「Shopify」の導入を決めたという。

「Shopify」でのECサイト構築・運営を決めた4つのポイント

年間取引総額1.7兆円、60万サイトが安定稼働する強固なインフラ

酒井さんが「Shopify」を選んだ理由の1つ目は、運用実績が豊富で、セキュリティ対策やサーバの安定稼働といった点で安心感があったこと。酒井さんはフリーランスでシステム開発に従事していた経験があり、ECサイトを自力で構築するスキルを持っていた。当初はWordPressなどオープンソースを使ってECサイトを立ち上げることも検討したという。

しかし、結果的に「Shopify」を選んだ。信頼できるプラットフォームを使うことでビジネスに専念できると考えたためだ。

オープンソースのシステムは、カスタマイズの自由度が高いことなどが魅力ですが、サーバメンテナンスやセキュリティ対策など、自分たちでやらなくてはいけない業務は少なくありません。「Shopify」ならシステム運用の負担が少ないため、商品開発やマーケティングなどに集中できると考えました。(酒井さん)

「Shopify」は2006年にサービスを開始し、2017年9月時点で、世界175か国で60万サイト以上が稼働している。中小ネットショップから世界的なブランドまで幅広く、ネスレやゼネラル・エレクトリック(GE)、グーグル、ロレアル、レッドブル、タビオ、ゴーゴーカレーグループなども利用している

ECサイト構築から在庫管理、受注処理、決済まで統合管理できるほか、売上分析ツールや不正検知システムなどを備えている。利用料は月額29ドルから。

バックオフィスで一元管理
サイト構築から在庫管理、受注処理、決済まで統合管理できるプラットフォーム

ECサイト運営に必要なインフラは「Shopify」が管理。即時アップデートの実行、24時間常にサイトがオンライン稼働できるように管理している。

クレジットカード情報を安全に取り扱うために定められたクレジットカード業界における世界基準「PCI DSS」のレベル1に準拠。SSL証明書の利用料も無料という。

プラットフォーム上の取引額は累計4兆3960億円で、2016年の取引総額は年間約1兆7000億円。現在は米国とカナダの株式市場に上場している。

1つのプラットフォームでマルチ販売チャネルとの連携
Shopifyはマルチチャネルでの商品管理が可能。Facebook、Messenger、 Amazon、Pinterestなどと連携できる

「PayPal」など豊富な決済サービス

「Shopify」を選んだ理由の2つ目は、決済サービスをスムーズに導入できること。クレジットカード決済のほか、「PayPal」「Stripe」「Amazon Pay」「komojuコンビニ決済」などを簡単に導入・利用できる。

「Shopify」は決済サービスとスムーズに連携できるため、すぐにビジネスを始めることができました。(酒井さん)

酒井さんが利便性を実感している決済の1つが、「Shopify」がグローバルパートナー契約を結んでいる「PayPal」。「KIT」の決済全体における約20%は「PayPal」で行われているという。

たとえば「PayPal」と「Shopify」の連携は、クリック操作と、パスワードなどの入力のみだけで行える。「Shopify」の管理画面上で必要な項目を選択し、「PayPal」へのログイン(アドレスとパスワードの入力)を行うという設定で、連携できるようになる。

「PayPal」のメリットの1つは、入金サイクルが早いこと。売り上げが即座に入金され、アカウントから銀行口座へ最短3営業日で入金される。こうした入金サイクルの早さがショップの成長にもつながっていると酒井さんは強調する。

入金サイクルが早いのでキャッシュフローに余裕ができて、季節ごとの新商品をたくさん仕入れることができます。ビジネスを行う上で、資金繰りはとても重要。入金サイクルが早いPayPalを利用することは、ショップの成長にもつながります。(酒井さん)

決済手数料でも「PayPal」にメリットを感じている。決済の約2割を占める「PayPal」の手数料が利益面に与える影響は大きいという。

「PayPal」の決済手数料は売上金額に応じて3.6%以下に設定されているので、他の決済手段より手数料率が有利です。手数料率は1%以下の差でも、利益へのインパクトは大きいです。(酒井さん)

「PayPal」はVISAやMasterCardなど国際カードブランドに対応したオンライン決済サービス。EC事業者は簡単な審査と本人確認手続きだけでオンライン決済を導入できる。初期費用や月額利用料は無料だ。

「PayPal」は現在、1800万以上のオンラインショップに導入されており、世界で2億人以上が利用しているという。200以上の国と地域で、100通貨以上での決済、56通貨で銀行口座への入金※1、25通貨※2での支払いの受け取りが可能である。

※1:日本では銀行への引出しは、円のみ
※2:日本では22の通貨に対応

PayPalの仕組み
PayPalの仕組み

「PayPal」は顧客のカード情報がECサイトに保存されないため、ECサイトからの情報漏えいを心配するユーザーでも買い物しやすい。そのため、自社ECサイトで新規顧客を獲得しやすいことも各種データで示されている。

各国ユーザーが購入をやめる理由トップ3 送料が購入を諦める一番の原因+安全性への不安も原因の上位にあげられる越境ECで買い物する際、購入をあきらめた理由はなんですか?送料が高い配送が遅い安全性に不安関税が不明会員登録が必要
日本と同様に、海外のEC利用ユーザーは「安全性」を重視している傾向がある

機能拡張のアプリは2000種類以上

「Shopify」は売上分析やマーケティング機能などを標準機能として実装している。たとえば、商品をカートに入れた状態でサイトを離脱したユーザーを特定し、リマインドメール(カゴ落ち対策メール)を自動送信するといったCRMを「Shopify」だけで実現することが可能だ。

リマインドメールはとても重宝しています。商品ごとの売上分析機能など、データを見て、解析して、いろいろな施策にトライできます。(酒井さん)

標準機能で物足りなければ、サードパーティのアプリを使って機能を拡張できる。「Shopify」のデザインテンプレートや拡張機能のアプリケーションは、プラットフォーム上で多数、販売(無料提供もある)されている。商品レビュー機能や割引コード発行、納品書印刷、不正注文防止フィルター、倉庫管理システム(WMS)連携など、さまざまな機能追加が可能。Shopify社によるとサードパーティのアプリは2000種類以上あるという。

プラットフォームでありながら、カスタマイズの自由度が高いのも「Shopify」の魅力です。グローバルで使われているため、世界中のデザイナーやアプリ開発者がデザインテンプレートや拡張機能のアプリケーションを提供・販売しています。(酒井さん)

連携しているアプリケーション
アプリ提供を通じて、外部のアプリケーションとの連携を進めている

海外展開にも対応できる拡張性

酒井さんは「KIT」の海外展開も視野に入れている。

アクティブウェアはアジアでも人気なので、いずれ海外にも挑戦したいです。(酒井さん)

「Shopify」はECサイトの多言語対応が可能で、配送先の国ごとに送料を設定できるなど、海外販売にも柔軟に対応できる。「Shopify」と連携している「PayPal」は世界約200の国・地域で使われており、海外ユーザーからの注文に即座に対応可能。海外販売の仕組みが整っていることも「Shopify」や「PayPal」を選んだ理由の1つだ。

「PayPal」のグローバルにおける利用状況、左上から下に「売上高
「PayPal」のグローバルにおける利用状況、左上から下に「売上高(単位はビリオン、10億ドル)」「年間取扱高」「モバイル決済の取扱高」「アクティブアカウント数(単位はミリオン、100万)」「決済件数(単位はビリオン)」「モバイル決済の件数(単位はビリオン)
越境ECにおけるPayPalの浸透度 ユーザーアンケートで29か国中、22か国でPayPalが1位。選ばれる理由は安心・安全
越境ECを利用するユーザーは、「PayPal」の利用率が高い

国内では男性用商品やマタニティライン、キッズ向けなど商品ラインナップを拡充したいと話す。また、ECサイトのコンテンツを増やし、アクティブウェアを軸にメディア化することも検討しているという。

たとえばワークアウトやヨガの最中に聞きたい音楽など、そういったコンテンツも提供できるようになれば、お客さんに楽しんでもらえると思います。動画コンテンツがあっても良いですね。(ショーンさん)

アクティブウェアを日本で流行らせたいという酒井さんとショーンさんの挑戦は続く。

酒井陽子さん(右)とショーン・ターピンさん(左)
「Shopify」と「PayPal」からのお知らせ

「Shopify」で新規のECサイトを構築したEC事業者に、「PayPal」決済手数料の無料、60日間の無料体験+月額料金が1年間10%オフになるキャンペーンを7月31日まで実施しています(キャンペーンページからの登録が必要)。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

Criteo、機械学習で新規見込客にリーチする「Criteo Customer Acquisition」の国内ベータ版を7月スタート

7 years 10ヶ月 ago

Criteoは、オンライン上のユーザー行動履歴をもとにした新規顧客の獲得に特化したソリューション「Criteo Customer Acquisition(CCA)」の国内ベータ版サービスを7月1日に開始する。

CCAはグローバルで先行していたサービス。ユーザー行動を機械学習して分析し、「商品サービスを知らない」「サービスを認知しているがサイトは未訪問」といった、新規顧客を機械的に見つけ出して効率的にアプローチすることを可能にする。先行する海外では、コスメショップの「Sephora(セフォラ)」が、CCAを用いて新規顧客(ユニークユーザー)1200万人にリーチするなどの実績を上げている。

Criteo Customer Acquisitionは、新規顧客獲得に特化したソリューション。すでに実績を上げている企業もある

Criteoは、今回のCCA導入によって「新規見込客の獲得」「コンバージョンの最大化」「顧客リテンション」まで、企業のマーケティング活動を一貫してサポート。CCAで新規見込客を呼び込み、ダイナミックリターゲティングで購入を促し、オーディエンスマッチでリエンゲージするといった施策が可能になる。

Criteoのポートフォリオ

CCAの特徴は、業界でも有数のグローバル12億ユーザーの行動・閲覧履歴データから新規見込客を見つけてレコメンドが可能であること、ダイナミックリターゲティング広告と同様にCPC課金であることからROIに優れることなどが挙げられる。

CCAの活用は次の3ステップで進められる。

1. ユーザー行動履歴から新規見込客を特定

直近3か月前までのユーザー行動履歴データを分析して、購買に至る可能性が高い新規見込客を見つけ出す。データには、訪問/未訪問、閲覧している商品カテゴリ(Googleショッピングのフィードカテゴリ)などを利用する。

2. 新規見込客をスコアリング

過去にコンバージョンしていたユーザーを除外するなど、抽出した新規見込客のなかから、優先してアプローチすべき顧客をスコアリングして絞り込む。抽出条件は、広告主企業が個別に指定することもできる。

3. パーソナライズ広告の配信

抽出した顧客データをもとに、誰にどんな広告を届けるのか、Criteo Performance Product Feed(CPPF)の商品カテゴリを参照して、ダイナミックリターゲティング広告を配信する。パーソナライズ化は、商品カテゴリレベルだけではなく、個人の興味関心まで落とし込んで行う。また、同じ商品カテゴリでもブランドによって顧客属性が異なるため、Criteo独自の分析機能としてブランドを加味して判断するという。

Criteo Customer Acquisitionの国内正式サービスの開始時期は2018年10月を予定しており、7月1日から小売企業を対象にベータ版の申請を受け付ける。日本ではニッセンが国内初の導入企業として、6月からキャンペーンを開始しているという。先行する海外事例をみると、データの機械学習に約2週間、成果が上がり始めるのは1か月~2か月先のようだ。

Criteoは、オンライン上のユーザー行動履歴をもとにした新規顧客の獲得に特化したソリューション「Criteo Customer Acquisition(CCA)」の国内ベータ版サービスを7月1日に開始する。

CCAはグローバルで先行していたサービス。ユーザー行動を機械学習して分析し、「商品サービスを知らない」「サービスを認知しているがサイトは未訪問」といった、新規顧客を機械的に見つけ出して効率的にアプローチすることを可能にする。先行する海外では、コスメショップの「Sephora(セフォラ)」が、CCAを用いて新規顧客(ユニークユーザー)1200万人にリーチするなどの実績を上げている。

Criteo Customer Acquisitionは、新規顧客獲得に特化したソリューション。すでに実績を上げている企業もある

Criteoは、今回のCCA導入によって「新規見込客の獲得」「コンバージョンの最大化」「顧客リテンション」まで、企業のマーケティング活動を一貫してサポート。CCAで新規見込客を呼び込み、ダイナミックリターゲティングで購入を促し、オーディエンスマッチでリエンゲージするといった施策が可能になる。

Criteoのポートフォリオ

CCAの特徴は、業界でも有数のグローバル12億ユーザーの行動・閲覧履歴データから新規見込客を見つけてレコメンドが可能であること、ダイナミックリターゲティング広告と同様にCPC課金であることからROIに優れることなどが挙げられる。

CCAの活用は次の3ステップで進められる。

1. ユーザー行動履歴から新規見込客を特定

直近3か月前までのユーザー行動履歴データを分析して、購買に至る可能性が高い新規見込客を見つけ出す。データには、訪問/未訪問、閲覧している商品カテゴリ(Googleショッピングのフィードカテゴリ)などを利用する。

2. 新規見込客をスコアリング

過去にコンバージョンしていたユーザーを除外するなど、抽出した新規見込客のなかから、優先してアプローチすべき顧客をスコアリングして絞り込む。抽出条件は、広告主企業が個別に指定することもできる。

3. パーソナライズ広告の配信

抽出した顧客データをもとに、誰にどんな広告を届けるのか、Criteo Performance Product Feed(CPPF)の商品カテゴリを参照して、ダイナミックリターゲティング広告を配信する。パーソナライズ化は、商品カテゴリレベルだけではなく、個人の興味関心まで落とし込んで行う。また、同じ商品カテゴリでもブランドによって顧客属性が異なるため、Criteo独自の分析機能としてブランドを加味して判断するという。

Criteo Customer Acquisitionの国内正式サービスの開始時期は2018年10月を予定しており、7月1日から小売企業を対象にベータ版の申請を受け付ける。日本ではニッセンが国内初の導入企業として、6月からキャンペーンを開始しているという。先行する海外事例をみると、データの機械学習に約2週間ほど、成果が上がり始めるのは1か月~2か月先のようだ。

池田真也

ネットショップ担当者フォーラム編集部

家電量販店の法人通販から、Web担当者Forumの前身である『インターネットマガジン』(2006年5月号で休刊)の編集部へ。休刊までの半年ほど雑誌編集を経験し、Web坦の立ち上げを機にネットマーケティングにかかわりはじめ現在へ。編集兼Web担当者。2017年末からネットショップ担当者フォーラムと兼任。

池田真也

緑より赤いボタンのCTAが高いのは間違い? 心理学3つの原則を応用したサイト改善方法 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

7 years 10ヶ月 ago

小売事業者は、人間の行動心理を理解した上でWebサイトを制作しなければいけません。気づいてもらうためには目立たせる必要があります。「購入」ボタンには背景の色に溶け込まない色を使いましょう。

ECサイトを最適化する際、ユーザー心理の原則を考慮することなく、戦術に特化してしまいがちです。

「コール・トゥ・アクション(CTA)」の色は何色がいいかという議論を見れば明らかでしょう。コンバージョン率が優れたボタンの色を聞かれたら、“赤”とか“オレンジ”、もしくは他の色を答えるでしょうが、大抵の場合は間違っています。

マーケティングブログHubSpotに掲載されたCTAボタンに関する有名な実験で、「赤は緑に勝つ」という結果が報告されています。

赤と緑のボタンのクリック率をテストしたところ、赤いボタンの方が21%多くクリックされた
赤と緑のボタンのクリック率をテストしたところ、赤いボタンの方が21%多くクリックされた(編注:HubSpotの記事を編集部がキャプチャし追加)https://blog.hubspot.com/blog/tabid/6307/bid/20566/the-button-color-a-b-test-red-beats-green.aspx

この結果に関して、私の中の心理学者の血が騒ぎ、この実験の欠点に気づきました。根本的な心理原則を考慮に入れつつ、実験の条件を変えたら「緑が赤に勝つ」という結果になったことでしょう。その心理原則とは、感覚順応の原則です(この記事のなかで触れる原則の1つです)。

コンバージョン率アップのためにECサイトの最適化を試みている場合、戦術だけに注目した単純な物の見方を避けることが大切です(実験結果を再現するのが難しくなります)。そうではなく、ユーザーの行動に影響する心理原則を理解し、それらの原則に基づいてサイトを変更しましょう。今回は大切な3つの原則をご紹介します。

心理の原則1:感覚順応

「赤は緑に勝つ」という結果を掲載したHubSpotの実験に話を戻しましょう。実験に使用された2つのページを注意深く見てみると、共通項があることに気がつくはずです。CTAボタンの実験が行われたWebページは両方とも緑が基調です。その結果、赤いボタンが目立ち、緑のボタンは溶け込んでしまったのです。それが、結果に影響を与えた可能性があります。

心理学では、周りに溶け込むものは気づかれず、目立つものは気づかれると言われています。これは感覚順応(神経順応)と呼ばれる、「一定の刺激に対する感覚システムの反応の時間変化」です。

言い換えると、私たちの脳は同じ刺激に何度も触れると、反応が鈍くなるということです。靴や洋服も時間が経てば新鮮味がなくなりますし、熱湯に手を入れても、少し時間が経つと、痛みをあまり感じなくなるのと同じです。同じ理由で、緑が基調のWebページでは、緑のボタンは簡単に気づかれないのです。

ECサイトへの示唆

サイト訪問者に新しいCTAや新機能に気づいてほしければ、サイトに溶け込まないようにしましょう。赤を基調としたサイトならば、CTAボタンを赤にするのは得策ではありません。このルールは、サイトのどの要素にも当てはまります。感覚順応の原則を取り入れてECサイトを作れば、コンバージョン率は急激に上昇するでしょう。

心理の原則2:ウェーバーの法則

いくらコンセプトは良さそうでも、心理的に突然の大きな変化には心の準備ができていないものです。スナップチャット(編注:カメラアプリ)がデザインを新しくした際、大きな反発を受けたのはそのためです。

デザイン変更でも価格変更でも、既存商品の改善であっても、最小(丁度)可知差異の原則を知ったうえで行いましょう。最小可知差異とは、何かを変更する際に、短時間で気づいてもらえる最小単位の変更を指します。

どんな変更を施すかによりますが、その変更が最小可知差異よりも下なのか上なのかを確認することが大切です。ポジティブな変更は最小可知差異ちょうどかそれ以上、ネガティブな変更は最小可知差異よりも下であることが大事です。

サイト改善のアドバイス
  • すでに人気のWebサイトのデザイン変更をする場合、大胆に変えるのはやめましょう。少しずつデザインを変更していくことも可能です。
  • 商品の価格を上げたい時は、大きな値上げは避けましょう。希望価格になるまで、少しずつ価格を上げていくのです。
  • 顧客からリクエストがあった商品改善案を採用した場合、すぐに変化に気づいてもらえるよう、変更前との違いを明確に示しましょう。

商品の値上げでもECサイトのデザイン変更でも、何かを変えるときには、ウェーバーの法則、最小可知差異を意識して、反感を買うのを避けると同時に、コンバージョン率を上げましょう。

心理の原則3:快楽原則

快楽原則という考えをフロイトが紹介したのは、我々が今より忍耐強かった時代です。しかし今、ECサイトを快楽原則に反した形で最適化すると、コンバージョン率は下がるでしょう。

我々はすぐに得られる喜びを求めることが、心理学者の研究でわかっています。それだけではなく、すぐに喜びを得られない場合は、無視したり反発したりするのです。人間の集中力が続く時間はどんどん短くなり、今では集中持続時間が短いことで有名な、金魚よりも短いという調査結果もあります。Webサイトのローディングが1秒遅れるだけで、コンバージョン率が7%も下がると言われるのも理解できるでしょう※1。

※1 編集部注:アバディーングループの調査によると、Webページの表示速度が1秒遅くなると次のような悪影響を及ぼす
  • コンバージョン率:-7%
  • ページビュー:-11%
  • 顧客満足度:-16%

スピードが遅いサイトは、快楽原則に反するため、コンバージョン率が下がります。ECサイトのスピードを最適化していない場合は、何かしら手を打つ必要があります。

快楽原則を満たすためのポイント
  • Webサイトのスピードを早くしましょう。キャッシュを有効にし、CDNを活用し、スピードに特化したWebサイトビルダーやCMSを使いましょう。膨らんだコードを削除し、必要であればホストを変えましょう。
  • サイト上での行動の進捗が見えるようにしましょう。たとえば、チェックアウトページやページローディングの時などです。サイト上で進捗を明確に示し、待ち時間がわからない状況が売り上げに悪影響を及ぼさないようにするのです。
  • チェックアウトプロセスを簡潔にしましょう。記入すべき多くのフィールドや長いチェックアウトページは、コンバージョン率に悪影響を与えることが調査でわかっています。

Internet RETAILER

世界最大級のネット通販業界の専門誌「Internet Retailer」は、雑誌のほか、Web媒体、メールマガジンなどを運営。Vertical Web Media社が運営を手がけている。

Eコマースの戦略に関し、デイリーニュース、解説記事、研究記事、電子商取引におけるグローバルリーダーをランク付けする分析レポートなどを発行している。

Internet RETAILER

ディズニーリゾート来場者向けのスマホECサービス、パーク体験を充実する新アプリとは

7 years 10ヶ月 ago

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは7月5日、チケット購入やデジタルガイドマップ機能などを備えたスマホアプリ「東京ディズニーリゾート・アプリ 」をリリースする。

2018年夏までに、来場者がパーク内のほぼすべての商品をオンラインで購入し、自宅などに配送できるショッピング機能を追加する。

ショッピング機能の名称は「東京ディズニーリゾートショッピング」。来場者は当日午後11時30分まで、パーク内のグッズの購入と配送手続きをアプリ上で行える。購入金額が税込1万円以上なら送料は無料。

土産物を自宅に配送できるため、来場者はパーク内で荷物を持ち歩かなくて済む。アプリのショッピング機能を使えるのは来場者のみ。アプリを使ってパーク内の店舗の在庫を検索することもできる。

「東京ディズニーリゾート・アプリ 」はパーク内のアトラクションや現在地などを表示する「デジタルガイドマップ」を実装しているほか、「ディズニーeチケット」の購入機能や、レストランやホテルの予約機能などがある。

東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドが提供するスマホアプリスマホアプリ「東京ディズニーリゾート・アプリ 」内のショッピング機能「東京ディズニーリゾートショッピング」

「東京ディズニーリゾート・アプリ 」の主な機能(画像は編集部がIR資料からキャプチャ)

オリエンタルランドは、ディズニー・エンタプライゼズ・インクのライセンスを受け、ディズニーブランドの施設を運営している。2018年6月14日には、ディズニー社と締結しているライセンス契約を最長で2076年まで延長できる内容に合意したと公表した。

オリエンタルランドは現在、約2500億円を投資して「東京ディズニーシー」の拡張プロジェクトを推進。アトラクションなどを追加し、2022年度中の開業をめざすとしている。

なお、国内でディズニーのキャラクターグッズなどを販売している公式ECサイト「ディズニーストア」は、ウォルト・ディズニー・ジャパンが運営している。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

CVRアップへの最短距離はエントリーフォームの最適化にあり。スマホの画面サイズを意識せよ! | “本気の”CVRアップ実践講座

7 years 10ヶ月 ago

“本気”のCVR実践講座、第6弾のテーマは「エントリーフォームの最適化」です。ユーザーが商品を買い物かごに入れた後、情報を入力して購入完了に至るまでにはいくつかの入力ステップがあります。 このフローをスムーズに移動できるかどうかは、CVRを大きく影響します。今回はこの「エントリーフォームの最適化」について“本気で”考えます。
キャラクターデザイン◎材井千鶴 イラスト◎宮川綾子

スーパーやコンビニなど実店舗でのお買い物の場合は、商品を選び、買い物かごに入れると、あとはレジに並んでお会計を済ませて終了です。ですが、ECサイトでは買い物かごに入れた後、名前や届け先などの情報の入力が必要になり、そのステップが購入完了に至るまでの大きなハードルになっています。買い物かごには入れたものの、

時間がかかりそうで面倒くさい。

エラーが出ているけれど、どこが間違っているのかわからない。

間違えて前のページに戻ったら、せっかく入力した内容が全部消えてしまった!

そんな経験はありませんか? それらは、すべて離脱(=カゴ落ち)の原因です。各種Webサイトの離脱率について、こんなデータがあります。

エントリーフォームの平均離脱率
・インテリア家具サイト→87.9%
・化粧品販売サイト→83.6%
・ホスティング販売サイト→83.2%
・宿泊申し込みサイト→82.6%
・ネット銀行口座開設サイト→78.8%
・健康食品販売サイト→78.8%
※アクセス解析ツール「Web CUBE」調べ

平均離脱率はなんと70%以上! 購入意欲のあるユーザーの多くが、エントリーフォームというハードルで離脱していることがわかります。

もちろん離脱の理由はいくつかありますが、米国の調査会社Baymard Instituteの調査によると、「送料や手数料が思ったより高かったから」(60%)、「会員登録が必要だったから」(37%)に続き、「チェックアウトが長すぎる、または複雑すぎるから」(28%)が3位にランクインしています。

特にここ数年は、スマホ経由の購入がPCを上回るECサイトも増えており、スマホサイトにおけるエントリーフォーム最適化がより重要になっています。英国の調査会社Barillianceによると、カゴ落ち率の世界平均はPCが67.1%、スマホが77.8%という結果で、スマホのカゴ落ち率の方が高いという結果でした。

特にスマホサイトにおいて、エントリーフォームの最適化(EFO/Entry Form Optimization)を行うことは、離脱率を下げ、CVRアップを実現するために欠かせない施策の1つなのです。

エントリーフォームの最適化 3つのポイント

エントリーフォームを最適化の代表例は次の3つです。

  1. 入力欄の最適化
  2. エラー表現の最適化
  3. 導線を明確にする
入力欄の最適化
誤操作を防ぐために入力欄を大きく作る
入力内容に合わせてスマホのキーボードを最適化する
入力ボックスは無意味に分割しない
パスワードとメールアドレスは2度記入させない
① 入力欄の最適化
エラー表現の最適化
エラー文はユーザーが不快に思う表現を避ける
記入漏れがある場合、次のステップに進ませない
記入漏れや記入ミスがある場合、次のステップに進めないようにボタンのデザインを変更する
② エラー表現の最適化
エラー表現の最適化
導線を明確にする
成約に必要ないリンクは全て外す
③ 導線を明確にする

あるサイトにおけるEFO事例

ある健康食品のスマホサイトで、フォームからの離脱率が20%改善し、最終的にCVRが150%アップしたエントリーフォーム最適化の事例をご紹介します。この健康食品のスマホサイトを利用するメインのユーザーは50代女性。新規ユーザーとリピーターが約半数ずつという利用状況でした。

エントリーフォームのステップとしては、

 ① 買い物かごに入れる
 ② ログインor新規会員登録画面
 ③ ユーザー情報の入力
 ④ 入力情報の確認
 ⑤ 購入完了

という流れです。この中で、②ログインor新規会員登録画面から ③ユーザー情報の入力のステップで、50%のユーザーが離脱していることがわかりました。④に進むためには、リピーターの方は「ログインする」、新規会員の方は「新規会員登録する」のいずれかを選択する必要がありますが、そこでつまずいていたのです。

ユーザーの画面サイズを調査

「誘導がわかりづらいのでは?」と考え、ファーストビュー内に入れる情報を精査することにしました。まずはユーザーのファーストビューに入る画面のサイズがどれくらいなのかを、Google Analyticsの「画面の解像度」で調べました。

上位4つで80%以上

その結果、上位4つで80%以上を占めていることがわかり、「縦640pxまでをファーストビュー」と定義して、2回のステップに分けて改修を行いました。

ステップ① 電話番号ボタンの削除

フォーム改善事例1
電話ボタン経由の売上が少ないので削除
離脱率12%改善

1つ目が電話番号ボタンの削除。電話でも注文できるように、ヘッダー部分に電話番号ボタンを入れていましたが、そのボタン経由での売上はほとんどないとわかり、削除しました。それによって、離脱率は12%改善しました。

 

ステップ② ファーストビューの簡略化

フォーム改善事例2
「ログイン・新規会員登録」ボタンを
ファーストビュー内に表示
離脱率8%改善

次により情報を簡略化し、ファーストビュー内に「ログインする」「新規会員登録する」の2つのボタンが入るようにしました。ユーザーがスクロールすることなく、どちらかを選択できるようにしたのです。それにより、離脱率がさらに8%改善し、最終的なCVRも150%アップするという結果につながりました。

家族や友人に使ってみてもらおう

CVRアップというと、商品を買い物かごに入れてもらうためのコンテンツばかりに注力しがちですが、ECサイトではこのエントリーフォームの最適化がCVRに大きく影響することがわかります。一度あなたのECサイトのエントリーフォームをご家族やお友達などに使ってもらい、どこでつまずいているかを調査してみてください

カートにより制限があり、改善できる内容が限られる場合もありますが、ストレスなくスムーズにお買い物ができるエントリーフォームにすることが、CVRアップへの最短距離です。ぜひ、この機会に本気でエントリーフォームの最適化に取り組んでください。

◇◇◇

次回の本気シリーズからは「Webでの接客のあり方を本気で考える」をテーマにお送りします。まずは導入編として、ECサイトにおける接客、いわゆる「おもてなし」がなぜ重要なのかを“本気で”考えたいと思います。次回もお楽しみに。

fcafe eCommerce Navigator

株式会社エフカフェ

EC運用支援サービスのパイオニアとして、日本および中国でeコマースサイトの運営代行、コンサルティングサービスを13年以上展開。
メーカーや大手小売りを中心に、サイト運用に必要なサービス、売上向上に向けたトータルな施策提案をワンストップで提供しています。

現在はペルソナ設計、ユーザーテスト、売上/アクセス分析など定量・定性データ分析部門を強化。そこから導き出される、サイトの課題とターゲットの明確化により、中長期にわたる顧客育成と売上向上を目指すサービスを提供。

「お買い物」を「科学」することで、再現性を持った「売る」技術を蓄積しており、現在日本、中国においてパートナー様にサービスを提供しています。
この「売る」という力、ノウハウは今後ASEANを始め、世界中にサービス提供していきたいと考えています。

株式会社エフカフェ

ECサイト内検索のCTRが8か月で2倍。KDDIのECモール「Wowma!」責任者らが明かす「S4」導入事例

7 years 10ヶ月 ago

KDDIコマースフォワードが運営するECモール「Wowma!(ワウマ)」は2017年6月、PCとモバイルのサイト内検索エンジンを刷新し、8か月間でクリックスルー率(CTR)を刷新前の約2倍に引き上げることに成功した。「Wowma!」はどのようにCTRの大幅改善を実現したのか。

モールを運営するKDDIコマースフォワード、サイト内検索エンジン「S4」を提供するSupershipの担当者が、「Wowma!」のサイト内検索改善の背景と施策、その成果を明かした。

なぜ「Wowma!」はサイト内検索エンジンを刷新したのか?

「Wowma!」は2016年12月、DeNAが運営していた「DeNAショッピング」事業をKDDIコマースフォワードが譲り受けて誕生した。2017年8月には「Wowma!」と「Wowma! For au(旧auショッピングモール)」を統合し、現在のECモールの形になった。

「Wowma!」の2017年における年間流通額は前年比32%増。出店店舗数は12月末時点で同270%増、取扱商品数は同60%増と、統合後も伸びている。

Wowma!の流通額、店舗数、商品数の成長率
2017年における「Wowma!」の流通額、店舗数、商品数は前年比で大幅に伸びている。

こうした業績拡大を支えたのが、2017年6月に導入したサイト内検索エンジン「Supership Search Solution(通称:S4)」だ。サイト内検索エンジンを刷新した理由について、「Wowma!」の松坂氏は次のように説明する。

「Wowma!」では、ユーザーが普段は目にとめないような商品と出合える、感動のある買い物体験=Wow!の提供をめざしています。そのためには、まずは正確な検索結果を表示する必要があると判断し、サイト内検索エンジンを入れ替えました(松坂氏)

KDDIコマースフォワード株式会社
プラットフォーム開発部 松坂 真紀 氏
大手システム会社にてエンジニア・PMを経験の後、サービス企画・マーケティングなどサービスの作成から展開までを一貫して担当。2017年1月、ショッピングモール「Wowma!」立ち上げ時からKDDIコマースフォワードに参画。検索エンジンの刷新やサイト統合、新広告システムの構築と自社サービスの根本的な見直し・改善の実行に従事。

「S4」を導入する前は検索結果の精度に課題があった。たとえば、「花火」というキーワードで検索すると、手持ち花火だけでなく、おもちゃの花火や花火柄パッケージのカラーコンタクトなど、約20種類のジャンルから数万点の商品が検索結果に表示されていたという。ファッションを中心に食品、家電、本、カー用品など多種多様な商品を取り扱う「Wowma!」ならではの結果だった。

松坂氏によると、「Wowma!」のユーザーが検索窓に同時に入力する単語の数は2~3個が中心。そのため、検索結果に表示される商品数は数万種類に上ることが珍しくない。しかし、ユーザーが検索結果を閲覧するのは、最初の3ページ程度にとどまる。

検索結果の最初の3ページに、お客様が探している商品を表示できるかどうかが、クリック率や売り上げを左右します(松坂氏)

トップページの検索利用者は約7割、検索経由のCVRは特集ページの1.5倍以上

続けて「Wowma!」におけるサイト内検索の重要性を、殿前氏がいくつかの数値を示しながら説明した。

「Wowma!」ではトップページを訪問したユーザーの約7割が、サイト内検索を利用している。しかも、検索経由で購入画面にたどり着いたユーザーのコンバージョン率(CVR)は、特集ページなどを経由した場合と比べて約1.5~2.2倍も高い

カテゴリや検索を経由したユーザーのCVRは、商品ページや特集ページを経由した場合より約1.5~2.2倍高い

モバイル端末でアクセスするユーザーが約9割に達していることも、モール内検索の改善を急がせた要因の1つ。モバイルユーザーのサイト離脱率は、PCユーザーよりも高かったため、PCサイト以上にサイト内検索の利便性や精度の向上が求められる。

トップページから購入ページへの遷移率や、コンバージョン率を踏まえると、「Wowma!」においてサイト内検索が非常に重要であるということが見て取れるかと思います(殿前氏)

KDDIコマースフォワード株式会社
プロダクト開発本部 執行役員 本部長 殿前 真之 氏
KDDIバリュー事業本部開発部門10年以上、バリュー系サービスのプラットフォームを複数構築。2016年末からKDDIコマースフォワードヘ出向し、「Wowma!」のシステム構築に携わった。

「S4」で実施した4つの検索エンジン改善策

KDDIコマースフォワードはSupershipが開発する「S4」を導入し、主に4つの施策を実施した。

  1. 検索指標の可視化
  2. 「Wowma!」に最適化したチューニング
  3. 検索の周辺機能・補助機能の整備
  4. 検索結果のパーソナライズ

1. 検索指標の可視化
検索キーワードには顧客ニーズが表れる

「S4」の管理画面では、サイト内検索のログを分析し、使われたキーワードに対してどの商品が表示され、どの程度の割合で購入につながっているかなどを可視化できる。データをもとに検索回数が多いキーワードや、CTRが高いキーワードなどを常時分析し、継続的に検索結果をチューニングすることでCTRや購入率の改善につなげられる

「S4」は各種検索指標を可視化するダッシュボードを備えている

ファッションジャンルを得意とする「Wowma!」は、シーズナブル(季節性の高い)な単語の分析を重視している。たとえば、夏物のファッションに関連するキーワードは、シーズンの約2か月前から検索され始める。こうした検索キーワードをもとに、新商品のプロモーション時期など、マーケティング施策の判断材料に活用しているという。

「S4」の開発を牽引するSupershipの宇都宮氏は、ユーザーが使う検索キーワードを分析することは、顧客のニーズを知ることにつながると指摘する。

サイト内検索で使われるキーワードには、お客様のニーズが表れます。いわば「お客様の声」です。検索指標を可視化することは、お客様の声を聞くこと。「S4」を使ってデータの収集と分析を行うことで、お客様の声をサービスに反映していくことができます(宇都宮氏)

Supership株式会社
マーケティング事業本部 データソリューションスタジオ
スタジオ長
Search Technical Producer 宇都宮 紀陽 氏
2001年ヤフー入社後、データマイニング業務に従事し分析基盤の導入・開発を担当。ヤフー検索サービスのコアコンポーネントの開発やYST からGoogle へ検索エンジンシステムの切り替えを担当。2013年11月スケールアウト入社後、検索事業を立ち上げau Web ポータルの検索プラットフォーム構築をリード。現在はSupershipにて、KDDIグループ内外問わず自社で保有する検索技術ソリューション(S4)の提供を推進。

2. 「Wowma!」に最適化したチューニング
独自辞書や検索結果表示のカスタマイズで導入直後から成果を発揮

「S4」を「Wowma!」に導入する際、検索アルゴリズムを個別にチューニングした。あらかじめデータを分析しておき、検索エンジンのベースとなる辞書を「Wowma!」専用に作成したのだ。事前のチューニングによって検索の正確性を高めることで、システム入れ替えによる一時的なパフォーマンスの低下も抑えることができる。

導入後も、検索結果の表示順とクリックログ、検索経由のコンバージョンログ、サジェストの表示内容とクリックログといった「ユーザーの行動情報」を分析し、キーワードごとにチューニングを続けているという。

「S4」のチューニングは手動で行うだけではなく、自動最適化を行えるパターンが発見できれば、随時自動化している。

検索ログを分析し、手動のチューニングと自動最適化を行う

松坂氏は検索エンジンを個別にチューニングできるメリットを次のように説明する。

取扱商品が多岐にわたるECモールで、検索キーワードと商品を正確にひも付けるには、独自のチューニングが欠かせません。共通の辞書や、検索結果の自動化技術だけではCTRを大幅に改善することはできなかったと思います。現在もキーワード単位で、手動でのチューニングと自動化最適化を日々、続けています(松坂氏)

3. 検索の周辺機能・補助機能の整備
サジェスト、関連ワードなどの補助機能でマッチング精度を高める

「S4」は、ユーザーが検索窓にキーワードを入力している途中でキーワード候補を表示する「サジェスト機能」や、入力した検索キーワードと関連性が高いキーワードを表示する「関連ワード機能」など備えている。

入力中に検索候補を自動で表示する

これらの機能により、的確な検索キーワードの利用を促し、キーワードと商品情報のマッチング精度を高めることができる。

特定の単語に対して複数の表記が存在する「表記ゆれ」にも対応可能だ。たとえば、ゲームタイトル「ファイナルファンタジーフィフティーン」であれば、「FF15」や「FFフィフティーン」「FFXV」といった異なる検索キーワードに対して同じ検索結果を表示する。

異なる表記(表記ゆれ)でも同一の検索結果を表示する

英語のブランド名はカタカナ入力や平仮名入力、スペルミスなど表記ゆれが発生しやすい。こうしたケースでも、「表記ゆれ辞書を使って正しい商品名で検索した場合と同じ検索結果を表示する」(宇都宮氏)。

ゼロ件ヒットを防ぐロジックを備えている

「Wowma!」では、1つの商品を探すために使われるキーワードが10パターン以上あることも珍しくありません。検索の揺れをしっかり吸収して、探している商品を正しく表示できる機能が非常に重要です(松坂氏)

「Wowma!」では、モバイル端末で買い物をするユーザーが約9割を占めるため、移動中や隙間時間などに片手で検索窓にキーワードを入力する状況も想定される。そういったユーザーの利便性を高める上でも検索補助機能は重要だ。

通勤ラッシュで電車に揺られながら、家族へのプレゼントを選んでいるかもしれません。そんなとき、サジェスト機能や関連ワード機能があれば、検索が便利になるでしょう。お客様の買い物体験の向上に役立っていると思います(松坂氏)

また、宇都宮氏はサイト内検索エンジンの表記ゆれへの対応が、ますます重要になっている理由として、ECのデバイスがパソコンからスマホへ移行したことをあげる。たとえば、スマホで検索するユーザーには、次のような傾向があるという。

  • 半角や全角のスペースを空けずに複数のキーワードを入力する
  • カナ漢字変換をしない
  • ひらがなで検索する
  • Googleが圧倒的な技術力で表記揺れに対応したため、多くの消費者はECサイトの検索にGoogleと同等の質を求めている

スペルミルや表記ゆれが増える中、Googleの検索エンジンとほぼ同等の検索体験をECサイトでも提供することが求められるようになりました。その解決策として「S4」では高度な検索補助機能を提供しています(宇都宮氏)

4. 検索結果のパーソナライズ
会員属性に合わせて、本当に欲しい商品を表示する

「S4」を活用して強化している4つ目の施策は、検索結果のパーソナライズだ。「Wowma!」の会員がログインした状態でサイト内検索を利用すると、会員属性に合わせた検索結果が表示される。

会員属性に合わせて検索の表示結果を変える

同じ検索キーワードでも、ユーザーの性別や年齢、検索した季節によって探している商品は異なる。そのため、機械的にキーワードと商品を結びつけるのではなく、顧客がそのときに本当に欲しがっている商品を表示できる仕組みをめざした。

個々のお客様が望む商品を表示すること。お客様に提供できる一歩先の体験として、これに挑んでいます(松坂氏)

検索エンジンの改善が、流通額アップに貢献

「S4」を導入したことで、検索結果のCTRは右肩上がりで上昇している。導入3か月後にはCTRが導入前の120%、そして導入8か月後の2018年3月には同200%に向上した。

「S4」の導入8か月後には、導入前と比較してCTR200%を達成

殿前氏は「S4」導入した効果について、次のように説明した。

Wowma!の2017年の流通額は前年比32%増でした。このなかで、検索エンジンが果たした役割は、だいぶ大きかったのではないかと感じています(殿前氏)

最後に宇都宮氏は、サイト内検索の改善において重視すべきポイントとして、3つのポイントを強調する。

  1. 現状の検索課題を可視化し、把握する
  2. 検索の補助機能を整備する
  3. サイトの特性に合わせたチューニングを行う

これらのポイントを押さえ、顧客の要望に応えることがサイト内検索機能(S4)の果たす役目だと宇都宮氏は説明し、セッションを締めくくった。

ユーザーの検索行動は、「何かを知りたい」という要望そのもの。その要望に寄り添った返答を行うことこそが、検索機能の役目だと思っています(宇都宮氏)

「Wowma!」の成功事例を聞きに多くのEC業界関係者が詰め掛けた

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

セブン&アイがスマホ決済の新会社「セブン・ペイ」設立、グループ内決済でCRM戦略支える

7 years 10ヶ月 ago

セブン&アイ・ホールディングス傘下のセブン・フィナンシャルサービスとセブン銀行は6月14日、共同出資で決済サービス会社「セブン・ペイ」を設立した。

新会社はスマートフォンをツールとした新たな決済サービスを提供する。関係当局への手続きを経て、2019年春頃にサービスを開始する予定。セブン・ペイの社長にはセブン・フィナンシャルサービスの小林強専務が就任した(兼務)。

新会社の資本金は1億5000万円。出資比率はセブン・フィナンシャルサービスが70%、セブン銀行が30%。決算期は2月。

グループ各社のアプリと連携

セブン・ペイの設立は、セブン&アイグループが取り組んでいるデジタル戦略の一環。グループ各社のアプリと連動した新たな決済サービスを2019年春をめどに開始する計画。

2018年6月にリリースした「セブンイ-イレブン」「イトーヨーカドー」のアプリに加え、今後リリースする「そごう・西武」「ロフト」「赤ちゃん本舗」のアプリと連携する。新たな決済サービスを軸にグループ内の金融関連情報の連携を図り、CRM戦略などに活用する。

「セブンマイルプログラム」の展開計画
セブン&アイがめざすCRM(画像はセブン&アイのIR資料から編集部がキャプチャ)

セブン&アイグループは2018年6月、新たな会員プログラム「セブンマイルプログラム」をスタートした。店舗やEC、ネットスーパーを利用するとマイル(ポイント)が貯まり、ポイント数に応じて、さまざまな特典を受けられる。

現在、ポイントの対象は「イトヨーカドーアプリ」「セブン-イレブンアプリ」、グループを横断したECサイト「オムニ7」。

「セブンマイルプログラム」の展開計画
「セブンマイルプログラム」の展開計画(画像はセブン&アイのIR資料から編集部がキャプチャ)

セブン&アイ・ホールディングスの2018年2月期におけるEC売上高は、前期比11.4%増の1087億8500万円た。セブンネットショッピングの売上高が同約1.5倍に増えたほか、グループのアカチャンホンポやイトーヨーカドー、そごう・西武、ロフトも売り上げを伸ばした。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

拡大が見込まれるシニア消費をECで開拓、メーカーと小売りが合弁会社設立

7 years 10ヶ月 ago

介護用品や福祉用具の製造販売を手がける幸和製作所は、EC事業を行う子会社を7月1日付で設立する。新会社を通じて自社の介護用品をオンラインで販売する。

新会社は介護用品のECサイトを運営しているネクストと共同出資で設立。メーカー・流通・小売りが連携する新たな販売チャネルの構築を目的としているという。

幸和製作所はEC子会社を設立する理由として、団塊世代の高齢化に伴い、高齢者のインターネットを活用した消費の拡大が見込まれることをあげている。

幸和製作所は介護用品のECサイトを運営しているネクストと共同出資でECの新会社を設立

幸和製作所はECでシニア需要を開拓する(画像は編集部が幸和製作所のHPをキャプチャ)

新会社の名称は6月15日時点で未定。資本金は4950万円で、出資比率は幸和製作所が56%、ネクストが44%。代表取締役社長にはネクストの渡部雅孝社長が就任する。幸和製作所の取締役1人と執行役員1人が取締役に就任する予定。 

幸和製作所の2018年2月期における売上高は、前期比11.5%増の50億9300万円。通販ルートへの販売金額は同9.2%増の1億3800万円だった。

ネクストは2004年設立。介護用品専門のECサイト「介護用品卸センター」などを運営している。

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

【大阪府北部地震】EC企業の被害状況から見る教訓と課題

7 years 10ヶ月 ago

一般社団法人イーコマース事業協会(EBS)が会員に対して行った大阪府北部地震の被害状況についての緊急アンケートによると、「交通マヒによるスタッフ確保」に苦慮した企業が回答企業の半数にのぼった。

緊急アンケートに協力した事業所は40社(大阪府25社、京都府4社、兵庫県7社、奈良県2社、滋賀県1社、和歌山県1社)。

被害状況は50%の事業所が「交通マヒによるスタッフ確保」と回答。「運送会社の遅延・停止」に遇った事業所数は13社だった一方、「影響なし」も同数だった。

大阪府北部地震の被害状況(一般社団法人イーコマース事業協調査)

被害状況について

被害内容では、「楽天スーパーSALE期間中の休日明けで注文と問合せが殺到する中、電車通勤の受注系業務スタッフが出勤できず、対応が後手に回った」などスタッフ不在による対応に関するコメントが目立ったという。

地震当日の運営について(一般社団法人イーコマース事業協会の調査)

地震当日の運営について

サイト内での被害状況告知について(一般社団法人イーコマース事業協会の調査)

ECサイト内での被害状況告知について

顧客対応について(一般社団法人イーコマース事業協会の調査)

顧客対応について

こうしたアンケート結果や被害状況を踏まえ、事業所を大阪府内に構える一般社団法人イーコマース事業協会の吉村正裕理事長は、天災時の対応ポイントについて次の5つをあげている。

一般社団法人イーコマース事業協会の吉村正裕理事長
吉村正裕理事長
  1. 都市部の通勤時間帯に発生したため、都市機能の脆弱(ぜいじゃく)性が再認識された。電話は不通になるケースがあったものの、SNSでスタッフの安否確認や連絡を実施した人が多く、普段から連絡手段や連絡内容などを決めておく必要性を感じた。
     
  2. 阪神淡路大震災の時は巨大地震にも関わらず出勤しようとする人が続出、被害者を増やしたという教訓があった。今回はその教訓が生かされ、自宅待機などの措置をとる事業者が多かった。阪神淡路や東日本大震災の教訓から人命や家族第一という道義的責任を中小零細企業も認識したと言えるのではないか。
     
  3. ビジネス面に目をむけると、ECは商圏が全国であり、顧客対応をいかにするかが大命題である事は否めない。大企業のようにバックアップ体制や代替機能となる複数の拠点を保有しない中小零細のEC事業者は、当日の運営に多くの支障をきたした。

    今回は大阪北部に被害が集中したが、大阪の他の地域にも全国から問い合わせが寄せられた。ECサイトでの告知(地震の影響の有無、受注処理や発送の状況)などが必須となるが、今回の地震におけるその対応は迅速であったと言える。
     
  4. 今後の課題としては、勤務時間中に天災が発生した場合の対策を考えるべきであろう。職場の安全対策や避難物資の備蓄、スタッフの帰宅困難時の対応、スタッフと家族の安否確認の連絡手段を事前決定する――などである。被害状況や 職場及びスタッフの自宅の震度にあわせて休業や自宅待機をする判断基準を決めておくとともに、受注処理や発送処理の人員確保や流通状況に応じて、ECサイトでどんなメッセージを記載すべきかを決めておく必要がある。
     
  5. 天災はいつ発生するかわからない。備えておき、いざという時の被害や混乱を最小限にとどめる事こそ危機管理の要諦である。

イーコマース事業協会会員の事務所の被害

 

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

JD.com半端ないって。あいつ半端ない。ザリガニ3373万匹も売るもん。そんなんできひんやん、普通。【ネッ担まとめ】 | ネットショップ担当者が 知っておくべきニュースのまとめ

7 years 10ヶ月 ago

中国ECは取扱高だけが注目されがちですが、配送力と対応力も半端ないです。2兆円以上の売上分を当日か翌日配送して、1600万件のチャットボットへの問い合わせに対して、87%をAIが回答しています。日本との差は開くばかり……。

取扱高を支える配送網とAIがポイント

中国直販EC最大手JD.comの創立セール取扱高は2.7兆円! ザリガニは3373万匹も売った | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5546

まとめると、

  • JD.comが行った大規模セールイベント「京東618」で、6/1~6/18までの取引額は前年比32.8%増の1592億元(約2.7兆円)
  • 2017年の「独身の日」では、アリババグループの取扱高は1682億元(1元17円換算で約2兆8594億円)、JD.comの「独身の日」の取扱高は1271億元(日本円で2兆1607億円)
  • チャットボットへの問い合わせが約1600万件。そのうち87%をAIサポートサービスが解決

商品を顧客に届ける「ラストワンマイル」を自社で手がけるJD.comによると、キャンペーン期間中の注文当日もしくは翌日に配送が完了したのは注文全体の9割超にのぼったという。

膨大な注文や問い合わせへの対応については、本格導入した人工知能(人工知能)搭載のAIサポートサービスが24時間対応。チャットボットでの問い合わせ約1600万件の内、87%をAIサポートサービスが解決したという

取扱高もすごいですが、発送とサポートのレベルが半端ないですね。2.7兆円分のほとんどを当日か翌日に配送とか、AIサポートサービスが87%を解決している実情を見ると、日本はまだまだ遅れているというか、どんどん差が広がっている感じがします。

日本型デフレの原因はネット通販だった!?

日銀が分析するECビジネス――物価への影響は? 実店舗との関係は? Amazonをどう見ている? | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5553

インターネット通販の拡大が物価に与える影響 | 日銀レビュー
http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2018/data/rev18j05.pdf

まとめると、

  • 日本を含む10か国の多くでECの販売価格の方が実店舗よりも割安である
  • ネット通販の支出額が増えている日用品や衣類の物価は、食料品などに比べて弱めに推移している
  • 物流コストの増加は、ネット通販企業のコスト面での競争力を弱めることになる

インターネット購買比率の上昇は、既存の小売企業との競合関係が強まっている財を中心に物価を下押す効果を持つことが確認された。実際にインターネット購買比率が近年顕著に上昇してきたことを踏まえると、インターネット通販の拡大はわが国の物価に対して一定の押し下げ圧力をかけてきたものとみられる。もっとも、こうした物価下押しは、一般物価の下押しというよりは、小売セクター固有の部門ショックに起因するものであると解釈するのが妥当とみられる。

インターネット通販の拡大が物価に与える影響 | 日銀レビュー

日銀は物価上昇率の目標を2%としていますが、それが上がらない理由の1つにネット通販の拡大があるようです。確かにネットで買う理由として安さをあげるユーザーは多いですし、メルカリに代表されるCtoCも広がっているので物価に影響はしていそうですね。オンライン価格と実店舗価格の調査が4社だけなので注意してください。

無理にECをとは言いませんが、ユーザーが困っていたらやるべき

ECで買わない人はいても、リアルで買わない人はいない――オムニチャネルの誤解を解く | ECzine
https://eczine.jp/article/detail/5776

まとめると、

  • 「電子商取引に関する市場調査」によるとEC化率は5.79%。つまり約95%はいまだにリアル店舗でを利用している
  • マスマーケティングが対応するような「多くの人」はいなくなり、スマートフォンなどテクノロジーの進化によって「たくさんの個人」が出現している
  • オムニチャネル施策は、リアル店舗とECがどのような関係があるのかを意識することが重要

小売業は今、変革を求められています。商品を並べていれば消費者が喜ぶ時代は終わりを告げ、次の時代へと突入してきています。リアル店舗はオンラインに顧客を奪われていると思いがちですが、伝統的な小売業こそ、その自社の強みを活かしてテクノロジーへの食わず嫌いをやめ、利用することによって顧客に最高の買い物体験を提供するべきです。

ネット通販が主語になってしまうとアレルギー反応を起こす人はいると思いますが、買いたくても買えない不便な思いをしている人のためのサービスだと考えれば導入しやすいのでは? とはいってもネットやめたら儲かった事例もあるので、どこまでどう広げるはよく考えて。

EC全般

「希望する決済方法がない」ECサイトで7割のユーザーは離脱 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5538

これはわかりますよね~。住所まで入れたのに代引きしかなったら暴れたくなります(笑)。

ヤフー、「ヤフオク!」の盗品流通対策を強化 | ASCII.jp
http://ascii.jp/elem/000/001/697/1697482/?rss

「Yahoo!ショッピング」の地震対応に出店者から称賛の声があがった理由 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5539

ヤフーさんの対応についての2記事。出店(品)者あってこその通販ですよね。

店頭の“かご落ち”要因をつぶそう -- ES一体の利便提供が不可欠 | 商業界オンライン
http://shogyokai.jp/articles/-/830

店舗とネットで同じ考え方をすれば、お互いの施策を活かせるはずです。

シリーズ:AMS運用最前線 第2回 - AMS運用の流れ、管理画面機能 | Unyoo.jp
http://unyoo.jp/2018/06/amazon-marketing-service-vol2/

AMSの詳しい記事って見かけないのでとっても助かります。Amazonが主戦場の人は必読。

Instagram、MAUが10億人突破 新アプリ「IGTV」発表 | ITmedia NEWS
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1806/21/news051.html

YouTubeに対抗できるのかどうか……。ここに広告が出てくると面白そうですね。

WEB×DMで成果4倍、通販業界で紙のDMに再注目 | 通販通信
https://www.tsuhannews.jp/53313

毎回送っても飽きられる可能性があるので、ここぞという時に出すのが良さそう。

景表法違反で2229万円の課徴金、サプリメントのEC会社が違法表示。アフィリエイトサイトにも波及 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/5531

「消費者に違反事実を周知する際は、ECサイトにリンクしているアフィリエイトサイトも含める」ここがポイント。

今週の名言

・300人を超えて何が起きたか
かいつまんだ伝聞の情報で会社やサービスを批判をするコメンテータータイプのメンバーが出てくる
コメンテーターでなく問題があれば変革の実行者になれ コメントしてる暇があれば行動しろ というメッセージを何度も発信する
他者がパッと思いつきのアイディアで批判しても、大体は長時間考えたメンバーの方がいい答えだから向き合っているメンバーをリスペクトすべきという概念を伝えつづける

メルカリの小泉さんと組織の課題について話したら恐ろしい程勉強になった話 | tsukuruba Medium
https://medium.com/tsukuruba/...

ちょっと長めの引用です。行動しないけどコメントする人っていますよね。で、上手くいったあとに「オレもそう思ってた」とか言ってしまう。経営者から何が正しいかを伝えるのって大切ですね。

森野 誠之

運営堂

運営堂代表。Web制作の営業など数社を経て2006年に独立後、名古屋を中心に地方のWeb運用を支援する業務に取り組む。現在はGoogleアナリティクスなどのアクセス解析を活用したサイト・広告改善支援を中心にWeb制作会社と提携し、分析から制作まで一貫してのサービスも開始。豊富な社会・業務経験と、独立系コンサルタントのポジションを活かしてWeb制作や広告にこだわらず、柔軟で客観的な改善提案を行っている。理系思考&辛口の姿勢とは裏腹に皿洗いを趣味にする二児のパパ。

森野 誠之

阪急百貨店のECサイト&実店舗の顧客体験を変えた「Amazon Pay」の導入効果とは

7 years 10ヶ月 ago

EC専業会社や流通企業がECサイトの売上拡大を目指すうえで重要なことの1つに、満足度の高い「顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)」の提供があげられる。商品戦略や組織作り、システム構築、物流など取り組むべき業務は多岐にわたるが、決済の簡素化も顧客体験においては大きな役割を果たす。

ECサイトと実店舗の融合を推進するエイチ・ツー・オー リテイリング傘下の阪急百貨店は、Amazonの決済サービス「Amazon Pay」の導入により、商圏外である関東圏の顧客増加を実現したうえ、実店舗を利用する消費者の利便性向上なども図ることができたという。「Amazon Pay」というひとつの決済手段の導入がECサイトと実店舗にもたらした効果とは? オムニチャネル推進室の野田雄三シニアマネージャーと西脇裕之マネージャーに話を聞いた。写真◎打田浩一(打田写真事務所)

ECの本格化と同時に浮かび上がった「カゴ落ち」の課題

関西を中心に11店舗を展開する阪急百貨店。2016年に「オムニチャネル推進室」を立ち上げ、以降、店舗と店舗情報サイト、およびECサイト の3チャネルの関係を再構築するとともに、オムニチャネルにも本格的に取り組んでいるという。

阪急百貨店は、店舗の販売力が圧倒的に大きく、ECサイトの売り上げは店舗と比べてまだまだ小さい。そのため、まずはECの規模拡大をめざしています。ECがある程度の規模まで拡大すれば、店舗とのバランスが取れてオムニチャネルが本格的に機能すると考えています。(野田氏)

阪急阪神百貨店オムニチャネル推進室 シニアマネージャー 兼 エイチ・ツー・オー スタイル代表取締役社長の野田雄三氏
阪急阪神百貨店オムニチャネル推進室 シニアマネージャー 兼 エイチ・ツー・オー スタイル代表取締役社長の野田雄三氏

ECの規模拡大を図るため、2016年3月にECの基盤となるプラットフォームを刷新。商品カテゴリーごとに専門店としてECサイトを順次開設していった。1つのサイトで総合的に商品を扱うのではなく、カテゴリー特化型の専門サイトをいくつも展開していく戦略である。

現在は化粧品を扱う「HANKYU BEAUTY」、女性用ファッションの「HANKYU FASHION」、男性用ファッションの「阪急MEN’S ONLINE STORE」、食料品の「HANKYU FOOD」の計4サイトを運営している。

従来のバラエティー型のECサイトから、カテゴリーごとに商品を絞った専門店型のECサイトに変更し、それらECサイトの集合体として「HANKYU E-STORES」を運営しています。出店ブランドとも連携しながら、ビジュアルやクリエイティブにもこだわっています。(野田氏)

阪急百貨店のオンラインショップ「HANKYU E-ST」
阪急百貨店のオンラインショップは化粧品、女性用ファッション、男性用ファッション、食料品の4つのカテゴリーに分けて運営している

ECサイトの商品戦略や組織作り、システム構築、集客など、EC事業の成長に必要な施策を着実に進めてきた。だが、昨今の消費者がECサイトに多様化したニーズを求める現状を目の当たりし、さまざまな課題が浮かび上がってきた。その1つが、決済手段の多様化への対応である。

ECサイトの利便性を高めるには、決済手段の選択肢を増やすことが欠かせません。同時に、信頼性や安全性を担保するために、クレジットカードの不正利用や不正アクセスといった問題に対処する必要もあります。不正利用を防ぐためにセキュリティコードや3Dセキュアなどを導入すると、会員登録時の入力項目が増え買い物途中での離脱率が高まります。決済の利便性とセキュリティ対策を両立することが課題でした。(野田氏)

阪急百貨店が特にこだわったのは、会員登録画面でユーザーが離脱する「カゴ落ち」への対応だ。「HANKYU E-STORES」の利用者全体でクレジットカード決済の割合は7割を超えている一方で、せっかく商品をカートに入れても会員登録やカード情報の入力画面で離脱するユーザーは少なくなかったという。

「カゴ落ち」は阪急百貨店に限らず、多くのEC事業者が抱える課題。特にスマートフォン(スマホ)ではパソコン以上に「カゴ落ち」が発生しやすいとされ、スマホユーザーが増加するにつれ、「カゴ落ち」の問題はより深刻になる。

決済の利便性とセキュリティ対策を両立するため「Amazon Pay」を導入

こうした課題の解決策の1つとして、阪急百貨店は2017年11月に「Amazon Pay」を導入した。

「Amazon Pay」とは、Amazon.co.jpのアカウントに登録したユーザー情報やクレジットカード情報を使い、Amazon以外のECサイトでログインや決済を行える決済サービス。

決済時にAmazon Payを選択したユーザーは、ECサイトにクレジットカード情報や住所などをあらためて入力する必要がないため、事業者は会員登録時におけるユーザーの離脱を抑制する効果が期待できる。決済の利便性の高さから「Amazon Pay」を選択するユーザーが多いことは以下の調査結果からもうかがえる。

ECで商品を購入する際に「Amazon Pay」を選ぶ理由
初めてのサイトでお買い物するとき、新たに情報入力しなくてもいいから 47.3%
ID・パスワードを覚えているから 35.7%
ECで商品を購入する際に「Amazon Pay」を選ぶ理由
(Amazonが2018年4月に実施したインターネット調査より)

また、EC事業者のECサイトにクレジットカード情報が保存されないため、事業者は情報漏えいのリスクを回避できるというメリットを享受できる。Amazonの堅牢なセキュリティシステムによってカード情報が守られるため、ECサイトを初めて利用する消費者にとって安心感がある。

ちなみに、事業規模の大きい企業ほど自社でシステムを作り上げていく「自前主義」の傾向があり、阪急百貨店も例外ではなかった。だが、「Amazon Pay」の導入はすんなり承認が下りたという。

Amazonは多くの消費者が利用しているECサイト。安全性や信頼度が高く、そして決済しやすい。多くの消費者がAmazonのID・パスワードを持っており、「Amazon Pay」はそれを活用した決済サービスなので、経営陣は導入メリットをすんなり理解できたと感じています。(野田氏)

半年で新規会員7,000人増、EC全体の売上高は1億円の純増

「HANKYU E-STORES」に「Amazon Pay」を導入したことで、新規会員の獲得や売上高の純増といった成果が早々に表れた。

「Amazon Pay」導入後、半年間で約7,000人の新規会員を「Amazon Pay」経由で獲得注文全体における「Amazon Pay」による決済比率は約16%にまで増え、Amazon Payでの売上高は半年間で1億円近いという。しかも、「クレジットカード決済や代引きなど、他の決済手段による売り上げは、ほとんど落ちなかった」(西脇氏)。

「Amazon Pay」を利用している顧客層は、クレジットカードや代引きなど既存の決済手段のユーザーと重複が少ないと感じます。「Amazon Pay」の導入により、半年で新規会員数が7,000人以上増え、Amazon Payでの1億円近い売り上げが純増となったと評価しています。(西脇氏)

阪急阪神百貨店オムニチャネル推進室 マネージャー ECシステム開発担当の西脇裕之氏 
阪急阪神百貨店オムニチャネル推進室 マネージャー ECシステム開発担当の西脇裕之氏

新規顧客と売り上げの増加に伴い、「HANKYU E-STORES」の会員も増えた。また、「Amazon Pay」を使った消費者の情報は、お客さまの同意など一定の条件を満たせば自社ECサイトの顧客情報として活用できるのも特長。つまり、「Amazon Pay」を利用して会員登録や決済をした会員情報および購入情報を、一定の条件の下、自社ECサイトが自ら管理できるわけだ。

「Amazon Pay」を利用した新規顧客はそのままECサイトの会員になるため、「Amazon Pay」の導入前後で比べると15%ほど会員が増えたという。

関東圏の顧客獲得にも成功

「Amazon Pay」を導入したことで、今まで開拓しきれなかった関東圏の顧客も増えている。阪急百貨店は関西に7店舗、福岡に1店舗、都内2店舗、そして神奈川に1店舗を展開。実店舗の利用者は関西圏が最も多く、おおむねそれに比例してECサイトの利用者も関西在住者が多い。

しかし、「Amazon Pay」で買い物をする利用者の所在地は、これとは大きく異なる分布だという。

「Amazon Pay」の利用者で最も多いのは東京在住のお客さまです。2位以下は大阪、兵庫、神奈川、埼玉、千葉となっています。他の決済手段では関東圏の顧客が上位に来ることはありません。「Amazon Pay」を導入したことで、関東のお客さまのシェアが高まりました。(西脇氏)

「HANKYU E-STORES」において「Amazon Pay」経由で購入された商品の内訳は、約7割が化粧品、約3割はファッションだという。化粧品は以前から顧客が全国に点在していたが、「Amazon Pay」を導入したことで顧客基盤がさらに広がったことになる。

阪急百貨店は関西では知名度が高いですが、地域によっては阪急百貨店のことをよくご存じない消費者もいるでしょう。そうした知名度が低い地域において、Amazonのブランド力、信用力によって新規会員登録を促す効果が出ていると思います。決済手段に「Amazon Pay」があると、初めてのECサイトでも安心して買い物ができると感じています。(野田氏)

販売事業者様のメリット① 新規顧客の獲得 ゲスト購入のうちAmazon Pay決済の場合40%から50% そのうち会員となった購入者の割合は、Amazon Payが60%~80%、その他の決済方法は20%~25%
「Amazon Pay」と連携しているASPカート「FutureShop2」やECパッケージ「ecbeing」などのデータによると、ゲスト購入者が選んだ決済手段の40~50%が「Amazon Pay」であり、「Amazon Pay」を利用した購入者の60~80%が会員登録をしている

20~30代の顧客獲得に期待

阪急百貨店のECサイトの主な顧客層の年代は、化粧品やファッションが30~40代、食品は40~50代となっています。「Amazon Pay」の利用者には20代も多いと聞いており、導入したことで従来よりも若い顧客層の開拓につながっていると感じています。また、ECサイトをきっかけに若い世代の顧客が百貨店に来店することにも期待を寄せています。

若い消費者の中には、百貨店は敷居が高いと感じている方もいらっしゃると思います。そういった方が「Amazon Pay」でECを利用してくだされば、その体験が実店舗で買い物をするきっかけになるかもしれません。(西脇氏)

「HANKYU E-STORES」において「Amazon Pay」の利用者が使うデバイスの内訳は、スマホが70%を超えているという。一方、すべての決済手段で見ると、スマホ比率は60%強。つまり、「Amazon Pay」はスマホでより多く使われていることになる。

ECを利用する際に使うデバイス タブレット スマートフォン
ECを利用する際に使うデバイス
(Amazonが2018年4月に実施したインターネット調査より)

店舗での買い物体験を向上させた「Amazon Pay」

「Amazon Pay」の導入によって、実店舗での買い物方法にも変化が起きている。

通勤中などの隙間時間に、スマホで購入しているユーザーが多いように感じます。(西脇氏)

Amazonが実施したインターネット調査でも、「Amazon Pay」が移動中やちょっとした隙間時間にスマホで利用されている比率が高いことが判明している。

ECを利用するシーン すきま時間、空き時間
Amazon Pay 利用者…53%
Amazon Pay 非利用者…42.5%
ECを利用するシーン(Amazonが2018年4月に実施したインターネット調査より)

移動時間や昼休みに「HANKYU E-STORES」で買い物をしたユーザーは、午後1時までの注文で当日夕方5時以降、阪急百貨店の店舗で商品を受け取ることができる。「Amazon Pay」の導入によって、この店舗受取サービスを使うユーザーが増加しているという(一部商品)。

有り難いことに阪急百貨店の化粧品売場は、仕事帰りのOLなどで5時以降は客足が途絶えない状況です。そのため、一方では、店舗での買い物に30分以上待つことが多く、お客さまにとってはとても不便な状況も発生しています。(西脇氏)

「Amazon Pay」の導入によって、隙間時間で買い物をするユーザーが増え、アフター5に店舗受取サービスを活用するOLなどの増加につながっているようだ。

阪急百貨店が展開している店舗受取サービス13時まで当日17時から
阪急百貨店が展開している店舗受取サービス

店舗の化粧品売り場などは、夕方の時間帯になると混雑し、待ち時間が30分ほどになることもあります。お客さまが待たずに買い物ができるように、店舗受け取りサービスを開始しました。今後、通勤中や昼休みにスマホで注文し、帰宅途中に店舗で商品を受け取る消費者は増えていくと思います。店舗受取サービスに加え、コンビニ受取など、外部と連携したインフラ整備も急務だと思っています。(野田氏)

野田氏は今後のオムニチャネルの展望を次のように語り、インタビューを締めくくった。

阪急百貨店のオムニチャネル戦略は道半ばです。今後、ウェブルーミングやショールーミングをシームレスに行えるようにしたいですし、ECサイトと実店舗のデータ統合やCRMも強化しなくてはいけません。そういうことを1つ1つ積み上げて、お客さまのお買い物体験の向上を図っていきたいと考えます。

阪急阪神百貨店オムニチャネル推進室 マネージャー ECシステム開発担当の西脇裕之氏(左)、阪急阪神百貨店オムニチャネル推進室 シニアマネージャー 兼 エイチ・ツー・オー スタイル代表取締役社長の野田雄三氏(右)
「Amazon Pay」の導入効果を踏まえ、実店舗でも簡単に注文できるようにしていきたいと野田氏は抱負を語っている

【関連リンク】

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

ペイパルがクレカ不要の銀行口座経由の決済サービス、カード未保有者らのニーズに対応

7 years 10ヶ月 ago

PayPal Pte. Ltd.(ペイパル)は7月から、銀行口座とペイパル口座をひも付けることで、銀行口座経由でペイパルを利用できるようにする機能の提供を始める。

ペイパル決済の新たな機能は、銀行口座の振替機能を使用する仕組み。導入企業は、クレジットカードを持たないユーザーのネット通販、カードを利用したくないといった消費者ニーズに対応できるようになる。

従来、銀行口座からの振り込みには手数料がかかり、買い手側が負担するケースが多い。銀行口座経由でペイパルを利用できるようにする機能では、振込手数料はかからない。

企業側が負担する決済手数料は、クレジットカード決済の手数料と同率。月間のペイパル経由の売上高が1000万円の場合、売り上げに対して2.9%、1件あたり40円が決済手数料となる。

PayPal Pte. Ltd.(ペイパル)は、銀行口座とペイパル口座をひも付けることで、銀行口座経由でペイパルを利用できるようにする機能の提供を始める

EC企業が銀行口座機能を活用するメリット

対応銀行は、みずほ銀行、りそな銀行、三菱UFJ銀行、埼玉りそな銀行、三井住友銀行、三井住友銀行、ゆうちょ銀行。銀行口座からペイパル口座へのチャージはできない。

ペイパルの銀行口座決済はリアルタイム入金に対応。売り手保証制度も設け、未承認取引や商品・サービス未受領に基づくクレームなど、適用条件を満たした場合に損害を補償する。

また、継続課金や分割決済などにも対応する。ネット通販であれば主な利用シーンが定期購入ビジネス。クレジットカードを使いたくないために銀行振込で定期購入を申し込んでいた消費者場合、ペイパルの銀行口座経由を利用すれば、手数料の削減が期待できる。

「Peatix」を運営するPeatix Japanの共同創始者で代表取締役の岩井直文氏が会見に登壇。銀行口座振替の魅力について「ユーザーにとって大きなメリットだ」などと語った。

Peatix Japanの岩井氏が語ったペイパル銀行口座振替の魅力

Peatix Japanの岩井氏が語った銀行口座振替の魅力

7~8月にかけて順次、ペイパルユーザーのアカウントに銀行口座登録機能を対応していく。

ペイパルの銀行口座登録機能

銀行口座登録機能画面のイメージ

企業から個人への支払いを簡単に行う「受け取り」機能も

企業がペイパル口座へ簡単に支払いができるようにする機能も追加する。

個人ユーザーのペイパル口座(メールアドレス)と金額を指定するだけで、個人ユーザーに1回あたり10万円までの支払いができるようにする。

対応する銀行口座とオンライン連携することで本人確認を行い、1回あたり100万円までの支払いの受け取りや銀行口座への引き出しが可能になるという。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

「売れるネット広告つくーる」がIT導入補助金対象サービスに2年連続で認定

7 years 10ヶ月 ago

売れるネット広告社は6月25日、単品通販・EC向けのASPツール「売れるネット広告つくーる」がIT導入補助金対象サービスに2年連続で認定されたと発表した。

「売れるネット広告つくーる」を新規導入した場合、年間最大50万円分の補助を受けることができる。

「IT導入補助金」とは、経済産業省が推進する「サービス等生産性向上IT導入支援事業」により支給される補助金。ITツールの導入を支援することで、中小企業・小規模事業者等の生産性の向上を目的としている。

本補助金事業の対象サービスを導入した場合、費用の2分の1以内で下限15万円、上限50万円の補助金を受け取ることが可能。所定の条件に合致する中小企業・小規模事業者等が対象(一部例外条件もあり)。

現在実施中の二次公募の交付申請期間は、2018年6月20日(水)~8月3日(金)まで。

「売れるネット広告つくーる」は、Fusicと共同開発した単品リピート系商材向けのASPサービス。200社以上の通販・EC会社が利用している。

瀧川 正実

ネットショップ担当者フォーラム編集部 編集長

通販・ECに関する業界新聞の編集記者、EC支援会社で新規事業の立ち上げなどに携わり、現在に至る。EC業界に関わること約13年。日々勉強中。

瀧川 正実

4年でEC売上20億円超の「cyma-サイマ-」、スポーツサイクルの商品を拡充

7 years 10ヶ月 ago

自転車のECサイト「cyma-サイマ-」を運営するエイチームは6月22日、スポーツサイクル専門店「Y’s Road」を全国で38店舗展開しているワイ・インターナショナルと提携したと発表した。

「Y’s Road」で扱っているイタリアの自転車ブランド「Bianchi」「GIOS」を、「cyma-サイマ-」の取扱商品に追加。スポーツサイクルの品ぞろえを強化した。

「cyma-サイマ-」で注文した「Bianchi」「GIOS」の自転車は、「Y’s Road」の店頭で受け渡す。「Y’s Road」の店舗スタッフがスポーツサイクルの乗り方などを説明するという。

「cyma-サイマ-」を運営するエイチームはスポーツサイクル専門店「Y’s Road」を全国で38店舗展開しているワイ・インターナショナルと提携

「cyma-サイマ-」は取扱自転車を拡充する(画像は編集部がキャプチャ)

エイチームはワイ・インターナショナルと提携した理由について次のように説明している。

「cyma-サイマ-」はシティサイクル、いわゆるマチャリの販売に強みがあります。ワイ・インターナショナルと提携することで、スポーツサイクルのカテゴリーを強化できると考えています。(エイチーム広報)

エイチームは2013年12月に「cyma-サイマ-」を開設。国内外から仕入れた200種類以上の自転車を販売している。東海と関東、関西の3か所に物流倉庫を構え、整備士によって整備された完全組立自転車を顧客の自宅に届けている。2017年7月期のEC売上高は前期比64.7%増の20億100万円。

2018年7月期も売り上げを伸ばしており、2018年2~4月期(第3四半期)の売上高は四半期ベースで過去最高となる8億1200万円。通期のEC売上高は前期比24.9%増の25億円を見込んでいる。

国内における自転車の通販・ECは成長分野。自転車販売ショップ「サイクルベースあさひ」を展開する、あさひの2018年3月期のEC売上高は前期比43.9%増の37億2300万円(店頭受取を含む)だった。

【名古屋】ECスタート4年で売上20億円! エイチームの成長秘話など全7講演のセミナーイベント 7/6開催

ネットショップ担当者フォーラム/Web担当者Forumミーティング2018 in 名古屋

2018年7月6日(金)に「ネットショップ担当者フォーラム/Web担当者Forumミーティング2018 in 名古屋」を開催します。EC事業者さん、EC支援事業さんなどEC業界に携わる皆さんが抱えている課題や悩みを参加者で共有し、解決するための場です。

時間は11:00~17:20(受付開始10:30)で、名古屋駅からすぐ近くのJPタワー名古屋ホール&カンファレンスで開催します。

基調講演はエイチームさん。ラジオを使った新規顧客の獲得施策など、4年間の成長秘話を初めて明かします。ほかにも、Googleさんによる「検索最新情報 2018 ~MFI からスピード アップデートまで~」など、セミナー全体は全7講演になります。

最新の事例からECサイト運営のノウハウまで、成長のためのヒントが1日で得られる貴重な場です。ぜひ、この場でしか聞けない情報を、名古屋で聞いてみませんか?

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

注文方法の9割が「1:1トーク」! 野球ユニフォーム専門店のLINE@活用事例 | ある日突然、上司に「LINE@やって」と言われました。

7 years 10ヶ月 ago

消費者の好みのデザインで、オーダーメイドのシャツやパンツ、キャップを製作しているオリジナル野球ユニフォーム専門店「ファンゴ」。LINE@の「1:1トーク」機能を活用し、オーダーメイド商品の受注からデザイン決定などの業務工程を効率化・簡素化することに成功しています。代表の山田哲子さんにLINE@の活用方法についてお話を伺いました。

この記事のポイント
  • 野球チームだからこそLINEグループで共有しやすい
  • 注文方法の9割が「1:1トーク」経由
  • 「1:1トーク」でお客さまとの信頼関係を深められる

LINE@のやり取りが消費者との信頼構築に貢献

――「1:1トーク」を始めたきっかけを教えてください

プライベートでLINEを利用していたので、便利なことは知っていました。そんな時、競合他社さんがホームページに「LINE@はじめました」と掲載しているのを見て、乗り遅れてはいけないと思いスタートしたんです。

当初は、使い方も全く知らなかったんです。それまでは、電話やメールでのオーダーを実施していましたが、電話は詳細なデザインは伝わらないし、メールはやり取りに時間がかかっていました。お客さまから電話でメールアドレスを聞かれても、アドレスが間違ってしまうため、伝えるのも手間でした。

そこで、LINE@アカウントのプレミアムIDを取得(@fungo.jp)したところ、ビジネスに活用しても便利なことに気付いていきました。お客さまに伝えるとすぐに友だち登録してくれる、デザインを決めたり修正したりするやり取りも返事が早いんです。さらに、画像を送付したり、リンクを貼ったり、と便利なことだらけ。そして、積極的に「LINEでも注文ができます」とアピールしていくようになりました。

野球をプレーしている人たちは普段からメンバー同士でLINEグループを作り、LINEを使ったやり取りに慣れているため、「友だち登録をしてください」という声かけにも気軽に応えていただけます。新規の問い合せの入口は電話/メール/フォームですが、二次的に「もしLINEをやっていたら、友だち登録を先にしてくださいね」って伝えています。

実店舗がないため対面でやり取りができない分、LINE@を使って信頼関係を築くことができました。お客さまもストレートに要望を伝えてくれるし、やり取りもスムーズ。また、商材の特性上、相見積もりのためだけの問い合わせ(デザインと見積り)もありますが、「1:1」で即時のやり取りをすることで、コンバージョンにつながりやすくなったと感じています

オリジナル野球ユニフォーム FUNGOの代表・山田哲子さん
代表の山田哲子さん

――LINE@の運用の体制について教えてください

朝の8時半くらいから夜の8時半頃まで、私1人で運用しています。野球の試合や練習が土日にあるため翌日の月曜日、もしくはお客さまの仕事が終わる平日の夕方頃のお問い合わせが多いです。

当店は、実店舗がないオンラインショップです。「1:1トーク」なら電車に乗っていたとしても、お客さまと会話ができるのでとても便利。そのため、レスポンスは早くすると心がけているので、お客さまからの信頼感の獲得にもつながっています

――「1:1トーク」をどのように活用していますか?

「1:1トーク」でお客さまとのやり取りは、イメージカラーやデザインなどをヒアリングするところから始まります。最終デザインの決定後に送る見積書も「1:1トーク」です。野球チームの多くは、LINEでグループを作成しているので、代表者の方は当店とやり取りしたデザインの詳細や見積りなどをそのまま「コピー&ペースト」してチームのメンバーに共有しています。購入する側もとても便利なんですよね。

LINE@の「1:1トーク」機能
「1:1トーク」を活用したやり取り

注文方法の9割が「1:1トーク」経由

――利用前と利用後を比較していかがですか?

従来から電話やメールも併用していますが、今では最終的な注文方法の9割が「1:1トーク」です。デザインの細かなリクエストは、電話の話し言葉では伝わりません。そんな時は「いたずら書き程度で結構ですので、紙に描いて説明していただけますか?」とお願いすると、気軽に描いて写真を「1:1トーク」で送付してもらえます。このスピード感はメールにはありません。よって、初回のお問合せから、ご注文までの時間が短くなりました

以前は、メールで約1か月かかっていたものが、LINE@を利用したら3日で完了したこともありました。今は平均1~2週間でやり取りが完了できています。

また、デザインは何度も修正されることが多いのですが、修正を重ねていくうちに、前のデザインに戻されることもあります。「1:1トーク」なら、少しスクロールするだけで、前のデザインと今のデザインを比較できますので、お客さま側は、デザイン比較が簡単にできているかと思います。

私どもは、決定したデザインの見返しや、初回時から発注までの流れの再確認が、画面のスクロールだけでわかるところが、すごく便利で気に入っているところです。

――運用面で工夫していることや気をつけていることはありますか?

頻繁に寄せられる質問を簡潔なテンプレートにまとめて、「こちらは大事なことなので必ずお読みください」と伝えるようにしています。また、メールの文章のような長い文章にならないように気を付けていますね。ユニフォームのデザインはテキストだけでなく、画像を送付してわかりやすく伝えするようにもしています。

LINE@の「1:1トーク」がオリジナルユニフォームの販売を効率化している

「1:1トーク」でお客さまとの信頼関係を深められる

――これから「1:1トーク」をはじめる方へアドバイスをお願いします

ファンを獲得するためにさまざまなアイデアを絞っていると思いますが、「1:1トーク」の活用は、お客さまとの信頼関係を深めることにつながると思っています。上手にコミュニケーションを取ることで、お客さまの信頼を勝ち取り、本当の意味でのファンの獲得につながると考えています。

当店は、先にお金をいただいてから商品をお作りする受注製作のため、お客さまから信頼いただかないと商売が成り立ちません。「1:1トーク」は、顔を突き合わせることはできませんが、ちゃんとリアルの場で向き合ったのと同じくらいの信頼関係を築くことができると実感しています。

ショップ概要

LINE@運営チーム

LINE Business Partners株式会社

LINE@は、日本国内で月間7100万人が利用(LINE調べ、LINEアプリ月間アクティブユーザー 2017年9月末時点)するLINEのユーザー基盤と高い利用率を生かした、ユーザーへのダイレクトな情報発信やビジネス活用が可能な店舗・企業向けLINEアカウントです。

LINE@運営チーム

アリババが推進する「ニューリテール」時代の顧客体験とは? テクノロジー&データが牽引する小売の未来

7 years 10ヶ月 ago

新しいテクノロジーがニューリテールを牽引する。IT部門の価値は、ビジネスを徹底的に理解したうえで、イノベーションを提案すること。アリババクラウドのミッションは、テクノロジーを活用してリテールビジネスに変革を起こすことにある。そして、小売事業者と顧客Win-Winの関係をもたらす。我々は、そのためのテクノロジーとメソッドを提供できる(アリババクラウド ユニーク・ソング氏)。

Interop Tokyo 2018の最終日である6月15日、中国アリババグループでクラウド事業を展開するアリババクラウドのジャパンゼネラルマネージャー ユニーク・ソング氏が基調講演に登壇。アリババグループが推進し、すでに中国で広がりつつある「ニューリテール」の戦略と同社のミッションを語った。

ニューリテールの基盤はオンライン・オフライン・物流の融合

「ニューリテール」とは、2016年10月にアリババのジャック・マー会長が提唱した10年~20年先の未来に訪れるだろうリテールのコンセプト。簡単に言えば、テクノロジーとデータを駆使し、オフラインとオンラインが融合したリテールビジネスによって、より優れた顧客体験を届けること。同時に小売事業者のビジネス課題も解決する。

アリババグループが考えるニューリテールのモデルでは、オンラインとオフライン、物流、データ、テクノロジーなどのすべてを統合して小売りに活用する。消費者体験が中心にあり、「顧客」「商品」「店舗」間のビジネスモデルを再構築し、事業を成長に導く。

ニューリテールの基盤について語るユニーク・ソング氏。

消費者はネット通販の登場でいつでも買い物ができるようになったが、実際に商品を手にとって試せないなど、オンラインのUXは限られている。一方、実店舗を運営するには、常に一定の在庫やスタッフを確保しなくてはならなず、事業者にとってはコストが課題になる。アリババが描くニューリテールの未来では、テクノロジーによってこれらの課題を解決する。

2016年に発表されたニューリテールのコンセプトはすでに実現し始めている。

たとえば、タオバオが展開するブランド体験ストアでは、顧客はタオバオアプリでQRコード認証して入店する。店内にはセンサーが設置されており、商品を選んでゲートを通過するとアリペイで自動的に決済される。自動化されているため従来と比べて運営コストを抑えることができる。

また、店舗展開では出店計画が重要になるが、アリババにはどの地域でどんな商品がどれだけ売れたのか、データが蓄積されている。こうしたデータを使えば、通販事業者は適切な出店計画を立てることが容易になる。

アリババグループの生鮮食品スーパー、「盒馬鮮生(ファーマーションシェン)」もニューリテール戦略を象徴する店舗として注目されている事例だ。

盒馬鮮生のすべての商品は、バーコードをアプリでスキャンすると詳細を調べることができて、オンラインで配送注文することもできる(5km圏内なら最短30分で配送)。店舗で買った商品はレストランで調理してもらうことも可能。支払いはアプリと連携させたアリペイで行う(現金レジも少数ある)。

アリババのミッションはデータの商用化を助けること

続けてソング氏は、データドリブンなニューリテールのモデルについて、いくつかの例を紹介する。

今、旅行慣れした中国の訪日客は、銀座を訪れることはないという。なぜなら、多くの中国訪日客は友人やネットのクチコミを参考に集中して銀座を訪れるため、欲しいモノが手に入らないからだ。

中国の友人から日本で買い物をするのは大変だと聞く。欲しいモノがあっても売り切れているから、プロのツーリストは銀座にいくことはない。これは小売事業者(店舗)にとって損失です。しかし、業務・データ中枢を一元的につなぐことができれば、どこで何がどれだけ売れているのかを把握し、物流をダイナミックに変更して顧客に商品を届けることができる。

オンライン・オフライン・物流の融合がなければ、こうした課題を解決することは難しいだろう。

この他にも、「何千とあるドン・キホーテ店内の商品をアプリで確認できたらどうか」「スーパーに欲しい商品があるかアプリで音声検索できたらどうか」など、ニューリテール時代の顧客体験の例を示す。わざわざ個人情報を取らなくても、こうした問い合わせデータの蓄積から購買パターンを分析することも可能だという。

テクノロジーもニューリテールに重要な要素。「Tモール(天猫)」アプリでは、化粧品の試用イメージをAR技術で事前に確認できる。

アリババクラウドのミッションは、前述のように「テクノロジーを活用して、リテールビジネスに変革を起こすこと」であり、顧客のデータに直接触れることはないとソング氏は強調する。アリババグループは、2015年に「データは顧客の資産である」というデータ保護方針を発表。多くの企業に受け入れられており、GDPRにもいち早く備えるなど、世界標準のコンプライアンスニーズに対応している。

日本においても、国内データセンターを整備して顧客データを日本に格納するなど、以前から準備を進めてきている。顧客企業の資産であるデータの活用を支援していきたい、ソング氏は最後に語った。

我々は、これまで多くのプラクティスをつくってきた。ニューリテールについて、事業者自身が何を課題としているか理解しなくてはならないが、もしわからないのであれば、我々が最適なビジネスアプローチを定義して提言することもできる。クラウドベンダーとしてだけでなく、中立的なパートナーとしてみていただきたい。ビジネス革新の先には消費者体験の向上がある、ともに協力していきたい。

厳しいコンプライアンス基準について信頼性をアピールする。

池田真也

ネットショップ担当者フォーラム編集部

家電量販店の法人通販から、Web担当者Forumの前身である『インターネットマガジン』(2006年5月号で休刊)の編集部へ。休刊までの半年ほど雑誌編集を経験し、Web坦の立ち上げを機にネットマーケティングにかかわりはじめ現在へ。編集兼Web担当者。2017年末からネットショップ担当者フォーラムと兼任。

池田真也

メルカリの流通総額は直近12か月で3200億円、”レディース以外”を戦略的に強化

7 years 10ヶ月 ago

フリマアプリ「mercari」を展開するメリカリの2017年4月~2018年3月における国内流通総額(GMV)は、前年同期比58.3%増の3202億円だった。

GMVは「mercari」、ブランド品に特化したフリマアプリ「MAISONS(メゾンズ)」、本やCD・DVDなどに特化したフリマアプリ「カウル」を合計した金額。

主要なECマーケットプレイスの流通総額(GMV)

主要なECマーケットプレイスの流通総額(画像はメルカリの公表資料をキャプチャ)

2018年3月度の国内月間流通額は324億円。当月の月間アクティブユーザー(MAU)は1050万人だった。

2017年7月~2018年3月期累計(第3四半期累計)の国内GMVは2507億円で、米国を含めたGMVは約2676億円。現在の成長率を踏まえると、2018年6月期のGMVは3000億円の大台を突破する見通し。

メルカリの流通総額(GMV)推移

メルカリの流通額推移(画像はメルカリの公表資料をキャプチャ)

さらなる成長に向け、「mercari」は女性関連以外のカテゴリーを戦略的に強化している。

2018年1~3月期(第3四半期)の国内GMVは938億円で、カテゴリ別のGMVは次の通り。

  • 女性関連カテゴリー(アパレル、アクセサリー、その他レディース商品を含む) → 357億円
  • メンズ(アパレル、アクセサリー、その他メンズ商品を含む)→ 158億円
  • エンタメ→ 168億円
  • 家電・スマホ・カメラ→ 72億円
  • スポーツ・レジャー→ 53億円
  • その他→ 126億円

メルカリは女性関連以外のカテゴリーの戦略的な強化を進めている

カテゴリーごとの流通額(画像はメルカリの公表資料をキャプチャ)

2016年1~3月期からの年間平均成長率は、女性関連カテゴリーが45%だったのに対し、女性カテゴリー以外の成長率は65%。

「メルカリ」は2013年にサービスをスタートし、GMVは2015年6月期が630億円、2016年6月期は1420億円、2017年6月期は2480億円と急成長している。

流通総額、利用者ともに右肩上がりを続ける(画像はメルカリの公表資料をキャプチャ)

渡部 和章

ライトプロ株式会社 代表取締役

渡部 和章(わたなべ・かずあき)

新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

渡部 和章

大阪北部地震でYahoo!ショッピングが出店者に配慮【ネッ担アクセスランキング】 | 週間人気記事ランキング

7 years 10ヶ月 ago

6月18日に大阪府北部で発生した地震をうけ、Yahoo!ショッピングでは、「低評価率集計から全注文の評価を一定期間除外する」と同日中に発表しました。地震による出荷・配送の遅延を考慮したもので、出店者からは感謝の声が上がっています。

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    ※期間内のPV数によるランキングです。一部のまとめ記事や殿堂入り記事はランキング集計から除外されています。

    uchiya-m

    日銀が分析するECビジネス――物価への影響は? 実店舗との関係は? Amazonをどう見ている?

    7 years 10ヶ月 ago

    日本銀行(日銀)は6月18日、ネット通販が国内の物価に与える影響を調査した「インターネット通販の拡大が物価に与える影響 」を公表した。EC企業が配送センターを増やしていることが宅配コストの削減につながり、結果的に物価下押しに影響しているとの見方を示した。

    ECと実店舗の価格比較

    日銀は、ECの販売価格が相対的に低い理由として、実店舗を持たないことによるコスト削減効果があると推察。海外の調査結果を引用し、日本を含む10か国の多くでECの販売価格の方が実店舗よりも割安であることを紹介した。

    日本銀行(日銀)は6月18日、ネット通販が国内の物価に与える影響を調査した「インターネット通販の拡大が物価に与える影響 」を公表

    オンライン価格と実店舗価格(画像は日銀の資料をキャプチャ)

    物流網の整備が進むにつれ宅配の平均輸送コストが下がり、販売価格が下がりやすいとの仮説をあげた。

    米国でAmazonは配送センターの拠点数を増やすことで宅配の平均輸送距離を短縮し、配送コストを引き下げてきたとする先行研究を踏まえ、日本におけるEC企業の配送センターの設置状況を調査した。

    都道府県別にみたAmazon 配送センター(FC)からの平均輸送距離
    都道府県別にみたAmazon 配送センター(FC)からの平均輸送距離 2010年末(画像は日銀の資料から編集部がキャプチャ)
    都道府県別にみたAmazon 配送センター(FC)からの平均輸送距離
    都道府県別にみたAmazon 配送センター(FC)からの平均輸送距離 2018年末(画像は日銀の資料から編集部がキャプチャ)
    ※都道府県ごとの距離は、各都道府県の人口重心と現在存続しているとみられる最寄りの配送センターの直線距離。配送センターの設置時期については、報道情報などから推定。報道情報等では計画段階にあるとされる北海道の配送センターが2018年末までに開業されると仮定。最も濃い赤は、その都道府県内に配送センターが所在。その次に濃い赤は、別の都道府県だが100km以内に配送センターが所在。薄い赤は、100km超 200km以内に配送センターが所在。

    その結果、日本でもAmazonの配送センターからの平均輸送距離の短縮が進んでいることが確認されたという。

    また、他のEC企業を含め倉庫の建築が近年大幅に増加し、輸送距離の短縮がEC企業のコスト競争力を高めることに寄与してきたとの見方を示した。

    Amazon配送センター(FC)から の平均輸送距離の日米比較

    Amazon配送センターからの平均輸送距離の日米比較(画像は日銀資料をキャプチャ)

    国内物価への影響は?

    日本の消費者物価指数(CPI)は、 原則としてECの販売価格を対象外としている。日銀は、ECの価格変動自体がCPIに直接影響を与えるわけではないとしているが、「インターネット通販の拡大を受けて競争環境が変化すれば、既存の小売企業の一部が対抗措置としての値下げを行うことで、結果的にCPIで計測される物価が下押しされる可能性はある」と指摘した。

    その上で、ネット通販の支出額が増えている日用品や衣類の物価をみると、食料品などに比べて弱めに推移していることが確認できるとしている。

    今後、ECは物価にどのような影響を与えるか

    日銀はEC市場の今後の展望を踏まえ、物価に与える影響を次のように予測している。

    • 女性の労働参加が進むもと で、共働き世帯の増加傾向が続くとみられることなどから、インターネット通販のさらなる拡大を通じて既存の小売企業を取り巻く競争環境が一 段と厳しくなる可能性がある。
    • 人手不足を背景とする物流コストの増加は、インターネット通販企業のコスト面での競争力を弱めることを通じて、既存の小売企業との競争環境を緩和させる方向に作用する可能性がある。
    • これまでコスト削減に寄与してきた配送網についても、充実化の余地が少なくなってきていることも考えられる。
    • 競争の結果として業界内での淘汰が進み、インターネット通販業界における一部企業の寡占度が大きく高まれば、インターネット通販企業の価格設定行動が変化する可能性もある。

    渡部 和章

    ライトプロ株式会社 代表取締役

    渡部 和章(わたなべ・かずあき)

    新聞社で約7年半、記者を務めた後、2015年に編集プロダクションのライトプロを設立して代表に就任。編集者兼ライターとしても活動中。

    趣味は料理と漫画を読むこと。東京都在住。1983年生まれ。

    渡部 和章
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