Nintは10月9日、経済産業省の「令和6年度電子商取引に関する市場調査」と自社が保有する「楽天市場」「Amazon」「Yahoo!ショッピング」のデータを活用し、2024年の物販系EC分野にフォーカスした分析を実施、その結果を発表した。
経済産業省の調査によると、2024年の日本における物販系BtoC-ECの市場規模は前年比3.7%増の15兆2194億円、EC化率は同0.4ポイント増の9.78%だった。
「電子商取引に関する市場調査」と自社の保有データを分析したNintの推計によると、3大ECモールの流通総額は前年比13.0%増の11兆2000億円と、市場全体の成長を大きく上回った。物販系EC市場全体に占める3大ECモールのシェアは73.7%。
調査ではモールの成長ドライバーは「平均単価」と「販売数量」にあると指摘。「平均単価の上昇(+4.0%)」に加え、それを2倍以上上回る「販売数量の増加(+8.6%)」が成長を支えているという。

モールの成長ドライバー
Nintでは商品ジャンルごとに成長要因など傾向を分析した。

ジャンルごとの市場規模や成長率

商品ジャンルごとの成長率
食品、飲料、酒類
経産省調査によると、食品類のBtoC-EC市場規模は前年比6.36%増の約3兆1163億円、EC化率は4.52%。ネットスーパーや食品デリバリーサービスの普及により市場は拡大傾向にある。Nintの推計データでは、3大ECモールの流通金額は同12.8%増、数量は15.3%増と、平均単価の減少を補っている。ECでの購入が日常化したことによる「販売数量の増加」が大きく貢献。メーカーによる値上げはあったものの、比較的低単価の購入が進んでいると考えられるとしている。
生活家電、AV機器、PC・周辺機器など
経産省調査によると、2024年におけるBtoC-EC市場規模は同2.26%増の約2兆7443億円。EC化率は43.03%。Nintの推計データでは、3大ECモールの流通金額は同12.0%増、平均単価は同6.4%増、数量は同5.2%増と両輪で成長している。より高機能・高性能な製品への需要が活発化し、「平均単価の上昇」をもたらしつつ、消耗品の購入も進んだという。
化粧品、医薬品
経産省調査によると、「化粧品、医薬品」分野のBtoC-EC市場規模は同4.54%増の約1兆150億円、EC化率は8.82%。Nintの推計データでは、3大ECモールの流通金額は同21.6%増、数量は29.3%増と、平均単価の減少を補ったとしている。専門ショップの拡大などで裾野が広がり「販売数量」が大きく増加。高い成長率を記録したという。
生活雑貨、家具、インテリア
経産省調査によると、同ジャンルのBtoC-EC市場規模は同3.62%増の約2兆5616億円、EC化率は32.58%。Nintの推計データでは、3大ECモールの流通金額は防災・快眠ニーズで市場拡大し同16.6%増、数量は15.8%増となった。平均単価は同0.7%増と横ばい。
衣類・服装雑貨など
経産省調査によると、「衣類、服装雑貨」分野のBtoC-EC市場規模は同4.74%増の約2兆7980億円、EC化率は23.38%。Nintの推計データでは、3大ECモールの流通金額は同0.1%増、平均単価は同6.0%増と、前年と同水準を維持した。
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オリジナル記事:楽天市場+Amazon+Yahoo!ショッピングの流通総額は11.2兆円で13%増、物販系EC市場に対するシェアは73.7%
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