経済産業省が8月31日に発表した「令和4年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、2022年のBtoC-EC市場規模は22兆7449億円で前年比9.91%増だった。
物販系分野のBtoC-EC市場規模は、同5.4%増の13兆9997億円、EC化率は同0.4ポイント増の9.13%。
物販系分野のBtoC-EC市場規模とEC化率の経年推移
物販系分野のBtoC-ECで最も市場規模が大きかったのは「食品、飲料、酒類」で、前年比9.2%増の2兆7505億円。「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」が同3.8%増の2兆5528億円、「衣類・服装雑貨等」が同5.0%増の2兆5499億円、「生活雑貨、家具、インテリア」が同3.5%増の2兆3541億円で続いた。
上位4カテゴリーの合計市場規模は同5.4%増の10兆2073億円で、物販系分野におけるBtoC-EC市場の72.9%を占める。2021年の4カテゴリー合計の市場規模は9兆6814億円で、シェアは72.9%。
物販系分野内での各カテゴリーの構成比率
最もEC化率が高かったのは「書籍、映像・音楽ソフト」で52.2%。「生活家電、AV機器、PC・周辺機器等」が42.0%、「生活雑貨、家具、インテリア」が29.6%で続いた。市場規模が最も大きい「食品、飲料、酒類」のEC化率は4.2%。
調査におけるEC化率は、電話、FAX、E メール、相対(対面)なども含めた全ての商取引金額(商取引市場規模)に対するEC市場規模の割合と定義している。
物販系分野のBtoC-EC市場規模
食品、飲料、酒類
市場規模は2兆7505億円で前年比9.15%増、EC化率は4.16%、構成比率は20%。新型コロナウイルスの感染拡大を背景に需要が増加し、ECで食品で購入する消費行動が定着、加えてネットスーパー市場が拡大した。健康食品もBtoC-ECで売上が拡大したとみられ、今後も市場規模の拡大が予想される。
生活家電、AV機器、PC・周辺機器
市場規模は2兆5528億円で、前年比3.84%増。EC化率は42.01%、構成比率は18%。新型コロナウイルスの需要が一巡し、市場の伸びは緩やかになったと考えられる。そのなかで増加傾向にあるのが、家電ECにおけるリユース・リサイクル市場。家電のリユース事業は、今後も市場の拡大に寄与することが見込まれている。
書籍、映像、音楽ソフト
市場規模は1兆8222億円で前年比4.02%増、EC化率は52.16%、構成比率は13%。近年は電子出版(電子書籍、電子雑誌)市場が拡大傾向で、2022年の同市場は本カテゴリーの伸び率を上回った。映像・音楽ソフト(オンラインコンテンツを除く)においても、2022年のBtoC-EC市場は拡大した。
化粧品、医薬品
市場規模は9191億円で前年比7.48増、EC化率は8.24%、構成比率は7%。新型コロナウイルス感染症拡大による在宅勤務の増加とその定着で、ファンデーション、口紅などの支出が減少、外国人観光客によるインバウンド需要の消失が影響したと見られる。一方、市場規模はまだ小さいモノの、医薬品のEC売上は右肩上がりで伸びているという。
生活雑貨、家具、インテリア
市場規模は2兆3541億円で前年比3.47%増、EC化率は29.59、%構成比率は17%。拡張現実(AR)の技術を使い、家具やインテリア商品を自宅の部屋に置いたイメージをスマートフォンで確認できる機能を提供する事業者が増えている。さらに、AIを活用してECサイト上で消費者の好みに沿った商品を提案する技術も進化しており、新たな需要の発掘が期待される。
衣類、服飾雑貨等
市場規模は2兆5499億円で前年比5.02%増。EC化率は21.56%、構成比率は18%。2020年、2021年と市場は拡大したが、2022年は緩やかな伸びに。ECでは各社が積極的に店舗と連動したOMO(Online Merges Offline)を推進。店舗の機能を活用することで消費者への魅力を高め、EC売上の増加を狙っている。
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オリジナル記事:約14兆円の物販系EC市場、カテゴリー別規模とEC化率、市場動向【2022年の電子商取引調査まとめ】
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