吉野家は、自社ECサイト「吉野家公式通販ショップ」やECモール店の「送料無料」表示を「送料込み」に変更する。
一定額以上の商品購入で送料を事業者側が負担するラインの名称は「送料無料」が主流。だが、「送料無料」表記は、「送料無料と銘打った商品の販売が広く行われ、消費者が物流コストを正しく認識しづらい状況にある」(政府が2013年に閣議決定した「総合物流施策大綱(2013-2017)」)などと、問題視する声があがっていた。
また、働き方改革関連法の施行に伴う「時間外労働時間の上限規制」などが2024年4月から「自動車運転の業務」にも適用されることで、運送会社では収入減少によるドライバーの離職や売上減、荷主企業は運賃値上げの可能性などが危惧されている物流業界の「2024年物流問題」を受け、政府はその改善策や商慣行の見直しの1つとして、「送料無料」表記の見直しの議論に着手している。
「送料無料」表示の見直しを求める政府の方針とは? 過去には経産省幹部が「送料は当社負担という表現に」と業界に要請
政府が公表した「物流革新に向けた政策パッケージ」で、「運賃・料金が消費者向けの送料に適正に転嫁・反映されるべきという観点から、『送料無料』表示の見直しに取り組む」と明記している
瀧川 正実6/6 9:00
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210 「送料無料」表示の見直しに取り組む消費者庁、「持続可能な物流の実現のために意識や行動を変えていくことが必要」
消費者庁のWebサイトでは、「送料無料」表示の見直し、消費者の意識改革や行動変容を促す方針を示している
瀧川 正実8/10 7:30
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40 このようにな環境下、「送料無料」表記の見直しをいち早く実施したのが楽天グループ。2020年、「楽天市場」で採用していた「送料無料」ラインの名称を、「送料込み」ラインに変更している。
吉野家の「送料無料」表記の変更は、多くのユーザーを利用する「楽天市場」の名称に合わせたと推測される。吉野家は「『送料無料』の表現を順次、『送料込み』の表現に変更する」とし、「2024年物流問題」に関して積極的に取り組むとしている。
吉野家のお知らせ(画像はECサイトからキャプチャ)
配送キャリアの送料改定を受け、「送料込み」ラインと送料を引き上げ
吉野家は、利用している配送キャリアであるヤマト運輸の送料改定を受け送料も改定する。
自社ECサイト、「dショッピング」店や「Yahoo!ショッピング」店では9月1日、一定額以上の購入で送料を吉野家が負担する「送料込み」のラインを5000円(税込み)から8000円(税込み)に引き上げた。
クール宅急便(冷凍食品)は990円(税込み)から1100円(税込み)に、宅急便(常温品)は660円(税込み)から880円に変更した。
「楽天市場」店は9月14日に配送料金を改定する。クール宅急便(冷凍商品)の「送料込み」ラインを5000円(税込み)から8000円(税込み)に引き上げる。
3980円以上の買い物で送料を出店店舗が負担する「楽天市場」の「共通の送料込みライン」の対象である常温商品は、「送料込み」のラインを3980円(税込み)で据え置く。
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オリジナル記事:吉野家がECサイトの「送料無料」表示を「送料込み」に変更、「2024年物流問題に積極的に取り組む」
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