アイスタイルの連結子会社アイスタイルリテールは、東京都内を中心に化粧品専門店「シドニー」を展開するシドニーの全株式を取得し、完全子会社化する。買収額は非公開。
アイスタイルグループは化粧品・美容の総合サイト「@cosme」、公式通販「@cosme SHOPPING」、化粧品実店舗「@cosme STORE」「@cosme TOKYO」などを運営する。
シドニーは、化粧品に高い知見を有するスタッフが、さまざまなブランドから顧客に適した商品を提案するのが特徴の企業で、都内に複数の実店舗を構える。
渋谷、新宿、上野、池袋、有楽町といった地域で実店舗を構える「@cosme STORE」と出店エリアは異なり、北千住や吉祥寺などの重要商圏でシドニーは店舗を運営している。
アイスタイルグループはこうしたシドニーのビジネスモデル、商圏の拡大により事業成長が期待できると判断。親和性が高いと見てシドニーの買収を決めた。
アイスタイルグループが買収する「シドニー」
店頭の集客力アップ、売上アップを加速
コロナ禍のさまざまな行動制限が緩やかになったいま、消費者は実店舗での買い物に対する意欲が高まっている。
アイスタイルでは実店舗の増収・増益が想定を上回るペースで推移しており、2023年6月期の通期連結業績予想を5月に上方修正している。
店舗の回復は想定を上回って推移している(画像は編集部がアイスタイルの2023年6月期第3四半期 決算説明資料からキャプチャ)
アイスタイルが2023年5月に発表した通期業績予想の上方修正(画像は編集部がアイスタイルの「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」からキャプチャ)
「@cosme」の店舗事業は、2022年7月-2023年3月期(第3四半期)の売上高が前年同期比で155%となるなど、コロナ禍前と比べて回復・成長している。
2023年6月期第3四半期の売上高推移。店舗は前年同期比で155%となっている(画像は編集部がアイスタイルの2023年6月期第3四半期 決算説明資料からキャプチャ)
2023年6月期第3四半期までの店舗売上高の推移(画像は編集部がアイスタイルの2023年6月期第3四半期 決算説明資料からキャプチャ)
こうした傾向を踏まえ、アイスタイルリテールは今回の株式取得を次のように説明している。
化粧品ブランドのマーケティング活動にとって、これまでは販促領域の施策とされてきた店舗での体験価値の提供と、「@cosme」や各種SNSなどを活用したオンラインの広告宣伝/PR領域の施策の融合がますます重要になっていくと考えられる。
アイスタイルグループは今回の株式取得によって、リアルな顧客接点のさらなる強化を図る。また、「@cosme」や各種SNSといったメディア、EC「@cosme SHOPPING」、実店舗「@cosme STORE」「@cosme TOKYO」を一気通貫して活用する化粧品ブランド向けのマーケティングソリューションの拡充に取り組む。
店頭の集客力や売上向上のための施策を実行し、化粧品小売業界全体の活性化にもつながるような取り組みを進めていく。
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オリジナル記事:アイスタイル、化粧品専門店「シドニー」を買収。実店舗の商圏を拡大
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