年商10億円突破をめざすEC事業者必見! 売上アップのノウハウをキッズ・ラボラトリーと“これから”が語る【事例あり】 | 「ECタイムズ」ダイジェスト | ネットショップ担当者フォーラム

ネットショップ担当者フォーラム - 2023年5月24日(水) 07:00
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ECのプロ3人が、集客施策、SNSの活用、組織形成など、ECの売上アップにつながるノウハウを解説する

キッズ・ラボラトリー 代表取締役社長 青柳陽介氏と、これから マーケティング統括 志岐大地氏がディスカッションし、“年商10億円を突破するために必要なこと”を語ります。

EC業界の最前線を走る事業者からプロが集まり「集客」「SNS」「組織形成」という3つの軸で成功事例を解説。年商10億円をめざしたいEC企業は必見です。最後までお楽しみください!

キッズ・ラボラトリーやこれからが、年商10億円突破に必要な知見を語るキッズ・ラボラトリーやこれからが、年商10億円突破に必要な知見を語る
売上アップのための広告運用ノウハウ‍とは 人物紹介

キッズ・ラボラトリーの青柳氏は、知育玩具のサブスクサービスを展開する同社を経営しながら、通信販売のコンサルティング業も手がけています。

これからの志岐氏は、ECに特化したマーケティング支援を主な業務とする同社にて、のべ300社ほどの支援に携わっています。

キッズ・ラボラトリー 代表取締役社長 青柳陽介氏キッズ・ラボラトリー 代表取締役社長 青柳陽介氏
これから マーケティング統括 志岐大地氏これから マーケティング統括 志岐大地氏

――それでは、早速本編に入っていきます。まずは志岐さんから、「EC売上アップのための広告運用ノウハウ」について解説していただきます。よろしくお願いいたします。

志岐:志岐と申します。本日はよろしくお願いします。

まず、ECサイトの売り上げは結局、購入数と購入単価の掛け算でしかありません。そして購入件数を伸ばすためには流入数を伸ばし、そのなかでの転換率を上げるというふうに要素分解ができます。

流入数の増加には広告運用系の施策を、転換率の向上にはカートへの遷移率を伸ばす施策に力を入れる必要があります。このように要素分解を行うことで今の課題を浮き彫りにすることができます。

顧客の“購買モチベーション”別の配信を意識

志岐:流入者をもう少し深堀していくと、「検索エンジン」「広告」「SNS」というチャンネルに大別できます。

いずれも無料の手法がありますが、配信頻度などに制限があり、効果が出るまで時間がかかるため、有料の手法を適宜組み合わせることが重要です。どれか一つを利用するのではなく、優先順位をつける必要があります

さまざまな媒体を使用した広告が存在していますが、一貫して意識していただきたいのは“ユーザーのどういう購買モチベーションの層に配信されている広告か”ということです。関心が高い層にはリスティング広告、低い層にはマス広告、関心が高くもなく低くもない中間層に対してはSNS広告が有効です。

購買モチベーションが高い層ほど母数が小さくなる傾向があり、商品をすぐ見て購入する“指名層”を頂点、“無関心層”を底辺としたピラミッド型の構図となっています。

顧客の購買モチベーションと、商品に対する関心度のピラミッド顧客の購買モチベーションと、商品に対する関心度のピラミッド

志岐:母数の少ない“指名層”に対する広告は費用対効果が高い一方で、売り上げの絶対額が伸びづらい性質をもっています。それに対し、母数の多い“無関心層”に広告を投げれば、費用対効果は低くなる一方で、売り上げが大幅に伸びる可能性があります

“無関心層”は、自社商品の紹介認知の前に、ジャンル全体への教育というステップが必要という特徴もあります。

まずは、購買モチベーションの高い層から順に広告を打っていき、各層の母数を順に増やしていくことで費用対効果の向上を狙うことができます。費用対効果と売り上げのバランスを意識することが重要です。

“広告運用力”の公式を理解できているか?

志岐:また、同じ媒体で広告を運用をしているとしても、運用の仕方で売り上げに大きな差が出てきます。この能力を広告運用力と呼びますが、これはアカウント設計とアカウントメンテナンスに要素分解できます。

広告運用力=アカウント設計×アカウントのメンテナンス

アカウント設計とは、効果が最大化されるようなGoogle広告などのアカウントが作られているかを意味し、アカウントのメンテナンスとは、実際に広告を配信してみて悪かった点を解消して、次に何をすればよいか改善することを意味します。

アカウント設計においては、ターゲット全てに届いているか、AIが効果的に学習できるキャンペーン構成になっているかどうかが評価軸になります。

アカウントのメンテナンスにおいては、もっとも反応の良い訴求は何であったかというクリエイティブ検証、そしてターゲティング検証などが評価軸となります。

動画クリエイティブは“感情”と“論理的”の両方に働きかけることがポイント

志岐:TikTokなどの動画による訴求について紹介させていただきます。

さまざまな動画広告が増えているなかで、適切な手順を踏むことで検証ができるようになり、再現性を高めることができます。最初の手順としてリサーチがあるのですが、ここでユーザーのニーズをどこまで捉えることができるかで最終的な効果が大きく異なります

ユーザーの生の声を聞き、ペインや課題を見える化する取り組みが重要です。顧客インタビューや類似商材や競合商材のユーザーの声に注目するようにしましょう。

その後に、競合のクリエイティブ調査、訴求軸の決定を行い、最後にリサーチをもとにして動画を実際に作成するという手順になります。

動画の構成は感情に訴えかける右脳要素、理性・論理的思考に訴えかける左脳要素を交互に盛り込むと効果的です。

制作にあたっては、使いやすい編集ツールを選び、完成後に細かい調整が可能なものをおすすめします。

SNSでコンバージョンを増やす方法‍

――志岐さん、ありがとうございました! 事例をたっぷりご紹介いただいて、感謝です。 では次は青柳さんから、「SNSでコンバージョンを増やすノウハウ」についてお願いいたします!

顧客との密な関係づくりに成功

青柳:継続的にお客さまと関係構築に取り組んできた弊社は、公式SNSアカウントやランディングページにて一部のお客さまからいただいた動画を公開しております。

これらの動画は、広告のためにこちらから報酬をお支払いするという形ではなく、お客さまご自身の意思で送っていただいたものになります。

そのお礼におもちゃのギフティングをしたり、お歳暮、お中元を送ったりしています。SNSを通じてこのような密な関係を築いていくノウハウを今日はお届けしたいと思います。

SNS上で集まる人のニーズを理解せよ!

青柳:弊社は現在、KPIに半年残存率65%、年間残存率40%を設定しています。ペルソナは都心部で働くママとなっております。KPIの達成とペルソナに沿ったマーケティングのためにSNSを活用しております。

まず大前提として、人が集まるSNSアカウントには「コンテンツ型」と「キャラクター型」がございます。

「コンテンツ型」とは、興味や関心事が同じで集まっており、たとえば伊勢丹さんのInstagramアカウントには高級でエレガントな化粧品に興味がある人たちが集まっています。

「キャラクター型」とは、体験・共感・コミュニケーションを目的に集まっており、たとえばディズニーのTwitterアカウントのフォロワーは“Dオタ(ディズニーオタク)”として積極的にディズニーに関する情報を発信しています。

「キャラクター型」は、公式アカウントを中心に周りのフォロワーがSNS上で活動しているという構図があるものです。

第一に、SNSユーザー個々人は自身の関心のある情報を求めて閲覧するだけであり、商品そのものを求めて閲覧することは極めて少ないということを認識することが重要です。

フォロワーを増やすには「コンテンツ型」が適しており、少数のフォロワーと密な関係を作ることについては、「キャラクター型」が長けています

「コンテンツ型」と「キャラクター型」の特徴「コンテンツ型」と「キャラクター型」の特徴
「コンテンツ型」でフォロワーを増やす方法とは

青柳:自社が届けるコンテンツに興味を持ってもらうために以下の項目を順番に意識していただきたいです。Instagramの運用を例に考えます。

‍① 1枚目の写真で内容まで呼んでもらえるかが決まる
  • ユーザーに「自分ことだ」と思わせる
  • 悩み、欲求に刺さるキーワードや具体性を入れる。(例)「誰でも簡単にできる」
② 投稿本文の作成は「#」から考えるとよい
  • →自社の商品のキーワードを「#○○」で検索し、ヒットした関連タグをもとにユーザーが知りたいネタを身の回りで探す。
  • 画像を作成し、投稿本文を考える。
③ リーチを基準に比較して考える
  • 「多くの人に見てもらうための内容」と「リーチは伸びなくてもフォロワーが求めていると内容」を分ける。
  • 後者はフォロワーにDMで聞く。どちらにも当てはまらない内容は投稿しない
④ 毎日2投稿を最初の目標に
  • インサイトの情報をもとにリーチが伸びる投稿、エンゲージメントが多い投稿を試行錯誤する。
  • 5000人までは頑張る。1年で1万人を目標に頑張る。
⑤ 仲間、応援してくれる人を作る
  • アクティブユーザーからアンバサダーを任命する
  • ギフティングや試供品の提供を行う。ユーザーのアカウントで自発的な投稿がされるようになる。

このような手法からわかるのは、「どんなにテクノロジーが進んでいても、人がサービスや商品を使っていることに変わりはない」ということです。

◇◇◇

みなさん、いかがでしたでしょうか? ECや通信販売ですぐに役立つノウハウばかりでしたね。

この10年間で日本のEC市場は成長中です。SNSや動画配信サービス、検索エンジンを中心に多くのユーザーからの認知、そして果てにはリピーター獲得をめざして各社のマーケティング戦略が展開されるようになりました。

また、Amazonや楽天などのECモールの普及や、BASE、Shopifyといったストアの開設・運営プラットフォームが登場したことで、ECを始めるハードルが下がりました。

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