EC事業者の皆さん、ECサイトでの広告運用はうまくいっていますか?
「どんな種類の広告があるの?」「どの広告が効果的なの?」などとお悩みの方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、今回の記事ではたくさん存在するWeb広告の中でも高効率な3つのタイプの広告について解説していきます!
さらに、記事後半ではさまざまな広告運用の成功事例をご紹介します。
重視するべきWeb広告は?
無数に存在するWeb広告。その中でも、まず優先的に導入すべきものが、
- Googleショッピング広告
- リスティング広告
- リマーケティング広告
この3タイプの広告です!
Web広告のなかでも比較的効率が良いこれらの広告について、それぞれの特徴と重視すべき理由を徹底的に解説していきます。
【Googleショッピング広告】無料枠も利用できる
Googleで商品名や商品ジャンル名を検索すると、検索結果に商品広告が表示されますよね。これがGoogleショッピング広告です!
広告を掲載するためには、Google の広告管理システム「Google Merchant Center(グーグル マーチャント センター)」に登録し、審査で承認される必要があります。審査が通れば無料リスティングが開始され、商品フィードが検索結果画面や「ショッピング」のタブ内に表示されるようになります。Googleショッピング広告では商品画像が出てくるので、比較的効果の高い広告だと考えられます。
しかしここで注意点!
ECで広告運用をするにあたっては1つの商品で利益を得ようと考えるのではなく、ユーザーにECサイトの存在を知ってもらったり、リピート購入を促進したりといった、ECのマーケティング戦略全体を考えていかなければ利益が出ません。
つまり、広告に数百万円以上の予算を組むことができる企業でなければ、このような戦略を実施するのは難しいと言えます。その証拠に、Googleショッピング広告に出店している企業は誰でも知っているような大手事業者やメーカーが多くなっています。
ですがご安心ください。このGoogleショッピング広告には無料枠が存在しているのです!
とりあえずGoogleのショッピングタグのいちばん下の「ショップ向け情報」から無料でGoogle Merchant Centerに登録しておきましょう! 審査が通っている状態であれば、予算をかけずに広告掲載できます。爆発的効果はありませんが、商品数が多い事業者なら一定の利益を得ることが期待できますよ!
【リスティング広告】費用対効果が最も高い
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果に連動して表示される広告のことです。Google検索やYahoo検索において、会社の製品やサービスを検索結果の上位に置くことができます!
リスティング広告は、ECサイトに限らずインターネット広告として、最も費用対効果が高い広告と言えます。ある特定のキーワードに対して広告を表示するため、ユーザーの関心度に伴って高いCVRを期待できるのです!
ただし、ここで言う効果が高いというのは『他の広告と比較して』という意味であり、3000円以下の単価の安い商品のECサイトであれば、利益を得るのは難しいかもしれません。
さらに、リスティング広告の効率には限界があります。企業や業態にもよりますが、ある一定以上の件数になると効率が悪くなり、CV数は単純計算では期待できなくなってしまうので、たとえ予算があったとしてもリスティング広告には限界があるということを忘れないようにしましょう。
【リマーケティング広告】リスティングとのセット活用が鍵
リマーケティング広告はディスプレイ広告の一種です。ディスプレイ広告とは、Yahooのサイドバナーや、スマートフォンの下部に出てくるバナーに代表される広告のこと。膨大なデータからユーザー個々に最適なバナーを表示することで効果を最大化できるのが特徴です。
その中でもリマーケティング広告は、自社のECサイトにタグを設置することで、一度サイトに訪れたユーザーをバナーで追い続けるものです。他のディスプレイ広告と違い、自分が一度訪れたECサイトなので広告効果は極めて高く、CVRや費用対効果はリスティング広告に匹敵します!
ただし、効果は高くても、リスティング広告と同様に効率の限界が存在します。そのため、リマーケティング広告はリスティング広告とセットで行い、限られた予算で費用対効果を最大化させるために工夫しましょう。
【事例5選】ECの広告運用に成功したパターンとは?
ここからは、さまざまな形態の広告を運用したECサイトの成功例をご紹介していきます。
成功事例① 八面六臂/リスティング広告
食品通販サイト「八面六臂」のトップページ
八面六臂が運営する「八面六臂」は、飲食店や一般消費者に対して、各市場や商社などから仕入れた商品を販売する、総合食品通販のECサイトです。
インターネットの利用環境が整っていない飲食業界において、「仕入れ」「業務用」など、飲食業界の従業員が検索しやすいキーワードを狙ってリスティング広告の配信を行っています。
今では新規顧客の半数以上がGoogle広告経由で同社を知ったユーザーとなっており、顧客獲得単価の削減にも成功しています。
成功事例② ビィ・フォアード/リマーケティング広告
ビィ・フォアードは中古車の輸出事業を手掛ける
ビィ・フォアードは、新興国への中古車輸出を展開している会社です。
車関連のいわゆるビッグワードから、製品名、製品番号など、さまざまなワードを網羅したリスティング広告を実施。そうして認知度を確保した後でCVR向上を狙い、一度Webサイトで閲覧した商品・サービスを改めてバナーとして表示する動的リマーケティングを実施しています。
その結果、流入数は4倍増を実現し、一度興味を持ったユーザーを確実に購入に結びつけることに成功。
また、興味を持ったユーザーへの効率的なリーチを達成し、売り上げは3倍増となりました。
成功事例③ PulseTV.com/アフィリエイト広告
ECサイト「PulseTV.com」のトップページ
PulseTV.comが運営する「PulseTV.com」は、ダイエット、家庭用品、電子機器などさまざまなカテゴリーの商品を割引価格で提供するECサイトです。
PulseTV.comは、顧客がリンクをクリックすると、アフィリエイトを利用する小売事業者のECサイトに移動するアフィリエイト広告の販売を2019年に開始しました。同社は移動先の商品売上からマージンを得ています。
また、アフィリエイト先のECサイトにも、自社の商品紹介リンクを掲載してもらい、売り上げにつながった場合にアフィリエイトマージンを支払っています。
その結果、2022年の広告収入は「PulseTV.com」の利益の30%以上を占めました。
成功事例④ アスク/記事広告
アスクは電子機器の製造などを手掛ける
アスクは電子機器、電子部品などの設計、製造、販売および輸出入を行っています。商材が法人向けであり、販売とその戦略を代理店に依存していた「Web会議」の導入メリットを潜在顧客に伝える手段として、ビジネスパーソン向けの媒体にタイアップ記事広告を出稿しました。
記事広告を導入候補者の目線に沿ったテーマで打ち出すことによって多くの検索流入を獲得。また、記事広告からサイトへの導線を用意することで、試用問い合わせ数が増加しました。結果として昨対比7倍の売り上げを達成しています!
成功事例⑤ songdream/SNS広告
富士家具工業が運営するインテリアEC「songdream onlinestore」
富士家具工業が運営するECサイト「songdream onlinestore」では、ウォールナット材という木材を主体にしたモダンインテリアブランド「songdream」を展開しています。
Instagramのストーリーズやフィード投稿に積極的にショッピングタグを使用して自社ECサイトへの導線を作っているほか、ショップ機能のコレクションをカタログのように活用し、利用者が見やすいようにまとめています。
また、商品カテゴリーごとにコレクションを作成することで、利用者はカタログを見ているのと同じように、商品の比較がしやすくなっています。
その結果、ECサイトへの訪問数が前年比3.4倍となっています!
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今回はWeb広告の中でも特に重要な3つのタイプの広告の特徴、そしてさまざまな広告運用の成功事例について取り上げました。
自社に合った広告を見極め、組み合わせ、上手に活用することで、大きな費用対効果を得ることができます。
※このコンテンツはWebサイト「ネットショップ担当者フォーラム - 通販・ECの業界最新ニュースと実務に役立つ実践的な解説」で公開されている記事のフィードに含まれているものです。
オリジナル記事:EC売上アップに効率的な3つのWeb広告とは? 広告運用の基礎知識+事例まとめ | 「ECタイムズ」ダイジェスト
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