一般社団法人日本サブスクリプションビジネス振興会が行った「日本サブスクリプションビジネス大賞2022」(最も成長を遂げたサブスクリプションサービスを表彰するアワード)で、グランプリを獲得したのは電波の届かない山の中でもスマートフォンで現在地がわかる登山地図GPSアプリ「YAMAP(ヤマップ)」。登山者のビッグデータを活用し、遭難発生時の迅速な救助に貢献しているという。
「日本サブスクリプションビジネス大賞」は「お得」「悩み解決」「便利」「新規性」「成長性」「安全性」の6要素で審査し、受賞サービスを決定する。日本国内のサブスクサービスを振興するとともに、新たなサービス創出のきっかけ作りを目的として設立された。エントリー企業のなかから、振興会やサブスクリプション業界発展のために振興会が任命した「公認サブスクリプションアンバサダー」が審査し、受賞サービスを決定した。
グランプリ
登山地図GPSアプリ「YAMAP(ヤマップ)」
https://yamap.com/(画像は「YAMAP」サイトから編集部がキャプチャ)
基本機能は無料。活用頻度の多いユーザーには登山地図を無制限で使えたり、ルートから外れた際に警告したりするサブスクリプション型の有料プランを提供している。登山者のビッグデータを活用し、遭難発生時の迅速な救助にも貢献。ユーザー同士の集合知により、情報が更新され続ける「共助」の仕組みを成り立たせている。
「YAMAP」の機能について(画像は「YAMAP」サイトから編集部がキャプチャ)
「YAMAP」サイトでは読み物などのコンテンツも配信している(画像は「YAMAP」サイトから編集部がキャプチャ)
長引くパンデミックなど、不安定な社会情勢のなか、いま、登山・アウトドアなど自然のアクティビティの価値が社会的に見直され始めている。私たちのこれからの使命は、自然でのアクティビティが単なる流行りで終わらず、文化として社会に根づくよう広めていくこと。そのスタンスを明確にする意味をこめ、2022年8月「地球とつながるよろこび。」というパーパス(企業の存在意義)を新たに掲げた。
今後、ヤマップは「地球とつながるよろこび。」を実感できるアクティビティとして、登山・アウトドアの価値向上に努めていく。山に親しむ人の数を増やすだけでなく、山の楽しみ方の多様性を伝え、登山者のためのサービスから、自然を愛し、流域を単位に生活圏・生命圏を作り直そうとする人たちが集い、実践する場へと発展するよう、挑戦を続けていく。(ヤマップ 代表取締役CEO 春山慶彦氏)
シルバー賞
オンライン診療で低用量ピルを処方「mederi Pill」
https://mederi.jp/(画像は「mederi Pill」サイトから編集部がキャプチャ)
生理にまつわる不調や悩みを抱えている女性と産婦人科医をマッチングするプラットフォーム。オンライン診療で低用量ピルを処方し、最短翌日にポストに届く。初月は無料で、2か月目以降は月額2970円(税込)から利用料金が発生する。
サービス利用の流れ。プランは「毎月お届け」「3ヶ月おまとめ」「6ヶ月おまとめ」の3プランから選べる(画像は「mederi Pill」サイトから編集部がキャプチャ)
「mederi Pill」の特徴(画像は「mederi Pill」サイトから編集部がキャプチャ)
2022年1月から始まったサービスで、現在7万シート以上のピルを自宅に届けている。これからも忙しい女性が簡便に日々の不調をケアできるサービスを通じて、1人でも多くの女性が望むタイミングで妊娠・出産・キャリアを実現して、より生きやすく、暮らしやすく、働きやすい社会に貢献していきたい。(mederi 代表取締役 坂梨亜里咲氏)
ブロンズ賞
エンタメ定額遊び放題サービス「レジャパス」
https://lejapass.com/(画像は「レジャパス」サイトから編集部がキャプチャ)
遊園地、テーマパーク、水族館、動物園、温泉、サウナ、キャンプ場など全国120以上の有料施設を月額1980円(税別)から利用できるサービス。毎月の利用上限はなし。月額プランのほか年間プランの「年パス」も用意している。
「レジャパス」の月額プランについて(画像は「レジャパス」サイトから編集部がキャプチャ)
施設利用など条件に応じて貯められる「レジャコイン」制度も(画像は「レジャパス」サイトから編集部がキャプチャ)
レジャーのサブスクサービスということで一見相性が悪そうに見えるが、前職でレジャー施設を経営していた経験から、来場は1回目のハードルが高いことを実感しており、コロナで集客が難しいという体験をしている。初めての体験を「レジャパス」を使って定額制で色々楽しんでもらうことをめざしてきた。(ORIGRESS PARKS 代表取締役社長 吉武優氏)
特別賞
パーソナライズされたクラフトビールの定期便「Otomoni(オトモニ)」
https://otomoni.beer/(画像は「Otomoni」サイトから編集部がキャプチャ)
季節、届けたい体験、限定ビールの発売、ユーザーの好みなどに合わせて、飲み比べセットをセレクトしたクラフトビールを配送する。配送は隔週に1回、6本で、利用費は月額4378円(送料、税込)から。無料・無制限でスキップ機能を利用できる。
子ども靴のサブスク「Kutoon(クトゥーン)」
https://kutoon.net/(画像は「Kutoon」サイトから編集部がキャプチャ)
月額2100円(税込)から子ども靴をレンタルできるサービス。NIKE、asics、New Balanceなどのメーカーを中心に2000足以上のなかから選ぶことができ、汚れてもそのまま返却が可能。
パーソナライズサプリメントサービス「Suppleno(サプリノ)」
https://suppleno.com/(画像は「Suppleno」サイトから編集部がキャプチャ)
生活習慣や食習慣、健康・美容の悩みごとなどの簡単な質問に回答し、その分析結果からユーザー1人ひとりに最適なサプリメントを提供するサービス。1包に4種類のサプリメントが入っており、月額2700円(税込、送料別)で利用できる。
クラフトビールが家庭用サーバーで届くサービス「DREAMBEER(ドリームビア)」
https://dreambeer.jp/(画像は「DREAMBEER」サイトから編集部がキャプチャ)
「DREAMBEER」専用の家庭用ビールサーバーをレンタルして、全国130銘柄以上のクラフトビールが届く会員制サービス。ドリームビア選んだオススメビールが届く「おまかせパック」と、好みの銘柄を指定し、毎回同じ組み合わせで届く「セレクトパック」のプランがある。
山のサブスク「MOKKI NO MORI(モッキノモリ)」
https://mokki.jp/(画像は「MOKKI NO MORI」サイトから編集部がキャプチャ)
東京・檜原村内各地にある4つのフィールドを時間、回数制限なく利用できる会員制サービス。フィールド内でのキャンプ、会員向けアウトドア講習などを実施している。
食品が不定期に届く「ロスゼロ不定期便」
https://www.losszero.jp/shopdetail/000000000453(画像は「ロスゼロ不定期便」サイトから編集部がキャプチャ)
規格外品・過剰在庫の食品が2か月に1度届く食品ロスのサブスクリプションサービス。定期購入価格は5000円(税込)で、商品は選べない。
規格外野菜の宅配サービス「ロスヘル」
https://losshelp.jp/(画像は「ロスヘル」サイトから編集部がキャプチャ)
規格外の野菜を一般小売価格より最大35%安く消費者に販売するサービス。野菜は1か月に1回届き、世帯人数などに応じて3種類のプランから選べる。
対象店舗で毎日1杯無料のドリンクが飲める「1ドリンクサブスク」
https://1drink-subsc.jp/(画像は「1ドリンクサブスク」サイトから編集部がキャプチャ)
利用ユーザーが加盟店で600円(税抜)以下、または店舗が指定したドリンクを1加盟店あたり毎日1杯無料で飲めるサービス。月額利用料は550円(税込)。
テモナ賞
フードロスのために食品が最大無料で購入できる「トクポチ」
https://tokupochi.com/(画像は「トクポチ」サイトから編集部がキャプチャ)
フードロス削減のために、定価の60%の価格から食品を購入できる会員制通販サイト。缶詰、飲料、お菓子、調味料など8つのカテゴリーに分けて商品を販売している。商品はサイトに掲載されてから4週ごとに一定の割引率で割引される。
プランごとの商品割引率の違い(画像は「トクポチ」サイトから編集部がキャプチャ)
会員プランは、年会費1560円+月額130円(それぞれ税込)の「スタンダード」と、年会費3960円+月額330円(それぞれ税込)の「プレミアム」の2つ(画像は「トクポチ」サイトから編集部がキャプチャ)
サイトの運営費をすべて会員費だけでまかなっており、小売業としての中間マージンは一切受け取っていない。そのため、食品を提供するメーカーは高い現金化率を実現できるという。
「トクポチ」の受賞理由について、沖崎真悟氏(テモナ 執行役員)は「サービスの共感度が非常に高い点」をあげた。「需要と供給のバランス、売れる商品と売れにくい商品のバランスを調整している点、2021年に「マクアケ」において数千人規模の支持を得ていることから発展のポテンシャルを感じている」(沖崎氏)。
サブスク振興会特別賞
月額定額でオーディオ機器をレンタルできる「オーディオサブスクのONZO」
https://onzo.co.jp/(画像は「オーディオサブスクのONZO」サイトから編集部がキャプチャ)
月額1860円(税抜)から定額でオーディオ機器をレンタルできるサービス。レンタルした製品は自宅に配送される。「借りる。試す。買う。」がコンセプトで、試して気に入った商品は購入もできる。5つのプランから選択できる。
サービス概要(画像は「オーディオサブスクのONZO」サイトから編集部がキャプチャ)
プランの詳細について(画像は「オーディオサブスクのONZO」サイトから編集部がキャプチャ)
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オリジナル記事:成長しているサブスクリプションサービス13選。アワード受賞サイトに見る「成長性」「新規性」などが評価されたビジネスモデルとは?
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