原油高や原材料価格の上昇、円安進行などのコスト上昇が企業経営を直撃している。
東京商工リサーチが価格転嫁に関する企業アンケートを実施したところ、「価格転嫁できていない」企業は約7割に達した。販売やサービス提供の価格への転嫁に苦心する企業が多い実態が浮き彫りになっている。
全額転嫁した企業は4.2%(165社)にとどまる。規模別では、「転嫁できていない」は大企業が73.0%(449社中328社)に対し、中小企業は68.1%(3451社中2351社)。大企業が中小企業を4.9ポイント上回り、価格転嫁に苦慮しているようだ。
価格転嫁の状況
「価格転嫁できていない」と回答した企業を業種別で分析したところ、トップは受託開発ソフトウェアや情報提供サービスが含まれる「情報サービス業」で90.7%(108社中98社)。旅行やブライダルなどの「その他の生活関連サービス業」が90.4%(21社中19社)が続いた。
価格転嫁できていない業種
コスト吸収について、16.9%の企業が現状より10%以下のコスト上昇で、営業赤字に転落すると回答。規模別では、大企業(資本金1億円以上)が13.1%、中小企業は17.3%だった。一方、29.0%の企業が「すでに赤字」と回答した。
コスト吸収の状況について
「すでに赤字」と回答した企業を業種別で分析すると、比率がもっとも高いのは「繊維・衣服等卸売業」で46.4%(28社中13社)。「道路貨物運送業」の46.3%(69社中32社)、「輸送用機械器具製造業」の43.7%(32社中14社)、「印刷・同関連業」の38.4%(39社中15社)と続いた。
すでに赤字の業種について
調査は、2022年4月1日〜11日にインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答3900社を集計・分析した。
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オリジナル記事:企業を直撃する原油高、原材料価格の上昇、円安進行などのコスト上昇。「価格転嫁できていない」は約7割
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