千趣会の2021年12月期連結業績は、売上高が前期比12.2%減の731億4900万円、営業利益は3億4900万円(前期は3億8900万円の損失)、経常利益は5億2000万円(同38億円の損失)、当期純利益は3億800万円(同39億4600万円の損失)だった。
セグメント別は、通販事業の売上高が同4.7%減の643億2500万円、営業利益は同66.1%減の8億4900万円。売上原価率は前期と同じ50.2%、販管費は同0.6%増の311億7000万円だった。
通販事業の主要KPIを見ると、2021年の購入会員数は248万3000人で前期比45万4000人の減少。新規購入会員数は59万6000人となり同11万8000人の減少だった。
通販事業の業績(千趣会のIR資料から編集部がキャプチャ)
売上高、営業利益、購入会員数、新規購入会員数が減少したのは、コロナ禍で2020年12月期は大幅な需要増により主要数値が拡大したため。2019年と比べると、各種数値は大幅に増加している。
通販事業「ベルメゾン事業」の重点取り組みは、「会員基盤の再構築」「商品力・提案力の強化」「オペレーション改革」の3点。
「会員基盤の再構築」では、2020年12月期に大きく増えた新規・復活会員の継続購入促進を中心テーマに施策を展開した。「継続会員の客単価UP」を重点目標に設定し、会員基盤全体のアクティブ化を促進。継続購入会員数は127万9000人となり同5万4000人の増加となっている。1件当たり受注単価は同2.7%増の9072円だった。
「商品力・提案力の強化」では、「ベルメゾンの看板商品創出」に向けての商品開発を推進、マーケティング戦略・販売促進策を強化した。コロナ禍における顧客ニーズ変化(家具からインテリア小物へ需要シフト)に対応することで、型当たりの売上高80万7000円となり、コロナ禍以前の2019年比で11万9000円増加した。
「オペレーション改革」では、商品原価率、プロパー消化率、値引き率、残品率等のKPI管理運用の精度を向上。QCD改善活動の持続的取り組みによるオペレーションの向上と調達関連コストを削減した。この結果、売上総利益率は49.8%となり、改革前の2018年の38.9%から大きく改善している。
2021年12月期の取り組み(千趣会のIR資料から編集部がキャプチャ)
千趣会が策定した2021年12月期から2025年12月期までの、5か年の新中期経営計画(中計)では、通信販売事業を中核とした“独自の共創モデル”に変革することにより成長を実現していく方針を掲げている。
中期経営計画(千趣会のIR資料から編集部がキャプチャ)
千趣会は今後の方向性について、以下の取り組みを推進していく。
- 顧客とのつながり方や提案方法を、時代に即したデジタル活用により変革する(DX推進)
- 顧客に寄り添い、多様なライフスタイルに応える商品と役立つサービスを提供する
- サステナブルな社会の実現に向けて、顧客とともに社会課題の解決に取り組む
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オリジナル記事:千趣会の通販事業はコロナ需要が一服で減収減益、会員基盤の再構築で継続購入客が増加【2021年12月期】
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